Cape Fear、in JAPAN

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映画監督別10傑(10)クエンティン・タランティーノ

2018-03-30 04:54:52 | コラム
~クエンティン・タランティーノのキャリア10傑~

デビュー当時は、ややこしい名前のため「クエン酸、たらり」で覚えたひとも居たとか居なかったとか。

オタクとしてのグランジ精神はそのままに、プロフェッショナルとしての矜持は成熟―映画小僧たちが憧れと尊敬をこめてQTと呼ぶ男は、「監督作10本で引退する」と公言している。

ほかの監督であれば「話、半分。」で聞くが、QTに関してはマジだと思う。

チャールズ・マンソンと彼が起こした「シャロン・テート事件」の周辺を描くとされる新作で、監督作は9つを数える。

あと2本。
寂しいが、それをリアルタイムで味わうことの出来る幸福を、我々は感謝しなければいけない。


(1)『イングロリアス・バスターズ』(2009)

歴史をひっくり返す。
映画で、映画愛でひっくり返してみせる。



これを1位に挙げると、けっこう意外な顔をされる。

たしかに完璧な脚本とはいえないかもしれない、穴があることは認める。

けれども。
深い、深過ぎる映画愛を前にすれば、そんな些細なことはどうでもよくなってしまうのだった。

(2)『ジャッキー・ブラウン』(97)

映画小僧が、映画監督へと成長を遂げた記念碑的作品。



(3)『レザボア・ドッグス』(92)

ほとんど伝説と化した、監督デビュー作。

ハーベイ・カイテルが惚れたという「特別な才能」は、冒頭の10分で「ドシロート」でも発見出来てしまう。

(4)『キル・ビル』シリーズ(2003、2004)

サブカル要素を詰め込んだ、なんでもありの240分。
しかし不思議なことに、最後の最後に待っているのは「感動!」なのだ。

(5)『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007)

セックス、アンド、バイオレンス。



いわゆる「特殊映画」を、これほどの情熱を注いで撮る一流監督はほかに居ないだろう。

(6)『パルプ・フィクション』(94)

おそらく、最も有名なQT監督作。

この映画の印象が強過ぎて、一部の映画ファンは現在の「巨匠然」としたQTを認められないという。

気持ちは分からないではないが、じつはこれを発表したあたりで、すでに10本しか撮らないと決めていたのである。

終わりが定まっている以上、同じような映画を創っているわけにはいかないものね!



(7)『トゥルー・ロマンス』(93)

脚本そのものは、それほど優れているとは思えない。
ただキャラクターたちの「活き活きした感じ」が素晴らしく、なるほどこれは、多くの俳優が演じたくなるのも納得。

(8)『ヘイトフル・エイト』(2015)

堂々とした佇まいの映画に、監督としての成長というか進化を感じる。



ヒッチコッキアンから脱したころのデ・パルマみたいだなぁ! と。

(9)『クリムゾン・タイド』(95)

脚本の部分的リライト、しかもノンクレジットで参加。

けれども、どの部分を書いたのか・いじったのかが「なんとなく」分かってしまう、それも個性のひとつだろう。

(10)『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)

過去作へのオマージュをふんだんに盛り込みつつ、新感覚の西部劇を創る。

QTにはアメリカンドリームより、フロンティアスピリットということばのほうが似合う。

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明日のコラムは・・・

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コメント (2)
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