37年10月7日生まれ・2002年6月15日死去、享年64歳。
北海道出身。
俳優という特殊な職業ゆえ、、、でしょう、男優さんや女優さんの歳を聞いて「そんなにいってたのか、すごく若く見える」と思うことが多いです。
その逆、「え、まだそんな歳だったの? もっといっているのかと思ってた」というのは、とても稀。
きょうの主役は、そんな後者のケースといえるであろう室田日出男(むろた・ひでお)さんです。
64歳で亡くなりましたが、オーバーではなく、70代かと思ってました。
髪や髭が、そう思わせていたのでしょうか。
そもそも? が村田英雄という大御所中の大御所と勘違いされることの多いひとで、ちょっと気の毒ではありますが、このひとを嫌いな映画通は居ないでしょう、いわゆるジャンル越境型のひとで、ロマンポルノからヤクザ物まで数多くの名作・珍作に出演してきた名脇役です。
個人的に印象に残っている作品は、自分が最も多く映画を「こなしていた」時代、つまり90年代に出演した『死んでもいい』(92)と『眠らない街 新宿鮫』(93)。
前者では妻とその愛人に殺される亭主を、後者では鮫島警部(真田広之)のボスを演じています。
<経歴>
川谷拓三が所属? していたことでも知られる「ピラニア軍団」の中心的人物。
簡単にいえば、先鋭化した「悪役商会」ですね。
高校を卒業し上京、20歳のころにニューフェイス第4期生として東映に入社する。
同期には、佐久間良子や山城新伍らが居ました。
映画俳優デビュー作は、60年の『二発目は地獄行きだぜ』。
室田さんはチンピラ役だったそうです・・・って、自分、この作品を観ているはずなのに、どこに出ていたのか「どうしても思い出せない」のでした。
ごめんなさい!!
『太平洋のGメン』(62)、『柔道一代』(63)、『暗黒街最大の決闘』(63)、『昭和侠客伝』(63)、『暗黒街大通り』(64)、『飢餓海峡』(65)、『昭和残侠伝』(65)、『北海の暴れ竜』(66)、『組織暴力』(67)、『恐喝こそわが人生』(68)、『ねじ式映画 私は女優』(69)、『捨て身のならず者』(70)。
沢山の映画に出ていますが、ほんのちょっとしか出ていないことが多いので、編集しながら「出ていたっけな?」という作品もいくつか。
『飢餓海峡』の、記者役はさすがに覚えていますけど。
70年より、「新網走番外地」シリーズに連続出演。
『大森林の決斗』(70)
『嵐を呼ぶ知床岬』(71)
『吹雪の大脱走』(71)
アクの強いキャラクター性に磨きがかかり始め、このあたりで、室田さんは黄金期を迎えます。
『不良番長 手八丁口八丁』(71)、『狼やくざ 殺しは俺がやる』(71)、『現代やくざ 人斬り与太』(72)、『女囚701号/さそり』(72)、『やくざと抗争』(72)、『女囚さそり 第41雑居房』(72)、
タイトルが光り輝いている『ポルノの帝王 失神トルコ風呂』(72)、
「仁義なき戦い」シリーズに連続出演。
『広島死闘篇』(73)
『代理戦争』(73)
『頂上作戦』(74)
『新仁義なき戦い』(74)
『新仁義なき戦い 組長の首』(75)
『ボディガード牙』(73)、『海軍横須賀刑務所』(73)、『山口組外伝 九州進攻作戦』(74)、『直撃! 地獄拳』(74)、『あゝ決戦航空隊』(74)、『女必殺拳 危機一発』(74)、『直撃地獄拳 大逆転』(74)、
「ど」ストレートなタイトルを冠した、しかしこの時代はそれが許された『従軍慰安婦』(74)、
『仁義の墓場』(75)、『けんか空手 極真拳』(75)、『暴力金脈』(75)、『県警対組織暴力』(75)、『子連れ殺人拳』(76)、『殺し屋たちのメロディ』(76)、『暴力教室』(76)、『沖縄やくざ戦争』(76)、『狂った野獣』(76)、『ピラニア軍団 ダボシャツの天』(77)、『ドーベルマン刑事』(77)、『人間の証明』(77)。
しかし77年―。
覚醒剤不法所持により逮捕され、しばらく芸能活動を謹慎する身に。
復帰後の78年、ロマンポルノ『人妻集団暴行致死事件』から再び輝きを取り戻す。
タイトルは強烈ですが、出色の出来でした。
だから、やっぱり思うんです、
甘いといわれるのかも・・・ですが、
2度3度と過ちを繰り返さないためにも、いちどの失敗であれば、(もちろん罪を償ったうえで)受け入れるべきなんじゃないか、、、と。
『柳生一族の陰謀』(78)、『白昼の死角』(79)、『さらば映画の友よ インディアンサマー』(79)、
『影武者』(80)、『野獣死すべし』(80)、『スローなブギにしてくれ』(81)、『魔界転生』(81)、『悪霊島』(81)、『駅 STATION』(81)、『九月の冗談クラブバンド』(82)、『鬼龍院花子の生涯』(82)、『この子の七つのお祝いに』(82)、『戦場のメリークリスマス』(83)、『空海』(84)、『愛情物語』(84)、『天国にいちばん近い島』(84)、
『友よ、静かに瞑れ』(85)、『二代目はクリスチャン』(85)、『潮騒』(85)、『キャバレー』(86)、『南へ走れ、海の道を!』(86)、『時計 Adiue I' Hiver』(86)、『マルサの女』(87)、『黒いドレスの女』(87)、『あぶない刑事』(87)『極道渡世の素敵な面々』(88)、『ぼくらの七日間戦争』(88)、『ドグラ・マグラ』(88)、『恋子の毎日』(88)、『キスより簡単』(89)、『せんせい』(89)、『ハリマオ』(89)、『CFガール』(89)。
本人役「も」演じた『てなもんやコネクション』(90)、『天と地と』(90)、
前述した『死んでもいい』と『眠らない街 新宿鮫』、
『したくて、したくて、たまらない、女』(95)、『借王』(97)、『柔らかな頬』(2001)。
そして2002年6月15日、肺がんにより死去。
享年64歳、遺作は『鏡の女たち』(2003)でした。
妙な表現になりますが、訃報を聞いてものすごく悲しくなったのです。
そのとき、あぁ自分は、生前の室田さんに言及したことはなかったけれど、大好きな俳優のひとりだったんだなぁ、、、と気づいたのでした。
合掌。
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明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(334)本木雅弘』
北海道出身。
俳優という特殊な職業ゆえ、、、でしょう、男優さんや女優さんの歳を聞いて「そんなにいってたのか、すごく若く見える」と思うことが多いです。
その逆、「え、まだそんな歳だったの? もっといっているのかと思ってた」というのは、とても稀。
きょうの主役は、そんな後者のケースといえるであろう室田日出男(むろた・ひでお)さんです。
64歳で亡くなりましたが、オーバーではなく、70代かと思ってました。
髪や髭が、そう思わせていたのでしょうか。
そもそも? が村田英雄という大御所中の大御所と勘違いされることの多いひとで、ちょっと気の毒ではありますが、このひとを嫌いな映画通は居ないでしょう、いわゆるジャンル越境型のひとで、ロマンポルノからヤクザ物まで数多くの名作・珍作に出演してきた名脇役です。
個人的に印象に残っている作品は、自分が最も多く映画を「こなしていた」時代、つまり90年代に出演した『死んでもいい』(92)と『眠らない街 新宿鮫』(93)。
前者では妻とその愛人に殺される亭主を、後者では鮫島警部(真田広之)のボスを演じています。
<経歴>
川谷拓三が所属? していたことでも知られる「ピラニア軍団」の中心的人物。
簡単にいえば、先鋭化した「悪役商会」ですね。
高校を卒業し上京、20歳のころにニューフェイス第4期生として東映に入社する。
同期には、佐久間良子や山城新伍らが居ました。
映画俳優デビュー作は、60年の『二発目は地獄行きだぜ』。
室田さんはチンピラ役だったそうです・・・って、自分、この作品を観ているはずなのに、どこに出ていたのか「どうしても思い出せない」のでした。
ごめんなさい!!
『太平洋のGメン』(62)、『柔道一代』(63)、『暗黒街最大の決闘』(63)、『昭和侠客伝』(63)、『暗黒街大通り』(64)、『飢餓海峡』(65)、『昭和残侠伝』(65)、『北海の暴れ竜』(66)、『組織暴力』(67)、『恐喝こそわが人生』(68)、『ねじ式映画 私は女優』(69)、『捨て身のならず者』(70)。
沢山の映画に出ていますが、ほんのちょっとしか出ていないことが多いので、編集しながら「出ていたっけな?」という作品もいくつか。
『飢餓海峡』の、記者役はさすがに覚えていますけど。
70年より、「新網走番外地」シリーズに連続出演。
『大森林の決斗』(70)
『嵐を呼ぶ知床岬』(71)
『吹雪の大脱走』(71)
アクの強いキャラクター性に磨きがかかり始め、このあたりで、室田さんは黄金期を迎えます。
『不良番長 手八丁口八丁』(71)、『狼やくざ 殺しは俺がやる』(71)、『現代やくざ 人斬り与太』(72)、『女囚701号/さそり』(72)、『やくざと抗争』(72)、『女囚さそり 第41雑居房』(72)、
タイトルが光り輝いている『ポルノの帝王 失神トルコ風呂』(72)、
「仁義なき戦い」シリーズに連続出演。
『広島死闘篇』(73)
『代理戦争』(73)
『頂上作戦』(74)
『新仁義なき戦い』(74)
『新仁義なき戦い 組長の首』(75)
『ボディガード牙』(73)、『海軍横須賀刑務所』(73)、『山口組外伝 九州進攻作戦』(74)、『直撃! 地獄拳』(74)、『あゝ決戦航空隊』(74)、『女必殺拳 危機一発』(74)、『直撃地獄拳 大逆転』(74)、
「ど」ストレートなタイトルを冠した、しかしこの時代はそれが許された『従軍慰安婦』(74)、
『仁義の墓場』(75)、『けんか空手 極真拳』(75)、『暴力金脈』(75)、『県警対組織暴力』(75)、『子連れ殺人拳』(76)、『殺し屋たちのメロディ』(76)、『暴力教室』(76)、『沖縄やくざ戦争』(76)、『狂った野獣』(76)、『ピラニア軍団 ダボシャツの天』(77)、『ドーベルマン刑事』(77)、『人間の証明』(77)。
しかし77年―。
覚醒剤不法所持により逮捕され、しばらく芸能活動を謹慎する身に。
復帰後の78年、ロマンポルノ『人妻集団暴行致死事件』から再び輝きを取り戻す。
タイトルは強烈ですが、出色の出来でした。
だから、やっぱり思うんです、
甘いといわれるのかも・・・ですが、
2度3度と過ちを繰り返さないためにも、いちどの失敗であれば、(もちろん罪を償ったうえで)受け入れるべきなんじゃないか、、、と。
『柳生一族の陰謀』(78)、『白昼の死角』(79)、『さらば映画の友よ インディアンサマー』(79)、
『影武者』(80)、『野獣死すべし』(80)、『スローなブギにしてくれ』(81)、『魔界転生』(81)、『悪霊島』(81)、『駅 STATION』(81)、『九月の冗談クラブバンド』(82)、『鬼龍院花子の生涯』(82)、『この子の七つのお祝いに』(82)、『戦場のメリークリスマス』(83)、『空海』(84)、『愛情物語』(84)、『天国にいちばん近い島』(84)、
『友よ、静かに瞑れ』(85)、『二代目はクリスチャン』(85)、『潮騒』(85)、『キャバレー』(86)、『南へ走れ、海の道を!』(86)、『時計 Adiue I' Hiver』(86)、『マルサの女』(87)、『黒いドレスの女』(87)、『あぶない刑事』(87)『極道渡世の素敵な面々』(88)、『ぼくらの七日間戦争』(88)、『ドグラ・マグラ』(88)、『恋子の毎日』(88)、『キスより簡単』(89)、『せんせい』(89)、『ハリマオ』(89)、『CFガール』(89)。
本人役「も」演じた『てなもんやコネクション』(90)、『天と地と』(90)、
前述した『死んでもいい』と『眠らない街 新宿鮫』、
『したくて、したくて、たまらない、女』(95)、『借王』(97)、『柔らかな頬』(2001)。
そして2002年6月15日、肺がんにより死去。
享年64歳、遺作は『鏡の女たち』(2003)でした。
妙な表現になりますが、訃報を聞いてものすごく悲しくなったのです。
そのとき、あぁ自分は、生前の室田さんに言及したことはなかったけれど、大好きな俳優のひとりだったんだなぁ、、、と気づいたのでした。
合掌。
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明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(334)本木雅弘』