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◎2012年2月8日(水)
土日月と出張が入った。中野山以来、まっとうな歩きをしていない。そこで、代休をとっての山となったわけだが、翌日は平常勤務だし、遠出や長距離はできない。どこに行こうか迷った。そこで思いついたのが、ハイトス氏が先日歩かれた桐生の唐沢尾根。記事を拝見し、特に前半部分のインパクトが強く、この機会に行ってみようか。ついでに他のネット記事を調べてみたら、オッサンさんも7年前のこの時期に歩かれていた。この尾根歩き、お2人ともに満足されたらしい。期待して出かけた。
(山神宮の鳥居)
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(石祠が2基あった)
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山神宮の手前の空き地に車を置く。取り付きはすぐ手前の分岐林道かららしいが、最初からそのつもりはなく、ハイトス氏が本コース第1回目に苦戦された岩場直登の予定である。9時20分出発。まずは山神宮を拝見。鳥居の先、岩壁の下には石祠が2基。それぞれにワンカップ大関が供えられている。傍らにはホウキも置かれている。「明治十二年」「群馬縣上野國●●」だけは確認できた。「●●」は「一四」と読めなくもない。ナンバリングだろうか。さて、真後ろの岩壁直登は素手では無理。右から巻いて、取り付くことにする。確かにもろい岩場だ。つかまる枝も根こそぎになる。軽トラがやって来た。地元の方だろうが、あまり、こういうところを見られたくはない。身を低くして、何とかかわしたつもり。岩場の登りは危なっかしかったが5分ほどで岩の真上に乗った。真下は垂直に切れていた。まさか、ハイトス氏がここをフリークライムでよじ登ったわけではあるまい。これから岩場がずっと続く。急な上りはない。せいぜい、取り付き部分だけだったようだ。向こう側に、前仙人ヶ岳に続いている尾根が見えている。ここは、それなりにおもしろい歩きを楽しめるコースだ。
(こんな岩尾根)
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(上に行くに連れ、桐生の町並みも広がる。右手の山は観音山?)
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(石灯籠1基)
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(その上に石祠が2基)
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この尾根への期待は、何といっても、石灯籠やら石祠との出会いにある。唐沢尾根限定版だ。尾根は大岩がゴロゴロしていて歩きづらい。さらに、出張中の暴飲暴食、睡眠不足がたたってか、身体がやけに重い。出がけに、風が強く、冷たく感じ、厚手のフリースにしてしまったが、南側の小尾根のせいか、今のところ風はない。むしろ暑いくらいで、すぐに汗ダクになってしまった。左手に桐生、太田の町並み見えてきた。そして、谷越えの南側には、小友沢の頭と思われるピーク。随分と間近だ。やがて前方に石灯籠が見えてきた。岩の上に乗っかって孤高の威厳を感じるところだ。ずっと先の観音山と町並みを見下ろしているかのようでもある。文化六年とあった。その上には石祠が2基。左側が根本社で、右が唐沢社のようだ。寄り添っている。年代は確認できない。上から見ると、石灯籠が下に見え、いい構図だ。この辺は唐沢山というらしい。ピーク状にはなっておらず、さらに、岩尾根が先に続いている。左は切れているが、気分が落ち着くスポットだ。
(台座のみ)
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(謎めいた平石)
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(小友沢の頭は右手奥か)
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次に現れたのは正方形の台座。何かが上に載せてあったのだろう。周辺を探してみた。地形からして、付属品は東側に落ちている可能性がある。それらしき石を見つけて掘ってみたが、ただの大きな岩屑だった。中野山の石祠探しのようにはうまくいかないものだ。足のような残骸が2本あったから、石祠だろうか。先に進む。いくぶん平坦な普通の尾根になったと思ったら、また岩尾根になる。前仙人ヶ岳に続く尾根が迫ってきた。大きな平たい石があった。この石(岩?)はハイトス氏記事の写真で覚えがある。足尾の舟石峠にある舟石のような大石だ。ここまで来ると、向かいの小友沢の頭の高さが目線とほとんどいっしょになり、様相もはっきりとして来る。確かに、下りは急そうだな。
(大岩が出現)
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(屋根なし・胴体部のみ)
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正面に忽然と三角の大岩が出現した。高さは6~7mはあろうか。右にも左にも巻いて先に行ける。だが、岩をよく見ると、正面の裂け目から上がれそうだ。確率は10分の7。残りの3は滑落、撤退といったところだろうが、奈落の底に落ちる地形ではない。滑りまくりながらも登れた。岩の上には何もなかった。何かあるのを期待してもいたのだが。両腕が痛く、膝を3回、岩肌にぶつけただけのこと。反対側にはあっさりと着地できた。また大汗をかいた。この先に、残念ながら最後の時代物があるはず。石祠の胴体部分があった。ここが金峰山か。屋根を探したが、これは、西側の急斜面に落ちたと思われる。「嘉永三年」「甲斐國」までは読めたが、その下は「金峯山神主 内藤摂津守 御分地」と続いているらしい(ハイトス氏記事転用)。何ともいい雰囲気。だがお目当てはこれでお終り。6割の楽しみは終了し、残り4割は普通の山歩きの中に見つけるしかないか。岩尾根は普通の尾根になり、作業道に合流した。10時10分。大満足の50分だった。
(この作業道をまたぐ)
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(前仙人ヶ岳山頂)
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どこに続く作業道かは知らないが、これを横切り、尾根伝いに進む。とうとう風が出てきた。汗ばんでいただけに寒い。林の中に入り、余計に寒くなった。やがて左から破線路が合流し、道は明瞭になる。左に下ると雨降山という山に至るらしいが行ったことはない。融けないままの雪の塊がいくつかあった。今日見た唯一の雪。左手の樹間に男体山を見ながら一登りで前仙人ヶ岳に到着。10時30分。山名板には「仙ヶ沢せんがーさー(前仙人ヶ岳)647.4m」とあった。「ヒノキガター」に似た響き。寒いので、さっさと仙人ヶ岳に向かう。
(仙人ヶ岳)
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北風をまともに受けるようになり、さらに寒くなる。手袋なしではつらい。それでいて、手袋をしているとすぐに手が汗ばみ、脱いでしまう。この繰り返し。四季を通じて、常時、手のひら、足の裏がペタペタの脂性の人間には、どこに行っても、何をやってもつらいものがある。他人との握手ができない。ハイキングコースが続く。左手前方に三角錐形の仙人ヶ岳がある。ここでふと疑問。前仙人ヶ岳と仙人ヶ岳の間には、少なからず3つほどのピークがある。それなのに、さっきの前仙人ヶ岳は何で「前」仙人ヶ岳なのだろうか。三角点ピークだからか?北穂高岳や西穂高岳が一人歩きしているような感じに似ている。「火の用心」に「白葉峠↓」と手書きされた表示板があった。帰りはここから下ればいいわけだ。それにしても、県境ルートに入ってから、案内板は多くなった。足利、桐生市民に人気の山だけはある。
(仙人ヶ岳山頂)
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(袈裟丸から皇海山)
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岩場があったり、急斜面があったり、アップダウンがあったりと、結構楽しめるコースになっている。仙人ヶ岳に到着。11時5分。風のうなりが音を立てている。だれもいない。山頂は広めで、木が多少は邪魔をするが展望はいい方だろう。日光連山から赤城山まで見える。この山、3回目くらいだろうか。過去2回ともに、足利から入った。桐生から入るのは今日が初めてだ。袈裟丸山を見ながら、根掘り葉掘り聞かれたことを思い出す。朝食を食べて出てきたためか食欲もわかず、ウィダーインを含んだだけ。あとはタバコ。何も考えずにもったりとしていたら15分ほど休んでいた。足利の方から2人組が上がって来た。
(ここから南下する)
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(荒倉山。バックに仙人ヶ岳)
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「火の用心」に戻る。ここからは県境尾根をしばらく南下する。県境歩きの距離が幾分延びた。足尾の一部区間はさておき、仙人ヶ岳と根本山区間も懸案になりそうだ。さて、次のポイントは528.4mの三角点峰。ここは「小友沢の頭」と呼ばれるピークらしい。そこから北西に下れば、駐車地にドンピシャとなるわけなのだ。この県境尾根の歩き、標識が多くて助かるが、どうもその向きがおかしい。「桐生市方面 白葉峠、一色、塩瀬へ→」なる標識は明らかに90度違いで、このまま行ったら足利に下ってしまう。木に針金で結わえ付けた標識だから、風で曲がりもするだろう。迷わずに従うと、とんでもないことになる。「火の用心」から、進行方向左下に向かう。まだ県境尾根だ。踏み跡はしっかりしている。右手に、今度は浅間山が見えてきた。振り向くと仙人ヶ岳。下って上って荒倉山に着いた。11時45分。標識板には「荒倉山山頂(展望台)」と記されていたが、「展望台」の意味が測りかねた。確かに展望はいいのだが。
(問題の標識)
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そのまま下ろうとして、振り返ったら、異なるものを見つけてしまった。RK氏の標識だ。そこには「528.4M R・K」と記されていた。これは何かの間違いではないのか。528.4mピークはこの先の「小友沢の頭」のはず。本来の場所にあったものが飛ばされ、だれかが拾ってここに置いたのだろうか。それとも、ここが確かに別口の528.4mなのだろうか。ただ、地形図だけでは8.4mまでは読み取れないだろう。あとの可能性はRK氏のミスか。
(浅間山)
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(例の大岩か)
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(鷹ノ巣沢)
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(右手に小友沢の頭が見える)
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(松の倒木が道をふさぐ)
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(小友沢の頭山頂)
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どんどん下る。右手に、唐沢尾根の三角大岩が見えた。目立つ。先ほど、自分が足を滑らせながら登った岩だろうか。「鷹ノ巣沢」の標識のあるところに着いた。12時5分。この標識プレートは落ちて、裏返しになっていた。ハイトス氏レポにも記されていたが、これは山名なのだろうか。それとも、ここから沢が下っているのかどうもはっきりしない。この前後から、気持ちの良い尾根歩きにはなっているが、倒木が目立つ。大きな松の木が根こそぎ倒れている。5分少々で道は右にカーブする。正面には、申し訳程度にヒモが結わえられ、侵入を防いでいるようだが、その先に道型はあった。下って分岐。県境尾根からはここで離れるようだ。直進は白葉峠、右は一色展望台の標識が置かれている。後者の標識は壊れかかっている。右に向かう。下って最初のピークが展望台だろうか。違うようだ。展望は決して良いとは言えない。また下って登る。小友沢の頭に到着した。12時20分。三角点が置かれている。標識があった。なるほど、菱町の最高峰か。
(ここから林道に下る)
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(こんな尾根下り)
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(倒木だらけのところもある)
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さて、問題はここからの下りだ。どこを下っても、北西から外れない限り林道に降り立つことはできそうだ。標高差はざっと250m。先に下ってみたが、林道への下りの取り付きがよく分からない。戻った。確か、標識があるはず。木の下に裏返しになった木っ端を見つけた。「唐沢口下山 山の神様」の文字が記されていた。尾根状になっていた。急で荒れている。倒木がすごい。ヤブめいた箇所も有りだ。右手は植林帯になっている。尾根がいくつか派生してまぎらわしいが、オッサンさんの手記を思い出した。右手に植林泰を見ながら下ったと記されていたような気がする。植林帯に下りてしまいたいところだがこらえる。
(林道が見えた)
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尾根の末端が近づいたようで、一気に急になる。そして岩場。先を見ると、ストーンと落ちている。これが限界のようだ。遠回りしながら植林に下りた。2回転んだ。そして、すぐに、自分の車が林道をはさんで見えた。小沢を渡って、ドンピシャで帰りついた。12時50分。沢から、逃げた岩を見上げると、傾斜が60度はありそうな感じだった。
また、せっかく背負って行った昼食はとらなかった。日なたで五木の鍋焼きウドン+餅を食べた。コメントなしのそこそこの味。まだ、一山行けそうな時間だが、床屋にも行きたいし、やめておこう。さて、今回の歩き、3時間半の歩きでしかなかったが、後半も結構楽しめた。野趣にあふれ、そこはかとなくヤブもあり、なかなかのバリエーションルートだった。先行手記を残されているハイトス氏とオッサンさんに感謝申し上げる次第である。
土日月と出張が入った。中野山以来、まっとうな歩きをしていない。そこで、代休をとっての山となったわけだが、翌日は平常勤務だし、遠出や長距離はできない。どこに行こうか迷った。そこで思いついたのが、ハイトス氏が先日歩かれた桐生の唐沢尾根。記事を拝見し、特に前半部分のインパクトが強く、この機会に行ってみようか。ついでに他のネット記事を調べてみたら、オッサンさんも7年前のこの時期に歩かれていた。この尾根歩き、お2人ともに満足されたらしい。期待して出かけた。
(山神宮の鳥居)
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(石祠が2基あった)
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山神宮の手前の空き地に車を置く。取り付きはすぐ手前の分岐林道かららしいが、最初からそのつもりはなく、ハイトス氏が本コース第1回目に苦戦された岩場直登の予定である。9時20分出発。まずは山神宮を拝見。鳥居の先、岩壁の下には石祠が2基。それぞれにワンカップ大関が供えられている。傍らにはホウキも置かれている。「明治十二年」「群馬縣上野國●●」だけは確認できた。「●●」は「一四」と読めなくもない。ナンバリングだろうか。さて、真後ろの岩壁直登は素手では無理。右から巻いて、取り付くことにする。確かにもろい岩場だ。つかまる枝も根こそぎになる。軽トラがやって来た。地元の方だろうが、あまり、こういうところを見られたくはない。身を低くして、何とかかわしたつもり。岩場の登りは危なっかしかったが5分ほどで岩の真上に乗った。真下は垂直に切れていた。まさか、ハイトス氏がここをフリークライムでよじ登ったわけではあるまい。これから岩場がずっと続く。急な上りはない。せいぜい、取り付き部分だけだったようだ。向こう側に、前仙人ヶ岳に続いている尾根が見えている。ここは、それなりにおもしろい歩きを楽しめるコースだ。
(こんな岩尾根)
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(上に行くに連れ、桐生の町並みも広がる。右手の山は観音山?)
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(石灯籠1基)
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(その上に石祠が2基)
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この尾根への期待は、何といっても、石灯籠やら石祠との出会いにある。唐沢尾根限定版だ。尾根は大岩がゴロゴロしていて歩きづらい。さらに、出張中の暴飲暴食、睡眠不足がたたってか、身体がやけに重い。出がけに、風が強く、冷たく感じ、厚手のフリースにしてしまったが、南側の小尾根のせいか、今のところ風はない。むしろ暑いくらいで、すぐに汗ダクになってしまった。左手に桐生、太田の町並み見えてきた。そして、谷越えの南側には、小友沢の頭と思われるピーク。随分と間近だ。やがて前方に石灯籠が見えてきた。岩の上に乗っかって孤高の威厳を感じるところだ。ずっと先の観音山と町並みを見下ろしているかのようでもある。文化六年とあった。その上には石祠が2基。左側が根本社で、右が唐沢社のようだ。寄り添っている。年代は確認できない。上から見ると、石灯籠が下に見え、いい構図だ。この辺は唐沢山というらしい。ピーク状にはなっておらず、さらに、岩尾根が先に続いている。左は切れているが、気分が落ち着くスポットだ。
(台座のみ)
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(謎めいた平石)
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(小友沢の頭は右手奥か)
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次に現れたのは正方形の台座。何かが上に載せてあったのだろう。周辺を探してみた。地形からして、付属品は東側に落ちている可能性がある。それらしき石を見つけて掘ってみたが、ただの大きな岩屑だった。中野山の石祠探しのようにはうまくいかないものだ。足のような残骸が2本あったから、石祠だろうか。先に進む。いくぶん平坦な普通の尾根になったと思ったら、また岩尾根になる。前仙人ヶ岳に続く尾根が迫ってきた。大きな平たい石があった。この石(岩?)はハイトス氏記事の写真で覚えがある。足尾の舟石峠にある舟石のような大石だ。ここまで来ると、向かいの小友沢の頭の高さが目線とほとんどいっしょになり、様相もはっきりとして来る。確かに、下りは急そうだな。
(大岩が出現)
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正面に忽然と三角の大岩が出現した。高さは6~7mはあろうか。右にも左にも巻いて先に行ける。だが、岩をよく見ると、正面の裂け目から上がれそうだ。確率は10分の7。残りの3は滑落、撤退といったところだろうが、奈落の底に落ちる地形ではない。滑りまくりながらも登れた。岩の上には何もなかった。何かあるのを期待してもいたのだが。両腕が痛く、膝を3回、岩肌にぶつけただけのこと。反対側にはあっさりと着地できた。また大汗をかいた。この先に、残念ながら最後の時代物があるはず。石祠の胴体部分があった。ここが金峰山か。屋根を探したが、これは、西側の急斜面に落ちたと思われる。「嘉永三年」「甲斐國」までは読めたが、その下は「金峯山神主 内藤摂津守 御分地」と続いているらしい(ハイトス氏記事転用)。何ともいい雰囲気。だがお目当てはこれでお終り。6割の楽しみは終了し、残り4割は普通の山歩きの中に見つけるしかないか。岩尾根は普通の尾根になり、作業道に合流した。10時10分。大満足の50分だった。
(この作業道をまたぐ)
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(前仙人ヶ岳山頂)
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どこに続く作業道かは知らないが、これを横切り、尾根伝いに進む。とうとう風が出てきた。汗ばんでいただけに寒い。林の中に入り、余計に寒くなった。やがて左から破線路が合流し、道は明瞭になる。左に下ると雨降山という山に至るらしいが行ったことはない。融けないままの雪の塊がいくつかあった。今日見た唯一の雪。左手の樹間に男体山を見ながら一登りで前仙人ヶ岳に到着。10時30分。山名板には「仙ヶ沢せんがーさー(前仙人ヶ岳)647.4m」とあった。「ヒノキガター」に似た響き。寒いので、さっさと仙人ヶ岳に向かう。
(仙人ヶ岳)
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北風をまともに受けるようになり、さらに寒くなる。手袋なしではつらい。それでいて、手袋をしているとすぐに手が汗ばみ、脱いでしまう。この繰り返し。四季を通じて、常時、手のひら、足の裏がペタペタの脂性の人間には、どこに行っても、何をやってもつらいものがある。他人との握手ができない。ハイキングコースが続く。左手前方に三角錐形の仙人ヶ岳がある。ここでふと疑問。前仙人ヶ岳と仙人ヶ岳の間には、少なからず3つほどのピークがある。それなのに、さっきの前仙人ヶ岳は何で「前」仙人ヶ岳なのだろうか。三角点ピークだからか?北穂高岳や西穂高岳が一人歩きしているような感じに似ている。「火の用心」に「白葉峠↓」と手書きされた表示板があった。帰りはここから下ればいいわけだ。それにしても、県境ルートに入ってから、案内板は多くなった。足利、桐生市民に人気の山だけはある。
(仙人ヶ岳山頂)
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(袈裟丸から皇海山)
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岩場があったり、急斜面があったり、アップダウンがあったりと、結構楽しめるコースになっている。仙人ヶ岳に到着。11時5分。風のうなりが音を立てている。だれもいない。山頂は広めで、木が多少は邪魔をするが展望はいい方だろう。日光連山から赤城山まで見える。この山、3回目くらいだろうか。過去2回ともに、足利から入った。桐生から入るのは今日が初めてだ。袈裟丸山を見ながら、根掘り葉掘り聞かれたことを思い出す。朝食を食べて出てきたためか食欲もわかず、ウィダーインを含んだだけ。あとはタバコ。何も考えずにもったりとしていたら15分ほど休んでいた。足利の方から2人組が上がって来た。
(ここから南下する)
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(荒倉山。バックに仙人ヶ岳)
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「火の用心」に戻る。ここからは県境尾根をしばらく南下する。県境歩きの距離が幾分延びた。足尾の一部区間はさておき、仙人ヶ岳と根本山区間も懸案になりそうだ。さて、次のポイントは528.4mの三角点峰。ここは「小友沢の頭」と呼ばれるピークらしい。そこから北西に下れば、駐車地にドンピシャとなるわけなのだ。この県境尾根の歩き、標識が多くて助かるが、どうもその向きがおかしい。「桐生市方面 白葉峠、一色、塩瀬へ→」なる標識は明らかに90度違いで、このまま行ったら足利に下ってしまう。木に針金で結わえ付けた標識だから、風で曲がりもするだろう。迷わずに従うと、とんでもないことになる。「火の用心」から、進行方向左下に向かう。まだ県境尾根だ。踏み跡はしっかりしている。右手に、今度は浅間山が見えてきた。振り向くと仙人ヶ岳。下って上って荒倉山に着いた。11時45分。標識板には「荒倉山山頂(展望台)」と記されていたが、「展望台」の意味が測りかねた。確かに展望はいいのだが。
(問題の標識)
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そのまま下ろうとして、振り返ったら、異なるものを見つけてしまった。RK氏の標識だ。そこには「528.4M R・K」と記されていた。これは何かの間違いではないのか。528.4mピークはこの先の「小友沢の頭」のはず。本来の場所にあったものが飛ばされ、だれかが拾ってここに置いたのだろうか。それとも、ここが確かに別口の528.4mなのだろうか。ただ、地形図だけでは8.4mまでは読み取れないだろう。あとの可能性はRK氏のミスか。
(浅間山)
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(例の大岩か)
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(鷹ノ巣沢)
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(右手に小友沢の頭が見える)
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(松の倒木が道をふさぐ)
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(小友沢の頭山頂)
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どんどん下る。右手に、唐沢尾根の三角大岩が見えた。目立つ。先ほど、自分が足を滑らせながら登った岩だろうか。「鷹ノ巣沢」の標識のあるところに着いた。12時5分。この標識プレートは落ちて、裏返しになっていた。ハイトス氏レポにも記されていたが、これは山名なのだろうか。それとも、ここから沢が下っているのかどうもはっきりしない。この前後から、気持ちの良い尾根歩きにはなっているが、倒木が目立つ。大きな松の木が根こそぎ倒れている。5分少々で道は右にカーブする。正面には、申し訳程度にヒモが結わえられ、侵入を防いでいるようだが、その先に道型はあった。下って分岐。県境尾根からはここで離れるようだ。直進は白葉峠、右は一色展望台の標識が置かれている。後者の標識は壊れかかっている。右に向かう。下って最初のピークが展望台だろうか。違うようだ。展望は決して良いとは言えない。また下って登る。小友沢の頭に到着した。12時20分。三角点が置かれている。標識があった。なるほど、菱町の最高峰か。
(ここから林道に下る)
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(こんな尾根下り)
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(倒木だらけのところもある)
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さて、問題はここからの下りだ。どこを下っても、北西から外れない限り林道に降り立つことはできそうだ。標高差はざっと250m。先に下ってみたが、林道への下りの取り付きがよく分からない。戻った。確か、標識があるはず。木の下に裏返しになった木っ端を見つけた。「唐沢口下山 山の神様」の文字が記されていた。尾根状になっていた。急で荒れている。倒木がすごい。ヤブめいた箇所も有りだ。右手は植林帯になっている。尾根がいくつか派生してまぎらわしいが、オッサンさんの手記を思い出した。右手に植林泰を見ながら下ったと記されていたような気がする。植林帯に下りてしまいたいところだがこらえる。
(林道が見えた)
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尾根の末端が近づいたようで、一気に急になる。そして岩場。先を見ると、ストーンと落ちている。これが限界のようだ。遠回りしながら植林に下りた。2回転んだ。そして、すぐに、自分の車が林道をはさんで見えた。小沢を渡って、ドンピシャで帰りついた。12時50分。沢から、逃げた岩を見上げると、傾斜が60度はありそうな感じだった。
また、せっかく背負って行った昼食はとらなかった。日なたで五木の鍋焼きウドン+餅を食べた。コメントなしのそこそこの味。まだ、一山行けそうな時間だが、床屋にも行きたいし、やめておこう。さて、今回の歩き、3時間半の歩きでしかなかったが、後半も結構楽しめた。野趣にあふれ、そこはかとなくヤブもあり、なかなかのバリエーションルートだった。先行手記を残されているハイトス氏とオッサンさんに感謝申し上げる次第である。
水曜日の山は、落ち着いている感じがあるし、いいな。三人三様の山登りは、比較して読むとそれなりに面白かったです。
陽が暖かく感じていたので、そろそろ私も動きたくなって来ました。準備しないとね。
一つ目は山神社の右側の斜面を登ってしまった事、二つ目は大岩までも登ってしまった事です。
ひょっとしたらあの大岩を正面から登った最初の人間かも知れませんね。
しかも登山靴で。
実は前回もあの大岩の真下で登るとしたら・・少し右よりのクラックに沿って・・・・などとルートを考えてみたりするのですが、実行には移せませんですよ。
自分の場合8割が滑落で大怪我、2割がはいつくばってなんとか登れるかですね。
恐れ入りました。
まさかその昔フリークライミングもかじっていたのではないかと。
今回の周回は自分の好きなコースで前回も回りたかったのですが北斜面が雪で白くなっていたので止めました。
今回も雪は残っていたのではないかと。
ちなみに今このコメントは千葉のホテルで書いてます。
明日も低山めぐりをして帰る予定です。
さて、あの大岩ですが、案ずるより産むが易しですよ。ただ、体重の問題もあるかもしれませんね。
確かに、若い頃、フリークライミングをしたことはあります。ただし、それは夜のことで、酔った勢いで、他人の家の石垣を登ったりといったもので、若気の至りといった程度のものです。
また、私が行った時は雪はまったくなかったですよ。あったのは、せいぜい、前仙人ヶ岳から仙人岳にかけての、陽の当たらない北西側でした。
景色がいいと言われても、北関東の典型的な山ですから、景色がいいといっても、たかが知れております。日光の山々が、さえぎるものなく見られれば、ラッキーといったレベルです。
でも、自分には、こんな地味な山が好きだし、似合っていますので、これでいいのですが。
確かに、あの大地震で、危ういところに安置されている石祠や石灯籠が倒壊しなかったのが不思議ですね。
石灯篭は、いいですね。確かに孤高な感じがして風格がありますね。これを見に行くだけでも価値がありそうです。
おいらの場合、0:10です。避けれるのなら100%避けます。避けれなければ、退散です。
この周辺、ハイキングで観音山周辺に行ったことはありましたけど、新たな見地から、もう一度、行き直しかな、なんて思ってもおります。
大岩の件ですが、ハイトス氏の表現は大げさかもしれませんよ。それほどの深刻岩ではありませんから。