Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

令和版・海外俳優列伝(96)ジェームズ・ガンドルフィーニ

2023-09-20 00:10:00 | コラム
61年9月18日生まれ・2013年6月19日死去、享年51歳。
アメリカ出身。

185cm×120kgの巨体を活かし、主に悪役で活躍したガンドルフィーニ。
タオルミーナ映画祭の開催中、滞在先のホテルで急死したニュースはたいへんショックを受けましたね。

とくに印象に残るのは、『トゥルー・ロマンス』(93)で演じたヴィンセンツォ・ココッティ(クリストファー・ウォーケン)の手下ヴァージル役。

パトリシア・アークウェットをボコボコにして、途中からやり返される場面。
弱った彼女を前にして、ヴァージルはテキサスタワー乱射事件の犯人チャールズ・ジョセフ・ホイットマンについて言及しています。

曰く「あいつだって、最初の一発が難しかったはずだ」…動画は、敢えてその前までで



<経歴>

ブロードウェイでデビューをしたのち、90年代より映画の世界へ。
映画俳優デビュー作は、92年のメラニー・グリフィス主演のサスペンス『刑事エデン/追跡者』。

前述した『トゥルー・ロマンス』で映画ファンに名前を覚えられ、
『最高の恋人』(93)や『ターミナル・ベロシティ』(94)、『クリムゾン・タイド』(95)、『ゲット・ショーティ』(96)、『シーズ・ソー・ラヴリー』(97)、『悪魔を憐れむ歌』(98)、『シビル・アクション』(98)などで「お!居た居た、この映画にも!!」的なキャリアを構築していく。
とくに99年の不気味なスリラー『8mm』は、特徴的なモミアゲも相俟ってビッグインパクトを残す。


99年―テレビドラマ『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』で主人公トニー役を好演、エミー賞やゴールデングローブ賞など様々な演技賞に輝く。

これ、すっごく面白いです^^



映画に話を戻し・・・。
映画そのものはどうかと思うけどガンドルフィーニはよかった『ザ・メキシカン』(2001)、
コーエン兄弟の傑作『バーバー』(2001)、『オール・ザ・キングスメン』(2006)、『サブウェイ123 激突』(2009)、『ジャッキー・コーガン』(2012)、『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012)。
うんキャリアを眺めると、ショーン・ペンやブラピに好かれていたのかな。
彼らとの共演が少なくとも2度はあるから、推薦を受けていたのかもしれません。

しかし2013年6月19日―。
前述したようにローマのホテルで心臓発作を起こして帰らぬひとに。

皮肉だなぁと思うのが、
死後に公開された『おとなの恋には嘘がある』(2013)で、たくさんの助演賞に輝いたこと。



遺作は2014年の『クライム・ヒート』ですが、残念ながら日本では劇場未公開に。
スターではなくとも、遺作くらいはきちんと公開される映画にやさしい国になってほしいですね。。。

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明日のコラムは・・・

『令和版・海外俳優列伝(97)ジェームズ・クロムウェル』
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令和版・海外俳優列伝(95)ジェームズ・カーン

2023-09-19 00:10:00 | コラム
40年3月26日生まれ・2022年7月6日死去、享年82歳。
アメリカ出身。

カーンといえば、やっぱり『ゴッドファーザー』(72)の喧嘩上等・瞬間湯沸かし器なソニー・コルレオーネ。

こういうキャラクターの最期としては、もっとも「らしい」展開というか。


ただソニー役のインパクトが強烈に過ぎて、それ以降「ソニー的キャラ」がつづいてしまったのも事実。
ちがうタイプのキャラだってソツなく演じることが出来たのに、そうするとファンの評判は芳しくない。
で、同一的キャラを演じたらファンは大喜び、けれどもカーン本人は「うーーーーーーむ。」と。

その繰り返し、たしかに俳優としては大きなジレンマだったことでしょう。

<経歴>

空手有段者。
そうか、ここを活かしたキャラクターとかでもよかったんじゃ??

ネイバーフッド・プレイハウスで演技を学び、テレビドラマでキャリアをスタートさせる。

映画俳優デビュー作は、64年の『不意打ち』。

『エル・ドラド』(67)や『テキサスの七人』(68)を経た72年、『ゴッドファーザー』のキレ演技でオスカー助演賞にノミネートされる。

『シンデレラ・リバティー/かぎりなき愛』(73)、『ゴッドファーザー PARTII』(74)、『ファニー・レディ』(75)、『ローラーボール』(75)、
本人役で出演した『メル・ブルックスのサイレント・ムービー』(76)、
『遠すぎた橋』(77)、
『ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー』(81)、『愛と哀しみのボレロ』(81)、
おそらくコッポラのフィルモグラフィのなかで最も忘れられた映画、でも個人的には好きな『友よ、風に抱かれて』(87)、
『エイリアン・ネイション』(88)や『ディック・トレイシー』(90)などなど、キャリアは途絶えることはないものの、カーン自身が話題になることはなく。

しかし90年、『ミザリー』で原作者スティーブン・キングの分身のような作家を好演。

キャシー・ベイツの「どうかしている」演技のほうが話題になったけれど、それだってカーンの「受けの演技」あってこそ、、、でしょ^^


ともかく。
このあたりから役柄にも幅が広がってきて・・・

『フォー・ザ・ボーイズ』(91)、
シュワ氏と楽しそうに共演していた『イレイザー』(96)、


『恋するための3つのルール』(99)、『シティ・オブ・ゴースト』(2002)、

それでもやっぱり「あっち側のひと」みたいなキャラが似合う『ドッグヴィル』(2003)、


ほかの作品に・・・
『ゲット スマート』(2008)や『マイ・ブラザー 哀しみの銃弾』(2013)、『グッド・ネイバー』(2016)など。

2022年7月6日―心臓発作により死去、享年82歳。
遺作は、2017年の『アンダーカバー・じーさん』でした。

いかにも20世紀的なマッチョ俳優だったと思います、映画史の一部として、こういうひとは絶対に忘れてはなりません。。。

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BAN!されたところでさ~^^

2023-09-18 00:10:00 | コラム
Twitter(現X…この注釈、面倒よね)のアカウントが規約違反などにより投稿が出来なくなったりページそのものが見られなくなることを「凍結される」「BANされる」という。

最も目をつけられ易いのは・・・
①誹謗中傷や差別発言を繰り返すアカウントか
②次に、過度に暴力的猟奇的なアカウント
③その次が性的投稿、、、こんな感じ?

自分のアカウントは映画と格闘技をメインにして投稿―まぁ、ここと変わらんわけ―しているから問題ない、、、と思っていたのだが、じつはいちど(短時間ではあるものの)凍結されたことがある。
ついでにいえば、本ブログでも「デ・パルマ関連の記事で、ナンシー・アレンの乳首画像を載せて(1日ほど)表示禁止措置」を取られている。

Twitterもブログも、③にあたるということか(^^;)

まぁザーメンザーメン連呼したりするからね、仕方ないと納得はしつつ、正直いって、大して影響力のない自分なんかが「BAN!されたところでさ~^^」みたいな??


それでいて、言葉遣いが荒く暴論連発な堀江くんの動画とかは規制を受けないわけでしょ?

逆じゃね?と。

そう思いませんか?


※いかにも現代的な映画、しかしヒトの変わらぬ本質をも突いている快作です


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日本女優別10傑(78)原田美枝子

2023-09-17 00:10:00 | コラム
~原田美枝子のキャリア10傑~

好きな日本の女優ベスト5に入る美枝子さん64歳、旦那はいまでも(たぶん)ラブラブ状態の石橋凌。

ちなみに5人とは・・・
斉藤由貴・前田亜季・美枝子さん・香川京子・杉村春子です^^

加賀まりこ、秋吉久美子ほどではないにせよ、若いころの発言は生意気で奔放なところもあった美枝子さん、いまだったらそーとー叩かれていたのかも。

このくらいのほうが可愛いと思うんですけどね、お人形さんみたいなひとより。



(1)『愛を乞うひと』(98)

虐待する母親と、受けた子(成人後)の二役を大熱演。



(2)『青春の殺人者』(76)

こんな子がそばに居てくれるのであれば、殺人者になってもよい(かも?)



(3)『息子』(91)

助演の助演的キャラではあるものの、しかもテレビ画面越しではあるものの、ハイレグ水着が拝める特典つき(^^;)(^^;)


(4)『地獄』(79)

神代辰巳による、ポルノ風ホラー。
面白い、そして美枝子さん妖艶で!



(5)『OUT』(2002)

桐野夏生による人気小説を映画化、主婦4人が犯罪に手を染めていく過程をスリリングに描いた佳作。


(6)『大地の子守歌』(76)

売春婦になった少女の過酷な日々を描く、増村保造監督作。
このハードな映画が初主演作というのが、美枝子さんらしくて格好いい。


(7)『レオニー』(2010)

彫刻家イサム・ノグチの母、レオニー・ギルモアの物語。
美枝子さんは、津田梅子を演じる。



(8)『乱』(85)

黒澤、後期の代表作。
初見はガキのころだったので、指摘されないと美枝子さんだと分からなかった。



(9)『ぼくたちの家族』(2014)

俊英・石井裕也が人気の私小説?を映画化、美枝子さんは余命宣告を受けた母親を好演。


(10)『ミスター・ミセス・ミス・ロンリー』(80)

脚本・製作にも関わった意欲作だが、はっきりいって迷作といえる。

でも、なんか好き笑


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『BAN!されたところでさ~^^』
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シネマしりとり「薀蓄篇」(474)

2023-09-16 00:10:00 | コラム
あくえりあ「す」→「す」こるぴお

2日連続で、星座にちなんだお話を^^

scorpioとは「蠍座」のことで、


元になった「さそり」は英語でscorpionという。

その複雑で奇怪ともいえるフォルムは多くのひとに恐怖心を与えますが、自分、節足動物のなかで1位2位を争うほど好きだな。

※節足動物で、ほかに代表的なものは…クモやカニ、エビ、トビムシ、昆虫などなど

もし自分が「生き物の」タトゥーを入れるとするならば、サソリを選びますもの。たぶん。



多くの日本人にとって「蠍座」「さそり」で最初に想起しちゃうのは美川憲一あるいはコロッケでしょうが(^^;)

映画ファンは、ちがうんだな。

たとえば、イーストウッド御大の代表作『ダーティハリー』(71)のキチガイ犯人は、自らをスコルピオと名乗る。


そして80年代映画を浴びて青春を送った世代であれば、ドルフ・ラングレンの『レッド・スコルピオン』(89)も忘れ難い。


正直、大した映画じゃないんだけど(^^;)タイトルのインパクトはあった。


そういえば。
映画とはぜんぜん関係ないのだが、
群馬に住んでいたころ、ちかくにマクドナルドもロッテリアもなく(でも、モスはありました。ケンタさんも)ハンバーガーに飢えていた自分にとって、こころの拠り所?となったのが、スーパー「マツセー」の駐車場に掘っ立て小屋があって、そこでひっそりと営業していた「似非」ファストフード「スコルピオ」だったっけ。(90年代末に廃業)

メニューは、スコルピオバーガーこと「チキンバーガー」と、ポテトのみ。
さすがにサソリバーガーというわけにはいかんものね、喰ってみたいけど笑笑

でもねここのスコルピオバーガーが、クソがつくほど美味だったわけ。
はっきりいって、現代のマックやモス、ケンタ、バーガーキング以上に。
きっと「思い出補正」はあったと思うが、とにかく美味かったことだけはたしか。


さて、話を戻し。
上記2作品も素晴らしいが、日本人としては『女囚さそり』シリーズ(72~73)がいちばんでしょう^^



主演は梶芽衣子、
女囚だがじつは冤罪という背景を持つ701号「松島ナミ(さそり)」の、愛と復讐の物語。

好評を受けて短い期間に4つも制作され・・・

『女囚701号/さそり』(72)
『女囚さそり 第41雑居房』(72)
『女囚さそり けもの部屋』(73)
『女囚さそり 701号怨み節』(73)

・・・いずれもスマッシュヒットを記録、ガラス張りの床を創って超ローアングルから捉えるショットや、思わずカラオケで選曲したくなる主題歌などなど、サブカルチャーとしての魅力をこれでもかと詰め込んだ、たいへんパワフルな快作なのでした!!


次回のしりとりは・・・
すこるぴ「お」→「お」どれいととぅ。

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明日のコラムは・・・

『日本女優別10傑(78)原田美枝子』
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