
◎2020年12月26日(土)
少しばかりながらも雪のありそうな赤城山に出かけるつもりでいたが、目覚めると二日酔い気味。昨夜のもう一杯が余計だった。山はやめるかと寝なおしたが、二度寝は簡単にはできず、結局、遅々と南牧村に向かった。氷瀑になる前の不動滝を見ておきたかったし、立て続きの南牧村の滝通いもそろそろ飽きてきたので、近々に区切りをつけるつもりでいた。それを今日にしておこう。滝見なら山歩きと違って、息切れもしないし、さほどに体力も使わない。
(ここから歩く。中道院は直進の坂道。本山の滝まで1kmの標識がある)

『なんもく滝めぐりガイド』には不動滝が二つある。ただの不動滝と大仁田不動滝。行くのは砥沢にある前者の不動滝。砥山不動滝とも呼ばれているらしい。車で先まで行けるが、大した距離でもないので手前の寺、中道院下の広い空地に車を置いて歩き出す。9時45分。
(天目茶寮)

舗装林道が続いていた。スパ長では避けたい道だ。道端の落ち葉の上を歩いた。右手に神社の鳥居が見えた。これは帰りにでも寄ってみよう。林道の終点に<天目茶寮>なるキャンプ場なのかバンガローハウスなのかよくわからない施設があって、人の気配はない。この天目茶寮、後でネットで調べると、個人の手造りらしく、昨年の台風19号でバンガローが三棟つぶれ、以降、復旧もままならない状態になっているようだ。車ならここまで入れる。道路の陥没もなかった。歩きながら気になっていたことだが、沢(砥山沢川)にはほとんど水が流れていなかった。これでは期待もできまい。早々にあきらめ気分になった。
(滝の位置看板)

(本山・マムシの滝)

(本山の滝)

(細い水がほとばしっているレベルだ)

(本山の滝の落ち口)

河原に降りるところに写真付きの滝看板が置かれていた。本山の滝はすぐそこだ。二本セットで本山の滝なのか。手前がマムシの滝、奥が本山の滝と言われてもいるらしいが、看板にそんな説明はない。すぐにマムシの滝。堰堤の落ち水かと思うほどのもの。5~6mほどの竪岩に水が伝わって落ちている。これが滝なのか? と思ってしまう。
続いて本山の滝。マムシの上流にでもあるのかと、念のために河原の先に行くと見えた。これも、マムシの滝よりは滝らしいが、両者ともに『ガイド』掲載の写真とはほど遠い。水量が違うとこうも印象が違うものなのか。自分が勘違いしているのではと、戻ってから改めて確認に行ったほどだ。目的の不動滝もまさかこんなのではあるまいな。
(最初の堰堤)

(左が道状になっている)

(水は少ないながらもきれいな流れが続いている)

(こうなると、もはや左は歩けず、沢に降りて歩く。その方が安全だ)

(二基目の堰堤)

(三基目)

そのまま河原を行くと、高い岩壁に遮られた。本山の滝まで戻って、脇から這い上がる。沢が続いていた。そしてすぐに堰堤。この堰堤は、看板によれば不動滝までの間に三基あるようだった。
最初の堰堤あたりまでは沢沿いに道らしいものがあったが、以降はそれらしき残存は見たものの長くは続かない。基本は、歩道はあてにせず沢沿いに歩くしかないが、沢そのものが荒れていて、倒木も目に入る。かなり歩きづらい。堰堤はいずれも難なく越えられる。沢を横切っても長靴が水没するほどのことはなく、もっとも、水没しそうなところや小滝は巻ける。この巻きだが、岩場になっているところがほとんどで、長靴のスパイクでは結構危うく、四つん這いで登ったり、戻るのに尻で下ったりした。
(倒木)

(先に行くのに手間取る)

(小滝。正面突破は深いが、縁側はかろうじて行ける。帰路では写真右手を大回りしてしまった)

(小滝を横から)

静かな河原歩きになってほっとすれば、すぐに倒木込みの雑然とした景色になったりで、その都度に神経を遣ったが、きれいな小滝になったところで穏やかになり、もっとも、この小滝、往路は問題なく、復路で往生したのだが、それはともかく、不動滝が近い感じの風景になった。
(不動滝。『ガイド』には落差30mとある)

(縦にして)

(下部)

(頭。右の塊は氷)

(胴体部)

(あそこまで行きたいが、深そうに見えるので行けず)

(今年の滝はこれで終わり)

カーブすると、写真で見覚えのある不動滝が目の前にあった。10時43分。簡単に記しているが、出発から一時間費やしている。なるほど、これが不動滝か。立派な滝だけど、やはり水量が少な過ぎる。それに相応して勢いを感じない。持参した『ガイド』の滝写真と見比べる。岩肌が見えていることがすべてを物語っている。やはり、この時期は滝見のシーズンオフで、氷瀑なのだろう。そちらには興味もないから、わざわざ来るつもりはない。南牧村の滝も、見たい滝は一通り回ったことだし、今季はこの不動滝が最後になってもいいだろう。両方の本山の滝に比べたら、立派な滝だ。
そんな愚痴をこぼしながらも、滝の角度を変えては何枚も写真を撮る。滝の入口は狭く、ぎりぎりまで近づくと長靴が没してしまいそうなので、敢えて行くまでもない。滝つぼそのものに凄みを感じない。
(あの問題なしの小滝だが、踏み跡は写真の一番上に続いていた。岩に同化してしまっているが、小滝は左下に流れている)

滝前でしばらく時間をとられて帰路に就く。手前の小滝はそのままでも脇を下れるが、左側斜面に大回りで巻いた踏み跡があったので、それを辿ってみるととてつもなく恐かった。小滝から6~7mほど上のトラバース。ベースは岩で急斜面。つかむ物も乏しく、河原に降りた時はほっとしたが、こんな巻き跡があるのも、普段なら、こんな小滝ですら直登できない水量なのかもしれない。
こんなことがあったので、余計なことはせずに、以降は沢伝いに下った。倒木の枝も避けずにかいくぐった。ただ、深みだけはどうしようもなく小さく巻いた。
(こんなところを下ることになった。登るにはよいかもしれないが。そもそも、滝の脇から簡単に上り下りができる)

(入ってみようかと思ったが、クマでも出てきたら恐いのでやめた)

(林道終点の駐車地)

堰堤のラストで休憩し、空腹を少し満たした。さて、もう終わりかと堰堤を越えようと、本山の滝の脇を下るつもりでいたら、堰堤の左側に踏み跡があったのが目に入り、気になって追ってみた。これもまた余計なことだった。結果として河原の手前の林道に出はしたが、ラストは土のもろい急斜面だった。幸いにつかむ痩せた木がいくつかあったからよかったものの、なかったら引き返していた。
(改めて本山の滝。間違ってはいなかった)

マムシの滝も本山の滝も腑に落ちないままになっていたので、改めて見に行き、『ガイド』写真と照らし合わせた。周囲の風景が同じだった。納得したからもういい。
(神社に寄る)

(神社。急な石段だった)

(不気味な形をした樹の残骸)

神社に寄る。鳥居には神社名の扁額があったが、どうにも読めない。隷書体のようでいてそうでもないし、篆書体でもない。「砥山大明神」だとは思うが、それぞれ、どこから引っ張って来た文字なのだろうか。落款印まで押されているから、それなりの書家の手によるものなのだろう。字が違うんじゃないのというのが第一印象。そんなことよりも、鳥居の脇に、不気味な姿をした樹があった。上部は腐れ落ちたのだろうが、その上から若い枝が出ている。四つ足の動物に見えなくもない。気色が悪いので上の神社に行くのはよそうかと思ったが、目の前だし、急な階段を上がって社殿を見て、お参りもせずにさっさと林道に戻った。神社全体がパワースポットだといえば確かにそうかもしれないが、近寄りがたい神社だった。
(駐車地に戻る)

車に戻る。村内放送でオルゴールが流れてきた。時計を見ると正午の時報だった。
(大仁田不動滝)

帰りがけに、先日、見落とした大仁田不動滝に寄り道をした。ここもまたただの岩壁だったが、かすかに水は流れていた。批評は簡単だ。適期から外れた時期に訪れたのでは、批評も直感的で無責任なものにしかならない。豪快な滝を見たいなら、ヤマビル対策を万全にしてから行った方がいいだろう。
少しばかりながらも雪のありそうな赤城山に出かけるつもりでいたが、目覚めると二日酔い気味。昨夜のもう一杯が余計だった。山はやめるかと寝なおしたが、二度寝は簡単にはできず、結局、遅々と南牧村に向かった。氷瀑になる前の不動滝を見ておきたかったし、立て続きの南牧村の滝通いもそろそろ飽きてきたので、近々に区切りをつけるつもりでいた。それを今日にしておこう。滝見なら山歩きと違って、息切れもしないし、さほどに体力も使わない。
(ここから歩く。中道院は直進の坂道。本山の滝まで1kmの標識がある)

『なんもく滝めぐりガイド』には不動滝が二つある。ただの不動滝と大仁田不動滝。行くのは砥沢にある前者の不動滝。砥山不動滝とも呼ばれているらしい。車で先まで行けるが、大した距離でもないので手前の寺、中道院下の広い空地に車を置いて歩き出す。9時45分。
(天目茶寮)

舗装林道が続いていた。スパ長では避けたい道だ。道端の落ち葉の上を歩いた。右手に神社の鳥居が見えた。これは帰りにでも寄ってみよう。林道の終点に<天目茶寮>なるキャンプ場なのかバンガローハウスなのかよくわからない施設があって、人の気配はない。この天目茶寮、後でネットで調べると、個人の手造りらしく、昨年の台風19号でバンガローが三棟つぶれ、以降、復旧もままならない状態になっているようだ。車ならここまで入れる。道路の陥没もなかった。歩きながら気になっていたことだが、沢(砥山沢川)にはほとんど水が流れていなかった。これでは期待もできまい。早々にあきらめ気分になった。
(滝の位置看板)

(本山・マムシの滝)

(本山の滝)

(細い水がほとばしっているレベルだ)

(本山の滝の落ち口)

河原に降りるところに写真付きの滝看板が置かれていた。本山の滝はすぐそこだ。二本セットで本山の滝なのか。手前がマムシの滝、奥が本山の滝と言われてもいるらしいが、看板にそんな説明はない。すぐにマムシの滝。堰堤の落ち水かと思うほどのもの。5~6mほどの竪岩に水が伝わって落ちている。これが滝なのか? と思ってしまう。
続いて本山の滝。マムシの上流にでもあるのかと、念のために河原の先に行くと見えた。これも、マムシの滝よりは滝らしいが、両者ともに『ガイド』掲載の写真とはほど遠い。水量が違うとこうも印象が違うものなのか。自分が勘違いしているのではと、戻ってから改めて確認に行ったほどだ。目的の不動滝もまさかこんなのではあるまいな。
(最初の堰堤)

(左が道状になっている)

(水は少ないながらもきれいな流れが続いている)

(こうなると、もはや左は歩けず、沢に降りて歩く。その方が安全だ)

(二基目の堰堤)

(三基目)

そのまま河原を行くと、高い岩壁に遮られた。本山の滝まで戻って、脇から這い上がる。沢が続いていた。そしてすぐに堰堤。この堰堤は、看板によれば不動滝までの間に三基あるようだった。
最初の堰堤あたりまでは沢沿いに道らしいものがあったが、以降はそれらしき残存は見たものの長くは続かない。基本は、歩道はあてにせず沢沿いに歩くしかないが、沢そのものが荒れていて、倒木も目に入る。かなり歩きづらい。堰堤はいずれも難なく越えられる。沢を横切っても長靴が水没するほどのことはなく、もっとも、水没しそうなところや小滝は巻ける。この巻きだが、岩場になっているところがほとんどで、長靴のスパイクでは結構危うく、四つん這いで登ったり、戻るのに尻で下ったりした。
(倒木)

(先に行くのに手間取る)

(小滝。正面突破は深いが、縁側はかろうじて行ける。帰路では写真右手を大回りしてしまった)

(小滝を横から)

静かな河原歩きになってほっとすれば、すぐに倒木込みの雑然とした景色になったりで、その都度に神経を遣ったが、きれいな小滝になったところで穏やかになり、もっとも、この小滝、往路は問題なく、復路で往生したのだが、それはともかく、不動滝が近い感じの風景になった。
(不動滝。『ガイド』には落差30mとある)

(縦にして)

(下部)

(頭。右の塊は氷)

(胴体部)

(あそこまで行きたいが、深そうに見えるので行けず)

(今年の滝はこれで終わり)

カーブすると、写真で見覚えのある不動滝が目の前にあった。10時43分。簡単に記しているが、出発から一時間費やしている。なるほど、これが不動滝か。立派な滝だけど、やはり水量が少な過ぎる。それに相応して勢いを感じない。持参した『ガイド』の滝写真と見比べる。岩肌が見えていることがすべてを物語っている。やはり、この時期は滝見のシーズンオフで、氷瀑なのだろう。そちらには興味もないから、わざわざ来るつもりはない。南牧村の滝も、見たい滝は一通り回ったことだし、今季はこの不動滝が最後になってもいいだろう。両方の本山の滝に比べたら、立派な滝だ。
そんな愚痴をこぼしながらも、滝の角度を変えては何枚も写真を撮る。滝の入口は狭く、ぎりぎりまで近づくと長靴が没してしまいそうなので、敢えて行くまでもない。滝つぼそのものに凄みを感じない。
(あの問題なしの小滝だが、踏み跡は写真の一番上に続いていた。岩に同化してしまっているが、小滝は左下に流れている)

滝前でしばらく時間をとられて帰路に就く。手前の小滝はそのままでも脇を下れるが、左側斜面に大回りで巻いた踏み跡があったので、それを辿ってみるととてつもなく恐かった。小滝から6~7mほど上のトラバース。ベースは岩で急斜面。つかむ物も乏しく、河原に降りた時はほっとしたが、こんな巻き跡があるのも、普段なら、こんな小滝ですら直登できない水量なのかもしれない。
こんなことがあったので、余計なことはせずに、以降は沢伝いに下った。倒木の枝も避けずにかいくぐった。ただ、深みだけはどうしようもなく小さく巻いた。
(こんなところを下ることになった。登るにはよいかもしれないが。そもそも、滝の脇から簡単に上り下りができる)

(入ってみようかと思ったが、クマでも出てきたら恐いのでやめた)

(林道終点の駐車地)

堰堤のラストで休憩し、空腹を少し満たした。さて、もう終わりかと堰堤を越えようと、本山の滝の脇を下るつもりでいたら、堰堤の左側に踏み跡があったのが目に入り、気になって追ってみた。これもまた余計なことだった。結果として河原の手前の林道に出はしたが、ラストは土のもろい急斜面だった。幸いにつかむ痩せた木がいくつかあったからよかったものの、なかったら引き返していた。
(改めて本山の滝。間違ってはいなかった)

マムシの滝も本山の滝も腑に落ちないままになっていたので、改めて見に行き、『ガイド』写真と照らし合わせた。周囲の風景が同じだった。納得したからもういい。
(神社に寄る)

(神社。急な石段だった)

(不気味な形をした樹の残骸)

神社に寄る。鳥居には神社名の扁額があったが、どうにも読めない。隷書体のようでいてそうでもないし、篆書体でもない。「砥山大明神」だとは思うが、それぞれ、どこから引っ張って来た文字なのだろうか。落款印まで押されているから、それなりの書家の手によるものなのだろう。字が違うんじゃないのというのが第一印象。そんなことよりも、鳥居の脇に、不気味な姿をした樹があった。上部は腐れ落ちたのだろうが、その上から若い枝が出ている。四つ足の動物に見えなくもない。気色が悪いので上の神社に行くのはよそうかと思ったが、目の前だし、急な階段を上がって社殿を見て、お参りもせずにさっさと林道に戻った。神社全体がパワースポットだといえば確かにそうかもしれないが、近寄りがたい神社だった。
(駐車地に戻る)

車に戻る。村内放送でオルゴールが流れてきた。時計を見ると正午の時報だった。
(大仁田不動滝)

帰りがけに、先日、見落とした大仁田不動滝に寄り道をした。ここもまたただの岩壁だったが、かすかに水は流れていた。批評は簡単だ。適期から外れた時期に訪れたのでは、批評も直感的で無責任なものにしかならない。豪快な滝を見たいなら、ヤマビル対策を万全にしてから行った方がいいだろう。
やはりこの時季は、滝の水量も少ないようですネ。
最近は自分も氷瀑見物をするようになったから、冬でも沢に入りますが、以前は、水も少ないからとこの時季の滝見はパスしていました。
ところで、今回主役の不動滝、中々、良さそうな滝ですネ。南牧三滝は見たけど、他は手付かずなので、いずれ参考にさせていただきますネ。
南牧村の滝見は、瀑泉さんの記事を拝見して以来、興味を持っていたところでした。その前まではさほどに関心はなく、あくまでも山歩きのついででしかありませんでした。
今回のシリーズでは、観光滝を見ても歩いた感じはしないので、『マップ』に軽登山、ハイキングと記されたところをメインに回りました。これ以外にもマップには出ていない滝もかなりあるようですが、一応は終わりにしました。
私個人としては、不動滝もさることながら、薬師の滝をお薦めしたいところです。ただ、南牧村まで行って、薬師の滝だけで終わるというのももったいないことですので、瀑泉さんでしたら、さらにアカヤシオの時季に三ツ岩岳や不動滝にも行けるのではと思うのですが。