Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(125)

2015-06-16 05:59:19 | コラム
るいあーむすとろん「ぐ」→「ぐ」ろーいんぐあっぷ(グローイング・アップ)

グローイング・アップとは、成長の意。
ほとんどの映画がグローイング・アップをテーマとしている―といってしまっても、それは大きく外れてはいないと思う。

(内的にも外的にも)なんの変化も起こらない登場人物ばかりであったら、共感するのは難しいものね。

わが神映画『タクシードライバー』(76)のトラビスだってそう、最初と最後ではずいぶんとちがっている。
笑顔でベッツィを迎えられるようになったトラビスの表情は、なんだか「悟ったひと」にも見えるし。

成長した・・・というより改心したように見えて、結局のところ「なーーーんにも」変わっていなかったのは、『時計じかけのオレンジ』(71)のアレックス。

ただこの映画は、その皮肉そのものが最大のテーマであるのだから、これでいい。


そこできょうは、自分が選出する「グローイング・アップ映画の10傑」を展開してみよう。

「ど直球」から「やや変化球」まで、皆さんはどの物語がお好みでしょうか。


(1)『魔女の宅急便』(89)

デッキブラシで飛ぶキキは、このことによって一人前の魔女になる。

しかし成長には代償というものも付き物で、キキは、黒猫ジジと話せる能力を失うのであった。

(2)『プラトーン』(86)

反戦映画ではなく、若者の成長物語と捉える向きが多い。

主人公クリスは、まちがいなく大人になったし。



(3)『キャリー』(76)

灰皿をひっくり返すことくらいしか出来なかったヒロインが、テレキネシスの才能を開花させて逝く―。

残酷だが、ある意味で清々しい成長の物語。

(4)『ミスター・ソウルマン』(86)

奨学金を得るために、白人青年が黒人に成りすます―という、トンデモ青春映画。

しかし偏見に満ちた社会をチクリチクリと刺しまくり、主人公とともに観客もいろいろと考えさせられるという点において、これは良質な道徳の物語ではないかと。

(5)『スタンド・バイ・ミー』(86)

たぶん一般のアンケートでは1位になると思う。

たった一晩の出来事で成長を描き切る―これが、映画の魔法なんだ。

(6)『どこまでもいこう』(99)

日本の子どもたちだって負けていない。

クラスメイトの「唐突な」死を乗り越え、男の子は「おとこ」になった。

(7)『サイダーハウス・ルール』(99)

育ての親の教育や方針に反発していたのに、やがてはそれを受け入れるようになる。



最後にみせるホーマーの泣き笑いの表情、最高だ。

(8)『8 Mile』(2002)

こちらは変化球。

このまま、変わらぬ俺でいよう―そう思うこともまた、成長のひとつである。

(9)『キッズ・リターン』(96)

酸いも甘いも経験したふたりは、俺たち、まだ始まってもいねぇ! と強がってみせる。

(10)『ブラック・レイン』(89)

成長は、アンチャンネーチャンだけの特権ではない。

健さんはいうでしょう、マイケル・ダグラスに向かって「飛び出してみせだぞ!」って。


※あぁー元気出るぜ




あすのしりとりは・・・
ぐろーいんぐあっ「ぷ」→「ぷ」ろでゅーさー。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(126)』

コメント (2)
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