※事情があって、本日は過去記事の再録で勘弁願います。
なにかあったというわけではありません、単なる呑み過ぎです汗
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あれは満月の日だったか、
あるいは地球がほんの少しだけ間違った方向に捩れたのだろうか、
どういうわけか、こんな自分に自主映画の主役をやってくれないか―と依頼してくる、世にもキトクな友人が居た。
「なんで自分?」
「役にぴったりだから」
「俺が書き手であり続けたいのは分かっているよね?」
「リチャード・アッテンボローは素晴らしい監督であると同時に、素晴らしい俳優でもある。シドニー・ポラックもそうだった。君の神様であるスコセッシだって、ゴッホや、不快極まりないタクシーの乗客を怪演している」
そりゃあ、そうかもしれないが。
宮崎爺の新作『風立ちぬ』の主人公の声は、「あの」庵野さんであるし。
しかし、だねぇ・・・。
「どんな役?」
「ホン持参してきているから、読んでもらえれば分かるけど、簡単にいえば怪しい宗教の教祖」
「へ?」
「『エンゼル・ハート』でいうところの、デ・ニーロみたいなキャラだね」
「また、うまいこといって」
アクション映画の敵役をオファーされたこともあったし、
じつをいうと大きな声ではいえないが、AV男優にならないかとマジな誘いを受けたこともある。ちゃんとした? プロデューサーに。
「いえいえ、ガタイはそこそこかもしれませんが、モノがね、モノが」
「そんなのボカシがあるんだから、気にすることはないよ」
「いやぁ・・・」
きのう―『新・午前十時の映画祭』で、大傑作『カッコーの巣の上で』(75…トップ画像)を観た。
物語もだが、俳優全員が名演で感動した。
力強い。
ワンシーンしか登場していない端役までも、力強い。
実際、この映画はオスカーにおいて作品・監督・主演男優・主演女優・脚色(原作は、ジョン・ケージ)の主要5部門賞をかっさらっている。
この5部門制覇は快挙中の快挙で、オスカー史上、この映画と『或る夜の出来事』(34)、『羊たちの沈黙』(91)だけしか成し遂げていない。
しかし、それだけの栄誉でも足りない気がする。
クリストファー・ロイドも素晴らしい。ダニー・デヴィートも素晴らしい。ウィル・サンプソンも素晴らしいから。
ロバート・アルトマンの群像劇『ショート・カッツ』(93)だったと思う、ベネチア国際映画祭が粋な計らいをして、この映画に「出演者全員賞」を授与した。
いいねぇ!
深い映画愛と、表現に対する敬意が感じられる。
というわけで。
今宵は、演技力は「どう考えてもゼロ」、ただ映画愛だけは誰にも負けないヘンクツ野郎が選ぶ「出演者全員が素晴らしい」絶妙なアンサンブル映画を挙げてみたい。
(1)『酔いどれ天使』(48)
久我美子、木暮実千代、千石規子…とくに女優陣が素晴らしい。
これ、黒澤映画では珍しいこと。
(2)『ユージュアル・サスペクツ』(95)
のちに監督ブライアン・シンガーがゲイであることを公表、すべての男たちがなぜ魅力的なのか、不思議と合点がいった。
(3)『仁義なき戦い』(73)
全員がホンモノのヤクザに見える。
とくに、梅宮辰夫。
(4)『マグノリア』(99)
アルトマンから認められただけあって、監督PTAは、ほんとうに群像劇が得意だなと。
(5)『ディア・ハンター』(78)
クリストファー・ウォーケンばかり注目されるが、ジョン・カザールもメリル・ストリープも素晴らしい。
(6)『グーニーズ』(85)
少年少女、みんな魅力的。
(7)『幕末太陽伝』(57)
軽妙なフランキー堺、無邪気な裕次郎、ひたすら美しい南田洋子…演者全員が楽しそうに演じているのが、じつにいい。
(8)『トラフィック』(2000)
群像劇のお手本のような創り。
キャサリン・ゼタ=ジョーンズをホンモノだと思えたのも、この映画が最初。
(9)『エリン・ブロコビッチ』(2000)
2本連続で、ソダーバーグの映画を。
オスカーを取ったジュリア・ロバーツだけでなく、アルバート・フィニーもアーロン・エッカートも、そしてインテリな敵役も完璧。
(10)『エイジ・オブ・イノセンス』(93)
スコセッシ映画から一本。
アルトマンの『ザ・プレイヤー』(92)にも出ていたリチャード・E・グラント、好きなのだが、最近パッとしないね。
※『エリン・ブロコビッチ』より、最も好きなシーン。
「どうやったら、これだけの署名を集められるのか」という質問に対し、エリンが「町民全員にフェラチオしてあげたの」と答える。
面白いっ!!
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
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明日のコラムは・・・
『煙の不思議』
なにかあったというわけではありません、単なる呑み過ぎです汗
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あれは満月の日だったか、
あるいは地球がほんの少しだけ間違った方向に捩れたのだろうか、
どういうわけか、こんな自分に自主映画の主役をやってくれないか―と依頼してくる、世にもキトクな友人が居た。
「なんで自分?」
「役にぴったりだから」
「俺が書き手であり続けたいのは分かっているよね?」
「リチャード・アッテンボローは素晴らしい監督であると同時に、素晴らしい俳優でもある。シドニー・ポラックもそうだった。君の神様であるスコセッシだって、ゴッホや、不快極まりないタクシーの乗客を怪演している」
そりゃあ、そうかもしれないが。
宮崎爺の新作『風立ちぬ』の主人公の声は、「あの」庵野さんであるし。
しかし、だねぇ・・・。
「どんな役?」
「ホン持参してきているから、読んでもらえれば分かるけど、簡単にいえば怪しい宗教の教祖」
「へ?」
「『エンゼル・ハート』でいうところの、デ・ニーロみたいなキャラだね」
「また、うまいこといって」
アクション映画の敵役をオファーされたこともあったし、
じつをいうと大きな声ではいえないが、AV男優にならないかとマジな誘いを受けたこともある。ちゃんとした? プロデューサーに。
「いえいえ、ガタイはそこそこかもしれませんが、モノがね、モノが」
「そんなのボカシがあるんだから、気にすることはないよ」
「いやぁ・・・」
きのう―『新・午前十時の映画祭』で、大傑作『カッコーの巣の上で』(75…トップ画像)を観た。
物語もだが、俳優全員が名演で感動した。
力強い。
ワンシーンしか登場していない端役までも、力強い。
実際、この映画はオスカーにおいて作品・監督・主演男優・主演女優・脚色(原作は、ジョン・ケージ)の主要5部門賞をかっさらっている。
この5部門制覇は快挙中の快挙で、オスカー史上、この映画と『或る夜の出来事』(34)、『羊たちの沈黙』(91)だけしか成し遂げていない。
しかし、それだけの栄誉でも足りない気がする。
クリストファー・ロイドも素晴らしい。ダニー・デヴィートも素晴らしい。ウィル・サンプソンも素晴らしいから。
ロバート・アルトマンの群像劇『ショート・カッツ』(93)だったと思う、ベネチア国際映画祭が粋な計らいをして、この映画に「出演者全員賞」を授与した。
いいねぇ!
深い映画愛と、表現に対する敬意が感じられる。
というわけで。
今宵は、演技力は「どう考えてもゼロ」、ただ映画愛だけは誰にも負けないヘンクツ野郎が選ぶ「出演者全員が素晴らしい」絶妙なアンサンブル映画を挙げてみたい。
(1)『酔いどれ天使』(48)
久我美子、木暮実千代、千石規子…とくに女優陣が素晴らしい。
これ、黒澤映画では珍しいこと。
(2)『ユージュアル・サスペクツ』(95)
のちに監督ブライアン・シンガーがゲイであることを公表、すべての男たちがなぜ魅力的なのか、不思議と合点がいった。
(3)『仁義なき戦い』(73)
全員がホンモノのヤクザに見える。
とくに、梅宮辰夫。
(4)『マグノリア』(99)
アルトマンから認められただけあって、監督PTAは、ほんとうに群像劇が得意だなと。
(5)『ディア・ハンター』(78)
クリストファー・ウォーケンばかり注目されるが、ジョン・カザールもメリル・ストリープも素晴らしい。
(6)『グーニーズ』(85)
少年少女、みんな魅力的。
(7)『幕末太陽伝』(57)
軽妙なフランキー堺、無邪気な裕次郎、ひたすら美しい南田洋子…演者全員が楽しそうに演じているのが、じつにいい。
(8)『トラフィック』(2000)
群像劇のお手本のような創り。
キャサリン・ゼタ=ジョーンズをホンモノだと思えたのも、この映画が最初。
(9)『エリン・ブロコビッチ』(2000)
2本連続で、ソダーバーグの映画を。
オスカーを取ったジュリア・ロバーツだけでなく、アルバート・フィニーもアーロン・エッカートも、そしてインテリな敵役も完璧。
(10)『エイジ・オブ・イノセンス』(93)
スコセッシ映画から一本。
アルトマンの『ザ・プレイヤー』(92)にも出ていたリチャード・E・グラント、好きなのだが、最近パッとしないね。
※『エリン・ブロコビッチ』より、最も好きなシーン。
「どうやったら、これだけの署名を集められるのか」という質問に対し、エリンが「町民全員にフェラチオしてあげたの」と答える。
面白いっ!!
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
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明日のコラムは・・・
『煙の不思議』