もうすぐ発売の『みちのく山のゆなな』で絵を描いていただいた、ふるやまたくさん(古山拓さん)は、デビュー作『しゅるしゅるぱん』からのご縁です。
今、イラストレーターさんを、編集者さんは探している的な投稿がツイッターで賑わい、私も画家さんとのご縁をツイートさせていただきました。
古山さんとのご縁については、とてもツイッターでは書ききれないので、こちらでも。
『しゅるしゅるぱん』は、絵本児童文学ファンタジー大賞で佳作をいただいた作品でした。
その授賞式で初めて編集者さんとお会いしたのですが、そのときには、すでに出版したいというご連絡はいただいていました。
そのとき、審査員長であった斎藤惇夫さんが編集者さんに「東北の景色を描ける画家さんにしてくださいね」とおっしゃったのです。斎藤さんは、元福音館書店の編集長さんだった方です。
改稿を進めていくなかで平行して画家さん探しが始まりました。
編集者さんからは、どなたか「この方に」という画家さんがいらしたら、教えてくださいともいわれたので、ネットで探しました。でも東北、画家、イラストレーターで探してもなかなかヒットしないんです。
そんな中、編集者さんが古山拓さんを見つけてくださったのです。仙台在住で個展があるようですということで、私はそのとき岩手にいたんですね。仙台駅で待ち合わせて画廊に行きました。生憎古山さんは不在でしたが、絵を堪能。この方でという流れになりました。
ただ、その後、なにしろ改稿に6年かかったものですから、古山さんには大変お待たせをしてしまいました。
その間、あるとき、古山さんが仙台であった出版記念会で知り合った某秋田の編集者に「今度、福音館さんの本を手がけるんです」とおっしゃったそうです。するとその編集者は「実は私の妹も今度福音館から本を出します」と。そうなんです、これ秋田の私の兄でした。(今は出版社にはおりません)
無事に2015年、『しゅるしゅぱん』が発売に。
古山さんといっしょに仙台の書店さんでサイン会をしたり、書店さんを回ったりもしました。
最初に出した本で、この書店さんへのご挨拶という経験ができたこと、その後大変ありがたかったです(一人で書店さんにご挨拶なんて、たぶんこの経験がなかったらできなかったでしょう)。
その後、私も古山さんも、それぞれ別の本を手がけて年月が過ぎました。
私は東北在住の作家さんとつながるようになり、河北新報に物語を連載する話が出ました。その際、画家さんは作家のほうで決めるということだったので、私の場合、迷わず「古山さんでしょ」と思っていました。その話を仙台の商店街のカフェで、東北の作家仲間と話していて、そこを出たら、なんとそこに古山さんご夫妻が!
なんという偶然。いえ、必然。そのまま立ち話で、実は・・・となり、河北新報の連載が始まりました。
これをその後、書籍化できないかと、私が国土社さんにご相談したとき、こういう新聞連載は、画家さんが変わることがおうおうにしてありますが、私は古山さんの絵を、このままでお願いしたいとも、申し上げたのです。もちろん、素晴らしい絵ですから、国土社さんも「ぜひ」となり、書籍化が決定。このたびの発売となったわけです。
河北の連載のときも、毎回おおっと思ってましたが、一冊にまとまって、感慨ひとしおです。
古山さんは、くすのきしげのり先生とのコンビでの絵本も多く、個展も精力的になさっていて、すばらしいご活躍です。
古山さんに描いていただいた、河北新報の連載「アンティークな森の巣」は、大人を主人公にしたため、今子ども向け物語に書き直し中。悪戦苦闘中です。
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