日々の暮らし*『砂の器』(著者:松本 清張)

2022-08-12 | 本が好き
 言わずと知れた不朽の名作は、昭和35年5月から1年間、読売新聞の夕刊に掲載されました。

その後、映画化1回、テレビに至っては7回もドラマ化されましたので、ご覧になった方も多いことでしょう。





 原作と映画やテレビとでは、ストーリーや登場人物が異なる場合が多々ありますので、

清張作品に触れるとき、私はまず原作を読みます。

読み終えたら『地図で読む松本清張』でおさらい。

国鉄や都電(かつて都内を網羅していた路面電車)の路線図を見ながら犯人や刑事の足跡を辿り、

時代背景や、現代とは異なる価値観などの説明を読みます。

そして最後に、もし図書館に所蔵があれば を借りてきて映画鑑賞。

『砂の器』の場合、上下巻で1000ページほどの原作を2時間にまとめたので、内容がだいぶ変わっています。

原作のラストシーンが羽田空港の国際線ロビーだったため、当時の映像が観られるかと期待していたのですが、

残念ながら、映画では全く別の場所でした。



1974年(昭和49年)公開の作品
国電蒲田駅操車場内で発生した事件が、やがて連続殺人事件へとつながります。



警視庁警部補役 丹波哲郎さんと、西蒲田署の巡査役 森田健作さん。
両刑事が捜査で訪ねた東北地方の駅前食堂。
森田さんがやがて政治家になるなど想像もしなかった頃、
『おれは男だ!』の面影が残る若手刑事を演じていらっしゃいました。



1931年(昭和6年)から1977年(昭和52年)まで使用された、建て替え前の警視庁 旧本部庁舎。



1980年(昭和55年)、同じ場所に現本部庁舎が竣工。
建物だけでなく、交通量がずいぶん違いますね。



映画で一瞬映った場面。
話の流れからすると、おそらく大阪駅ではないかと思いますが、どなたかご存知でしょうか?

 
 夜行列車に一昼夜揺られ、靴をすり減らして目撃者を探し、アリバイ崩しに奔走する刑事。

手軽にコピーも録音も出来なかった時代、書類も証言も現場の状況も、漏らすまいと手帳に書き写す刑事。

不便であればあるほど、知恵が働き、工夫をし、観察力や文章力が鍛えられるのだと、

こちらまでヘトヘトになりながら、読み終えると「次」が読みたくなってしまうのです


お読みくださいましてありがとうございます。
映画の一場面から 昭和の蒲田駅ビル 西館
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2 コメント

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砂の器 (hirorin)
2022-08-13 12:34:07
私も原作、昔に読みましたよ~
確か父の本棚からだったと思います。
なつかしいですね。

映画は、丹波哲郎のを映画館で見てその数十年後、また映画館で見ました。
あれ、なんか切なすぎますよね。
あの頃の森田健作さんは、いい顔してましたが、晩年はいわゆる「悪い顔」になってると思います。
引いた~

これ、大阪駅ですかねえ?
実家にいた頃は、阪急ばっかりやったんで、あんまりJRに乗らずたまに環状線に乗るくらいでした。
でも駅の建物の向こうに見えるのは、堂島のサントリーかな?

昔、大阪駅近くに大阪郵便局あってなつかしいレンガ作りでした。その裏あたり、今のルクア辺が貨物局か何かやったような。

昨日は31年前のTVの「ゼロの焦点」をBSの見てたんですが、昭和34年代舞台。あの頃、個人情報もへったくれもなく、身分証明書もなく普通に戸籍抄本とか調べてくれてびっくりです。
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hirorin さんへ (Juliet)
2022-08-13 19:30:20
hirorin さん、こんばんは。

こちらは台風接近中です

>確か父の本棚からだったと思います。

hirorin さんが読書好きでいらっしゃるのは、お父様譲りなのですね

>あの頃の森田健作さんは、いい顔してましたが、晩年はいわゆる「悪い顔」になってると思います。
引いた~

後輩の旦那様で、婚約当時の鼻の下を伸ばしっぱなしの表情が印象に残っています。
俳優、そして政治家と、実にいろんな顔を見せてくれました。

>これ、大阪駅ですかねえ?

「大阪駅 昔の写真」で検索しましたら、出てきました
画面の右側に写っているのが阪急百貨店です。

>昔、大阪駅近くに大阪郵便局あってなつかしいレンガ作りでした。

写真には写っていませんが、大阪駅を挟んで阪急百貨店と向かい合っているのが大阪中央郵便局です

>その裏あたり、今のルクア辺が貨物局か何かやったような。

昔は郵便物の輸送は鉄道がメインでしたから、駅の近くは最高の立地ですよね

>昨日は31年前のTVの「ゼロの焦点」をBSの見てたんですが、昭和34年代舞台。

昔の映画を観ますと、私たちが生まれた時代って、まだまだ戦争の影響が残っていたのだと感じます。

>あの頃、個人情報もへったくれもなく、身分証明書もなく普通に戸籍抄本とか調べてくれてびっくりです。

『眼の壁』では、一般人が空港スタッフに、
「乗務していたスチュワーデスさんに会いたいのですが」
「その便でしたら○○が乗務していましたが、帰宅しました」
「住所を教えてくださいますか?」
「はい、こちらです」

私、椅子から転げ落ちそうでした
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