La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

岩造りの基礎と帯筋

2023年12月15日 | 新築

【12/12 ,13の作業】 基礎、柱の鉄筋の準備

 

 行ったらこういう状態。

地中に隠れない部分の基礎工事。海辺の村のように岩を運ぶ係、モルタルを運ぶ係、岩を積む係と別れるのでなく、数メートル間隔で区切って1人が全部作っている。大きい岩を搬入されたところから持ってきて、昨日終わった隠れる部分の上に載せていく。隙間をモルタルと小さい岩で埋める。

  隙間の処理。

この隙間なんだが、海辺の村では基礎を見せるってことはあまりなく、だいたいモルタルを埋めるだけだった。こちらは、その辺に転がってる岩のかけらを見て、隙間に合いそうな形のを探すか石鎚で形を整えて埋めていく。すごく丁寧。

 北西側のGLが高い地点。

こちらの基礎は地上10センチくらいまで。

   北面。

東に向かってGLが下がるので顔を出す部分が多くなる。

 すごくきれい。とてもマヤっぽい。

  一方、道側で何か作業中。

直径7ミリくらいの「針金」を切って、長ーいものを丸く束ねて搬入されたため着いてしまったクセをとってまっすぐにする。その35センチくらいの長さで切られた針金を、専門の道具で四角く曲げていく。

  

 完成。

柱の鉄筋のフープだった。

 海辺の我が家ではいろんなサイズ。

 海辺の隣(米人)の家の。

海辺の家では、この柱用の鉄筋を場所によって作ったり買ったりしていた。隣家は主筋に帯筋が組まれたプレハブのをどの柱にも使ってた。今回の我が家の鉄筋を見てると、地震がなく地盤が固い地域でほとんど平屋ほんの一部二階建てなんで、オーバースペックかもしれないw。けど、もう買っちゃったしいいや。

その日中に500個くらい作ると言っていた。岩を運んだりするのとは違うんで、筋肉痛になりそう。


聖母グアダルーペのお祝い

2023年12月14日 | メキシコ 日常生活

えーと、説明するの面倒くさいんで端折りますが、メキシコにはマリア様じゃなくてグアダルーペ様という聖母の信仰がある。他にも聖人や護り神?のお祭りなんかもあるが、だいたいミサがあって神輿が出て住民が一緒に行進したりする。

現場の親方に、自宅でペレグリノなる催しをすると呼ばれたので行ってきた。ペレグリノは巡礼という意味の言葉だが、ここでは信者がどこかに行くんじゃなくて一連の行事のことを指すんだと思う。

 5時から身内での礼拝?

礼拝というか、一族のお嫁さんのうち2人が音頭をとって歌を歌ったり何か唱えたり。広い敷地内に新しく作った寝室棟の前のテラスに、祭壇を作って椅子をいっぱい並べてある。

 だんだん暗くなる。

 終わったらご飯が出た。

よく晩ご飯に食べるスパゲティ・ロホ(チーズソーストマトクリーム味)、ハムサンド、ひき肉バーガーと、チョコプリンが挟まったケーキ。ジャンクみたいな組み合わせだが、例によって味はいい。夜にしっかり食べる日本人には量が足りないw。これをだんだん増えてくる参加者に、親方一家の息子&嫁たちが順に運んでいた。

 マリアッチによる献歌。

 親方一家とマリアッチ。

 続いてバンダによる献歌。

えー、マリアッチというメキシコならではの音楽グループは大体5、6人ですが、バンダは吹奏楽の20人くらいのグループです。マリアッチは観光地で流しをしたり、結婚式などのイベントに呼ばれたりする。バンダには昔でいう芸能界?で活躍するグループもいる。両方ともクラッシックなメキシコ歌謡というか、愛だのどうなのという歌がほとんどで、歌によっては日本のムード演歌?によく似ている。音楽に疎いのですみません、興味あったらググってください。

彼らが、参加者でなく祭壇に向かって、おそらくルペ様系の歌を歌った。バンダのほうは、その後参加者へ向きを変えて演奏。普通メキシコではダンス合戦になるんだが、なんとこの一族で踊ったのはイピル(民族服)姿の婆さまと彼女に付き添う嫁の1人だけであった。マヤ人ってシャイなんです。もちろんニホンジンも踊らない。

  踊らないが、音楽は楽しむ。

楽しむが、正面の席に座っていたためトランペットの音量に疲れて、敷地入口辺りまで移動(後退)。入ってすぐの大きい木にクリスマスの飾り付け。

 その婆さまの家。

婆さまにわらわの祭壇を見よと連れられて、一番大きなマヤの家へ。この記事で紹介している家。赤青緑の光が登っていくイルミネーションの現代商業チックさと、マヤのウアノ葺きの屋根に映るそれらの光の謎文明感で、頭がくらくらした。クリスマスが終わる1月6日に何かまたイベントをするから来いと言われた。

 夜のマヤの村。

写真が下手で申し訳ないが、その辺の木や周囲の茅葺き屋根や物干し紐などが月に照らされて、ああ、マヤの村なんだなぁという感じ。バンダが帰った後、だんだん人が減って、身内だけになってきたのでおいとました。楽しかった。


オレンジ祭り。

2023年12月14日 | ユカタン諸々

隣のオシュクツカブ村で年に一回、フェリア・デ・ナランハ(オレンジ祭り)が開催される。3年くらい前に知って行きたいと思ってたんだが、毎年「遠いよなぁ」と諦めていた。…というか面倒で、いつかそのうちに…なんて考えていた。

引っ越してきた今年はほんの5キロ先の隣村である! 天気を見つつ、現場の用事がないときにと思ってたんだが、ちょうど隣村に行ったときに少し時間があったのでささっと見てきた。メリダなどからの観光客は昼間来るんだが年々増えてきていて、夜は観光客でなく近隣住民でごった返すらしい。

 今年で37回目。

人気があるのはコンサートやダンスと移動遊園地で、全部夜の7時ごろ始まる。駐車場も、我々が行った4時半頃は無料でどこでも好きなとこに駐めなと言われたが、5時から朝の7時まではなんと料金が200ペソだという。

ダンスはユカタンのハラナという民族舞踊なんだが、もう何回か見てるし夜出かけるの面倒だし、人気薄の畜産関係の展示や、政府やNPOの生産支援ブースがあるので、来年じっくり見学するつもり。

  柑橘類で作ったオブジェ。

これらも祭りのウリ。右のは蛇の神様ククルカン。左は忘れた。夜はライトアップされる。

 大規模生産者の作物お披露目。

オレンジ類(甘いの苦いの)、ライム、リマ、みかん(甘いの、赤いの、普通の)、グレープフルーツ(普通の、赤いの)などの柑橘類。会場内には商談ブースもあるようだった。

 屋台と民芸品屋が並ぶエリアへの入り口。

 多分、地元の拡販チームによるプレゼン。

もちろん、近隣の村でも柑橘類をたくさん生産している。うちの村の人たちによると、「観光客が来てうるさいことはオシュ村に任せとけ」という意見と「オレンジ祭りはオシュ村のいいとこ取り」という意見に分かれるらしい。

ーーー

台所がないので毎晩出前を頼んでるんだが、どうやらこの村の食べ物はレベルが高い。衒いがなく、例えばピザは、のってる具材はともかく、生地とソースが米国のピザでなくイタリアのピッツァタイプ。焼きそばはなんと華僑移民の味がする。ちゃんと豆鼓醤使ってるし、ついてきたチキンは西檸鷄だった。

隣のマリアは「この辺で採れた野菜を使ってるし、牛肉も冷凍じゃないから」と言っていたが、それもあるけど味覚がいい系の美味しさがある。今までは我々がユカタン料理に馴染みがなくて美味しく感じなかったからとかでもない。もっと単純に比較して、この村の食べ物は美味しい。こんな田舎の村で!?とびっくりするくらい。競争が激しくなくて、メリダの食べ物屋のように「ウケを狙ったり認められたがったりしてネット上のなんちゃってを真似まくる」ってことをしていないからじゃないかと思う。

 豚の頭のコチニータ。

マヤ語でマクフンという。美味しいだろうと思うんだけど、万一好きじゃなかったときにちゃちゃっと別のものを作るってことができないので、家ができてからのお楽しみ。

まだ買う機会がないんだが、デザート類もレベルが高そう。

 プリン

 ブーディン

メリダではスができてないプリンなんか見たことがない。ブーディンも味は色々とはいえ、型崩れや焦がし過ぎなど、焼き方がいい加減なものが多い。なのに、オサレに飾ってあったりする。海辺の村なんか、たいして美味そうでもないプリンに苺だの花だの飾り付けて一皿100ペソ(800円)なんてのもあった(ふざけんな)。うちの村で売っているデザートの写真を見ると結構おいしそう。毎日作ってるわけじゃなさそうなので、今度売ってたら絶対に買う。

 サラムヨ。

メキシコにはチェリモヤほど甘くないグアナバナという近縁種があるが、これはチェリモヤの一種のサラムヨだと思う。近所の庭で一個だけなっていた。道路にはみ出てるんで頂戴できるかもしれないが、季節外れなんで美味しいかどうか。

ーーー

 ブラックベリー。

懐かしいですね。ゴミ交じりの地中から出土した。隣のゴミ一家が10年近く前に使っていて捨てたものであろう。メーカーはサムスン。


岩盤層に乗せた割栗石

2023年12月14日 | 新築

【12/9,10の作業】 基礎の地中部分、伐採ゴミ焼却

 

…の前に、こないだ掘った井戸が顔を出しているところ。

 ビニール袋でゴミが入らないようにする。

 隣のゴミ家族の鶏が悪さしないようにバケツで蓋をする。

  掘削は前日までに完了。

構造体になる壁のところはラハが出るまで掘ってあった。細かい間仕切り壁などは、床スラブの上にブロックを積む。

  

  岩を入れてモルタルで固定。

深さがバラバラな岩盤層ラハの上に岩を入れていって、地表くらいの位置で高さが揃うようにする。この上にブロック壁が乗るきれいな基礎を造る。

 日曜日に伐採ゴミ焼却。

敷地内の伐採ゴミは風向きを見ていつでも燃やせるが、道路に向かって切り倒したヒマラヤスギの枝や葉は作業のない日曜日に燃やす。結構な大木だったので、道が半分埋まっていて心苦しかった。が、雨が降ってきて全部燃やすことができず、次の日曜に残りを燃やす。道が多少広くなってよかった。


石垣

2023年12月14日 | ユカタン諸々

マヤ文化では、昔から家(敷地)の周りを岩を積んで作った石垣で囲む。農作地の境界にも、少し低めの石垣を作る。今ではずいぶん減ったが、メリダの家でもときどき見かける。ユカタン州南部の村々ではまだまだ現役で、隣のヒルベルトが石垣の改修工事を頼んだ。

うちでもこのタイプにするつもりだが家が建った後になるので、ここで記録しておく。

 お爺さん(左)と若い人の二人組。

岩の選定、載せる位置と向きなどの指示をお爺さんが出して、若い彼が積む。ただ大きいものとかそういうことではなくて、組み方で安定が生まれるので、岩そのものや各面の形などを決めてから載せる。

 道側の面がスッキリ揃うようにする。

 隙間には小さめの岩か砕いてサイズが合うようにしたもの。

 トンカチで打ち込む。

大きい岩を積むだけで結構安定しているが、小さい岩を詰める。ユカタンには地震はないが、車など横からの力が加わっても崩れないようにする。これで押してもビクともしなくなる。

   続いて別の岩。

お爺さんはつけといたイメージどおりに岩が載るか確認。

 また小さい岩を詰める。

とにかく、普通に想像してるのとは、載せる順序が違う。左から右、そして次の段…ではなく、いったん離れたところに置いて脇を締めてから中を埋める感じ。中を埋める岩は、脇の岩を決めたときにもう目星をつけていると思われる。

 完成した石垣。

我々が行ったときには門の左側を積んでいたんだが、右側はもうできていた。だいたい20年、規格外のハリケーンが来たりしない限り、よく仕上がった石垣は50年持つこともあるという。積み方をよくわかっている人が少なくなってきて、単純に我々が考えるような積み方をする人が増えてきたらしく、そういうのはだいたい20年くらいでどこかから崩れてくるという。

高さはだいたい1.5mくらいが多く、2メートルまでは問題ないと思うがそんな高いとこまで積むのが大変すぎると話していた。そりゃそうだ。機械を使ってどうにかなるもんじゃありません。


早く里芋食べたい

2023年12月10日 | ユカタン諸々

工事でなく植物と村の様子を。

  ウアナの若木。

マヤの家の屋根を葺く「ウアノ」でなくて「ウアナ」。この記事の最後のほうに書いた、切り倒した巨木の若木なんだが、細い葉っぱみたいなものができて、その先にもっと幅広の葉が2枚出て、細い葉っぱは時間がたつと茎になる。なんとも奇妙な若木。落葉しないので、冬でも日中気温が30℃くらいまでは平気で行くこの辺では、いい日陰を作るんで重宝される。若木はいくらでも出てるので、必要なところに移動させたいが上手くいくかどうか。

 よくわからないけど芋系?

長芋や大和芋やレンコンみたいな葉の植物もたくさん植わってるんだが、こういうのは何だったっけ? とりあえず残して時間があるときにヒルベルトに聞く。ちなみに里芋を売ってるんだがコレか? 今が旬で、ここでは甘く煮たりつぶしてサラダにするみたい。来年、というか家が完成して自分たちの台所ができたら、煮っころがしを作る!

  綿系の植物。

葉がチャヤ に似てるんで「え?実がなるの?」と興味を持って見ていたら近所のお姉さんが出てきてそうだと言う。そのときは食べられるだの食べられないだの話して終わりだったんだが、中がどうなってるのかと改めて見に行ったらまたお姉さんが話しかけてきて、そこへおばさんが出てきて「なにバカなこと日本人に吹き込んでるんだ!💢」とお姉さんの首根っこを掴んで家に引っ込んでしまった。あっという間の出来事。漫才かと思ったw。

家に帰ってからよく調べたら、やっぱり綿系らしい。こんな湿度の高いところで綿が採れるとは知らなかった。チャヤの枝や葉とごちゃごちゃに絡まっていたんで最初わからなかったが、よく比べて見たら葉の形も少し違った。

 角を曲がった家。

少量の果物を集めて卸業者へ売るのか、庭先に集めた果物を積み上げていた。本日は甘いオレンジと、奥に赤いグレープフルーツ。

 プブリモト。

プブリシダ(=広告)のモト(=バイク)。毎日、果物を買い取るよとか牛を屠るよと大音声で流しながら通り過ぎるんだが、よく聞いてみたら、どこそこでするとの住所はバラバラだがアナウンスの声が同じなことに気がついた。聞いたら、こういう広告代理店wが村に3軒ほどあり、それぞれにクライアントとの連絡係、アナウンサー、バイクで村中を回る係がいるという。このプブリモトは、エヒード(農業共同体)の一般集会のお知らせを流しながら走っていた。柑橘類の出来について話し合うからみんな来てね、というアナウンス。

 サンドイッチョン。

サンドイッチじゃなくてサンドイッチョン。海辺の村でもときどき売っていた。どう見てもスポンジの代わりにパンを使ったケーキ?なので、食指が動かなかったが、ここでは料理できずに毎晩出前を頼んでいるのでバラエティ確保のために頼んでみた。

 きれいな写真 (c) Diario de Yucatán

ケーキみたいに甘くはない。食パンの周りに塗ってあるのはパプリカクリームで、中にチーズやハムを挟んだりする。内側の層にはパプリカでなく七面鳥のパテやグリーンピースのクリームを挟むバージョンもある。

メキシコ料理かと思ってたら、こちらもユカタン限定だと知った。味は、意外と美味しい。というか、この食パン、ビンボという南米まで販売網を広げる巨大パン企業のものなんだが、実にまずい。かといってしょっちゅうパン屋にも行けないので重宝する(要は保存料まみれ)。だが、このサンドイッチョンにするとクリームのおかげでその不味さが気にならなくなり、ホント、B級グルメ的に意外と美味しかった。


ラハ(岩盤層)

2023年12月10日 | 新築

【12/6〜8の作業】 地縄張り、基礎掘削

 

井戸工事の2日目、親方とその兄弟1人が来て、地縄張りを開始。間取りは、相棒と2人で考えて相棒がCADごっこで描いたものを数日前に渡してある。玄関があったり、そこに段差があったり、風呂があったり、トイレが別室だったりと、ユカタン人には馴染みのない間取りなんで一応説明したが、現場で作業を確認する必要あり。どのみちゴミ拾いと焼却に毎日行ってるんで、あれこれ話しながら進む。

  兄弟2人で。

 ブロックが邪魔だと気づいて移動。

こないだ雨とヒマラヤスギ青年の作業の遅れで親方たちが現場に来られなかったとき搬入されたブロックが、家が建つ部分まで占領している。最初のうち親方は大丈夫と言いたそうだったが、逆側にはすでに掘られた井戸があり、「家から4メートル離したところに造る」と指示したのは自分なので、どうにかしないとダメだと最後には諦めたw。

  遣り方がわりの砂。

砂は、モルタルコンクリ用に搬入されたものを使う。確か海辺の村の新築工事では石灰を使っていた。そういえば、まだ石灰は買ってない、というかいらないのか?

 木の根を切るのも一苦労。

岩は地表にも転がっているが、地中にもこぶし大から頭大くらいのがたくさん埋まっている。我々では弾き返されてしまってちっとも掘れない。

 あまりに大きいものは退ける。

 ツルハシで掘る。

  タガネ?ではつる。

作業員の彼は親方の息子。ツルハシでは彼でも無理だと、こうして岩を砕く。

掘る深さは、基礎が載る大きな岩(ラハという)が顔を出すまで。井戸掘りで苦労していためちゃくちゃ硬い岩盤層である。海辺にはそんなものはないので、コンチュエラという貝殻がぎっしり固まった層まで掘っていた。だいたい2メートルくらいだったので、こんなに苦労しながら2メートルも!?と慄いていたが、うちの敷地では2メートルまで掘る必要はないだろうという。たぶん、井戸掘りで苦労していたラハは、もっと深いところの巨大な岩盤層だと思う。

 突き当たった。

 濃く見えるところもその先も一つの岩。

黒土がついていて分かりにくいかもしれません、すみません。とにかく深さは違うが掘り進めた深さにドーンとラハがある。要は、岩なんだから厚さが均等であるわけなく、盛り上がっている(つまり浅いところで突き当たる)ところでは掘るのは浅く、凹んでいるところでは岩混じりの土を深く掘らなければならない。

意外と浅くてホッとした。こんな地面を2メートルも掘るなんて、見ていられない。が、親方が言うには前の道の向こう側の土地だと、おそらくそのくらい掘らないとラハはない。あまり金をかけないと、ラハに達しなくても基礎を組んじゃうんだと言う。お隣さんのマリア(ヒルベルトの奥さん)は、知り合いの家がそうして数年後壁に亀裂が入ってしまったと話していた。

 こちらも高くなったり低くなったり。

この写真の地表に見えている白い岩は、基礎や床下(ここでは空間でなく土や岩で埋める)の一部になる。

敷地が北から南に下がっているので、南側(道路側)ではほんの10センチくらい掘ったらラハが顔を出した。担当するラインによって苦労したり楽できたりw。

ところで、埋まっている大きめの岩とラハとの区別は、タガネ?で叩いて音を聞いて判断する。岩を叩くと濁った低い音がするが、ラハはコーン!と高い音がする。

 仕切り壁の部分にも着手。

 赤土と黒土。

岩のことばかり気にしてたんだが、掘り出された土を見たら見事に2色に分かれていた。この辺ではだいたい黒土で、赤土は珍しいそうだが、一部赤土層だった。黒土で野菜や果物を作り、赤土ではトウモロコシとインゲン豆を作る。

ちなみにうちでトウモロコシを作ることはないと思うが、伐採ゴミをかき集めてると葉と土が混ざったような腐葉土になりかけた土も多い。海辺と違って砂地じゃないから何をどこに植えても良く育つだろうとヘラヘラ喜んでいたが、土についても少し学んだ方がいいかもしれない。


井戸

2023年12月08日 | 新築

【12/5, 6の作業】井戸掘削

 

海辺の村では水が来なくて散々苦労したので、今度は絶対に井戸を掘ると決めていた。今の村は人口が少なく、水道が整備されたのも約10年前と比較的新しいので、断水などの問題はほとんどない。借家では隣接する大家のおこぼれ的に水道が繋がっているが、水量などの問題は何もない。

が、ハリケーンが来ようと何があろうと、もう今度こそ水で苦労するのは嫌なので、そこは有無を言わさず井戸である。お隣さんのヒルベルトの紹介で業者がやってきた。少し調べたところ、ロータリー方式なる掘り方になると思う。

 掘削機の設置。

  掘り始め。

爆音。おっちゃんが機械の操作、若い子2人でロッドを追加するなどの補助作業。おっちゃんだけ耳栓をしていた。

  岩を砕いて出てきた砂埃で周囲が真っ白。

岩でも砂埃って言うのかわかりませんが、ここらへんの比較的浅い地層は黒土に岩がゴロゴロ埋まっていて、その埋まってる岩が砕かれるときに出るらしい。

  こんな状態。

 穴の周りに積もった岩の粉を掻き出す。

   ロッドの追加。

最初にピットがついた1メートルくらいの棒で掘って、それが全部地中に進んだら、次からは1本2メートルちょっとの棒をどんどん足していく。

  2本のピット。

 ロッド。

 コンプレッサー。

機械そのものは海辺の村のあちこちで使っていたのと同じだが、砂地を掘るのとは迫力が違う! ガンガン砕いてる!という感じ。説明するの難しいんだけど…

途中から、ロッドが降りていくのが遅くなった。家の基礎が載るラハと呼ばれる大きな岩に穴を開けているらしい。岩が埋まった黒土の層の下にある地層で、深さ(岩のどの部分か)によって硬さが違うようで、一番時間がかかる時は1分で1センチも進まない。

 たぶんピットの冷却のための水。

粉末の衣料用洗剤を混ぜると岩に浸透して砕けやすくなるそうで、時々洗剤を溶かした水を入れていた。

 日が暮れても携帯のライトで継続。

 さすがにとっぷり暮れて終了。

28メートルの深さまで掘り進んだ。15メートルを超えたくらいで水は出るそうだが(海辺の村では3メートルくらいだが塩分混じり)、この辺は農作物に水やりするために井戸を掘る人が結構いるので、乾季の終わり頃には地下水が減って出なくなってしまうこともあるという。我々の水への執着をヒルベルト経由で聞いていたらしく、30メートル以上の深さまで掘ってそういう時にも水が出るようにするらしい。

  翌朝、再開。

我々より早く現場に到着したようで、200メートルくらい離れた借家にも掘る音が聞こえてきていた。

 掘削機が浮き上がる!

 機械の後ろで、安定させるためのロープ?を押さえる。

この深さになると、めちゃくちゃ硬い層らしい。

 最後のロッド。

埋め込むPVC管が脇で待機している。

 管は昨日洗浄済み。

 昼食の後、ロッドをどんどん上げて出していく。

  PVC管挿入。

深くなるにつれ、大変になる。

 3人がかりで押し込む。

深さ通りの本数のPVC管を入れ、最後の管が地表に30センチ出てる状態で終了。ゴミが入らないようにビニール袋をかぶせて終了。

 掘削機を車に乗せて完了。

コンプレッサーは他の車で牽引。どこでもこの2台体制らしく、海辺の村で見慣れていた通り。

 支払い。

この女性が直接の受注人で、彼女が3人のチームを連れてきた。連邦政府の仕事で地方の業者の受注効率や施工品質を上げるコンサルみたいなことをしているらしい。すぐ下請けの3人チームに払えるよう、現金で。

とにかく海辺の村で見ていたのとすごく違う。あっちは砂地なんで、機械は同じようにうるさいがサアーッと掘り進んでいく。が、ここはそうはいかない。すごい迫力だった。見てる方も爆音で頭がガンガンするし、なかなか進んでいかないと、いつ無理だからやめると言われるか、ハラハラしてしまう。実際は我々が無知だっただけで、どんなに時間がかかっても目標の深さまで作業を続けるらしい。

彼女にポンプの手配と設置も頼むことにしたので、数日後見積もりが上がってくる。こんな苦労して掘ったのに中国製のやっすいポンプが壊れて水が出ないなんてことにならないように、1.5馬力の高性能(比較的)ポンプ限定で手配してもらう。モンテレイというメキシコ北東部の大都市の輸入代理店を使うことになるだろうと話していた。おそらく、今回の工事でユカタン州以外から買う唯一の物。

あー、疲れた。見てるだけで。けど、これで水の問題とは縁がなくなる。万歳。おまけに、自然が豊かなユカタン半島が蓄える豊富な地下水のうち、特に汚染されていない地域での井戸で、深さが40メートル近くとなると、なんと飲めるという! 煮沸くらいはするだろうが、もう20リットル入りの飲料水を買わなくてもいい‼︎


メリポナのはちみつ(プロポリス入り)

2023年12月06日 | ユカタン諸々

【12/2〜4の作業】隣接地への水道管の移動、建材搬入

 

 メリポナの巣入りはちみつ。

前の記事で書いたメリポナの養蜂場で買った。巣というか、はちみつを貯める壺が混ざってるはちみつなんだが、その壺はプロポリスの塊だそうで、ちょっとざらっとしたなめ心地。スペイン語では花粉という単語なんだが、花粉で壺を作るんですかね? 産地直売で100ccくらいのこれが350ペソなり。日本円で3千円ちょっと、この辺はメリポナ以外の普通のはちみつがすごく安いので結構するというイメージだが、希少なんでまっとうな値段だと思う。ちなみに巣入りじゃないメリポナのはちみつだけなら日本でも売っている様子。めっちゃ高いけど。

 村の名前になっている蔓草の花。

うちのウアノに巣を作っていたメリポナのはちみつは結構強い柑橘系の味がしたが、おそらくこの花によるものだと思われる。朝顔みたいだが一日中咲いている。

  サポテ。

実がなっていた。普通の茶色いやつですね。黒サポテが最高というか珍しいと聞いてプログレソの市場で探したことがあるが、それじゃなくてよくある種類。こちらも柿とさつまいもを混ぜたような味なんだが、これは高いところになってて採れないので、まだ味見をしてない。

 クリスマスツリー点灯祭り。

カウボーイ技術競技会と並んで、村のビッグイベントの一つらしい。毎年役場の前に大きなツリーが設置されて、その年初めて点灯される夜、村中の幼稚園小中学校の生徒が何かの踊りを披露する。クリスマスそのものはまだなんで、宗教絡みの踊りでなく学芸会みたいなもんでしょうか。

 ソパ・フリア。

ソパはスープの意味なんだが、何かの麺が入っているスープまではわかるがマカロニサラダもソパのうちなのか…。とにかくこの写真のとおり、ただのマカロニサラダに見えるので、海辺の村でもたまに売ってたが買ったことはなかった(自分で作ることは当然ある)。台所がないので出前生活なため初めて頼んだんだが、なんと甘いのである。あまりのショックで「この店だけかも」と思ったんだが、お向かいさんに聞いたらそういう物だという。練乳が入ってるらしい。いやーびっくりした。ニンジンやハムが少ーし入ってて、どう見てもマカロニサラダなんだけど…。

ーーー

 朝まで雨。

メリダでは降ってもほとんどが夕立、海辺の村では滅多に雨が降らなかったので、夜じゅう降り続いて朝も…なんて、マジで久しぶり。

ヒマヤラスギの彼の作業が進まないため、その撤収を待つ間に、道から見てうちの後ろにある家へつながっている水道管を、その家の地主に移動してもらった。我が家の床下で水漏れとかしたら嫌だから。そのあと雨が続いて、現場での作業はほぼなし。

 ブロックと砂と砂利

現場が休みなため、親方の思惑通りの位置に搬入されなかったが、まぁどうにかなるという。

  岩。

前に書いたチャクムルトゥンという遺跡に使われてるのと同じ、赤い層がある岩。海辺の家を建てたときは、もう少し北のほうで掘り出された岩だったのか、これほど赤いのはなかった。ところで何の色素だろう?


土地のいろいろな個性

2023年12月03日 | 新築

【11/29〜12/1の作業】いらない木の切り倒しと撤去、ゴミ拾い、資材搬入、地鎮祭

 

セノーテは約6,600万年前の隕石落下の衝撃でできたんだが、そう分かった根拠が「セノーテがリング状に多く分布している」こと。うちの村の辺りはそのリング上からは外れているので、そうそうあちこちにあるわけではない。でもセノーテがあると謳った売地がたまにある。要は、地主が積極的に水利として使ったり観光資源になったりするようなセノーテはほとんどないんだが、キレイな水を蓄えた小さい地下洞窟らしきものは結構ある。ユカタン半島全体が石灰岩層なので、洞窟の形によっては雨水が貯まるんじゃないだろうか。

で、その小さい洞窟のさらに小さいものなら、うちの敷地にもある。

 こんなの。

奥の方の枯れ枝を多少どけてみたら、水が溜まっていた。キレイかどうかは穴の深さ次第なので、ちょっとこの状態じゃわからない。

 岩全体はこんな感じ。

上の写真で左の方に鉛筆の山が崩れたように見えるのが、切り株の根。

 同じく右上に洗面台の下みたいに見えるところ。

上から見ると別の穴になっていて、こちらにも雨水が溜まっている。

大きさ的には大したことないので当然セノーテと呼べるものではないが、ミニチュアとして面白い。家の建設が終わって落ち着いたら、フィギュアか何か買ってきて洞窟探検劇場でも作ってみたい。

 

えー、現場作業員は現場らしい仕事をしているが、我々は海辺の家の新築時同様、ゴミ拾いをずっと続けている。前の家でも、「空き地に捨てられた」程度のゴミと作業員たちが飲み食いした後のゴミを拾っていた。ちなみに作業員たちは我々のしていることを見てだんだんその辺にゴミを投げ捨てるのはやめて、我々の使っているゴミ袋に入れるようになった。

今の現場もずっと空き地だったんだが、野原の真ん中じゃなくて両隣には人が住んでいる。片方は我々の土地の売主だった、つまり我々が買う前は自分たちの土地だったわけで、燃やした後に残ったゴミがちょっと散らばっちゃった…程度。だが、逆隣りはひどいことに自分たちのゴミ捨て場にしていた。それも長年。

  あまりにひどいので晒す。

最初のうちは敷地全体と同じく地表にある大量のゴミを拾っていたんだが、地中にも埋まっていると気づいた。彼らとの境界にやたら多く、洗濯や炊事をするエリアの外(うちの敷地内)は、ガラスやプラスチックのかけらが土と岩とごっちゃになって、地面が1メートル近く盛り上がっている。

そのゴミ地層の中には、布切れ(着なくなった服)や注射器(ここでは自分で打つ薬もある)やゴムサンダルなど、もうありとあらゆるものが埋まっている。なんと、普段のノリで投げ捨てようと腕を振り上げた時にうちの相棒と目があってやめたことがあったらしい。流石にもううちの敷地内に投げ捨てるのはやめたが、とにかく民度が低い。

敷地内の他のエリアのゴミがほぼ片付いたので、拾うだけじゃなくて全部掘り返すことにした。将来、土エリアときれいな小道に分けてきれいに造るつもりでいたし。幸い、家を建てる部分からは外れているので、建設現場でのやりとりの合間に地道に続ければいつかきれいになるはず(怒)。

とにかく悪びれないというかあまり深く付き合いたくはないが、我々はすぐに表立って陰険な間柄になることは誰ともしない(揉めて収集つかなくなってから絶交する)ので、まぁ、仲良しじゃないけど普通のお隣さんって感じになりますかね。子供が多く、彼らには罪はないのでお喋りするし、彼らの前で親と口論するのも避ける。が、ちくちくとゴミを他人の土地に捨てるのは悪いことだと教え込んでくつもりw。

 

 基礎の割栗石、納品。

10回のビアへ(岩の納品単位)の第1回。

 ブロックも来た。

ちょっと早いんだが、見てるとどの現場でも、ブロックを見ると作業員にやる気が出るらしく、よろしいことでw。

 最後の大きい木の切り倒し。

高さ15mくらいはある木で、道の向こう側の家まで届くんじゃないかとハラハラして見ていたが、親方の目測に間違いはなかった。ただし、枝を切り落としてうち側に寄せるまで通行止めw。

あと地鎮祭をした。あたしが神主役なんで写真はありません。作業員の一部はビデオ撮ってたらしいけど、当然なんちゃってなんで、ここで晒す気はない、あしからず。まぁ、お浄めしてお呼びしてお供えしてお祈りして…を一通り。

マヤ文化でもあるにはあるが、どちらかというと竣工してから「これから住みますね」と土地の神様に報告する儀式をするという。あと、家じゃなくて果樹園では毎年、種付けや実がなり始める前にするらしい(する人は)。地鎮祭と同じく、安全と良い成果物を祈って。人によってはシャーマンを呼ぶそうだが、隣のヒルベルトも親方も、個人的にする方が好きで、あたしがしたのがすごくよかったと言ってくれた。こっちこそ気に入ってもらえてよかった。

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 近所に咲いているきれいな花。

名前は知らない。他にも結構いろんな花が咲いている。余裕がある時だと写真撮って調べるんだが、ちょっと今は疲れちゃって無理なんで、家が建ってからのお楽しみ。

 こないだ宣伝していた牛肉の牛さん。

この記事の一番下に書いてある張り紙がなくなっていて、代わりに牛さん本人がお披露目されていた。CHOCO LOMO チョコロモというのは料理の名前で、ユカタンのシチューです。予約以外の肉で作って売るのであろう。買うかどうかわからないけど、牛さん、ありがとう。(実は昨日から鳴き声が聞こえてきて、分かっちゃいるものの何とも…。あまりいろいろ考えないようにしている…)

 前の記事で書いたメリポナの施設にて。

メリダに旅行に来ている人がマヤの家を見たいというので親方の家に案内したついでに、メリポナを紹介する養蜂場へ。友達のエンリケ(この土地を紹介してくれた、元地主の旦那の弟)も、そこの文化保存活動に携わっていて、たまに講師を務めるらしい。結構興味深かったんで、写真を撮り忘れた、すみません。養蜂なんで、はちみつ製造用の巣や成育用の巣を人工的に作っている。その伝統的な作り方の、槌とトンカチ。材料にはなんと、使い道がないと聞いてゴミ捨て場に持っていったウアノの幹を使うとのことで、これはもったいない申し訳ないことをした。