Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

にっぽん男優列伝(259)中村獅童

2015-01-11 00:10:00 | コラム
72年9月14日生まれ、42歳。
東京出身。

公式サイト

中村獅童(なかむら・しどう)さん―正式には、二代目中村獅童―に直接インタビューとかしたことはないのですけれど、
テレビ局や映画スタジオで、何度か見かけたことはあります。

そこらに居る、フツーのあんちゃんみたいでした。
悪い意味ではなくてね、とっつき易いイメージ。
スクリーンで見るよりイケメンと感じ、こりゃあモテるだろうなぁ、、、と。

実際、モテてますけど。

基本は歌舞伎のひとですが、ロックに目覚めてバンドを結成したり、大人計画のオーディションに落選したり、やっぱりフツーのあんちゃんです。
繰り返しますが、悪い意味ではなく。
ほら、歌舞伎のひとっていうと、血の濃い家庭に育ち、後ろ盾がしっかりしているというイメージがあるじゃないですか。
血の濃い家庭というのは正解ですが、歌舞伎の世界でうまくいかなかったり、いろいろ挫折経験があり、そこらへんの「意外としっかりしていない後ろ盾」に共感を抱けるわけです。


※映画で1本だったら、これかな。

俺たちがやっているのは歌謡曲じゃない、仮にもロックなんですよ―麻生久美子みたいな彼女が居てくれれば、そりゃ頑張るよ。

みうらじゅんが原作、田口トモロヲが監督した『アイデン&ティティ』…ボブ・ディランの定番曲も、この物語のラストで聴くと、またちがった感動を覚える。




<経歴>

叔父に萬屋錦之介、中村嘉葎雄。
元嫁は、女優の竹内結子。

81年―8歳で初舞台を踏む。

映像作品でのデビューは、89年のNHK大河ドラマ『春日局』から。
稲葉正定の役だった―って、観ていたはずですが、記憶にないなぁ。

同年、『利休』の和仁親王役で映画俳優デビューを果たす。

映画少年を自称していた自分ですが、このころの獅童さんをまったく覚えていません。
その存在を強く意識させられるのは、2000年代に入ってからでした。

2002年―松本大洋の人気コミックを「忠実に」再現した『ピンポン』において、スキンヘッドのドラゴンを熱演する。
俳優陣はみんな好演ですが、コミックに「忠実に過ぎて」クドカンが脚本をやった意味がない―ともいえるところが、難点かもしれません。

『阿修羅のごとく』(2003)、動画で紹介した『アイデン&ティティ』(2003)、『赤線』(2004)、
元嫁と交際するきっかけとなった『いま、会いにゆきます』(2004)、
『隣人13号』(2005)、『男たちの大和/YAMATO』(2005)、『ハチミツとクローバー』(2006)、
イーストウッドから褒められた(らしい)『硫黄島からの手紙』(2006)。

このころ、道交法違反で検挙されたり、そのために仕事の自粛があったり、竹内結子とアレヤコレヤがあったりしました。

『ゲゲゲの鬼太郎』(2007)、
甘興を好演した『レッドクリフ』の二部作(2008~2009)、
『ICHI』(2008)、『銀色の雨』(2009)、『BECK』(2010)、『レオニー』(2010)、
『日輪の遺産』(2011)、『ハードロマンチッカー』(2011)、『天心』(2013)、
そして最新作が、『銀の匙』(2014)。


あくまでも私見ですけれど・・・
丹下左膳を演じたりするより、フツーのあんちゃんを演じたほうが上手なんじゃないか―そんな風に思うわけです。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『にっぽん男優列伝(260)仲村トオル』

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財布の中身

2015-01-10 00:10:00 | コラム
「メンバーズカードは、お持ちですか」
「いえ、ないですけど、大丈夫です」
「すぐお作り出来ますけど―」
「いえ、大丈夫ですから」
「お作りしますと、特典がですね―」
「あの自分、財布を持ち歩かない主義なんですよ」
「あ、そうでしたか、失礼しました」

このやりとり、大袈裟ではなく100回は経験している。

なら作っちまいな! ということばが聞こえてきそうだし、自分もそう思うことがあるが、実際「ちょっと、そこいらまで」というとき、ポケットに紙幣と小銭を突っ込み、あとはケータイだけ持っていくことが多い。

紙幣と小銭さえ持ち歩かないことも増えた。
オサイフケータイがあるからね、便利な世の中になったものだ。

冒頭の会話は最寄りのスーパーで展開されたものだが、
自分の主義主張を分かってくれているおばさんの店員が居て、可能なかぎりはこのひとにレジを打ってもらうようにしている。
ほかのひとだと、いちいち「あの自分、財布を持ち歩かない主義なんですよ」といわねばならないし。

分かるよ、マニュアルとして「カードを勧めなければならない」というのがあるのは。
でも「大丈夫です」と返されたら、そこで止めておかないと。
しつこいと、それだけでもう「あぁ、この店、やめようかな」と思っちゃうもの。


トップ画像は、現在使用している財布。
映画Tシャツなどを制作しているビンセント・ベガさんが、『パルプ・フィクション』(94)でサミュエル・L・ジャクソンが持っていた財布を忠実に再現したものである。




変わったものがなかに入っている、、、というわけではない。

ごくフツーの中身だと思う。

紙幣に小銭。
なにかあったときのために、コンドームふたつ。
銀行と郵便局のカード。
保険証。
タスポ。
名刺数枚。
病院のカード2枚。

・・・くらいかな。

15年前は、ぱんっぱんに膨らんでいた。

もちろん紙幣ではない。
消費者金融のカードである。

大手のものは全社持っていたし。

合計で何枚だったか・・・
武富士、アコム、アイフル、プロミス、レイク、三和ファイナンス、日本ファンドなどなど。
これらのカードはすべて、債務整理を依頼した際に弁護士さんに預けた。


きっちり完済し、ブラックリストからも外れたので、自分だってクレジットカードを持つ資格を有している。
有しているが、過去が怖くて持てないでいる。
それでいいよね・・・って、オサイフケータイだってクレジットじゃんか!!

ともかく。
「頭のなか」と「こころのなか」はグチャグチャしているヤツなので、財布の中身くらいはシンプルをつづけたい。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『にっぽん男優列伝(259)中村獅童』

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シネマしりとり「薀蓄篇」(104)

2015-01-09 02:27:39 | コラム
くーくらっくすく「らん」→「らん」ぼー(ランボー)

「乱暴」ということばが存在していたがゆえに起こった「不思議な映画史」というべきか、
スライこと、シルベスター・スタローンがベトナム帰還兵を地味に演じた地味な映画『First Blood』(82)は、『ランボー』という邦題で日本公開された。

地味ではあったものの、スライ人気も手伝ってスマッシュヒットを記録、
日本のタイトルが気に入ったスライは「じゃあ続編は、わが国でも『ランボー2』でいこう」と提案し、実際にそうなった。

さらに。
繰り返すが日本には、もともと「乱暴」ということばがある、それとヒット映画のダブルミーニングということで、『ランボー者』(87)なんていう、ふざけた邦題の映画も公開された。
(原題は『STEELE JUSTICE』)

主人公の名前を冠した外国映画を、べつのタイトルに変える―というのは「よくある話」だが、この映画の場合は「逆」だったわけ。
あぁ不思議、けれども、だからこそ面白い映画史。


思えば『ロッキー』シリーズ(76~)だって、始まりは地味だった。
ゴロツキは勝つことを目標としていたわけじゃない、最終ラウンドのゴングが鳴っても「立っていること」を目標にしていた。

続編を創るごとに派手さを増していくのは、スライに大作志向とヒーロー志向があるからだろう。
べつにそれは悪いことじゃない、実際に自分は『ロッキー』より『ロッキー2』(79)のほうが好きなのだから。
(アポロに勝つから、ではない、エイドリアンが難産だからだ!!)


ただ町を歩いていただけで危険人物視されたジョン・ランボーが暴走する第1作『ランボー』は、傷ついた帰還兵の心情に迫った名作とされている。

国のために戦ったはずなのに―森のなかでジョン・ランボーはそう嘆く、トラウトマン大佐に向かって。

哀しい。
じつに、哀しい物語。

ロシアン・ルーレットの「魔力」に取り憑かれた男。
不眠症のタクシードライバー。
自殺願望を宿す刑事。

そして、ジョン・ランボー。

ベトナム戦争は「こんなにも魅力的な、映画キャラを生み出してくれた」―と、ある識者はいったが、たしかにそうともいえるので、世の中って皮肉だな残酷だなと思う。


さて。
いっぱい映画を観ていて、なおかつスライのことが好きな映画小僧たちは、口をそろえていう。

「これ以降の物語、元凶はトラウトマンじゃね?」

それ正解!!

『ランボー2』(85)は、トラウトマンが服役中のランボーに極秘任務を持ちかけるところから物語が始まる。
特赦をちらつかせるところなんか、あんた上司だったんだろう、そんなことするな! と思った。

『ランボー3』(88)は、囚われの身になったトラウトマンをランボーが救出しようとする物語。

ランボーの視界にチョコマカ入ってきて、結果的に彼を傷つけてしまうトラウトマン。

なんてひどいヤツなんだ、彼のことは放っておいてやれ!! と、中学時代の自分は本気で怒ったものですよ笑






20年の時を経て制作された『ランボー/最後の戦場』(2008)は、スライ自らがメガホンを持った。

78年の『パラダイス・アレイ』以降、度々「兼」監督をするスライだが、彼の演出スタイルは分かり易くて嫌いじゃない。

バカそうに見える(失礼!)が、じつはそうでもないのだよね・・・たぶん。
なぜなら『最後の戦場』の戦闘シーンは、『プライベート・ライアン』(98)以降に顕著になったリアリズムを「きっちり」取り入れ、単なる英雄譚にならないよう工夫されている―ように見えるから。

スライ、やるじゃーーん!


次回のしりとりは・・・
らん「ぼー」→「ぼー」いずらぶ。

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明日のコラムは・・・

『財布の中身』

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シネマしりとり「薀蓄篇」(103)

2015-01-08 00:10:00 | コラム
まーだーけーすぶっ「く」→「く」ーくらっくすくらん(クー・クラックス・クラン)

映画の世界では―いや、現実世界でも悪名高いクー・クラックス・クラン(Ku Klux Klan)とは、米国の秘密結社のこと。

KKKと略されることが多く、日本語で簡単にいえば「白人至上主義」を標榜する過激な団体であると。
もっといえば、人種差別を「よりどころ」にしちゃっているひとたち。

ホラー映画に出てくるゾンビよりおぞましい、三角白頭巾の連中を映像で観たことあるでしょう。

あの格好、一歩間違えればギャグだが、やっていることが鬼畜なので笑えない。
ナチス同様、映画では同情の余地なき悪役として登場するが、じゃあ日本人はKKKサイテー! といっているだけでいいのかというと、少し前にはヘイトスピーチなるものが話題になったじゃないか。

映画の話をしていても、韓国産だから観ないとかいうのが出てくる。
中身は関係ないんだと。
連中が創ったものを観たくない、評価したくないと。

そういう話には付き合わないようにしているが、向こうは勝手にいろいろとまくし立ててくる。

「先に因縁吹っかけてきたのは、向こうだし」

知らんがな。

だとしても、だ。

映画にそれを持ち込むかね。
真の映画好きではないよ、それは。

どこの国の、どんなヤツが創っても、よいものはよい。
たとえ同級生や恋人が創ったものだとしても、ダメなものはダメ。

当たり前のこと過ぎて恥ずかしいが、そういう風に映画を捉えてくれよバカヤロウ。


さて、KKK設立の人物は、日本でも多くのひとが知っている。
みんな思い出さないだけ、、、だと思う。

『フォレスト・ガンプ』(94)を観たひとは、フォレストの名前の由来を思い出そう。

ガンプ・ママは、「人間はバカなことをする生き物だ」という教訓をこめて、息子にフォレストと名づけた。
そう、KKK設立者の名前である。

ネイサン・ベッドフォード・フォレストが、1865年に「ある組織」を設立する。
まだKKKと名乗ってはいなかったが、その思想は同じだったようである。


ナチスほどではないが、KKKを描いた映画は多い。

入門篇として強く薦めたいのが、アラン・パーカーの『ミシシッピー・バーニング』(88)。

64年、ミシシッピー州。
人種差別が色濃く残るこの地で、3人の公民権運動家が消息を絶った。

彼らは「あいつら」によって殺されたにちがいない―そう考えたふたりのFBIが、懸命に「死体探し」をする物語である。

パーカーの個性を抑えた正攻法の演出、
ジーン・ハックマンをはじめとする俳優陣が「全員」好演していて、見応え充分。





以下はKKKを描いた代表作だが、ちゃんとエンタメに昇華させているところが、さすがハリウッドというべきか。
でも、最初の作品だけは「時代」とはいえ、なかなかの問題作かもしれない。

KKKを、ヒーローとして描いているから。
劇映画の父として知られるD・W・グリフィスは、映画史的に重要な人物なのだけれど、このことも関係してか、一部では「おおいなる」嫌われもの、なんだそうだ。

『国民の創生』(15)
『風と共に去りぬ』(39)
『プレイス・イン・ザ・ハート』(84)
『背信の日々』(88)
『フライド・グリーン・トマト』(91)
『マルコムX』(92)
『評決のとき』(96)
『フォー・リトル・ガールズ』(97)
『アメリカン・ヒストリーX』(98)
『ボウリング・フォー・コロンバイン』(2002)


あすのしりとりは・・・
くーくらっくすく「らん」→「らん」ぼー。

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HAIR ~男性キャラクター篇~

2015-01-07 00:10:00 | コラム
映画のなかのキャラクターで、ヘアスタイルが印象的だった10傑。
今宵は後半戦、「男性キャラクター」で選出しよう。

ここ10年ほど、坊主×アゴヒゲというスタイルで毎日を過ごしている。
元々「もみあげ」が嫌いでね、あの部分が黒くなって? きたら、もう「刈りごろ」である。
だから、10日に1度は風呂場でバリカンを当てている。

長髪よりも、手間がかかるのだよね。

イマサラ長髪にしようとは思わないので、たぶん死ぬまで坊主のままだろう。

手間がかかるとはいえ、ハゲへの不安もないしね、顔はアレだけど、清潔感は保てるだろうし。


では、いってみよう。


(1)『タクシードライバー』(76)

トラビス(でに朗)の、強烈なモヒカンヘア。

1位がこれ以外なんて、考えられない。

あぁ真似したよ。
けっこう似合っていたと思う。

・・・・・たぶん。

(2)『メジャーリーグ』(89)

劇中では「カボチャ頭」と呼ばれていた、リッキー・ボーン(チャーリー・シーン)のヤンキー? ヘア。



(3)『シザーハンズ』(90)

監督ティム・バートンを彷彿とさせる、エドワード(ジョニー・デップ)のアーティスト風? ヘア。

ジョニデは意外と、キテレツなヘアスタイルが似合う。
ハゲもリーゼントも、やっていたしね。

(4)『七人の侍』(54)

勘兵衛(志村喬)のスキンヘッド。

この見た目のインパクトに負けぬよう、だから米国西部劇版は、ユル・ブリンナーをキャスティングした(のだと思われる)。



(5)『スピード』(94)

90年代―。
ジャック(キアヌ・リーヴス)と松本人志が坊主姿を披露したおかげで、社会的に「坊主=ダサい」というイメージが消えた。

(6)『アマデウス』(84)

ちゃんと「ピンクのモーツァルト」が描かれていたのが、うれしかった。

トム・ハルス、大熱演。
とくに「笑い声」がよかったなぁ。

(7)『アメリカン・サイコ』(2000)

パトリック・ベイトマン(クリスチャン・ベール)のヘアスタイルは「フツーといえば、フツー」だが、セックスの最中まで髪の毛を気にしているのが面白い。

(8)『トゥルー・ロマンス』(93)

ドレクスル(ゲイリー・オールドマン)のドレッドヘア。

オールドマンの演技過剰っぷりは、この時代くらいまで。
最近「おとなしい」という意見をよく聞くが、子どものためにも「もう悪役はやりたくない」そうだ。



(9)『イレイザーヘッド』(77)

ヘンリー・スペンサー(ジャック・ナンス)は、タイトルどおり? の「消しゴム頭」(=イレイザーヘッド)と呼ばれている。

あれは天然パーマ、、、なわけではないよね?

(10)『ピンポン』(2002)

ペコ(窪塚洋介)の、オカッパ頭。

映像を観るまでは不安でいっぱいだったが、窪塚ちゃん、完全にペコになっていた。


※聖子ちゃんの曲で、2番目に好きな『ピンクのモーツァルト』。
いちばん好きなのは、『Strawberry Time』。




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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(103)』

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