東北を車で走っていると、田んぼの中に家が点々とあり、その家の北側(家によっては別方向)にこうして木を植えてあります。屋敷林(屋敷森)ともいいますが、こちらでは「えぐね」「いぐね」などと言われていました。北風を防ぐのと、栗の木などを植え、飢饉に供えるのという二つ意味があると、これまで思っていましたが、調べてみたら「久根」というのは、「地境」という意味だそうで、「ここからおらえ(家)だ」ということのようです。家の建て替えをするときに材木にするという場合も。
岩手の家はもともと今新幹線が走っているあたりにあり、家ごと今のところに引っ越しています。なので、田んぼだけはもとの家のそばで、それもなぜか5カ所に点在しています。そのひとつひとつに「~電工」の横とか、「芳雄さんどこ」(芳雄さんという親戚の家のある近く)とか呼称があるのですが、「えぐね」といっている田んぼもあり、つまりそこにかつては「居久根」があったというわけです。数年前までは、なんだ「えぐね」ってと思ってました。きいても当人はもともとの意味を意識していないのです。えぐねはえぐねだ、みたいな返事。