Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

やっぱり「ここ」が好き(10)

2017-12-16 00:10:00 | コラム
~年末特別企画、その弐~

※まだ年末とはいえないけれど、仕事が立て込んでいるため「早めに」この企画をスタートさせます。
数多くの映画のなかから、個人的にお気に入りのシーンを「動画つき」でご紹介!

『ブラック・レイン』(89)

日米合作のアクション映画。

みながいうことだけれど・・・
優作が生きていたとしたら、渡辺謙・真田広之よりも前に、ハリウッドでも名の知れたスターになっていたことでしょう。

お気に入りのシーンは、ラスト。

捜査をつづけても、「偽札」の原版は見つからなかった―ことを悔いつつ、捜査協力をしてくれた刑事ニックと別れる松本(高倉健)。

ニックが松本に贈ったものとは―?



ハリウッド映画で感心するのは、こういうエンディングを用意するところ。

日本映画は、たぶん、こういうサービス? をしない。

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明日のコラムは・・・

『やっぱり「ここ」が好き(11)』
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やっぱり「ここ」が好き(9)

2017-12-15 00:10:00 | コラム
~年末特別企画、その壱~

※まだ年末とはいえないけれど、仕事が立て込んでいるため「早めに」この企画をスタートさせます。
数多くの映画のなかから、個人的にお気に入りのシーンを「動画つき」でご紹介!

『ロッキー』(76)

76年はこの映画のほかに、『タクシードライバー』や『キャリー』、『愛のコリーダ』も生まれたメモリアルイヤー。


アポロ戦のチャンスを得たロッキーに対し、「俺がセコンドにつく」と声をかける老トレーナーのミッキー。

するとロッキーは、「ビッグファイトだからか? 俺が落ちぶれたとき、無視したクセしてか? 俺は、あのときに助けてほしかったんだ!!」と怒鳴る。



どっちの気持ちも分かる、ひじょうに痛切なシーン。

ほとんど語り草になっている、脚本を3日で仕上げたというスタローンのエピソード。

無駄のない、ほぼ完璧な構成だから、スタローンすげぇな! と思う。

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明日のコラムは・・・

『やっぱり「ここ」が好き(10)』
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誰と観るのか問題

2017-12-14 00:10:00 | コラム
「映画をひとりで観ても悲しくならないテクとは?~独女時間の正しい過ごし方」というウェブ記事が批判を浴びているという。

まぁ、たしかにハァ? と思うし、感覚が古いなぁと。

時代を捉えようとする批評が、時代遅れっていうね、さすがに恥ずかしいだろう。

タイトルで分かるが、これは女性を対象とした記事。
いちおう読んでみたが、ここ10年、映画館に行ってないひとが書いているのではないか、、、というような内容だった。

ひとりで観にきている女子、いっぱい居るぜ。

しかも「ひとりで観ても悲しくならない」解決法として、館内が暗くなってから入場する/明るくなる前に退場するって、バカじゃなかろうか。

同業者(=文章で金もらってるひと)の作品に対してヤンヤいう男ではないけれど、この駄文には心底腹が立った。




なんだか気分が悪いが。
先日、「(映画館の)どこに座るか問題」を取り上げたので、きょうは「(映画を)誰と観るのか問題」を展開してみよう。

もちろん家などではなく、映画館限定の話である。


何遍もいっているが、あまり器用な人間じゃあない。
映画を複数で観ると、映画以外のことが気になってしまうので、極力ひとりで観ることにしている。

期待している作品であればあるほど、ひとりで観たい。

(しつこいが)このあたりのことを、冒頭のライターさんは理解していないのではないか。

「映画は複数で楽しんで観るもの」という先入観、くだらねーし恐ろしいぜ!!




基本はひとりだが、デート・コースの一部として映画館を使うときだってある。

43年の人生で、20回くらいかな。
これだけだと多いか少ないか分からないが、年100以上の映画館利用数を考えると「えれー」少ない、、、ということになるのか。

映画好きの友人と観るときもある。

デートより少し多く、30回くらいか。

どちらにしても少ないが、それ以上に少ないのが「家族と」になると思う。

18歳以降、独り暮らしというのが効いているわけだが・・・

(1)父親と たぶん10回くらい

『プロジェクトA』(83)、『お葬式』(84)、『ベスト・キッド』(84)、『プラトーン』(86)、『レインマン』(88)、『カクテル』(88)、『マイ・レフト・フット』(89)、『シラノ・ド・ベルジュラック』(90)などなど。

(2)姉と 15回くらい?

『プロジェクトA』、『お葬式』、『ベスト・キッド』、『グレムリン』(84)、『チ・ン・ピ・ラ』(84)、『グーニーズ』(85)、『ファースト・ミッション』(85)、『プラトーン』、『レインマン』、『カクテル』、『もののけ姫』(97)、『交渉人』(98)、『ホーホケキョとなりの山田くん』(99)、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000)などなど。

(3)母親と なんと! いちどもなかった涙!!


かーちゃんのことを記したからだろうか、昨晩、久し振りにかーちゃんの夢を見た。

かーちゃんは夢のなかで、しくしく泣いていた。

なぜ泣いていたかは分からないけれども、あぁいちどくらいは、かーちゃんと席を並べて映画を観たかったなぁ、、、などと「ひとり派」の自分でも思ったわけですよ。


皆さんは、(子ども時代を除いて)家族のかたと映画を観ることがありますか―?


※トップ画像と動画は、カルト映画『ドニー・ダーコ』(2001)。

観終えたあと、「何度でも繰り返し観たくなる作品だ」という感想を抱いたのに、そういえば「いちどしか」観ていない笑




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『やっぱり「ここ」が好き(9)』
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シネマしりとり「薀蓄篇」(232)

2017-12-13 00:10:00 | コラム
つ「え」→「え」こんて(絵コンテ)

低予算映画は、基本的に短期間で撮影される。
撮影期間を短くするために必要になるのが、全シーンの絵コンテ。

もちろん、長期間撮影の映画においても絵コンテは大事なものだけれど、短期間撮影では「もっと」大事だということ。

全シーンのカメラの構図、動かしかたなどを絵で表現したもの―それを絵コンテという。

コンテとはcontinuity(=連続性、継続)の略、しかし米国では絵コンテのことはstoryboardといっている。

脚本を映画の設計図だとすれば、絵コンテは見取図といえるかもしれない。
(wikiでは、絵コンテを設計図と解説してるけどね!!)


低予算の早撮り監督として有名な塚本晋也は、当然、全シーンの絵コンテを作っている。



よく分からんけど笑、それでいいのだ、このひとはなんでも自分でやるひとなんだから。

そう絵コンテは、スタッフに理解されればいいものであり、絵の完成度とは無関係。

たとえばスコセッシの傑作、『タクシードライバー』(76)の絵コンテ。
これを漫画作品と捉えると・・・ヘタウマのレベルにも達していないものね。



でも味わい深さはあるっていう、、、あ、それがヘタウマというのか笑


※絵コンテと完成映像を比較した動画





オメーが自主制作していたときは、どうだったのか?

もちろん、絵コンテを作っていた。

ただ自分は脚本オンリーだったから、監督を担当する友人が、自分が記した脚本を参考にしてカメラマンと作った。

その友人は似顔絵を描くのがとても上手で、だから絵コンテも「ある種の漫画」のような完成度を誇っていた。


そう絵コンテを、ひとつの作品として仕上げる監督も居る。

この、『A.I.』(2001)の絵コンテも素晴らしいが、




世界王者はこのひとで決まりだろう、黒澤だ。






これだけで「金が取れる!」―呆れるほどのクオリティだが、元々「画家になりたかった」ひとですから。


正直な話をすると。

スコセッシが司祭になることを諦めて映画監督になったのと同様に、
黒澤が画家への道で挫折してよかった、、、と、映画ファンは思うのである。


次回(来年)のしりとりは・・・
えこん「て」→「て」ろりすと。

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明日のコラムは・・・

『誰と観るのか問題』
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シネマしりとり「薀蓄篇」(231)

2017-12-12 00:10:00 | コラム
く「つ」→「つ」え(杖)

「その必要があって」実際に使用しているひとには、失礼ないいかたになるかもしれないけれど・・・

「杖が似合う」おじいさんになりたいなぁ、、、なんてなことを、ときどき思う。


杖(ステッキ)は簡単にいえば、手で持ち先端を地面につけることで「身体を支える」ことの出来る道具。

質や価格はピンキリで、「そこらへんに落ちていた、木の枝」にしか見えないものもあれば、象牙や金属で作られたものもある。

自分のいう「杖が似合うようになりたい」というのは、もちろん? 後者を指している。

さらに空想? を広げていいのであれば・・・
持つ部分に(ボタンなどの)仕掛けがあり、銃弾を放つことが出来る、、、みたいな、いわゆるスパイの秘密道具仕様に憧れる。

実際に使うことがないとしても、そういうことの出来る杖を持っている―というだけで、自信たっぷりに街を歩けそうだし。


秘密道具「風」といえば、『ハリー・ポッター』シリーズ(2001~2011)の「魔法の杖」だろう。



『スター・ウォーズ』シリーズ(77~)における、ライトセーバーのようなもの。

けれども。
ライトセーバーは素直にほしい! と思えるが、魔法の杖は、あんまり…かな。

そこに置いてあって、使っていいというのであれば、もちろん自分のものにすると思うが。

これはまぁ、自分がSW世代というだけの話か。


以下、映画のなかにおける印象的な「杖」、あるいは「杖を持つキャラクター」の3傑。


(1)チャールズ・チャップリン…トップ画像

トレードマークにしているのだもの、自分の個人的な1位というより、これは世界中の映画ファンにとっての1位だと思う。

(2)『エイジ・オブ・イノセンス』(93)

エンディング―。
年老いたダニエル・デイ=ルイスが使用している。



地位の高いキャラクターなので、きっと象牙で作られたものなのでしょう。


表面的にはスコセッシらしくない映画だが、じつは、暴力を全面に押し出したほかの映画よりも残酷。

美しく、哀しい映像マジックに酔いましょう。




(3)『黒い瞳』(87)

マルチェロ・マストロヤンニが使用している。



観たのは20歳くらいだったが、高校生のころから、「マストロヤンニと杖」のショットだけは知っていた。

そのくらい、小道具としてのインパクトがあった。

(次点)『龍三と七人の子分たち』(2015)

ステッキのイチゾウ(樋浦勉)というキャラクターが登場。

前述した自分の憧れ、「仕込杖」を持っている。


あすのしりとりは・・・
つ「え」→「え」こんて。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(232)』
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