
◎2013年3月20日(水)
駐車地(7:19)……派生尾根取り付き(7:43)……バラモ尾根合流(8:05)……送電鉄塔(8:27)……撤退(9:02)……作業道(9:17)……ラーメンタイム(9:45~10:14)……駐車地(10:22)
秩父市内に入ったら、路面が濡れていた。天気予報では、晴れマークこそないが、雨は降らないはず。携帯で天気を確認すると、6時頃までは雨、以降、曇り、晴れとなっている。ラジオの予報では「埼玉県地方、所により雨」と伝えていた。秩父が、その「所により」地域なのか、晴れる気配はない。むしろ、いつ雨になってもおかしくない空模様。速攻でやって来たのはいいが、失敗したかなぁ。
(浦山中学校跡)

浦山大橋を渡り、右に閉鎖されたネイチャーランドへの道。その入口脇に車を置こうとしたが、スペースは狭い。今日は軽自動車で来た。それでもきつそうだ。工事車両なり、ランド関係者が柵を開けて入るようなら邪魔になる。先に行き、4~5台置けそうな駐車地に駐める。ここは、前から見当を付けていたパーキング。やはりここが無難だった。この辺に駐車しておきたかったのは、下ってからの便を考慮してのこと。県道を川俣方面に歩く。栗山集落への分岐を右に見て、10分もかからずに浦山中学校跡に着いた。校舎はそのままになっている。壊れた百葉箱があり、なぜか、校庭はアスファルト。バラモ尾根には、この付近の適当な派生尾根から登って合流するつもりでいる。
(正面がバラモ沢)

(その基部には、祠と危なげなハシゴ)

ここでしばらく躊躇した。校舎の裏に回って、早速、取り付きにかかったが、思い直して、裏道を通って、先のバラモ沢の様子を見に行く。この辺りの呼び名からすれば、「バラモ谷」のはず。沢と谷、どこに違いがあるのか自分には分からない。閉鎖された橋を渡って県道に出、また先に行く。掲載したGPS軌跡は崖歩きをしているようで、おかしなことになっているが、県道から川越しにバラモ沢を眺めた。沢の下部に木の祠と、崩れかけのハシゴが見えた。不動滝は見えないというか、滝にはなっていない。急峻で、ど素人には危険付きのような沢相。別にその気でいたわけでもない。ただの時間つぶしの見物。タクシーが川俣の方に向かって行った。十中八九、花園だろう。花が盛りでもこの空模様ではなぁ。崩壊地も雨でズルズルじゃないのか。
中学校跡に戻る。何で、こんなにグズグズしていたか、それには訳がある。雨が降るのを待っていたためである。率直に、この天気の中を歩きたくない。雨が降れば、いさぎよく断念できる理由にもなる。しかし、待てど、雨は降ってくれない。渋々ながら登るか。
予定は、初体験のバラモ尾根から栗山尾根に出て、場合によっては大ドッケまで行く。下りは栗山尾根の末端まで行ってみる。しめて5時間コースと踏んだ。今日は土曜日でもないし、明日は仕事だ。この程度の歩きだろう。課題は、バラモ尾根と、一昨年、栗山尾根の途中で失敗した岩場の通行であり、山の神の確認でもある。あくまでも、これは当初の予定であり、後の話だが、一旦、清水沢に入ったら、石が滑り、雨後の岩場通過はどんなものだろうか、早々に、件の岩場歩きは危険過ぎやしないかと悟った次第。どうせ、雨が降るのも時間の問題。行けるところまで行ってみるしかないかと腹をくくる。
ところで、余談ながら、尾根の名称であるが、自分は、大平山から細久保に至る尾根は峠ノ尾根、大ドッケから栗山を経由してダム湖に至る尾根は栗山尾根、バラモ尾根はバラモ沢の北側にある尾根で、栗山尾根までの区間と解釈している。また、「栗山」の名称だが、一部、「丸山」としてある地図もあるが、自分の記事では国土地理院の表記の栗山に従うことにする。さて、「バラモ」にはどういう意味があるのだろう。バラモ沢、バラモ尾根、何やら、一筋縄ではいかないイメージがつきまとう。
(清水沢。日陰バラモ沢とも言うらしい。すぐに左の斜面に)

(ピンクのテープが誘ってくれた)

(見下ろすと県道と武士平方面に向かう車道)

バラモ尾根を末端から取り付くのは崖マークもあるし、そもそも川の向こう岸に移るのは渡渉しない限り無理のようだ。途中から合流するのが無難だろう。元に戻って、中学校の裏手から取り付く。そのままでも行けそうだが、用心して、清水沢を少しばかり登り、すぐに左・南側斜面に向かった。なかなか急である。あっという間に息が上がる。直登はできかね、クネクネと登る。驚いたことに、かすかな踏み跡が出てきた。窪みになっている。追ってみた。そして、ピンクのテープが出てきた。踏み跡は、次第にはっきりしてきた。幅もある。方向として、バラモ尾根を目指しているようだ。まずは一安心か。テープはカーブごとに付いている。木に結わえたものもあるので、これは、作業用の目印テープだろうか。
しばらく、テープを拾いながら登る。周囲は自然林。ここは、紅葉がきれいなところかもしれない。落葉がたんまりとある。10分もしないうちに汗が噴き出てきた。頭からも汗が顔に伝わる。たちまち、メガネが曇り、汗ふき手ぬぐいも重くなる。暑いだろうと予測しながらも、厚手気味の格好で来た。致し方ない。せめて、薄手のフリースを脱ぎたかったが、ザックに収納スペースはない。そのうち、涼しくなるだろう。
(バラモ尾根に合流。しばらくは植林の中歩き)

(やがて、左の植林帯は明るくなる)

トラバース気味に南に向かうと、植林帯に合流し、バラモ尾根に入った。大きな岩がゴロゴロし、斜度は増した。もう手ぬぐいはグッショリ。テープが尾根を越えてその先に誘う。踏み跡が続いている。やはり、作業用のテープであったようだ。ここは、テープを無視して尾根伝いに登るべきだろう。尾根を登ると、テープは消えた。明瞭な踏み跡もなくなった。改めて尾根を見下ろす。合流・分岐を気づかずにそのまま下ったら、二進も三進もいかなくなり、崖の上に出てしまうのではないのか。その壮絶にも似た体験記を読んだことがある。やはり、初めてのバラモ尾根を下りで使うのは無謀かもしれない。
(左下からネットフェンスが上がってきた。ネットの左側は伐採地)

尾根は左が植林、右は自然林に別れ、やがて、植林側がやけに明るい感じになり、ネットフェンスが出てきた。小ピークに出ると「県営林」の看板と「県造林」の石柱があった。フェンスの向こう側(南斜面)は伐採地のようだ。「ようだ」とは、標高が上がるに連れ、霧が次第に濃くなってきて、視界がえらく悪いのである。フェンスは、尾根伝いにずっと続いている。これに沿って歩いている限りは安心でもある。しかし、天気のことばかり気にしていて、霧のことは一顧だにしていなかった。
(作業道とバラモ尾根の続き)

(そして、ちょい登りで送電鉄塔)

切り通しの林道に出た。林道は目の前を横切っている。バラモ尾根が寸断され、目の前に引き続きの突端がある。看板があったので確認した。「社営林作業道(下木影線)」と記されている。「社」とは「埼玉県森林公社」のことだが、どう見ても林道だが、以降、作業道と記す。未舗装ながらも真新しいタイヤ痕があった。ここから、また尾根に取り付く。フェンスは作業道沿いに逸れて行った。そして、この先、引き続き、自然林の中の歩きになる。もちろん、マークもない。
すぐに送電鉄塔に着いた。この周辺は整地され、シカ糞だらけながらも、くつろぎにはいいスポットだ。その先、一旦、ヤセ気味になりながら、元の、普通の尾根幅に戻る。ここまで、極度のヤセはない。霧がますます濃くなり、衣類、ザックもぐっしょりになっている。こんな塩梅では、適当なところで見切りをつけた方がいいようだ。無理に栗山尾根に上がっても、例の岩場を大迂回することになる。そこに雨でも降ってきたら、泣きっ面に蜂だ。すでに登り詰める思いは放棄しているが、もう少し、もう少しと、身体が上に向かう。ふと、マッシュマッカーンの『霧の中の二人』を鼻歌うたいながら歩いていた。『霧の摩周湖』は浮かばなかった。そんなのほほんとした状況ではないのだが。
(フェンス越しに伐採地を見る。何も見えない)

(出会った唯一の花)

(なかなかいい感じ)

(ここで撤退。この先、尾根は左に緩くカーブしているはずだ。)

左からまたフェンスが上がってきた。そして、しばらくするとまた離れていった。感じからして、もうフェンスとの合流はないのではないか。尾根は明瞭、視界は不良。今、標高900m地点あたりにいる。急斜面になったのを潮に、ここまでとするか。あと一時間もかからずに栗山尾根に合流するだろうが、ここは改めて歩くことにしよう。この先の後半部、何となく魅力ありの雰囲気を感じる。晴れていたらの話だ。
(伐採地を一瞬、垣間見る。手前が作業道、バラモ尾根が下っている)

落ち葉の滑る急斜面。フェンスに沿って下った。やはり、雨がポツリ、ポツリと落ちてきた。いいタイミングで見切りをつけた。合羽を出すほどでもない。鉄塔で一服。下りは、作業道を使ってみよう。自分には、あの作業道がどこに出るのか、大方の予想はついている。先日、花園からの帰りに、そこに立ち寄りもした。「通行止」の看板が置かれているちょっとした広場。再訪時はバラモ尾根の下部を省略して、作業道・鉄塔から取り付くかもしれない。作業道歩きがどの程度のものかも知っておきたい。雨はすぐにやんだ。
(作業道の様子)

(やはり、ここに出たか。一般車はここまで入れると解釈する。確かに、下からここまでは舗装)

これはれっきとした林道だ。作業道といった粗末なものではない。未舗装だが整地されている。崩れが一か所。タイヤ跡からして、昨日から今日にかけてのものだろうか。30分もかからずに想定スポットに到着。ということは、上り時40分といったところか。やはり引き続きのバラモ尾根歩きはここからがいいだろう。車もここまでは入れる。
ネットでバラモ尾根の情報はあまり見かけないし、詳細なものもない。ルートネタをこの場でばらしても、バラモ尾根なんぞ好んで登る方はレア者だろうし、別に惜しくもないネタだ。知っている方は知っている。まさか、自分がバラモ尾根を歩き、それをブログにアップするのを待っている方なんぞいるわけがない。
(一昨年、栗山からの帰路、この水路に沿って途中まで下った)

(県道に出て)

(駐車地まで5~6分ほど)

歩き出しから2時間半も経っていない。下は霧のかけらもなし。これでは午前中のお早いご帰還となって、家での雑用が多くなるだけ。廃屋を何軒か過ぎ、残材置き場らしき所で、時間つぶしがてらラーメンをつくって食べる。割り箸は使用前後ともになかなか不便なツールで、今回は先割れスプーンを導入してみたが失敗。麺をすくってくれない。次回はフォークで試してみるか。
すっきりした天気にはならないが、薄い陽射しが出てきた。改めて、どこかに行く気にはなれない。来る時は有料道路を使ったが、昇華した歩きでもなかったし、ワインを買ったりしたものだから、140号線を地道に帰った。今日もSL撮りのカメラマンが結構いる。沿線の早い桜も咲いていた。春だねぇ、か。
(本日の軌跡)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図メッシュ(標高)を使用した」(承認番号 平23情使、 第832号)
駐車地(7:19)……派生尾根取り付き(7:43)……バラモ尾根合流(8:05)……送電鉄塔(8:27)……撤退(9:02)……作業道(9:17)……ラーメンタイム(9:45~10:14)……駐車地(10:22)
秩父市内に入ったら、路面が濡れていた。天気予報では、晴れマークこそないが、雨は降らないはず。携帯で天気を確認すると、6時頃までは雨、以降、曇り、晴れとなっている。ラジオの予報では「埼玉県地方、所により雨」と伝えていた。秩父が、その「所により」地域なのか、晴れる気配はない。むしろ、いつ雨になってもおかしくない空模様。速攻でやって来たのはいいが、失敗したかなぁ。
(浦山中学校跡)

浦山大橋を渡り、右に閉鎖されたネイチャーランドへの道。その入口脇に車を置こうとしたが、スペースは狭い。今日は軽自動車で来た。それでもきつそうだ。工事車両なり、ランド関係者が柵を開けて入るようなら邪魔になる。先に行き、4~5台置けそうな駐車地に駐める。ここは、前から見当を付けていたパーキング。やはりここが無難だった。この辺に駐車しておきたかったのは、下ってからの便を考慮してのこと。県道を川俣方面に歩く。栗山集落への分岐を右に見て、10分もかからずに浦山中学校跡に着いた。校舎はそのままになっている。壊れた百葉箱があり、なぜか、校庭はアスファルト。バラモ尾根には、この付近の適当な派生尾根から登って合流するつもりでいる。
(正面がバラモ沢)

(その基部には、祠と危なげなハシゴ)

ここでしばらく躊躇した。校舎の裏に回って、早速、取り付きにかかったが、思い直して、裏道を通って、先のバラモ沢の様子を見に行く。この辺りの呼び名からすれば、「バラモ谷」のはず。沢と谷、どこに違いがあるのか自分には分からない。閉鎖された橋を渡って県道に出、また先に行く。掲載したGPS軌跡は崖歩きをしているようで、おかしなことになっているが、県道から川越しにバラモ沢を眺めた。沢の下部に木の祠と、崩れかけのハシゴが見えた。不動滝は見えないというか、滝にはなっていない。急峻で、ど素人には危険付きのような沢相。別にその気でいたわけでもない。ただの時間つぶしの見物。タクシーが川俣の方に向かって行った。十中八九、花園だろう。花が盛りでもこの空模様ではなぁ。崩壊地も雨でズルズルじゃないのか。
中学校跡に戻る。何で、こんなにグズグズしていたか、それには訳がある。雨が降るのを待っていたためである。率直に、この天気の中を歩きたくない。雨が降れば、いさぎよく断念できる理由にもなる。しかし、待てど、雨は降ってくれない。渋々ながら登るか。
予定は、初体験のバラモ尾根から栗山尾根に出て、場合によっては大ドッケまで行く。下りは栗山尾根の末端まで行ってみる。しめて5時間コースと踏んだ。今日は土曜日でもないし、明日は仕事だ。この程度の歩きだろう。課題は、バラモ尾根と、一昨年、栗山尾根の途中で失敗した岩場の通行であり、山の神の確認でもある。あくまでも、これは当初の予定であり、後の話だが、一旦、清水沢に入ったら、石が滑り、雨後の岩場通過はどんなものだろうか、早々に、件の岩場歩きは危険過ぎやしないかと悟った次第。どうせ、雨が降るのも時間の問題。行けるところまで行ってみるしかないかと腹をくくる。
ところで、余談ながら、尾根の名称であるが、自分は、大平山から細久保に至る尾根は峠ノ尾根、大ドッケから栗山を経由してダム湖に至る尾根は栗山尾根、バラモ尾根はバラモ沢の北側にある尾根で、栗山尾根までの区間と解釈している。また、「栗山」の名称だが、一部、「丸山」としてある地図もあるが、自分の記事では国土地理院の表記の栗山に従うことにする。さて、「バラモ」にはどういう意味があるのだろう。バラモ沢、バラモ尾根、何やら、一筋縄ではいかないイメージがつきまとう。
(清水沢。日陰バラモ沢とも言うらしい。すぐに左の斜面に)

(ピンクのテープが誘ってくれた)

(見下ろすと県道と武士平方面に向かう車道)

バラモ尾根を末端から取り付くのは崖マークもあるし、そもそも川の向こう岸に移るのは渡渉しない限り無理のようだ。途中から合流するのが無難だろう。元に戻って、中学校の裏手から取り付く。そのままでも行けそうだが、用心して、清水沢を少しばかり登り、すぐに左・南側斜面に向かった。なかなか急である。あっという間に息が上がる。直登はできかね、クネクネと登る。驚いたことに、かすかな踏み跡が出てきた。窪みになっている。追ってみた。そして、ピンクのテープが出てきた。踏み跡は、次第にはっきりしてきた。幅もある。方向として、バラモ尾根を目指しているようだ。まずは一安心か。テープはカーブごとに付いている。木に結わえたものもあるので、これは、作業用の目印テープだろうか。
しばらく、テープを拾いながら登る。周囲は自然林。ここは、紅葉がきれいなところかもしれない。落葉がたんまりとある。10分もしないうちに汗が噴き出てきた。頭からも汗が顔に伝わる。たちまち、メガネが曇り、汗ふき手ぬぐいも重くなる。暑いだろうと予測しながらも、厚手気味の格好で来た。致し方ない。せめて、薄手のフリースを脱ぎたかったが、ザックに収納スペースはない。そのうち、涼しくなるだろう。
(バラモ尾根に合流。しばらくは植林の中歩き)

(やがて、左の植林帯は明るくなる)

トラバース気味に南に向かうと、植林帯に合流し、バラモ尾根に入った。大きな岩がゴロゴロし、斜度は増した。もう手ぬぐいはグッショリ。テープが尾根を越えてその先に誘う。踏み跡が続いている。やはり、作業用のテープであったようだ。ここは、テープを無視して尾根伝いに登るべきだろう。尾根を登ると、テープは消えた。明瞭な踏み跡もなくなった。改めて尾根を見下ろす。合流・分岐を気づかずにそのまま下ったら、二進も三進もいかなくなり、崖の上に出てしまうのではないのか。その壮絶にも似た体験記を読んだことがある。やはり、初めてのバラモ尾根を下りで使うのは無謀かもしれない。
(左下からネットフェンスが上がってきた。ネットの左側は伐採地)

尾根は左が植林、右は自然林に別れ、やがて、植林側がやけに明るい感じになり、ネットフェンスが出てきた。小ピークに出ると「県営林」の看板と「県造林」の石柱があった。フェンスの向こう側(南斜面)は伐採地のようだ。「ようだ」とは、標高が上がるに連れ、霧が次第に濃くなってきて、視界がえらく悪いのである。フェンスは、尾根伝いにずっと続いている。これに沿って歩いている限りは安心でもある。しかし、天気のことばかり気にしていて、霧のことは一顧だにしていなかった。
(作業道とバラモ尾根の続き)

(そして、ちょい登りで送電鉄塔)

切り通しの林道に出た。林道は目の前を横切っている。バラモ尾根が寸断され、目の前に引き続きの突端がある。看板があったので確認した。「社営林作業道(下木影線)」と記されている。「社」とは「埼玉県森林公社」のことだが、どう見ても林道だが、以降、作業道と記す。未舗装ながらも真新しいタイヤ痕があった。ここから、また尾根に取り付く。フェンスは作業道沿いに逸れて行った。そして、この先、引き続き、自然林の中の歩きになる。もちろん、マークもない。
すぐに送電鉄塔に着いた。この周辺は整地され、シカ糞だらけながらも、くつろぎにはいいスポットだ。その先、一旦、ヤセ気味になりながら、元の、普通の尾根幅に戻る。ここまで、極度のヤセはない。霧がますます濃くなり、衣類、ザックもぐっしょりになっている。こんな塩梅では、適当なところで見切りをつけた方がいいようだ。無理に栗山尾根に上がっても、例の岩場を大迂回することになる。そこに雨でも降ってきたら、泣きっ面に蜂だ。すでに登り詰める思いは放棄しているが、もう少し、もう少しと、身体が上に向かう。ふと、マッシュマッカーンの『霧の中の二人』を鼻歌うたいながら歩いていた。『霧の摩周湖』は浮かばなかった。そんなのほほんとした状況ではないのだが。
(フェンス越しに伐採地を見る。何も見えない)

(出会った唯一の花)

(なかなかいい感じ)

(ここで撤退。この先、尾根は左に緩くカーブしているはずだ。)

左からまたフェンスが上がってきた。そして、しばらくするとまた離れていった。感じからして、もうフェンスとの合流はないのではないか。尾根は明瞭、視界は不良。今、標高900m地点あたりにいる。急斜面になったのを潮に、ここまでとするか。あと一時間もかからずに栗山尾根に合流するだろうが、ここは改めて歩くことにしよう。この先の後半部、何となく魅力ありの雰囲気を感じる。晴れていたらの話だ。
(伐採地を一瞬、垣間見る。手前が作業道、バラモ尾根が下っている)

落ち葉の滑る急斜面。フェンスに沿って下った。やはり、雨がポツリ、ポツリと落ちてきた。いいタイミングで見切りをつけた。合羽を出すほどでもない。鉄塔で一服。下りは、作業道を使ってみよう。自分には、あの作業道がどこに出るのか、大方の予想はついている。先日、花園からの帰りに、そこに立ち寄りもした。「通行止」の看板が置かれているちょっとした広場。再訪時はバラモ尾根の下部を省略して、作業道・鉄塔から取り付くかもしれない。作業道歩きがどの程度のものかも知っておきたい。雨はすぐにやんだ。
(作業道の様子)

(やはり、ここに出たか。一般車はここまで入れると解釈する。確かに、下からここまでは舗装)

これはれっきとした林道だ。作業道といった粗末なものではない。未舗装だが整地されている。崩れが一か所。タイヤ跡からして、昨日から今日にかけてのものだろうか。30分もかからずに想定スポットに到着。ということは、上り時40分といったところか。やはり引き続きのバラモ尾根歩きはここからがいいだろう。車もここまでは入れる。
ネットでバラモ尾根の情報はあまり見かけないし、詳細なものもない。ルートネタをこの場でばらしても、バラモ尾根なんぞ好んで登る方はレア者だろうし、別に惜しくもないネタだ。知っている方は知っている。まさか、自分がバラモ尾根を歩き、それをブログにアップするのを待っている方なんぞいるわけがない。
(一昨年、栗山からの帰路、この水路に沿って途中まで下った)

(県道に出て)

(駐車地まで5~6分ほど)

歩き出しから2時間半も経っていない。下は霧のかけらもなし。これでは午前中のお早いご帰還となって、家での雑用が多くなるだけ。廃屋を何軒か過ぎ、残材置き場らしき所で、時間つぶしがてらラーメンをつくって食べる。割り箸は使用前後ともになかなか不便なツールで、今回は先割れスプーンを導入してみたが失敗。麺をすくってくれない。次回はフォークで試してみるか。
すっきりした天気にはならないが、薄い陽射しが出てきた。改めて、どこかに行く気にはなれない。来る時は有料道路を使ったが、昇華した歩きでもなかったし、ワインを買ったりしたものだから、140号線を地道に帰った。今日もSL撮りのカメラマンが結構いる。沿線の早い桜も咲いていた。春だねぇ、か。
(本日の軌跡)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図メッシュ(標高)を使用した」(承認番号 平23情使、 第832号)
世の中休日なので電話も掛かってこない静かな環境で仕事しながら行かれたのかどうなのかと考えておりました。
自分もこの近辺は歩いてもいないのに、ぶなじろうさんとたそがれさんの記事を読んでいる内にいつの間にか耳年増になってしまいましたよ。
お願いがあるのですが、本日UPされたMAPをメールに添付して送付してもらえませんか。
最近細かい者がよく見えなくて。
早々にありがとうございます。
ご依頼の件は、先ほど。
細かい字、私もダメですよ。ハイトスさんの方が、近眼でもないし、そちら方面は進度も早いかも。
ご検分いただき、適切なアドバイスをよろしく。
あいにくの天気でしたが、先に光を感じさせる予感ですね。雪の上ばっかり歩いているので、写真のしっとりした色彩・・・春を感じる歩きも良いなぁと思いましたです。場所はこの続きを見てから、探してみようかなと思ってます。
今日、京都に仕事で行ってまして、まだ、その帰りの車中ですよ。こんな時間ですから、明日の歩きはないし、明後日は天気もよろしくないようですね。
したがって「この続き」は、近日中はないでしょう。まさか、明後日も、天気状況の中を歩くわけにもいかんですし。バラモがバラバラになっちまいます。
みー猫さんには、この時期、こんな超マイナーな秩父の尾根歩きよりも、まだまだ雪の深山が似合っていますよ。私の場合、蓼食う虫も好き好きの部類ですし、雪は基本、苦手ですから。
すごいところに行かれますね。
あの界隈、先日、初めて入りましたが、秩父の尾根歩き、私にとりましては、非常に魅惑的でそそられます。
秩父でのホットな山行を拝見していると、ついついディープな世界に引き込まれそうです。。。
続き楽しみにしております。
おはようございます。
マメにご覧いただきありがとうございます。
HIDEJIさんも、私のディープというよりもチープな歩きに感心していないで、この続き、さっさとやっつけてくださいな。下部さえとちらなければ、意外にあっさり尾根のようですから。
秩父のしがない尾根歩きが魅力的に感じるようでは、HEDEJIさんも変わっていますね(笑)。