La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

隕石博物館

2022年10月28日 | ユカタン諸々

ジュラシック遊歩道に続く、プログレソの「チシュルブ売ったるぞ」計画第2弾、隕石博物館に行ってきた。計画の発表自体は遊歩道より早かったので楽しみにしていたが、老親がいた4月までに出来上がらず、確か8月ごろに開館したと記憶する。

植物好きな老父が「分布→地層→大量絶滅」という流れでチシュルブに興味を持っていたので一緒にいったイベントがこちら。もっと前に来たときも、サイエンスパークにそれらしき展示があるというので行ってみた。そのときは「移動するので臨時の展示」と言われたんだった。

  CGはきれい。

結論から言うと、まったくの期待外れだった。このあと写真を撮る気もうせた。時代も何もごっちゃのちゃちな恐竜パーク。せっかく連邦からも金を出してもらって、大量絶滅のきっかけとなった隕石落下の中心点チシュルブを売り物にするのに、なんでこういうことをするかな。お遊びは遊歩道でいいじゃんか。

おまけに入場料も安くない。まぁ、連邦に払う分が多いのか。ユカタン以外からの人は250ペソ(週末は確か350ペソ)。トイレも有料。展示会場内にあるタブレットとヘッドフォン使用の追加情報も、有料だった。ちなみにプログレソ市民(あたし)は無料だったけど、そういう問題じゃないんだよ。金払ってもいいからちゃんとしたものを見学したいんだよ。

検索してもらうとわかります。こんな感じ。建物外観の写真が多いのは、最近どこかのウェブ建築雑誌でデザインアワードにノミネートされたから。まったくもって下らない。隕石博物館という名前をつけるなよ。マジでがっかりした。

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まぁ、久しぶりに買い物以外でプログレソまで出かけたので、謎を1点。

  歩道に描かれた絵

鯉。きれいに描かれている。目の前の家は、フツーの家だった。謎。

 

続いてうちの近所の謎。

 突如現れたキャビン

屋根は茅葺(茅じゃなくてバナナの葉)だが、ユカタン建築と微妙に違う。壁は丸太でログハウスみたいにしっかりしたのじゃなくて隙間が空いている。ドアはまだない。というか、この土地は長い間売りに出てたんだが、こないだ基礎を造ってたので聞いたら家を建てると言っていた。ここにしか基礎工事はしていない。ここに住むのか? 店にしてもおかしい。謎。

 

ハロウィンなのでおまけ

 ハバネロ。


オンライン茶会

2022年10月21日 | ユカタン諸々

実は2ヶ月ほど前に「あるイベントで茶道(本人の理解はともかく、外国人の言う sado)をしてくれないか」というコンタクトが来て、以前倶楽部に来て茶会をしてくれた友達に伺いを立てていた。この友人はとてもノリが良く、コロナによる日本への入国規制も緩んだので来てくれることになった。

そのイベントはメリダのある新築ビルのお披露目か何かで、他にも出し物があったんだろうと思うが、とにかく、お流れになった。で、友人と相談して別の場所を探したんだが、前からここで書いている仏像ホテルに声をかけてみた。相棒の闘病とコロナですっかり出不精になった(以前にも増して)ので近い方がラクかとw

 現在の仏像ホテル

建設中から何だ何だ?と騒いでいたが(我々が)、最終的に茶色い三角のところがメキシコ中華に毛が生えた感じのレストラン、右のヤシの奥がメキシコ料理&音楽のレストラン、敷地奥にマヤ風コテージが4戸か5戸くらい…という複合施設になった。それだけスペースがあれば、どうにかなるかも…と。

オーナー夫婦の奥さんのほうが日系二世、東洋の神秘(気とか瞑想とかの系統)かぶれで、なるほどそれでなんちゃって仏像なのであった。二世はあんまり関係…というか影響なくて、フツーにメキシコ人。

友人は、元々のイベント日程に合わせてチケット手配済みだったので、1日ずらして土曜開催にしたんだが、1週間くらい前に近くをハリケーンが通過、その後も前線停滞で予報が芳しくない。ユカタン人は雨が降ると途端に出不精になるので、いっそ…とオンラインにしてしまった。

 FBでの告知画像

 友人と助っ人

ティー・セレモニーを披露した後、この「家で楽しむ抹茶」。プラスチックのボウルででもちゃんと点てられるの、さすがとしか…。

ネットが弱いし機材も揃ってないので苦労したが、なんとか。でもやっぱり触って飲んでもらいたい。今度はそうする。あと、いいリハビリになったんで、これからはこちらからも機会を探っていこうと思う。

 アイス。棒の向きに注目。

メリダのショッピングセンターにて。パッションフルーツに、チャモイというメキシコの甘酸っぱいジャム?というかいろんなものにかけるドロドロしたサルサ?で、結構美味しかった。メキシコのアイスといえば、パレタがそこそこ知名度を得てきていると思うが、それの棒も普通に日本と同じ向きで、これは初めて見た。食べるのに特に支障はなし。冷凍庫にずらりと並んだアイスのうち1本を取り出すのは、こちらの方がラクそうだった。目から鱗。

 バニラエッセンス

彼女へのお土産。酒飲みなんでマヤのお酒にしようと思ったが、免税枠は自分で使いたいだろうということで。

ちなみにメキシコではバニラエッセンスをよく使う。ケーキなんか小麦粉の性質の関係で卵をわんさか使うんだが、おそらくバニラエッセンスを結構入れないと卵の味と匂いがきついんだと思う。バニラエッセンスって黒いのしか見たことなかったけど、あれはカラメルで色をつけてるんだそうです。クマリンというバニラとは別の香りづけのための添加物も、入ってないらしい。

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  死者の日の玄関アプローチ

ユカタンの死者の日は、料理も祭壇も映画『リメンバー・ミー』で出てきたようなのとはずいぶん違う。もっと静かで古い感じ。

で、バナナの葉で飾る祭壇はこれまでにもよく見てたんだが、こちらはあるショートムービーで見たもの。ご先祖様が迷わず来られるよう、家の外のアプローチにロウソクを灯すのだという。今でもこういうことする家ってあるんだろうか。内陸部の小さい村だとあるのかも。「メキシコの死者の日」というと、オレンジ色の花とか骸骨とか紙細工とかお菓子とか、やたらカラフルなイメージだと思うけど、本当にずいぶん違う。

このショートムービー、YouTube にあったので、見てください。ナレーションはマヤ語でスペイン語字幕入りのムービー。字幕機能は使えるようなので、ここユカタンの死者の日のイメージがなんとなくわかると思います。

 

El Pib


保守的で穏やかな土地柄

2022年10月10日 | ユカタン諸々

移住先を選ぶにあたり、結構その地のキャラクターというものを重要視した。若い家族なら教育や医療環境も大切な要素だと思うが、齢とったカップルの移住じゃ、教育は関係ないし不便は承知(東京人が住むのに東京に勝るところはない)だし、多少寿命が縮もうがどうでもいい。

それより日々目にすることに負の感情を抱きたくないから、お土地柄は大切だ。経済的なことや気候などで先に移住先の目星はつけたけど、その後できちんと確認した。あたし自身がどちらかというとリベラルじゃないんで、ユカタンは保守的だとわかって、よし!と思ったのを覚えている。反対意見のほうが強くてさらにノイジーだと、暮らしてて嫌になっちゃうんで。

 メキシコから独立していた頃のユカタンの国旗。

愛国ならぬ愛州精神が強くて、この旗は今もユカタンのシンボル的によく使われている。移住当時は連邦政権と同じ党が州政権を握っていたが、うまい具合に、というかユカタン人も嫌気がさして、移住して最初の選挙でもともと強かった中道保守政権に変わった。再選もした。

ここんとこ海外や他州からの移住組が増えてる話はここでよくするが、あくまでもテメエらの生活に密着した話だったので、もう少し一般的な話を。

 他県ナンバーの車が増えた。

そのことに関連して「他州から来た人、運転はお手柔らかにね、ユカタン人はクラクション多用とかしないよ」とメリダ人がFBに投稿した写真 (c) Rosa Burgo Magdaleno。で、その元投稿には「そうね〜」くらいの穏やかなコメントしかついていなかったのが、SNS で話題になってる投稿を紹介するページ?みたいなのに出た途端、そちらのコメント蘭でバトルになった。

他州人のコメントは「わかる」という穏やかなものからから「好きなところに住めるというのはメキシコ人としての当然の権利、黙れ!」という攻撃的なものまで。ユカタン人のコメントは、「確かに…」が多く、「どんな人でも受け入れるのが真のユカタン精神」に結構な賛同、「そうだ! 来んな!」がちらほら。

他州人同士では、「発展したかったら受け入れろよw」vs「静かなところで暮らせればそれでいいんだから、余計な挑発するな」。ユカタン人同士では、「投資はありがたいんじゃない?」vs「発展したいなんて誰が言った?」。

「ウーバーやってるけどユカタン人も運転マナー悪いよ」には、「ユカタンナンバーに付け替えたよそ者かもしれない」「メリダだけw」など。これに関しては、交通量アップだけでは説明がつかないほど、走っててわかるトゲトゲしさが増したんで、個人的に他州人ドライバーの影響は大きいと思う。

こういう、知り合い以外の人のコメントを読むのは、実に参考になる。世界中のリベラル対保守の縮図ではあるものの、移住者として「どっちが過激か」つまり「パヨクが強いか、ネトウヨが強いか」や「穏健派であっても比較的リベラルか保守のどっちか」は気になる。

 州公安のトップと知事 (c) Progreso Hoy

大統領がこのトップの功績を認めたというニュース記事があった。メキシコは公安と警察と検察と軍が複雑に絡み合いながら「公共の治安」を守ってる状態で、連邦の政権もいろいろ改革案を出すんで、ニューカマーにはハッキリ言ってどの部署が何やってんのかよくわからない状態だった。で、この公安トップは、その四者をまとめて、ユカタンは安全という実績を出しているお方。州政権が変わっても3期にわたってトップを務める功労者である。人気も高い。

世界一安全な国から来た者としては、住民がどういうふうにどれだけ安全にこだわるか、しょうがないと諦めるかってのは大きいと思う。わが町は自分たちで…のとおり、そのこだわりが単なるお上への批判になってしまっては、治安なんか守られるわけがない。だから、そういう他州のキャラクターによる当地の変化は、犯罪率などの単純な数字以上に現れる以上に気になる。

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 ユカタンの民族舞踊、ハラナ

メリダの中央広場では、週に一回くらいショーがある。

 その原型(あるいは発展途上)

70年くらい前に撮られたビデオを見ると、なんというか土人っぽい。火の回りや酋長を囲んで…みたいなかわいらしい動きで、見慣れた現在のスタイルとはずいぶん違う。

我々が来た当時、上の写真の女性たちの髪飾りは、こんなにでっかい花じゃなかった。服の刺繍部分もだんだん大きくなっていて、だんだんケバくなる。伝統的な者じゃないと文句を言う人が結構いる。今のは、よく言えば華やか、悪く言えばウケ狙いを感じる。

なんというか、上の話と関係して、外からの誘致に熱心な動きとそれに抗う人々の反応というテーマを、最近よく目にするようになった。特に、人口増えるのはいいけどインフラどうすんの?という意見は多い。我々は「メキシコの田舎を選んで」来たんで、停電や断水やゴミが増えてよそから来る人が嫌がる(そして帰っていく)に越したことない…とまで思うようになった。停電は1週間、断水は4ヶ月耐えたからなw