隣の州政府広報。
隣のキンタナ・ロー州は以前から中央政府寄りで、そのため中央政府の正書法に基づいてハナル・ピシャン(マヤ文化での死者の日の食事、死者の日そのものも指す)を Hanal でなく Janal と書くのが正しいと言っている。スペイン語ではHを発音しないので、メキシコ人にとって正しく発音しやすくしようと思えば、Jになる。でもユカタンでは長年Hを使ってきた(キューバのタイノ語との関係もあるとかないとか)が、今年は政党が変わって中央の与党の知事になったので、J表記が増えた印象を受ける。
死者の日でござる。去年は引っ越すほんの少し前だったので、今年はディープ・マヤの死者の日を堪能するぞ!と期待ガンガンであったが、思ってたのといろいろ違ってそれはそれで面白かった。
マヤ文化圏の本当の死者の日には、ガイコツは登場しない。あれはメヒコのものである。ユカタン文化グループでは、毎年ガイコツを取り入れることはいいだのダメだのと議論している。ユカタンの伝統的な死者の日では、祭壇は家の中に作って厳かに死者の魂を迎える。
だから村の様子も普段とあまり変わらない。ただ、近所の人たちに聞くと、近くの村に住む親戚んちに行ったり、いろいろ準備で忙しいという。マヤ文化グループで「祭壇は見世物じゃない」という議論があったが、まさにそういう感じがする。ただ、夜には親戚で集まってワイワイやっているのか、どこからともなく爆竹の音が聞こえる。
爆竹もうるさいが、それより衝撃的だったのが、祭壇コンテスト。海辺の村では、移り住んだ当初はマヤ式のが数個といった感じだったが、年々メヒコ色が強くなってガイコツだのオレンジ色の花などを使うことが増えて、かつ見世物度も上がっていった。が、うちの村の役場でコンテストがあるというので、よーし、今年は久しぶりに厳かなマヤの祭壇を見るぞ!と勇んで出かけていった。
マヤ式の祭壇がいくつか並んでいて、そのどれもが正当マヤ式…ってな静かな展示を想像していったんだが、見事に裏切ってくれたw。大勢の村人、子供の数が半端ない。どう審査するのか知らないが、マイクを持った役場の人?が順番に回って、各製作者グループの代表が祭壇つくりのコンセプトなんかをスピーチする。その間も、どんどん見物客が増え、子供達が走り回る。
配るというか、見物客が祭壇の上からどんどん好きなものを取っていく。なくなると製作者が奥から出してきてまたどんどん並べる。
食べ物を漁りにいくようでちょっと嫌だったが、肝心の祭壇を見たかったのでちょっと回ってみた。
後で聞いたんだが地元の小学校などが出場していて、祭壇そのものの様式はそれほど重要でなく、作るという伝統を守るための学校行事に役場が一役買っているという感じらしい。田舎の村にはこれといった娯楽がないが、自分たちでいちいちイベントにしてしょっちゅう楽しんでいる。ディープ・マヤ感ゼロだが、これはこれでここらしいなと思った。ってか、これは30日のイベントで、31日には学校でまたちゃんとした死者の日のイベントをし、1日は各家庭で故人を偲ぶらしい。
奥まで入って見てけ!食べてけ!と囲まれて、死者の日の甘いお菓子なんかを次々と勧められて、最後には
グレープフルーツとみかんとオレンジをこんなにどっさり。
死者の日の甘いお菓子というのは、有名なメヒコの死者の日だとこんな感じ。だいたいがマジパンでドクロや食べ物に成形したもの。ユカタンだとこんな感じ。果実を甘く煮たものなどもある。シリコテ(ギターの材料になるジリコテの実)のが美味しかった。ここのマジパン菓子の特徴としては、かぼちゃの種を挽いた粉を使っていること。
ところでちょっと日にちが前後するが、死者の日の週が来ても、FBで関連グッズ(ひょうたんの殻で作ったお椀やろうそくなど)の販売が盛んになっる以外、あまり村の様子は変わらなかった。メキシコの死者の日をググると出てくるようなこれ見よがしな飾りとは無縁。
隣のマリアは関連グッズをどこかで仕入れてテカシュ村まで売りに行くと言っていた。日を追うごとに、お菓子を売る人も増えてきた。そういう関連ものでゲットしたのがこちら。
えー、チョコレートの発祥はここ中南米で、甘い板チョコじゃなくて苦い飲み物だったというのは、今どのくらい知られているんでしょうか。我々はメキシコに来てすぐウシュマル遺跡に行ったとき、近くのチョコ博物館で知って、ついでに試飲もできた。苦かった。
さすがディープ・マヤだけあって、村の人たちはタブリヤという板状のもの(チョコレート飲料の素)を手作りして売っている。作るところも見たいがまだ家のあれこれ(留守中まったくされてなかった掃除とか、ようやく食器棚が来るとか)で忙しいので、とりあえずブツだけ。年中ときどき売りに出ているが、死者の日にお供えする/振舞われる食事の一部なんだろうか、この時期はめちゃくちゃ多い。カカオとその他材料の複雑な香り。これを湯で溶いて飲むと言われたので、まずはその通りに。
そして苦い。役場が売っていた死者の日のお菓子と、ものすごく合う! 友達には甘いパンを食べながら飲むと美味しいよと言われたが、パン程度の甘さではイマイチというか、これは日本のお薄とまったく同じように、ちょっとの量の甘いものの後にめちゃ苦いものをゴクッと一口いくのがいい。まだ残ってるので、次回は茶会みたいにセッティングしてちゃんと飲もうと思う。
青い皿のはサポティートという。祭壇コンテストで人に揉まれて潰れてしまったが、本当は博多のひよこみたいな形をしている。
他のマジパンもかぼちゃの種が入っていればそう呼ぶらしいが、うちの村では正確にはこの形のものを呼ぶらしい。なぜこの形なのかはこれから聞く。
チョコレート飲料の上に写っているせんべいみたいなものは、かぼちゃの種そのものを砂糖などで固めたもの。アーモンドみたいに後を引く味。これまた苦いチョコ飲料に合う。
こちらは「うっ、苦い!よく知ってるチョコ飲料じゃない!」と感じる前に脳がミロだと認識して、非常によろしくなかった。二度とやらない。
ユカタンの片田舎には、死者の日のパンは登場しない。その代わり、なぜか大きいサイズのパンが出回る。お供えした後みんなで食べるんだろうか。
希望者が一緒に写真を撮れるように歩き回っていた。役場が雇ったのであろう。それにしても、本場メヒコのガイコツにも、こんな丑の刻参りみたいなのがいるんだろうか。
最後に、祭壇という言葉は墓そのものを指すようで今ひとつピンとこなくてずっと盆棚と呼んでたんだが、キリスト教では何かするときの台のことを祭壇と言うんですね。でも、マヤの祭壇は日本の盆棚とコンセプトがまったく同じなので、個人的にはあれは盆棚だ。
ディープ・マヤでしかありつけないマヤ料理で、牛の内臓以外のいろんな部位を、牛自体から出る脂で揚げる。前回は現場飯で食べた。ちなみにディープ・マヤ以外でもありつけるマヤ料理は、コチニータピビルとかポクチュクなどです。
牛を一頭落として肉も売っていたので、大きい塊を買った。マヤ人は煮込みにすることが多いので、骨やいろんな部位が入っているお得袋で買うのが好き。我々は普通に料理に使う。まずはカレーか。シシュは、前回考えたように今晩ワサビを効かせたシシュ丼にしてみる。
ナンセが採れたのでこちらに書いたように「基本的に好きじゃないが、美味しい食べ方を探る」実験をしようとしたところ、なんとシロップ漬けやリキュール漬けにあるような苦味というか臭みがない。これならまぁ…というより別物である。そうはいってもメキシコには美味しい果物があるので飛びつくほどってわけじゃないが、特に不味くはない。ほんのり甘いバター風味がする。
拍子抜けしたので、まずはあの不味さの原因を探ったところ、
黒くて硬い種の実は美味しくて、種が赤かったり周りが赤くなっていると臭みがある。ただ、黒い赤いは熟し具合とは違うようで、未熟なら黒い/赤いというわけではない。実の柔らかさからすると、おそらく樹上で完熟したか、その前に落ちたか…で差が出ると思われる。完熟して落ちたばかりという実が美味しくて、追熟はダメっぽい。こんな小さな実がバラバラと採れて、当然選別などしないから、不味いものが混ざるのであろう。それにマメイと同じく、追熟で味が変わるんじゃなかろうか。面倒臭いんで煮ちゃえ漬けちゃえというのは、いかにもメキシコらしい。
で、普通に美味しいので
やっぱりバターっぽい味がする。砂糖を足せば、ミルクセーキと変わらないってな味。とはいえナンセ独特の味が少しするので、大人のミルクセーキといったところ。なんというか、バター風味の「濃さ」が気になったのでゴクゴク飲んでいいものなのか念のため調べたら、ナンセは下痢に効くと書いてあった。ゴクゴク飲まなくてよかった。
我が家の定番、餅も作ってみた。杏餅みたいなのを想像して、実を裏ごしして、絞って果汁を少し減らして練り込んだ。出来立ては非常に美味しく、半日経つとナンセっぽい臭みが出たけど草餅レベルの苦味。1日置くと、もう何とか漬けを使うのと変わらない味になる。おまけになぜか餅が緩くなった。
でも元々はあの変な味を活かした食べ方の模索だから実験としては失敗。あたしの想像では隠し味として「普通の押し鮨じゃなくて柿の葉寿司みたいになる」的な使い方がいいんだけど、庭で採れた中から不味いのを選るのがネック。
有名なメキシコ料理のスープじゃありません。本当はポソルといって、オルメカなど古代文明の時代からあったという飲み物の素です。アルカリ処理したトウモロコシの粒を挽いて水と混ぜて作る。で、その素をまた水で溶いて飲む。メキシコ南東部に残っていて、場所によって少しずつ違う。タバスコではカカオ入りが定番らしい。
この辺ではこんなふうに丸いボール状で売っていて、野良仕事に行くとき持っていく。お腹が空いたら、水に溶いて飲む。昔々は旅人がそうしてたそうで、日本の弁当みたいな存在ですね。握り飯とかお腰につけたきび団子みたいだけど、飲み物なところが面白い。お腹の空き具合によって、溶く量(飲む量、あるいは濃さ)を調整するのも面白い。
ユカタンではカカオ入りはほとんど見ないが、ココ入りで既に水に溶いた飲み物状態で売っているトゥクトゥクもある。カップに注いで氷を入れて売る。
まぁ、トウモロコシのジュースなんだが、ほんの少し発酵させてあるのか、かすかに乳酸菌っぽい味がする。沖縄のミキの、酒になる一歩手前っぽい感じ。しかし、トウモロコシで色々作るもんだなと感心する。
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隣のゴミ屋敷から、七面鳥まで我が家に侵入してくるようになった。七面鳥は高く売れるので犬猫や鶏と違ってきちんと世話していると聞いていたが、七面鳥に何の心情の変化が??
鶏、牛に続いて、今度はアヒル。こちらも食用。なんというか、この不規則な突然入手して’きて飼い出すのが、ニホンジンにはよく分からないw。
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岩を運んできた見慣れたぼろピックアップなんだが、これには驚いた。ガソリンタンク(携行用)をガソリンタンク代わりにしている。直結。ちなみにタンクの奥のボウルは、横のオレンジ色の水筒からラジエターに水を注ぐところ。この車が引退する日って、いつか来るんだろうか!?
午前中に相棒と、親方チームにそのままおいて置かれた屋根のコンクリ梁(鉄筋入り、重い!)をどうしようかね?と話していたら、ちょうど午後、道を歩いていた青年が譲ってほしいと声をかけてきた。そうでなくとも、壊れた家電などを買うという車はしょっちゅう通るし、鉄くず集めみたいなことをしている人もいるし、いらない物は家の前に出しておけばいつの間にかなくなっている…というのはメキシコではよくある話である。
どこに売るのか知らないが、他にも我々がいらないものを持ってってくれると言うので、そりゃいいってことになった。まずは軽いものから。軽いといっても、太くて長い鉄筋なんかは我々だけでは1本も持ち上がらないくらい重い。
めちゃくちゃ重いコンクリ梁を運ぶのを手伝ってくれる人を探しにいったがみつからず、梁はうちにご飯の出前に来たおじさんも巻き込んで、なんとか1本載せた。
1人でどうにか載せてどこかへ消えてった。
その夜、またうちに来た。普段、頼んだ出前が来たり興味あることがない限り、夜は道には出ていかない。この辺の夜の道を危険だと思ってるわけではないが、用もないのに出てって余計な問題に巻き込まれるのは御免である。
あんまりしつこいので出てったら、家族で困ったことがあるので助けてほしいと言う。こうなると怪しい。ろくに知りもしない相手に金をねだるのは普通の人間がすることではない。断りながら家の中に戻ろうとしたら、車庫近くまでついてくる。証拠もないのに失せろと言うわけにもいかないので、明日戻ってきたら仕事をやるかもしれないと言ってお引き取り願った。
そこまではよかったんだが、数時間後、家の外でカチャッと音がしたと思って外を見たら、梯子を抱えて自転車で走り出す男の姿が見えた。やられた〜。無造作に置いてあるのをさっき入ってきたときに見たのである。実は、よく使うからと相棒が家の外に転がしてあったのでしまえよと思ってたんだが、することが多いので大目に見ていたのがよくなかった。要は、盗りやすい状態にしておくほうも悪いんだがそれはともかく、ホントに油断しちゃいけませんね。
海辺の村に住んでいた頃、ユカタン州が安全なのはユカタン人の「犯罪許すまじ」感覚が強いおかげだなぁと思うことが度々あった。犯罪ニュースなどを目にしたときの反応が、他の州の人間と明らかに違う。諦めムードってものがない。「悪さするのは他所者!来るな!」とハッキリ言う人も多い(実際そう)。
ところがこの村に来たら、あちこちで「悪い奴がいるから気をつけろ」と言われる。あの家族とは付き合うな…などと具体的に教えてくれる人もいて、だいたいあの家族とやらの評判は誰が言うのも同じなのである。日本でも「近所づきあいが防犯になる」というが、対象が見知らぬ犯罪者なんじゃなくて「村に住んでて細かい悪さを働く奴ら」という感じ。でもって近所の人たちの話を総合すると、悪い家族同士では仲がよくて、普通に村に住んでいる。
結局、ヒルベルトの話では、彼の隣の家(うちじゃないほう)を新しく借り始めた3カップルがよくない奴らで、うちに来たお兄ちゃんはその知り合いらしいということが分かった。そのまた隣とかお向かいさんとか大家とかと話して判ったことらしい。なんとも強烈な口コミというか井戸端会議というか、田舎らしい住民結束社会である。
田舎なんでリンチの習慣なんかも残っていて、子供に対する犯罪とか殺人とか本当に悪いことをすると自分の身が危ないので、そこまでのリスクは負わないし、興味もないんだという。だいたい、酒(酔っ払いは嫌われる)とマリファナ、何かくすねる&そういう情報を共有する程度の悪さ。バレバレなのは気にしないが、現行犯は避ける。
なので、よほどのチャンス(庭に無造作においてあって盗みやすいとか)がなければ、彼らも「知っている近隣住民」には悪いことはほとんどしないらしい。我々は新しいガイジンなので、早くより多くの村民に「完全な近隣住民」だと認められなければならないらしい。同じユカタンでもずいぶん違うなと思った。さすが田舎。
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チシュルブに落ちた「恐竜絶滅の原因となった」隕石が砕けて飛び散った硫黄を多く含んでいて黄色い。岩交じりの砂に混ざっていた。
雨季に入り大繁殖中。近いうちに間引きするなり全部引っこ抜くなりせねば。
がさつなタバスコ女でとても気が合う、Lさんのお母さん。色が黒いのでネグラと呼ばれている。頭のリボンは履いていたズボンを切って作ったんだと思う。色黒だと黄色と青緑の組み合わせなんていう派手な色が似合って羨ましい。
ところで彼女はめちゃくちゃ料理が上手で、昨日出てきたバルバコアはすごく美味しかったが、買ってきたというトルティーヤが「うーん」という味だった。この村に来て粒から作るトルティーヤばかり食べていたので、工場でトウモロコシ粉から作るトルティーヤの雑味が気になるようになったんだと思う。
とにかく「早く新居で落ち着いた」生活を確立しないと、次の計画が始まらない。工事は終わらせたが、本当にいろいろあるもんですね。キリがないので書いておきたいことだけ書く。
内壁の仕上げの雑さがどうしても気になるので手を入れた。色が違うのは明るくて目立ちやすいリビングだけ直していったが、本人たちは「フツーの仕事」をしたつもりになっている仕上げが、ムラがありすぎてどうにも気に入らない。
今思えばマシヤの混ぜ方が雑なのと、バケツの中のマシヤが少なくなってきてもかき混ぜて柔らかくせずにそのまま塗ってた作業員がいたのと、表面を均すのに硬いスポンジを使いすぎて粒々が出すぎたせい。塗り壁なんで「味がある」というかそういうもんなんだが、あまりに凸凹で雑なので、リビング以外のすべての天井と壁をヘラでこすった。
家全体が少し明るくなった。が、降ってきた粒まみれになるし、首や腕が痛くなるし、エライ大変だった。
相棒は、親方チームがする予定だった、蛇口や金具などの取り付けで毎日ドリル。海辺の村で作り付けだった棚やフックなども、ないと物が収まらなくて細かいことなんだがいちいち時間を取られる。おまけに、年寄りなんで午後には力が入らないと文句を言っていた。
暮らすとこ(屋内)を優先してたので、これから敷地内をきれいにしていかなければならない。あと、先週は強力なハリケーン・ベリルが来るというので気が休まらなかった。なぜ休まらないかというと、建設ゴミをまだ片付けていないからである。そこらじゅうに転がってる小さ目の岩も不安材料。なるべく自然なままにしたいんだが、ハリケーンの風で吹き飛ばされたりしないんだろうか。
餌だけあげて放っておいたが、無事住み着いた。が、卵目的のちゃんとした小屋を作らなければならない。
作業員がうちの木から採って手で皮をむいて食べて捨てた、殻付きの種からも芽が出ている。見ただけで10本くらいあるんじゃなかろうか。そんなのはいらないんで引っこ抜くが、マンゴーだけでなくとにかく敷地全体でガンガン芽が出て伸びているので、マジでどうにかしなければならない。
後ろに見えるパイプから、少し漏水している(ずさんな設備工事)のも直さなければならない。その辺に散らばってるのは飛び散らせて固まったモルタルとかだが、他にも型枠にした木材の切れ端とか、山のように積み上げたままの壊れたタイルとか、ずいぶん余った鉄筋とかパイプ(結構な種類と長さ)とかも、片付けなければならない。
でもまあ、借家が快適じゃなかった分、今の状態でも天国です。グラインドで飛び散ったチュクムの粉も、家中の床を水洗いしてなんとかキレイになった。ついでに作業が雑であちこちにこびりついてる各種モルタルや糊なんかも、今取る気になる分だけは取った。
現場として最後までやって竣工引渡しという形だったら、どんな状態まできれいにしてたんだろう。まさか壁中にこびりついたモルタルをいちいち削り取るとは思えない。こういうシミとか、本当に気にならないのか?模様程度に考えているんだろうか。そのくせ、借家のRをつけた窓だの仕切り壁だの宗教系のものだの、飾り付けには熱心なの、本当に理解できない。文化の違いといえばそれまでだが。
あと、出前からは解放されたが(ときどき疲れて頼むこともあるが)、借家よりはマシになったとはいえ、まだ限定的な炊事しかできてない。買ってある食器棚とかが届いて、まだ箱に入っている皿や鍋を収めたら、料理も本格的に再開できる。こういうの、気にならない人は気にならないのかもしれない。我が家は片付いてないとダメなんで、あと1週間といったところでしょうか。
住んでいれば訪問者もある。「蚊を増やしそうな水が溜まる物(古タイヤやプラの器ゴミなど)が庭に放ってないか、あるなら水を捨てろ」という役場の指導が回ってきて、確認が終わったという印をつけていった。ラテンアメリカではデング熱が増えているが、まだ村では感染確認はないという。蚊に関しては、自然に囲まれている割には、近くにラグーンがあった海辺の村より圧倒的に少ない。
6月24日に借家から大物を移して、今週4日に犬猫の移動と大掃除を終えて、借家から完全に撤収した。犬猫を置いてあった大きい理由は、浴室での作業中邪魔だから。
半月ぐらい遡るが、これまでのユカタン諸々。
州中央部(メリダの東、うちから見ると北のほう)は、大雨が降ると冠水しやすい地域で、雨季に入ってからの大雨で例によってこんな状態になった。この後(昨日)ハリケーン・バリルが通過したので、めちゃくちゃなことになっているだろう。うちは、当初の直撃予想が外れて、ずいぶん北のほうを通過していったため、ほぼ影響ゼロ。ただでさえバタバタしているから助かった。
保健省管轄の食料品分配でなく、社会発展目的で提供される。農業や畜産業の規模拡大のために使えということだと思われる。
サンドイッチョンという料理?、ユカタンにしかないと思われる。食パンの間にいろいろ挟んでケーキみたいな形に整えたもので、甘いのはほとんどない。マヨと何かを合わせたクリームを使う。隣村に食べ物を作って売る個人向けのルゴという店があって、大量で安価なのでたまに行く。やっぱり売ってた、耳なしの専用パン。
JASマーク付きのを売っていた。つまり、米大陸人向け現地生産モノではない。日本で国内市場向けに作られた商品の輸入。美味しいですね、サッポロ一番みそラーメン。なんと、メキシコ国内の大都市では売ってないらしい。恐るべし、スーパー・ハイジ。
出前に飽きたし、かといってやることが多すぎてご飯を作る気力がないので、マリアんちの昼ごはんを多めに作ってもらって買って、夜ご飯に。最初からこうすればよかった。
ユカタン人みんな大好きなフリホル・コン・プエルコ(豚肉と黒豆の煮物)。これじゃ「ユカタン料理ベスト10」とかに入らないのも分かる。付け合わせの野菜がなければ、ただのどす黒い茶色の料理。
甘く煮るという。落ち着いたら梅干し作りを復活させたい。来年だけど。
先月、パスポートの更新にメキシコシティに行った。が、そもそもメキシコシティにあまり興味がないのと、家が落ち着かないのに数日滞在して観光ってな気にならず、日帰り。飛行機で片道2時間くらい。ユカタンでは自分で作らなければ美味しいラーメンにはありつけないので、日本人がやってる店で食べよう!と期待して行った。
結果は、期待しすぎたせいもあるが、ガッカリ。日本でいうと中の中くらいのレベルなのに、円安抜きでペソでも「ゲーッ!高い!これで!?」という価格。日本人が作っているので、なんちゃって盛り付け(焼豚とナルトと卵あたりを真似して載せてあるけどなんか変)じゃないが、お味が。。。 ちなみに外国人の盛り付けがなんとなく変なのは「正面がないから」です。彼らは皿を上から見て盛り付けるので、「中心」がある盛り付けになる。盆栽とフラワーアレンジメントの差みたいなもんですね。
さらに、白飯を頼んだら、ツイッターで「メキシコでも国産米が輸入されるようにになった!うちでも!」と自慢していたのに、ジャー臭いご飯が出てきた。やっぱ、日本のものは日本で食べるか自分で作ったほうがいい。
興味がないんで、どこだか分からない。ユカタンでは流しのタクシーがちゃんとしているので、ウーバーの必要性をあまり感じない。時間があったので公共交通機関でも使ってみるか(ユカタンにない地下鉄とか)と思ってウロウロしたときに撮った。ユカタンと違って治安が悪い!というイメージが強すぎて、道端で携帯をいじる気にならない。いろいろ見所がある都市と言われているが、いかんせん興味が…。すみません。
機内の減圧が終わった途端、ドライアイス演出か!と思うような水蒸気(写真より幻想的でした)。ああ、湿度の高い暑いとこへ帰ってきた!という感じ。
新居での作業について報告していく前に、不便だった借家についても記録しておく。
目の前はよくバイクが通る、埃っぽい道。お向かいさんちもすぐ目の前だし外から中が丸見えなので、棚で目隠しをした。ついでに玄関スペースになるように、間仕切り代わりにもしていた。
入ってすぐに四角いスペース。その奥の方に、
テーブルを置いただけ。流しはない。日本倶楽部で使っていた簡易ガスコンロだけ置いて、どうしても出前が嫌なときご飯を炊いたりしていた。
このスペースの脇にふた部屋ある。ちなみにどの窓にも泥棒よけの鉄格子はあるが、網戸はない。
西日が当たって暑いのなんの! 最高で室内気温38.8度を記録した。風通しも悪い。ってか、この家自体、建てる方角を間違えていて、風は一切抜けない。蒸し暑い。雨季に入ってからは一日中じっとり。
新居で解くとき、虫とか入ってそうで怖い。
力を入れないとこの鉄格子の扉が開かない。
左にあるのが、トイレとシャワーの離れ。入るとき草ボーボーだったのを、草むしりして、転がってたブロックを 並べて置いて通路にした。少しはマシになったが、靴を履いたまま入るシャワーってのが、こんなに不快だとは知らなかった。
屋根がないと暑いのと、こいつは雨が嫌いなので。おかげで床が泥でデロデロになる。シャワー浴びるとき、泥で床に足跡がついたりして、汚いところでシャワー浴びてもすっきりしないということがよくわかった。村の若い子はビッチリ化粧したりしてるが、部屋の鏡使って…とかなんだろうか。寝室がないマヤの部屋なんかだと、やっぱり外の水場でってことになるんだが、よくこんなデロデロなところで化粧できるなと思う。
湯は出ない。水だけチョロチョロと出る。冬は辛かった。
海辺の家で不具合が出始めて、買い手の米人から指定された「犬小屋の撤去」を手伝ってくれた村人にあげたので、こっちに来てから新しく買った。水をタンクにあげるポンプ用しか電源がないので延長コード、洗濯機用の蛇口がないのでシャワーからホースを伸ばして使う。
こちらはタンクでなく水道局の送水管に直接繋がっていて、朝から3時頃までの送水時間以外は水が出ない。
トイレの脇にある洗面台は小さくて水量も少なくて、カップだけならともかくコーヒーメーカーのポットなど大きいものは洗えない。毎日ここでしゃがんで洗った。雨が降っても。
というわけで、不便な借家の記録でした。新居に引っ越してとりあえずキッチンの流しやトイレの洗面台が使えるようになっても、手が汚れたりすると「ああ、あの固い鉄格子のドア開けて出てくの面倒臭い」と思って、それから「いや!もう流しあるじゃん!洗えばいいじゃん!」と気づくのに3秒くらいかかった。恐るべし、水で不便することの後遺症。
夜中に猫が何かと戦ってたなと思って朝見たら、こいつが床で死んでいた。ギョッとした。本物のサンゴヘビ、毒ヘビである。メリダに住んでいたとき、近所で偽サンゴヘビ(毒なし)を見たことがあったが、本物は初めて見た。ちなみに、どの色の隣がどうとかどの色とどの色が並んでるとかいうと忘れちゃうので、「黄色で挟んでいるのが毒あり」と覚えるといいです。
よくいる黒いサソリと違って(専用の抗生物質を薬局で買ってある)、この毒蛇に噛まれたら保健所か医者に処置してもらわないとひどいことになる。米大陸に棲むヘビなんでこんな田舎ならいてもおかしくないが、やっぱり家の中で見つけるのはちょっと…。猫ども、ありがとう。
日本でも田舎に行くとまだあるんだろうか。うちの村では公的な告知でもプブリモト(この記事の中ほど)が使われることが多いが、村役場と市場の上にこういうのが立っている。ハリケーン以外大した天災はないので、普段は「村役場に眼鏡屋さんが来ています」とか「小学校の何々イベントはいついつです」などのアナウンスを流している。ときどき、市場の前に駐車して商売してる車のスピーカーから出るバカでかい音にかき消されているw。
スペイン語の先生が「昔、役所の前で音楽を奏でていた人がいた。それみたいだ」と言っていた。派手な服を着て、音を鳴らしたあと役所のお知らせなどを喋っていたらしい。呼び名は忘れてしまったが、その説明の最後の方に、文盲の住民のためと書いてあった。うちの村もそうだと思う。
村のほぼ全ての世帯が持っている物シリーズ、木製家具。だいたい、折りたたみ椅子と折りたたみテーブルのセットか、背もたれなしのスツールのみいくつか持っていて、子供がいれば専用のもある。とにかく、みんな持っていて、みんな同じもの。形もサイズも全く同じ。
普段はハンモックに腰掛けていて、知り合いが家に来ると出す。このハンモックという物、余所者は気持ちよさそうとかああとか言うが、よく観察していて、「ここの気候や環境に即している、気持ちいいとか関係ない」と思うようになった。最初に書いたヘビや虫などから身を守るため。レンジャーなんかと同じですね。
いろんな生物が入りたい放題の借家や、雨が降っていろんな生物の天国になっている新居の庭にいると、はっきり言ってノイローゼになる人もいそうだと思う。非常時オタクとしてはこんなことで負けるわけにはいかない。強く生きなければw。
…というわけで、ユカタンでいちばんの楽しみ、美味しいものを。
急に食べたくなったんだそうな。写真は熱い岩の準備中。
毛を取って、真ん中でかち割ってある。マリアが牛タンの準備もしていた。
…の大きいやつなので、ブロという。伝統的なメキシコ料理じゃないという意見もある。小麦粉のトルティーヤで巻くので、ユカタンの料理ではない。その小麦粉のトルティーヤがなければタコライス。いつまでたっても、米=野菜という考えにはついていけない。
メキシコの他の州や中米の他の国で結構前からマンゴーの季節になったとの話をちらほら見たが、ようやくうちの村にも旬がやってきた。村の人たちは未熟なやつも食べる(お約束のチリパウダーとライムかけて)が、ニホンジンは甘くて美味しいのが好き。ようやく樹上で熟してきた。
去年、隣家のおばさんちを建てていたチームの親方(偶然だが今住んでる村の隣村の人)からもらったとき、普通にくし切りにしようと皮をむいて散々苦労した。大きすぎて、つるつる滑って大変だったのだ。今年は日本でやるように三枚おろしにして斜めに切れ込みを入れて食べることにする。売値は、一箱 150ペソ(1300円くらい)、2個で 15ペソ。現在、追熟させている。
種類を聞いたら知らないと言われたが、写真を見た人はアルフォンソっぽいと言っていた。ちなみに日本に輸出されてるのと同じくらいの大きさ。食感はねっとり、味はさっぱり系でとても美味しかった。
種類はアタウルフォで海辺の家にいた頃も好んで食べてたんだが、残念ながらこの木は自生で農業用のじゃないのと、親方曰くの「年寄りすぎる」木だそうで、収穫用に農業用のを1本植えるつもりでいる。でも、まあ、実がなった。
村で買った「果物とり棒」に配管用のパイプを繋ぐ。
自生種なので、味はいいんだがスジが多くてイマイチ。
ーーー
床下を埋めるための岩混じりの砂の中に、黄色い岩とその割れた欠片を発見した。濡れてたのを触ってみたら、指にねっとりつく。粘土みたいな感じ。
これはもしかすると、マヤの遺跡で発見される陶器の材料ではなかろうか。
新居に落ち着いて時間ができたら実験してみる。
ーーー
普通、ナチョスというとユカタンではこんな感じの料理で少しずつ違ってたりするんだが、この村のは誰が売ってるのもみんな同じ。トルティーヤを切って揚げたもの(トスターダと言うが、既製品じゃなくて手作り)に、豚ひき肉を炒めたものと黒豆のペーストとレタスと溶けたチェダーチーズの組み合わせ。別に、トマトと玉ねぎとシラントロを混ぜたものが付いてくる(あ、もちろんハバネロサルサも)が、ないほうがいいと言う人も多い。本当に、どこに頼んでもまったく一緒だが、肉炒めと黒豆の味付けが違うので、一応、誰のが美味しいとかはある。
ボリュームたっぷりで、メリダの似たようなメニューの半額くらい。最近は野菜の天ぷらの具を味付けなしで炒めたものを付けてもらっている。
ーーー
隣の家が薬中(おそらく)のリハビリハウスで、全員で運動したり発表会したり、なかなか興味深い。この日の清掃活動は掃除じゃなくてオーナーの車を洗うことで、なんとうちのもついでに洗ってくれた! 前の道はバイクがガンガン通って、非常に埃っぽい。3日置いとくと指で絵が描けるくらい汚れる。洗うところがないのでずっと放ってあったんですごく汚かったが、ピカピカ(ユカタン基準)になった。
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「完璧」じゃなくて「幸せ」でいなければならない…と書いてある。この辺の家の塀は、ほとんどが政党のロゴや立候補者の名前がペンキで描かれている。最近選挙があったので新しいのもあるが、前回のがそのままになっている家や、前回のの上に今回のを描いた(前回のがはみ出て見える)家もある。選挙に関係ないこういうのは珍しい。
与党の大勝でした。ユカタンでも、現知事などが所属している昔から強い傾向のある政党は負けて、州知事選も連邦与党の立候補者が勝った。市町村長も同じく、与党公認や与党連合公認がずいぶん勝った。
メキシコの他の多くの州では現大統領が勝ったとき既にそうだったんだが、ユカタンでは6年遅れで来たという感じ。村の知り合いに聞いたら、物の見事に現大統領の上っ面だけの言葉にメロメロになっている。貧困層に分配しているとかああとか。実際、国の貧困率(収入が基本的かつ健康的な生活を送るためのコストを下回る世帯の率)の数字は下がったが、公約でいい結果が出たのってそれくらいじゃなかろうか。
ユカタンでは州知事が別の政党だったんで、どこ(連邦給付・州・市町村)の予算でどうしたかは詳しく検証しないと比較しづらい。貧困世帯で実際に生活が楽になったと言う人には会ったことない。村の住民は、平均的なメキシコ人以上に、データで発言する人たちじゃなくて現大統領の言葉にコロッと行くタイプ。ここ6年、考えを変えた(ポピュリズムに流された)メリダ人の投稿(大統領素晴らしい!など)がFBで大量に流れてきていた。その影響が大きかったんだと思う。
財政悪化(連邦の)、どうするんでしょうね。ガソリン価格上昇も止められなかったし。新大統領がどれだけ親分から離れて独自路線を展開できるか次第といったところです。