La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

修繕

2016年11月30日 | 設備/外構/庭

<11月29日までの成果>

 

工事関連のドタバタで報告するのを忘れていたが、我々の作業も少しずつ進んでいる。工事費を抑えるのと、どうせ暇なんで自分たちでいろいろ作りたかったので、結構な作業が残っているが、できたものから報告。

 例えばキッチンの棚。

システムキッチンはこちらにもあるが、高いし品質に疑問があるので手作り。母到着に伴って料理くらいは普通にしたかったので、とりあえず普段使いの皿の棚を急いで作った。日曜大工未満だが、ブロックとモルタルの壁にはもれなくアンカーが必要で、ただネジで留めるってわけにはいかない。それがちょっと面倒。キッチンカウンターの下の棚はこれから作る。

 作りかけの靴箱。

これはですね、レベルロシアンだけど、なんとドア枠の残材で作ってるんで、コストゼロです。母の到着前に臨時でつけたトイレのドア&ドア枠と、他のドアの材料の残りですね。もう一棹作る予定で、こちらは材料が足りず、脚にする棒だけは買ってきた。これから作る。

  盗難防止のチェーンと鍵を取り付けた。

ニホンジンの感覚で洗濯場を「日当たりのいいオープンスペース」なんかにしたもんだから、メキシコ人曰く「盗んでくださいと言わんばかり」な状態になっていた。地元のおまわりさん(機関銃携帯)も、「人が住んでる家(ホリデーハウスでなく)にはあまり泥棒は入らないが、ポンプだけは人気があるので危ない」と話していた。よってこの際、自転車と湯沸かし器とガスタンクとポンプを、重たいチェーンと南京錠でガード。これまた「壁にドリルで穴あけ」があるので結構面倒だった。

 

さあ、ここからは「工事で気に入らないところの修繕」です。母到着に伴い、とっとと切り上げてもらって掃除したいし引越荷物を解きたかったので黙っていたが、気に入らない…というか気になる場所がずいぶんある。が、そもそもLさんがお友達価格で工事してくれたんで、品質レベルの確認なんか最初にきっちりしてないし、おそらくメキシコ(ユカタン?)的にはOKなものもあるのだと思われる。というわけで修繕。

 ドア枠。

ここは当初から問題のあったトイレのドア。Lさんがクビにしたドア屋がなかなか来ず、親方たちの仕事を終えるために順序を変えて巾木(タイル)を先につけてしまった。そこへ臨時のドアをつけて、新しいドア屋はこれを全とっかえしたがったんだが、(自分のせいで)コストが上がりすぎてどうにかしたいLさんが「ドアだけでもこのまま使ってくれ」と言い出し、ただでさえまっすぐじゃない壁にまっすぐじゃないドアを嵌めるためのドア枠という、とてつもなく難しい工事が残された。新しいドア屋はけっこう腕が良かったんだが、苦労しまくってもやはりギーギー音を立てていたのを、ニホンジンが補修。ってか、こうやって削ればいいんだよ!

 モルタルの隙間埋め。

ここだけじゃなく、家中にある穴を埋めていく。壁と木材の間とか、電気設備と壁の間とか、やり直しで壁に開けた穴をテキトーに埋めたとこが多い。つまり何かやり直しがあると別の業者も再度作業せざるを得ず、「もう、一度終わらせたとこなんだから、後のことは知らない」とばかりに品質が落ちる。これは全部、Lさんのコーディネートのまずさのせいだ。

それに、日本の左官と同様の仕事だと思ってはいけません。想像するにもともとメキシコクオリティでは穴があっても構わないんだが、ビーチに近い砂地に建った家と、例の土足文化が原因の汚さのせいで、穴という穴に砂と埃が詰まっていく。おまけに最後の仕上げ(というか細かい直し)を急がせたため、最後のほうはずいぶん手抜きをされている。これをいちいち埋めていく。

 これはテレビの配線。

当初の予定では屋根に衛星アンテナをつけられるように配線されてたはずなんだが、インターネット屋が来たとき、繋がってないことが判明。コビーさんを呼ぶのが面倒なんで、彼がやっていたように壁に穴を開けて配線管の中をチェックしながら、なんとか繋げた。そして、新たな壁の穴との戦い。

 

まあ、少しずつ快適になっては来ている。


ほぼ完成

2016年11月27日 | 設備/外構/庭

<11月9日〜11月26日>

 

母到着。ただでさえ「現場の埃はしばらく残る」&「土足文化人の掃除は高が知れている」のに、遅れに遅れて前日まで工事をしているもんだから、はっきり言って室内は汚い。工事中、彼らが中でご飯を食べていたので、ハエもまだいる。

かつ、トイレ以外のドアをつけるために、9日以降も4日連続でドア屋(木工事)が来た。あまりに遅い業者をLさんがクビにして別の業者に変えたので、スケジュールを無理やり入れたのか、夕方来て夜中まで電ノコを使っていた。

そして、なんと断水! 「水圧下がってきた〜」と言ってるうちに、ピタッと止まってしまった。屋上に上がってみると、2階屋根の上のタンクが空。地面に耳をくっつけてみると、ホリデーシーズンでないこの時期ならちょろちょろでも来るはずなんだが、水が流れている音はまったく聞こえない。すぐにLさんに連絡、来てくれたのは夜8時頃。工事中に電気を借りていた後ろの家の井戸から水を汲んで、とりあえずトイレを流す水だけは確保した。

が、またしてもそれで「意外と大丈夫じゃん」と思ったのか、その後2日音沙汰なし。またまた「ふざけんな!」を発令。結論から言うと、原因は2つ。

まず、浄水槽に水があれば手動でポンプを動かせばとりあえず水は使えるんだが、タイミングよく(悪く)チェレムのポンプ場で事故があったらしく、チェレム中が断水していた。

そして、ポンプを自動で作動させるセンサーの重しが、この断水でタンクの壁に引っかかってしまった。センサーは、屋上タンクの水位が下がったら浄水槽の水を上げるためにポンプを作動させるもの。浄水槽に水がないときはそちらが一杯になるまで待って、自動で作動する。これがうまく作動していなかったので、断水が終わって水が来ても、ポンプが一向に動き始めなかったというわけ。

一時は「こんなことがしょっちゅう起るんなら、やっぱり井戸が必要か?」とか「近くの現場ではタンクを4つかましていたがLさんが必要ないと言ったけど、やっぱり必要か?」とかいろいろ不安になったが、とりあえず事故は滅多に起こらない(年1回くらいはあるかも)し、センサーはコビーさんが来て取付し直した。

 

あと、棚を作ったり引越し荷物を解いたりとバタバタしていたが、とりあえず家としては完成したのが20日頃。網戸を発注したが、できたできたと言うものの、まだ来ない。蕎麦屋の出前か?

 

そして、最後の問題。インターネット。インフラは電気ガス水道、それ以外はおまけというわけでもないが、ネットがなかった時代も知っている人間としては、まあ後回しにはできる。ただ、携帯電話のネット接続の課金システムが、日本と違ってすごく高い。やっぱり携帯でなくきちんと繋げたい。

こっちの携帯は月いくらでなく、使用料を前払いして使う。100ペソ以上だと、ワッツアップとフェイスブックとツィッターが無料でついてきて、300ペソ払うとネットも何ギガまで、500ペソなら何ギガまで、などと決まっている。彼らは調べ物やネットサーフィンをほとんどしない。わからないことがあると、企業のフェイスブックやツィッターに直接メッセージを送っている。インターネットは携帯のみ、ネットサーフィンなんかしない!が基本。

それはともかく、電気も水道も新規で引いたくらいだから、借家で使っていたテルメックス(大手固定電話会社)のネット接続サービスは来ていないことがわかった。知り合いに尋ねると「衛星テレビの会社を使え」とか「大手電話会社じゃなくてどこそこのを使え」とか教えてくれたが、それらもことごとくアウト。携帯電話会社の大手でWiFiルーターを買うしか…と思ってわざわざメリダまで出かけていったんだが、機器がモバイルだったのと、24ヶ月解約縛りとかごちゃごちゃあって、今ひとつだった。

結局、カナダ人(エクスパッツ)御用達のレストランバーで、ネットどうしてる?と尋ねて、「プログレソからの電波をこのレストランで1回受けて、このへんのカナダ人の家に飛ばす」というサービスをしているプロバイダの話を聞いたので、それにした。・・・というか、他にチョイスはなかった。が、同じくうるさいであろうカナダ人向けサービスだけあって、速度もまあまあ、上限なし、月々の支払いはテルメックスくらい…と申し分ない。

 26日、アンテナとルーターを設置してもらって、晴れてネット開通!

 

・・・というわけでようやく一段落し、今後はじっくりとキッチンの棚・本棚・外構・庭に取り組む。家の中がどんな感じかは、来てもらってのお楽しみってことで。


新築の家でキャンプ

2016年11月27日 | 新築

<11月2日>

 

犬の大群の吠える声がうるさく、風の音が意外と大きかったものの、疲れていたのでよく眠れた。

 夜明けの綺麗なことといったら!

 そして、コーヒーを淹れる。

コーヒーメーカーだけはすぐ出るように引越し荷物を作っておいた。マキタだったか、機械用の充電器で充電できるコーヒーメーカー(あのマキタのドリルや何やと同じテイストのデザイン!)があるが、欲しい気持ちがよくわかる。

 庭はこんな感じ。

 今度は浄水槽の蓋を作る。

 

<11月3日>

  電柱を立てる。

例によって人力で穴を掘って、1本残しておいた屋根の小梁を突っ込む。周りをコンクリで固めて、砂で埋めて地面をならして、電柱にする。

水道もそうだが電気も来てない土地なので、ドアノブに袋がぶら下がっていて電話一本入れればいいだけの引越とはわけが違う。日本での手続きがどうなのか知らないが、ここでは配線や器具など敷地内の設備を全て完成させた時点で電気公社に連絡し、公社の人間が来てすべてチェックしてよしとなると、電柱に取り付けたスイッチをON!にしてくれる。

9日に日本から家族が来るからそれまでには絶対開通させよと言ってあって、この時点では何の問題もないと聞かされていた。

 2階寝室の天井。

この天井の仕上げはなぜかずっと放ってあって、Lさんにも何度も尋ねたんだが答えが二転三転していた。ここが終われば、1階の細かい工事が残っていてもここで寝られるんだが、いつまでたっても終わらない。後からわかったのは、なぜかLさんが色気を出して高いプラスタボードを使うことにし、そうなると親方たちでなく窓屋(アルミ屋)の工事になるんだが、これがトントンと進まない。Lさんがプラスタボードを買いに行った日に雨が降って屋根のないトラックでは持って帰ってこられなかったとか、予定していた日にアルミ屋が来なかったとかで、いつまでたっても屋根のまま。

4日以降も、明日だ明日だと言われ続けて、結局、出来上がったのは8日の夜。それも、8時頃「明日、早く来る」と言って帰ろうとするのを「ノーモア明日!」と止めて、なんとか。疲れた疲れたと言って帰っていったが、だったらもう少し工程通りに物事を(以下略)。

 

<11月4日〜8日>

この頃にはもう「毎日の進捗」などと言って写真を撮っている余裕はない。9日には日本から母が来る。ところが1日の晩にはキャンプ状態で寝泊まりする我々を心配していたメキシコ人たちは、「意外と大丈夫じゃん」とでも思ったのか緊張を解きやがった。そこを「我々はともかく、日本から来る人間に水道電気は必須!」とハッパをかけるのに疲れた。

絵に描いたような「アスタ・マニャーナ」。直訳は「明日に」だが、ここでの意味は「今じゃない、つまりいつになるかわからない」である。要は前日に言っていたとおりにならないってことなんだが、そういうことが続くんで「よく考えたら1週間前にはできていたはずでは…?」なんてことになる。

 浄水槽のポンプの配線をするコビーさん。

上水道の水圧が低く、かつホリデーシーズンには急に人口密度が上がるため、タンク1個では水が足りなくなる。そこで、浄水槽を常に一杯にしておいて、2階の屋根の上に乗っているタンクにポンプで上げる。

 

そして8日。母の到着を翌日に控えて、電気公社が来るのは来週の水曜日というのを「ふざけんな!」と一蹴。普段ヘラヘラと彼らの冗談に付き合っているので、こうやって態度を一変させるとよく効く。Lさんは慌ててあちこちに電話しまくって、水道と同じく、公社との手続きの前に開通工事だけしてくれる人(袖の下で動く公社の人)を探し出し、なんとか電気が来た。

公社が開通工事に来るのは申し込みの3週間後というのが相場だそうだが、申し込みを早めに済ませておくわけにはいかない。公社の来る日に全部できあがっていないと、「ヘソを曲げて、次に来てくれるのは半年くらい先になる」という。で、その「来る日までに完成させておく」というのが、この国では不可能に近い。誰か何か遅れても、遅れを取り戻すという観念がないどころか、遅れの幅が拡大していく。

メキシコの「アスタ・マニャーナ」を理解してここへ来たつもりだったが、工程管理/時間厳守の感覚は、日本人として身に染み付いた本能と言ってもいい。「これからの人生は急ぐことなんか何にもないし、待てばいいだけだよね〜」などとヘラヘラ考えていたが、母到着という動かしようのないタイムリミットを前に、哀れニホンジンはストレスを溜めまくったのであった。

結局、水道電気はどうにか通じたものの、ドアがついたのはトイレのみ。他にも細かい工事が残り、「きれいな新居」には程遠い状態で、母到着。


引越 その2

2016年11月27日 | 新築

(前回の書き込みから4週間。いろいろあったがようやくネットが開通したので、遡って書く)

 

<11月1日>

前日31日に家財を新居へ移したはいいものの、家自体は完成しておらず電気も水道もない。借家の明け渡しが1日だったので、何もないがそっちに戻って1泊した。次に水洗トイレとシャワーにありつけるのはいつになるのか。

  猫も到着。

 タラちゃんが作った浄化槽の蓋を乗せる。

こっちの浄化槽はただの穴で、基本的に槽の隙間から水が染み出ていって固形物だけが残る仕組み。コンクリ製の蓋も「開けない」ことを前提に作っている。この重い蓋を乗せて、その上に砂もかけて地面をならし、放っておく。「住人二人なら40年はイケるはず。トイレが流れなくなったら満タンなので、業者を呼んで、(壊して)汲み取ってもらえ」とのこと。はい、そうですか。

 

 玄関のドアがつく予定の場所。

最初見たとき、何だかわからなかった。が、例によって床タイルは先に張ってあるので、フロアレベル(と玄関の外のグラウンドレベル)から15センチくらいの高さの土手みたいなものを作ってあるということはわかる。おそらく、Lさんと親方で相談して作った「敷居」だ! 親方にこれは何だと聞いたら、理屈を理解しないまま作ってしまったという自覚があるらしく、「壊すか? 壊すか? 今ならまだコンクリ柔らかいからすぐ壊せるけど」などと言う。もちろん、壊してもらう。

後からLさんが来て、親方の前でカッコをつけたいのか、我々の言ったように作ったとのたまうので、ふざけんなと一蹴した。3ヶ月ほど前に説明したときはわかったわかったと言っていたのに、目的や形状や寸法など、すっかり忘れている。土足文化でピンとこないのはいいが、わからないなら聞きたまえ。

結局、柔らかいコンクリの土手を壊し、現時点(11月27日)でまだ何もついていない。玄関に砂が入り込んで閉口するが、外構と一緒に手をつけるつもり。

 

 そして夜になった。

初めての新居での一夜。暗くてわかりづらいでしょうが、室内は「現場」状態。我々が買ってコビーさんに別料金で頼んで取り付けてもらった照明だけ、住居っぽい。

ちなみに窓は付いているものの、ドアはない。水道もない。電気は分電盤まで完成しているが、電気公社との契約が済んでない。これまで同様、延長コードで裏の家から拝借しているので、あれこれ使うわけにはいかない。どのみち「現場」状態のところで家電のスイッチを入れる気にもならない。

メキシコ人たちは、世界一安全な国出身者に向かって「二人で大丈夫か? ドア(開口部)のところに侵入感知の罠でも仕掛けておいてやろうか? 犬しか来ないと思うが、何かあったらすぐ電話しろ」と大騒ぎして帰っていった。そんなに気遣うくらいなら、言ったとおりの工期で終わらせてくれ。

借家での初日は家具がなくてダンボールで寝たが、今回はソファーを運び込んであるので、クッション部分だけを並べて寝る。柔らかいだけこっちのほうがまし。