La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

ポルカン

2023年02月23日 | ユカタン諸々

しばらくキビ売りの東大寺が来なかったので心配していたが、こないだ保健所に行ったとき売り声が聞こえたので捕まえた。よかった! 廃業したのかと心配していた。

うちの方にまで足を延ばしてなかっただけらしい。いや、来てよ。で、廃業どころか新メニューが増えていた。ポルカン。

 キビ(中央と右)、ポルカン(左)

 こんなの。

前にメリダで一回食べたが、あまり印象に残ってない。でもこのキビ屋はメリダのより美味しいので買ってみた。面白い形だねと言ったら、これが普通なんだという。

カンっていうのはマヤ語でヘビです。チチェン・イッツァのあの春分秋分にピラミッドを這って降りてくるというヘビの神さま、あれ、ククルカンというんですが、そのカン。カンクンのカンもそう。で、ポルは頭という意味らしい。なるほどヘビの頭ですか、見えるような見えないようなw。けどメリダで食べた平べったい、薄いコロッケみたいなのよりはヘビである。

  中に豆。

生地はトウモロコシの粉とラード。ふーん、美味しい。

キビと同じく、キャベツとハバネロをライムの汁で和えたものが付け合せで、一口ずつかじるという。

 のせた。

いやー、これは美味しい。

うちは特に豆のファンというわけじゃない(ほら、良質なたんばく源だとかああとか)んであまりこういう食べ物を注文することがないが、これは美味しい。ここのキビ屋からだったら、いつでも買いたい。

キビ同様、メキシコの他の州に住んでいる人たちは知らないようだった。調べた人が、白い豆じゃないかと言ってたが、白と茶色と2種類あって、白い豆は非常に珍しく高価なので、もちろん村人は茶色い普通の豆を使う。形も、調べて出てくるレシピのはみんな薄い丸型だが、これは昔から作ってるんじゃない人のレシピが大量に出回っているという、ネットでよくある話ですね。

ちなみに、ポルカンのことをピエドリータ(スペイン語で小石)とも呼ぶ。村の人曰く、実は別物で、ポルカンの方が柔らかいらしい。


隣地の新築工事

2023年02月23日 | 新築

うちの庭じゃなくてお隣さんと反対側の隣の土地なんだが、整理しやすいようにこのカテゴリに入れる。

引っ越してきて以来、憩いの緑地を我が家だけでなくそのへんの野良犬やあとから建った貸別荘に提供していた土地が売れて、とうとう家の建設工事が始まった。一時は緑地確保のためにうちで買おうかと話を進めていた土地。

 我が家の一階屋根からみたところ。小森。

アメリカ人の引退婆さんが買って、厳しくなった開発許可申請を取り、ようやく着工。買ってから2年くらい?経ってるが、ここは固定資産税がめちゃくちゃ安いので、住んでるところの家賃を払い続ける以外、大してデメリットはありません。現金が手元に残るわけだし。

うちと同じような感じの工事かと思うが、現場監督と話したら、彼も含め隣のキンタナローから出張って来ているとのこと。建築士の取引先なのか、建設ラッシュのユカタンで作業員が見つからなかったか。

そのせいではないと思うが、うちとのギャップがすごい! 似たような工事なのに、まったく作業が進んでいかないw

 とりあえず伐採が進む。6人が2日がかりでここまで。

うちでは現場小屋を建てるのと伐採でほんの2日。初日は視察目的で来た2人だけ、すぐ帰ったから実質1日。3日目にはガンガン基礎の岩を入れる穴を掘っていた。

 まだ終わってないのに穴を掘り始めた。

奥の方の伐採ゴミ、どうするんだろ?w

 やっと終わったと思ったら資材搬入。

それまで見ていて「あまりよろしくなさそうな作業チーム」であることはわかってたが、作業しづらそう〜なところで基礎の穴掘り開始。それが遅いのなんの。我が家のときの記録がこのブログの2016年7月から残っている。印象だけでも違ったが、確認したらやっぱり全然違う。おまけに位置を間違えたそうで、いらん穴掘り(4メートルくらい)+いらん砂山(じゃま)というダメっぷり。

 掘り出したきれいな砂。

あまりにじゃまそうだったので、猫砂用に少しもらう。

  飯場。

初期からずいぶん豪華なかまどだねw。うちのチームは、最初ブロック2、3個でとりあえず火だけ起こせるようにしてたのがだんだん風除けとか進化していったけど、ここまでは。。。

 昼食時の3時間前から若い者がつききり。

なんとももったいない(労力が)w


ケーキ

2023年02月13日 | ユカタン諸々

倶楽部を閉めてずいぶん経つんだが、FBのページは閉じてない。何も用がなくてもとーきどきメッセージが来るので面倒と言えば面倒なんだが、日本語の生徒募集や単発イベントをするときに使いたいのでそのままにしてある。で、最近、ケーキ屋をしてるんだが会ってほしいと言われて、メリダまで会いに行ってきた。

中南米中?で、日本のふるふる揺れるスフレケーキの動画が拡散して、パンハポネス(日本のスポンジ)と呼ばれて人気になっている。日本倶楽部を選んで言ってくるんだから、どうせその作り方を教えてくれという話だろうと思っていたけどそうじゃなさそうで、かつ結構熱心に何度もメッセージを送ってきた。会う日が決まったら、味見してほしいから持っていく、バナナ味とチーズとどちらがいいか?とまで。

40代前半くらいの女性で、コロナで店舗は閉めて今はメキシコによくある販売形態「注文に応じて自宅で作って届ける」だという。パンハポネスを売りたいんじゃなくて、自分が作りたい柔らかいケーキが日本では主流だと思っていて、日本人のインプットがほしいと。彼女のFBページ

それでもらってきたケーキは、ユカタンに来て以来7年以上ご無沙汰だった、日本の普通のスポンジであった。

 スフレケーキの高さ。チーズクリームがけ。

感動した。久しぶりということもあったけど、とにかくここではお目にかからない柔らかさ。ここのケーキは、パンハポネスと称しているものでも、高さが10センチ以上あるだけ。皿を持って必死に揺らした動画をつけて宣伝してるが、大概スポンジ自体はここのケーキと変わらないずっしり系である。ちなみに、ケーキミックスか何かで作ったようなスカスカなのはある。

原因はここの小麦粉。日本のように強力粉・中力粉・薄力粉と分かれていない、英語でいうオールパーパスなので、パンもピザもパスタもケーキもこれで作る。凄いっちゃ凄い。友達の娘(やはり個人でケーキを作って売っている)に教わった作り方は、卵をこれでもかと入れて膨らませるやり方だった。かつスポンジにいろんな濃度のクリームで作ったトレスレチェ(3種のミルク)というケーキだったので、食べるときにはしっとりどころかクリームに浸っていた。膨らまし粉やイーストを使う人も多い。

いやー、感動した。美味しかった。いろいろ話して、勉強になると喜んでいた。改良計画につきあってくれとのことで、また何回か会うと思う。我々は実際ここに住んでるので、モンブランとかレアチーズケーキとか、日本では普通でもここにはないケーキの話題では「どうしたらできるか」みたいな話になる。高い輸入品頼りじゃダメですから。で、そういう会話から、ケーキへのアプローチ自体が微妙に違うんだな〜とわかった。

 彼女が売ってるケーキ。美味しそう。

それで、こういうタイプでハート形の型を探している、中国製は品質が悪いので避けたい、なんとか日本から輸入できないかと言われた。まず、日本でハートの真ん中に穴が空いてるのってそんなに印象よくないからないんじゃなかろうかと思った。次に、彼女のスポンジはここでは驚きの柔らかさだが、日本だとショートケーキなんかの普通のスポンジなので高さがあるという発想がない。案の定、日本のアマで探したがなかった。

面白かった。面白いのでまた会う。

ーーー

続いて村のパン屋。

 自宅の裏庭に工房。

…というか、焼く機械を入れた小屋。もちろん注文お届け式。写真で見たら美味しそうだったが、念のために実物を見るのと、どんなところか興味があったので行ってきた。

 ユカタンのパン、パン・フランセス。

 亀という名のパン。

表面の少し甘いところが、ユカタン以外のとこだとちょっと違う。

 いろいろ買ってきた。

 晩御飯のお供にする。

こちらも美味しかった。村のパン屋で一番美味しい。ここはやめたり始めたり商売替えしたりがしょっちゅうなので、基本的に一期一会、FBでその日に見た「今日これ作るよ〜」を見るタイミング次第で、食べられるかどうか決まる。まぁ、美味しいところは生き残るんだけど。