Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(181)

2016-09-19 00:10:00 | コラム
あい「す」→「す」とりっぷ(ストリップ)

横浜は中区のラブホテルで働いていたころ、の話。

最寄駅は日ノ出町。
分かり易くいうと桜木町のちかくで、横浜中華街まで歩いて行ける距離。

そんなラブホテルの、目と鼻の先にストリップ劇場があった。

愛好家には有名なところで、あの小向美奈子も出演したことがある。


深夜のフロントを任されていたある日、半裸にちかい状態の若い女子が「宿泊で―」というので、会計を済ませつつ、

「危ないですよ、その恰好。ここいら、治安がいいともいえないし」というと、

「そこの、ストリップに出演するものです」
「あ! そうなんですか。あれ、小屋には寝泊まり出来るんじゃ?」
「…そうなんですけど、怖くて」
「…怖い? ひとりなの?」
「いえ、仲間も居ます。でもあたし、見えるんです」

その答えで、合点がいった。

小屋に幽霊が出るというのは、ストリップ嬢のなかでの「あるある」であり、そういえば数ヶ月前も「完全に、若い女子の幽霊を見てしまった」という子が、泣きそうになりながら泊まりに来たっけな、、、と。


ストリップ劇場は過去のものではないが、誤解を恐れずにいえば前時代的である。

現代化に「失敗した」というより、現代化を「拒んだ」。

というのも、ストリップをこよなく愛するものたちは、「この古い感じがいいんだよ」と口をそろえていうのだ。


いちどしか行ったことがないので、この世界についてアレヤコレヤいうほどの知識も資格もない。
ないが、AV女優が卒業後に辿り着く就職先としても名高い場所であり、需要と供給は「割と、いい塩梅なのかな」とは思っている。


さて、映画のなかのストリップ。

個人的に真っ先に思い浮かべるのは、『エキゾチカ』(94)の鮮烈なストリップ。



ヒロインが制服を着て踊っていたので、あぁそうか、女子高生=エロという記号は、海外でも通用するものなんだなぁと思った。


以下、思いつくまま挙げてみる。

デミ・ムーアが頑張った、でも、ぜんぜん評価されなかった『素顔のままで』(96)。

ナタリー・ポートマンが頑張った、そして、そこそこの評価を得られた『クローサー』(2004)。

ふつうのダンサーをやっていると思ってアル・パチーノが見に行くと、それがストリップだったので驚いたのは、『カリートの道』(93)のペネロープ・アン・ミラー。

※さすがに貼れないので、切ないラストシーンを




『ビバリーヒルズ・コップ』のシリーズ(84~)では、恒例のようにストリップ劇場へ行くシーンがあり、

刑事モノとの相性がいいのか、それは『ドラグネット』(87)でも同様だった。

また変化球としては、男たちが脱ぐ英国産のコメディ『フル・モンティ』(97)なんていうのもある。


日本産のも「あるには、ある」けれど、海外産のように「旬の女優さんが挑戦!」というのは、ないのだよね。

ストリップ劇場で下積み経験のある北野武あたりに、佐々木希を起用して撮ってほしいな。

「女を主人公に持ってくる映画は苦手」という武の評価だけでなく、佐々木のぞみんの評価も上がると思うのだけれどなぁ!!


あすのしりとりは・・・
すとりっ「ぷ」→「ぷ」りんせす。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(182)』
コメント (1)
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