Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

初体験 リッジモント・ハイ(132)

2015-06-22 05:45:44 | コラム
いろんなことしてきたつもりだが、刑務所に入ったことはない。

前科はありますよ、そりゃ・・・って、えばっていうことでもないが、実刑喰らうような重罪は犯していないっていうこと。

ナニゴトも経験、死ぬ前にいちどくらいは―と思うことはいろいろあるけれど、刑務所暮らしはいいや。


刑務所のなかのアレヤコレヤは、作者の実体験や経験者への取材をもとにした小説・漫画・映画が沢山あるので、「その空気」くらいは知ることが出来る。

意外と自由なんだなぁと思ったのは、『グッドフェローズ』(90)の囚人たち。
看守を手なずけ? 刑務所内でクスリの売買をしているし、料理も豪華だ。

尤も彼らはギャングなので、一般人がこんな待遇を受けることはないだろうが。

※トマトソースを作るジイサンが、スコセッシの実父





一般人が抱く刑務所のイメージは、やっぱり恐怖なのである。
そういう意味では、スパイク・リーの『25時』(2002)はリアリティがあった。

麻薬の密売で有罪判決を受けた主人公、ブローガン(エドワード・ノートン)。
映画は彼が収監される前の25時間を描くが、彼にとっての恐怖は、薄汚い男たちに犯されること。

身近でそういう経験をしたものが居るのか、それとも単なるイメージだけで怖がっているのか分からないが、彼は友人たちに「殴ってもらう」ことで顔を醜くして、レイプされることを防ごうとする。

いまでも、そんなことが起こる?
21世紀で?

とは思うが、閉ざされた世界である。
泣き喚いても、その声は外には届かないのだ。

『ショーシャンクの空に』(94)のアンディも犯された。
レイプの罪で捕まった『ケープ・フィアー』(91)のマックスでさえ、犯されている。

彼はいっていたでしょう、
「あんたに想像出来るかい? 毛むくじゃらの男たちに押さえつけられる感覚が」と。

日本では、刑務所内のイジメは描かれることはあるが、レイプなどが描かれることはない。
実際にあるのかないのかは、ちょっと調べようがないが。


繰り返すが実刑を喰らって囚人生活を送ったことはない。
ないが、面会に行ったことはある。

2度ほど。

というわけで初体験シリーズ、今回のテーマは「初めての、刑務所面会」でいってみる。

ただ相手は罪を償い、すでに社会復帰した友人である。
痒いところまで手が届く「表現ではない」ことだけは、勘弁してもらいたい。

映画における印象的な面会のシーンを挙げろ―と問われれば、瞬時に挙がるのはふたつ。

『天国と地獄』(63)のラストと、『ミッドナイト・エクスプレス』(78…トップ画像)の、哀しい哀しい自慰のシーンである。

山崎努が揺らす金網の音はいつまでも耳に残るし、


「夏は暑くて寝られない。冬は寒くて寝られない!!」



自慰を始めた主人公に放つ恋人のヒトコト、「あぁ慰めてあげたいわ!!」は強烈だった。


さて、自分が生まれて初めて刑務所の面会に行ったのは、いまから15年ほど前のことである―。


つづく。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(133)』

コメント (2)
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