たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

山容見えずの悲しき恵那山歩き(広河原コース)

2009年06月20日 | その他歩きの山
◎2009年6月20日(土)―1人

 恵那山は去年の9月に空木岳に登って以来、行きたいと思っていた山だった。そこで高速代1,000円で行ってみた。どうせ歩くなら、恵那山を正面に置きながら歩ける神坂峠からのコースを想定していた。ところが、車のナビをセットしても、峰越林道の広河原を経由するコースになってしまう。この林道は途中で閉鎖されていることは知っていた。神坂峠には車では行けない。高速を園原ICではなく中津川ICで下りる形にすれば、林道の逆方向から入って峠に案内してくれるんじゃないかと、ようやくセットして出発。太田のインターを9時に入る。5月の連休の頃に比べ、道路は空いてはいるが、トラックが多い。阿智PAに着いたのが12時15分。焼酎を1杯飲んで寝る。夕飯は途中のPAで食べたラーメン1杯だけ。このラーメン、不思議なもので、食券を窓口に置いた途端に出てきた。間違って作ってしまい、たまたま、客が現れたので出したという代物だろう。別に延びてはいなかったから、時間が稼げた感じ。食に興味のない自分には、時間をかけずに腹に入ればそれでいい。

 4時15分起床。3時間は眠れただろうか。寒くはなかった。早々に出発。到着予定時刻が6時半になっていたのが気になった。70Km近くある表示。案の定、中津川を下りたら、馬籠を通り、妻籠をかすめ、南木曽岳登山口というのが現れた。車を駐めて地図を確認。バカなナビ。広河原を通る林道に向かっている。そこから先、アンタ行ってくれるの? 結局、広河原から歩くことになった。これだったら、最初から悩みもせずにこのコースを選んでいたよ。1時間程のロス。40Kmは余計に走らされた。地理に不案内だと、こういう時にムダなことばかりやることになる。細いクネクネした道をずっと走ってきたから、精神的な疲労度もかなりなものだった。

 6時20分、バナナを1本食べて出発。今日の天気はピーカン。車が他に2台。着替えをしている間に、うち1台から青年が出て行った。出発する時に1台が入ってきた。先の1台は当に先まで進んでいるのだろう。しばらく林道歩き。6時37分、登山口。ここから仮橋を渡って取り付く。今朝は用足しをしていなかった。橋を渡ってから便意をもよおしたが、適当な身を隠すスポットもなく、後から人が来る可能性もあるので我慢した。そのためか、身体が妙に重い。普段なら乾いた音の放屁も、今日のはやばそうなのでこらえる。急な登りとは感じないが、暑さのせいか、汗がかなりしたたり落ちる。林の中は風通しも悪い。頻繁に立ち休みをする。いつもの歩き方だ。前を歩いているはずの青年は姿も見えない。

 やがて左足のふくらはぎに痙攣を感じた。やばい。そうしているうちに1716mポイント。7時35分。仮橋からの標準は1時間40分だから、40分も早い。標準タイムは遅すぎじゃないの。腰掛けてサンドイッチを食べる。標示には1576mと記してあったが、その上を赤で1716mと訂正していた。ようやく明るい場所に来た。ここからは尾根歩き。しばらく歩くと、ようやく左に南アルプスの山々が見えてきた。だけど、ガスでシルエット。一番高い北岳は分かった。富士山は見えない。右を見れば、雲海に御嶽山が浮かんでいる。幻想的に神々しく見える。後方は中央アルプスの山々。どれが駒ヶ岳か空木なのかは分からない。すべての山が雲の上で霞んでいる。かたや、これから先の恵那山。全然見えない。緑のきれいさは広がっているけど、山頂が視界から隠れている。ちらっと見えた山頂らしきピーク。これが恵那山なのかな。掲載写真がこれ。これもすぐに見えなくなった。だから、神坂峠から歩きたかったのですよ、カーナビさんよ。アンタのおかげだよ。汗がますますダラダラとなる。今度は右のふくらはぎに痛みが走る。ようやく、心地よい風が身体に涼しく感じるようになった。

 山頂間近。今日は、誰にも抜かれず、追いつかずかなぁなんて考えて、後ろを振り向くと、青年が走って来る。ランニング登山か。軽そうなザックと水筒だけ。まっ、別扱いだろうな。もう、そろそろ山頂かなと思っていたが、蠅だか蚊だかよく分からないが、小さい虫が汗をかいた身体に無数に寄ってきた。ゼーゼーしながら口を開けて歩いていたら、2匹、口の中に入ってしまった。思わず咳き込んでしまったが、今度は咳が止まらず、そのまま、気づいたら山頂。9時5分。1716mポイントから1時間20分。標準は1時間50分だから、このコースに関しては、昭文社の標準タイムは大甘だと思う。

 山頂には真新しいヤグラがあった。山頂からの眺望は0に近い。はっきりと開けているのは上空だけ。ヤグラには6人グループが上っていた。下には、出がけに見かけた青年。それから、神坂峠からの地元そうなジイサン。グループが下りるのを待ってヤグラに登った。見晴台ではなかった。上る意味なしのヤグラ。この山頂には恵那山神社の本宮があるのだが、この社も新しいもので、風情もない。おまけに扉が閉ざされていた。お参りする気にもなれない。グループは荷物をそのままに、神坂峠の分岐まで行ったようだ。何があるのか知らないが、一の宮と二の宮があるようだが、本宮がこれではと、見に行く気が起きなかった。それ以上に、さらに歩くには暑かった。そっちの方面から周回して来たマラソンマンが広河原に下って行った。そして、青年も下る。彼氏、下山する時、山頂の写真を撮っていたが、「撮ってやりましょうか」と、声をかけるには、かなり暗いイメージを持つ青年だったので、声はかけなかった。その代わり、自分の写真はセルフになってしまった。

 神坂峠からのジイサンに、神坂峠まで行き、それから林道歩きで広河原まで行きたいのだがと言ったら、おもむろに資料を見せられた。パソコンで刷り出したものだろうか、カラー版で標高グラフが記されていた。つまり、アップダウンがすごいし、峠から広河原までの距離がかなりある。ゆえに、止めた方がいいということだが、時間的にも6時間はかかるということだ。圧縮しても、せいぜい4時間半だろう。恵那山の姿を見るのは、あっさりとあきらめることにした。あ~ぁ、山姿も見ないで上り下りするのも珍しい。やがて、駐車場に後で入ってきたオッサンが着いたのを潮に下山。

 どんどん人が上がってくる。40人はすれ違った。それ以外に30人近いジジババグループ。1716mポイントで広がって休んでいた。概して、ババは元気でおしゃべりか口に何かを含み、ジジはくたくたになりながらもタバコを吸っている。下りの道を塞いで座り込んでいるのには参った。下りはかなり急に感じた。やはり、これでは上りもつらかったはずだ。10時38分河原。ここで10分休む。顔を川水で洗い、おにぎりを1個。駐車場に着いたのは11時38分。林道はうるさいくらいに春ゼミが鳴いていた。

 温泉にでも寄りたかったが、車に着いてから着替えをしたら、すっきりした。今夜は隣組で通夜の手伝いをしないといけない。そのまま帰ることにする。ただ、昨夜、買っておいてぬるくなったウコンの力を飲んだら、改めての便意を覚醒され、阿智村の公衆トイレに立ち寄り。きれいな水洗だった。到着予定時間は3時。これなら、家でシャワーを浴びて手伝いも楽勝かなと思っていたら、佐久ICと碓井軽井沢ICの間で事故通行止めになっていた。軽井沢の町を渋滞の中、延々と走ることになり、通夜には間に合わない。電話して女房に行ってもらうことにする。家に着いたのは5時。2時間のロス。休日1,000円も、帰りは2,000円になってしまった。行きも帰りも、今回は運転に振り回された山行だった。それにしても、すっきりした恵那山の山容を見たかった。広河原コースは大失敗。

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