趣味や好きなコト・モノ、嫌いなコト・モノを聞かれることは多いので即答出来るが、
特技は?
と聞かれることは「割と」珍しいので、答えに窮することがある。
まずは「速筆」と答えるであろうし、これで仕事を取ってくることが多いから、そう答える「べき」でしょう。
その次に・・・
特技というほど自信を持っていないので、小さめの声で「細かすぎて伝わらないモノマネ」という。
『酔いどれ天使』(48)の志村喬は、知っているひとに見てもらえば「絶品!」と褒めてもらえる。
『羅生門』(50)のときの、志村喬もいける。
あと、インタビューに答えるときの窪塚洋介とか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/01/43daae307503149b222962bf973a3741.jpg)
ただ、その人物だけでなく「そのシーン」も知らないとピンとこないので、ほんとうの意味で「細かすぎて伝わらないモノマネ」なんだ。
これらのモノマネは基本、シラフではやらない。
だから呑み会の席「限定」の特技。
シラフでも出来るのは・・・
『タクシードライバー』(76)、『グッドフェローズ』(90)、そして『天国と地獄』(63)の、全シーン説明。
「このシーンから始まって、こういうシーンがあって、最後にこうなる」という、あらすじのすべてを「ワンショットも落とすことなく」再現出来るというもの。
しかしこれを実証? するには、ほぼ上映時間分かかるので、みんな途中で「早送りしてよ!」といってくる。
どうにも使えない、じつに不憫な特技なのだった。
それと10年前までは、ある映画の長台詞とか、ある小説の「章まるごと」をソラでいえることを特技といっていた・・・が、いまはちょっと自信がない。
漱石の『それから』は音読と書き写しにより、最後の章は「漏れなく」ソラでいえた時期もあったんだけれどもね。
…………………………………………
―たちまち赤い郵便筒が目についた。するとその赤い色がたちまち代助の頭の中に飛び込んで、くるくると回転しはじめた。傘屋の看板に、赤い蝙蝠傘を四つ重ねて高くつるしてあった。傘の色が、また代助の頭に飛び込んで、くるくると渦をまいた。四つ角に、大きい真っ赤な風船玉を売っているものがあった。電車が急に角を曲がるとき、風船玉は追っかけて来て、代助の頭に飛びついた。小包郵便を載せた赤い車がはっと電車とすれちがうとき、また代助の頭の中に吸い込まれた。煙草屋の暖簾が赤かった。電柱が赤かった。赤ペンキの看板がそれから、それへと続いた。しまいには世の中が真っ赤になった。そうして、代助の頭を中心としてくるりくるりと炎の息を吹いて回転した。代助は自分の頭が焼けつけるまで電車に乗って行こうと決心した。
…………………………………………
実生活で役に立つのは速筆くらいなものだろう、
けれども、そんなムダともいえる特技をひとつかふたつ持っていると「愉快なヤツだ」と評されることが多くなり、
「おもしろい」といわれることが最大の快楽と感じる自分なんかは、ここいらへんを、もっともっと鍛えなくてはいけない、最近はちょっとサボリ気味だよなぁ・・・と、けっこう真剣に反省しているのであった。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『Wild at Heart』
特技は?
と聞かれることは「割と」珍しいので、答えに窮することがある。
まずは「速筆」と答えるであろうし、これで仕事を取ってくることが多いから、そう答える「べき」でしょう。
その次に・・・
特技というほど自信を持っていないので、小さめの声で「細かすぎて伝わらないモノマネ」という。
『酔いどれ天使』(48)の志村喬は、知っているひとに見てもらえば「絶品!」と褒めてもらえる。
『羅生門』(50)のときの、志村喬もいける。
あと、インタビューに答えるときの窪塚洋介とか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/01/43daae307503149b222962bf973a3741.jpg)
ただ、その人物だけでなく「そのシーン」も知らないとピンとこないので、ほんとうの意味で「細かすぎて伝わらないモノマネ」なんだ。
これらのモノマネは基本、シラフではやらない。
だから呑み会の席「限定」の特技。
シラフでも出来るのは・・・
『タクシードライバー』(76)、『グッドフェローズ』(90)、そして『天国と地獄』(63)の、全シーン説明。
「このシーンから始まって、こういうシーンがあって、最後にこうなる」という、あらすじのすべてを「ワンショットも落とすことなく」再現出来るというもの。
しかしこれを実証? するには、ほぼ上映時間分かかるので、みんな途中で「早送りしてよ!」といってくる。
どうにも使えない、じつに不憫な特技なのだった。
それと10年前までは、ある映画の長台詞とか、ある小説の「章まるごと」をソラでいえることを特技といっていた・・・が、いまはちょっと自信がない。
漱石の『それから』は音読と書き写しにより、最後の章は「漏れなく」ソラでいえた時期もあったんだけれどもね。
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―たちまち赤い郵便筒が目についた。するとその赤い色がたちまち代助の頭の中に飛び込んで、くるくると回転しはじめた。傘屋の看板に、赤い蝙蝠傘を四つ重ねて高くつるしてあった。傘の色が、また代助の頭に飛び込んで、くるくると渦をまいた。四つ角に、大きい真っ赤な風船玉を売っているものがあった。電車が急に角を曲がるとき、風船玉は追っかけて来て、代助の頭に飛びついた。小包郵便を載せた赤い車がはっと電車とすれちがうとき、また代助の頭の中に吸い込まれた。煙草屋の暖簾が赤かった。電柱が赤かった。赤ペンキの看板がそれから、それへと続いた。しまいには世の中が真っ赤になった。そうして、代助の頭を中心としてくるりくるりと炎の息を吹いて回転した。代助は自分の頭が焼けつけるまで電車に乗って行こうと決心した。
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実生活で役に立つのは速筆くらいなものだろう、
けれども、そんなムダともいえる特技をひとつかふたつ持っていると「愉快なヤツだ」と評されることが多くなり、
「おもしろい」といわれることが最大の快楽と感じる自分なんかは、ここいらへんを、もっともっと鍛えなくてはいけない、最近はちょっとサボリ気味だよなぁ・・・と、けっこう真剣に反省しているのであった。
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明日のコラムは・・・
『Wild at Heart』