たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

リハビリ山行・日向山―4人歩き

2011年06月05日 | 山梨県の山
◎2011年6月3日(金)

 金曜日に休暇をとった。2か月前に福寿草見物で足首を痛めたK女のリハビリ歩きが目的だから、ご本人の希望で温泉宿付きにした。K女のお付き合いには金がかかる。仕方がない。同行した我々にも負傷の責任の一端はある。今回はMBも参加。I男の勤務先のかつての上司である。<B>とは旧役職名。リタイア後にジャガイモ、タマネギ、白菜を作ってばかりの日常に飽きたらしく、最近、山歩きを覚えたらしい。聞くところによると、単独でも栃木の山を歩くことがあるようだ。先日は晃石山を歩き、一人歩きのネエチャンに声をかけたら、返事が返ってきただけでお終いだったとぼやいていた。何が目的なのか、下心を期待する方がおかしい。して、MBは骨太の方だから、万が一のK女のアクシデント時には強力な助っ人になるだろう。猫車になりきれることを期待したいところだ。

 さて、どこに行くか迷った。K女の足首はまだ完治はせず、いまだに通院している状況だ。そのK女が、ぶなじろうさんお薦めの日向山はいかが?と言い出し、すんなりと日向山で決まった。自分も以前から行きたいと思っていた山だし、どの程度の鼻血が出るのかも楽しみなところ。天気は幸いにも、雨天決行ともならず、梅雨の晴れ間になりそうでほっとした。I男がMBは雨男だとか言っていたが、後でこれを聞いたMBは怒って、自分は晴れ男だと言い張っていた。

(ここから入ったが10分の余計歩きになった)


 矢立石の「日向山登山口」と記された林道の空きスペースに車を置く。北杜市観光課発行のチラシに「駐車スペース数台」と記されている。数台だからここのことだろう。他に駐めている車はない。平日だからこんなものだろうか。だが、準備している間に3台ほど、さらに上に向かっている。林道は途中で切れているはず。どこまで行くのだろう。9時22分出発。雑木の中の歩きだが、林道が脇を通っているのが気になる。やはり、数分して林道を渡る。そこにまた「日向山ハイキングコース入口」の標識。傍らには、10台以上は車が駐められるしっかりした駐車場があった。車が5~6台。準備している車が2台。たかが10分程の余計歩きだが、してやられた気分。

(しっかりしたコース)

(終わりかけのツツジ)

(石仏)


 しっかりしたハイキングコース。急登はない。標識も親切で、10-1、2、3、……と続く。ぶなじろうさんのブログ写真で拝見した石仏に出会う。いつものようにさっさと先を行くI男にはこれが気づかなかったようだ。注意力が散漫な男。K女とMBが子鹿の死骸を見つけた。これには敢えて目を向けなかった。4人ともに汗が吹き出す。今日は湿気がすごい。メガネも曇る。次第にK女は遅れがちになる。これはいつものこと。今のところ、足首に異常はないようだ。問題は下りだな。休む度に上から着衣を脱いでいる。用心し過ぎて、ボテボテの厚着で来ていた。水もガブガブ飲みまくる。見ているこちらがどんどん暑苦しくなる。一方のMB、疲れ知らずか顔は至って涼しげ。登山用の靴は持っていない。高そうなズック靴を履いて来ている。結構健脚のようだ。

 樹間に甲斐駒が見えた。周りに雲が立ちこめ、どうもすっきりとしない姿だ。ツツジはもう終わりかけのがあちこちに咲いている。ここまで2組4人を抜いてきたが、我々の今日の歩きからして、皆さん、かなりゆっくりした歩調と見受けられる。K女をだましだまし歩かせ、三角点に到着。10時54分。ちょうど一時間半だからコースタイム。K女には少々きつかったかもしれない。さすが、三角点を見には来ず、ぜいぜいしながら休んでいた。ここに山名標示がないのがいささか解せない。

(山頂標示は雁ヶ原にあった)

(その1)

(その2)

(その3)


 5分も歩かずして雁ヶ原。ここに日向山の山名標示板があった。なるほど、砂礫と岩のすごい景色が広がっている。山頂でこんな景色も珍しい。ぶなじろうさんが鼻血をこらえたお気持ちが良く分かる。4人の中で、I男が特に興奮気味。そのI男だが、さっきから鼻にティッシュをあてている。これは鼻血ではなく花粉症による鼻汁。しかしなぁと思う。ちょっと下ると、砂礫は砂浜歩きのように深くなっている。花崗岩の風化作用の結果だとしても、これに至るまで何万年もの時が経過しているのではあるまいか。岩も角がとれてすべて丸味を帯びている。K女は嬌声をあげ、MBもしきりとスゴイ、スゴイを連発している。先まで行き、谷底の風景を眺めてみたいものだが、高所恐怖症の自分には股間のすくみがたまらず、やめにしておいた。後から上がってきた男女の2人組が、器用に先端まで行くのにはただ感心した。ここで25分休んだ。

(甲斐駒は見えない)


 残念ながら、甲斐駒は上の部分が雲で見えなかった。まだ残雪がかなりあるようだ。昨日の天気予報では終日雪だった。前回は無念ながら七丈小屋でUターンとなった日帰り黒戸尾根だったが、一緒に行った木は昨年一人で13時間だか14時間かけて往復し、途中で行き会い、同じく七丈小屋でUターンした青年も、昨年日帰りを敢行したそうだ。別段、関心もなく、木に付き合わされただけの日帰りだったが、黒戸尾根から続く甲斐駒を眺めていると、いずれはやってみたいものだなぁと色気が出てきた。I男にもそれとなくほのめかしたが、どう解釈したかは分からない。心の底では、光岳の二の舞はご免こうむりたい気分だろう。

(下る)

(そして振り返る)

(洞穴を覗いているMB)


 下りは錦滝コースにする。気楽に考えていたが、これがちょっと失敗。K女には、この急でやや悪路の下りコースが応えたようだ。山を歩かないのに道具の購入にはやたらと金をかける彼女だが、今回は新式の折りたたみ杖を持ってきていた。その杖を散々持たせられた。杖を持ったままでは下れない箇所がかなりある。MBがK女に、悪路下りのノウハウを指導してくれている。結局、錦滝に至るまで1時間10分を費やした。コースタイムは40分。途中、単独に抜かれた。このコースを歩く人はあまりいないようで、来た道を戻る方が多いようだ。この歩きの計画時に、自分だけ一人鞍掛山を目指し、下りで一行に合流とも考えはしたが、往復5時間のプラスでは、どうあがいても短縮合流は不可能だろうと断念していた。この下りで、K女のキズがうずいてしまったようだが、これは、あれ以来、痛みをかばう変な歩きを続けていたからだけのことだろう。これで通常歩きに戻れば、痛みも癒えるだろう。

(錦滝)


 東屋でラーメンを作って食べる。滝のしぶきが飛んでくる。ただの棒ラーメンに餅とソーセージ。K女持参のゆでタマゴを入れただけのものだが、MBはしきりに感動していた。いつも、ポットに湯を入れて持参し、カップラーメンに注いで食べているようだが、これではせっかくのラーメンもまずかろう。MBは左の耳がいささか不自由で、右に立って話をしないと混乱することがある。ラーメンを食べながら、左側から、「MBさんはビートルズの世代ですかね?」と聞いたら、「ビールは以前、アサヒばかり飲んでいたけど、今は何でもいいねぇ」と返事が戻り、自然に酒の話になり、帰りはワイン工場を見学して行こうということになってしまった。滝の流れの音も影響していたこととは思うが。

(林道歩き)

(藤の花)


 林道は荒れていた。ツツジと藤の花を目にする。藤の花も終わりかけ。色も鮮やかさがない。MBは意外と茶目っ気があり、木のツルを握っては、ターザンの真似をしてK女を笑わせている。栃木の山を歩いていて、パラグライダーが飛んでいるのをよく見かけ、自分もいずれはやってみたいとも言っていた。気はまだまだお若い。だらだらと話をしながら歩き、14時駐車地に到着。

 当初の予定では、宿に入る前に帯那山でも歩くつもりでいた。ところが、ワイン工場で試飲をしたら、あっという間に身体がだるくて眠くなってしまい、飲まなかったI男を除いて、車では3人とも寝てしまい、帯那山もカットとなった。あとは、宿で温泉に浸かって飲みまくるだけだ。

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10 コメント

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Unknown (ぶなじろう)
2011-06-05 16:21:59
こんにちは。
日向山行かれましたか。
皆様にソコソコは喜んで頂けたようで、安心いたしましたです。
一瞬、I男さんが鼻血を出したと思い喜んだのですが、鼻水でしたか。残念です。

確かに、たそがれオヤジさんが感じたであろう違和感は、おいらも感じましたよ。遊びで山に入れば知らず知らずのうちに人間が影響を与えてしまう。難しい問題です。
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自分に厳しく (K女)
2011-06-05 17:25:30
皆々様、そして、お勧めしてくれたぶなさん、ありがとうございました。
山頂に着くと、砂浜に来たような感じで本当に山の上かなと思ったくらい、素敵でした。I男とテントを張って、星空を見たいねと言ってしまったくらい、視界も良いしね。
この2ヶ月は、歩くこともしないで、帰りもバスを使ったりとしていたので、2/10地点でどうしようかなと考えたくらいでした。でも、たそがれさんのかけ声が聞こえると、自分に甘えてはいけないと思い直して歩いていたけど、戻って来たら、また行きたいと思ってしまう自分がいました。感激があると、辛かった事も忘れられるのですね。
今は筋肉痛で腿が痛いだけなので、足首は治ったみたい、これから鍛えないと、いつもタイムロスにしてしまっているからね。お邪魔ながら、また行こうね
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ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2011-06-05 18:18:45
ぶなじろうさん、日向山のご紹介ありがとうございました。
おかげさまで、私も含め、いい山歩きを楽しませていただきました。甲斐駒を3人に見せてやれなかったのが残念なことでしたが。
後で、K女が持って来たipadで、ぶなじろうさんのブログをみんなで見直しました。天気に恵まれていれば、もっと素晴らしかったのになぁ。また、紅葉の時期にでも来ようかなんて話になりましたよ。
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K女さん (たそがれオヤジ)
2011-06-05 18:28:05
「自分に厳しく」「甘えてはいけない」なんて、そんな精神論で山歩きをしているわけでもないので、固苦しい思いはまず捨てましょう。楽しく歩ければ、それに過ぎたるものはありませんよ。
足首の痛みが取れて、まずはほっとしましたが、筋肉痛の痛みの方が強烈なだけの話だったりして。明日の時点で足首の痛みが抜けたら、ほぼ完治でしょうか。
今回の荒療治ご苦労さまでした。
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バラエティ (I男)
2011-06-06 16:13:48
皆様お疲れ様でした。頂上付近U+203Cヤバかったですね。まだ経験は少ない自分ですが、想像と全く違う景色に感動しました!鼻血は出ませんでしたが…頂上の景色、滝とバラエティにとんだ山でした。
やっぱり歩いたあとのラーメンは格別です。タマゴと餅とソーセージ最高です。
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I男君 (たそがれオヤジ)
2011-06-06 20:50:17
I男君、君のコメントは単純明快で分かりやすいね。
MB氏は何か言っていた?「もうコリゴリだよ」とか。

ところで、コメントの中にある「U+203C」とは何?ネットで検索したら、INAXの小型小便器に「U+203B」というのはあったけど。これじゃないよね。携帯からの絵文字か?
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Unknown (俺だ)
2011-06-06 22:12:03
黒戸尾根からの甲斐駒を、もう一度やりたいと思っている。なぜか惹かれる。先日、レンコ△フの実家へ線香をあげに行ってきた。本宅は居心地がよくないので、半分以上別居中だ。○●航空のリストラで、今は無職の自遊人。今後は遊んで暮らすとのこと。平日は、家の草取、水■温泉センター、テニスで過ごすのが日課らしい。来週から今月いっぱいセブ島でテニスを兼ねて、桃色遊戯をしてくるってさ。今度、うまくだまして山にさそってみてくれ。
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日向山 (ハイトス)
2011-06-07 13:00:18
温泉宿付きのゆったり山行・・いいですねぇ。
K女さんも回復なされて何よりです。
自分も先週あたり泊まりの半分宴会山行の予定が雨で流れて残念な思いをしましたんでおちょとうらやましです。

日向山、最初の画像を見たときは砂ではなくて一瞬雪の様に見えましたね。
前にぶなじろうさんのレポがアップされたときに6月頃に行ってみたいといわれていましたが、予定通り実践されたと言うことですね。
自分たちも一度は行ってみたい場所です。
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ハイトスさん (たそがれオヤジ)
2011-06-07 22:34:23
こんばんは。
山頂までは普通の山なのですよ。山頂に至って、ああいう白の世界が広がっています。写真はぼけている感じですけど、風が吹いていましたから、一種の砂嵐の中の世界といった感じでしたね。
ぶなじろうさんのご紹介でしたが、なかなかいい山です。おK3向きですよ。機会があったら、ぜひいらしてください。

我々のコースだけではあっという間で終わってしまいますので、その先、鞍掛山方面まで行ってみたらいかがでしょう。
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俺ださんへ (たそがれオヤジ)
2011-06-07 22:45:18
俺ださんは黒戸尾根といえばすこぶる敏感なんだね。まさにオタクだね。というよりも、マゾっ気があるんじゃないの。それほど、心身ともに疲労させてまで、2度も3度も歩きたいものなのかね。

自分には、剱の早月尾根日帰りの方がまだ良かったよ。黒戸尾根歩きに比べたら、景色もいいし、風通しも良かった。それですら、4度目はもう歩く気にはなれないね。

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