しばらく放っておいたら、意外とアクセスしてくださる方がいらっしゃるようで(失礼)、こないだすごい嵐が来たのでそれについて。
6月上旬、太平洋側で発生したサイクロン。多くは北西に向かって海上を進むか、上陸してもやはり北西方向に進むのが、なぜか今回北東方面のユカタン半島を縦断した。上陸した時点で、名前がサイクロンから嵐に変わるみたい。ちなみに、カリブあたりで発生するとハリケーン。
北へ進むということは、嵐の進路前方の天気が悪くなるわけで、ユカタン半島全域が3日間に渡り暴風雨、ようやくメキシコ湾へ抜けたときには、各地に結構な被害が出ていた。
基本的にメキシコでは、大雨が降るともれなくあちこちで床上浸水するんだが、海辺の近く(つまり砂地)のうちの村でも今回は水没した地区が出た。大人の腰の上くらいまで水が来て、村の中心部にある教会へ避難したらしい。
うちの近くは、200mくらい先のウォーターフロントでも、東西に300mくらい離れたところでも浸水していたが、うちがあるとこだけ少し地面が高くなってて(そこを買ったのは偶然)、家への浸水は逃れた。
が! 屋根の防水と窓枠が経年劣化(って、まだ4年弱だ!)し、天井と壁と窓から水が入ってきて、夜通し床の水をかき集めては捨て…となった。
と! 自分たちで増やした地下の貯水槽が浸水した。
地面に大きなスペースを掘って、そこに市販の貯水タンク2個を入れて水道水を貯めてある。タンクがあるもんだからスペースの壁には防水しておらず、村(というか、ユカタン半島全域で)地下水位が上がったために、こんなことになってしまった。
で、この汚い水の中にポンプが1週間以上漬かっていたわけである。嵐がさった後、蛇口から水が出なくなって気づいた。当然、こんな汚い水にヒトが入ってはどんな感染症に罹るかわからない(ここの浄化槽は、浄化しない槽、つまりコンクリで囲っただけのスペース)。中のタンクにはちゃんと水があるので、予備のポンプで水を上げる作業(自動化されてない)を、1週間たって水位が下がるまで続けましたとさ。
水を確保すると同時に、カビとの戦い。
二階の天井は、暑さ対策で石膏ボードみたいなのを吊ってあるんだが、屋根からの浸水で濡れてしまってカビ始めたので、一部切除して換気。今も穴が空いている。
二階の一部がワードローブ部屋になっていて(今時の言葉で言うウォークインクロゼット)、なかなか換気が進まないので、今後のために通気口を作った。建てるときに気づけばよかったんだが、3年で防水がダメになる施工の悪い陸屋根なんて、日本じゃありえないでしょ。
だんだんブロック造の家に慣れ、配線の変更とか排水パイプの増設とか、必要であればどんどん穴を開けるようになってきた。
その他にも細かい「被災後の作業」は山ほどしたが、キリがないのでこのへんで。
ああ、そうだ。メキシコならではのインフラ壊滅への読みは甘かったが、元消防団員として持っていた知識は総動員。窓対策や土嚢の準備の他、食料確保もしていた。日本人ならカレー。嵐が来る前に3日分のカレーを作り、皿洗いの水もふんだんに使うとポンプで上げる作業が面倒なんで(驚くことにほとんど停電せず、ポンプさえ無事であれば水は問題なかった)、三日間カレー。海外に住んでると、3日間続けてジャワカレーなんて天国なのである。