Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

俺はぜったいプレスリー

2016-09-24 04:50:05 | コラム
先日の『怒り新党』(テレビ朝日)、視聴者(20代女性)からの投稿で、こんなのがあった。

CDショップに勤める彼女が、60代の男性客から「プレスリーのCDはどこ?」と聞かれ、
初めて聞く名前だったので聞き直すと、「プレスリーも知らんのか!?」と怒鳴られた。

アルバイト店員は、過去のことまで詳しくならなきゃいけないの? という内容。


番組調べによると・・・

プレスリーを知っていた20代は、100人中7人。
(「なんとかマーキュリー」と答えたアンちゃんも居た笑)

「過去のことを知らない店員を許せるか」の問いには、「許せる」が8割だった。

その理由は、「店員も完璧ではないから」。


分かるけどね。
分かるけど!!

番組で有吉ちゃんがいっていたとおり、知っていて当然であるひとが「知らない」ってなったときの動揺って、なかなかのものである。

CDショップで働くひと=音楽好き
映画館で働くひと=映画好き
カラオケボックスで働くひと=歌うことが好き
サイクルショップで働くひと=チャリダー
鳶職=高いところが好き

こっちはそう思っているからね、音楽好きならプレスリー知っているだろうと決めつけるし、実際、知っていたほうが「いいに決まっている」し。

だから、自分は、やっぱり「許せない」に一票を投じる。
(草野球の一員なのに、野球のルールを知らないっていう、武の映画もあったけど)


映画や音楽に触れることが多ければ、自然と覚えるくらいのひとだろうよ。

たとえば映画好きが、プレスリーの存在を知らなければ・・・

本人主演の映画はもちろん、

『トゥルー・ロマンス』(93)で、主人公の守護霊的存在がプレスリーであることに対しても「??」となるし、

『ワイルド・アット・ハート』(90)のエンディング、あの感動が弱まるであろうし、



『フォレスト・ガンプ』(94)で、泊まりにきた青年がプレスリーであったところで笑うことも出来なくなっちゃう。




キューブリックは知っているけれど、黒澤や小津は観たことがないという「映画を学ぶ青年」だって居る。

映画好きならいい―それでも知っておいてほしいけれど―が、「映画を学ぶ」つもりで、なんで黒澤や小津に出会わないんだろう? とは思うわけで。

自分が敬愛するスコセッシやリンチ、コーエン兄弟、ポール・トーマス・アンダーソン、QTタランティーノ、塚本晋也などは、映画史を踏まえたうえで映画を撮るひとで、つまり自作に映画そのものへの批評精神が宿っていたりする。(ときのひと、アンノさんだってそうだ!)

ということは、、、だ。
映画史を知らなければ、現役の映画監督のことさえ理解出来ないということ。


その世界に居るのであれば、少なくとも、その世界についてのことだけは、貪欲に取り込んでほしいな―そう願うが、そんな風に思うのは、やっぱり自分がジジイになったということなんだろうか。

それで、ぜんぜんヘーキだが。





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明日のコラムは・・・

『ポスターだけは、どうにしかしようね。いつか。』
コメント (1)
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