たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

やはり太平山の紅葉は半端に終わっていた。

2022年12月08日 | 近所の栃木県の山
2022年12月3日(土)

清水寺前駐車場(8:12)……桜峠(8:31)……青入山(8:46)……晃石山(9:08)……ぐみの木峠(9:32)……太平山・富士浅間神社(9:46)……278m三角点(9:57)……太平山神社(10:08)……謙信平(10:21~10:48)……大中寺前(11:11)……清水寺(11:38~11:53)……駐車場(11:53)

 実は11月30日にも行っていた。佐野に入ってから雨が降り出し、国学院の先の駐車場に車を入れた時には、雨が上がってはいたがガスガス。とてもじゃないが、紅葉を楽しむ気分にはなれずにそのまま帰った。それでも傘をさしたり、合羽を着て歩いているハイカーを何人か見かけた。そこまでの根性はない。帰路で見た三毳山もまた、上はガスで隠れていたし、岩船山は全体が見えなかった。帰宅して、群馬は晴れていたので、桐生の寺のモミジ見物にでも行こうかと、ネット情報を調べると、紅葉はすでに終わっている。地元の寺回りは済んでいるし、金山に行くのも何だなと、床屋に行って時間をつぶし、昼から酒を飲んで寝た。自分には貴重な水曜日だったのに無為のうちに過ごしてしまった。というのも、いつまでもブラブラしているわけにもいかず、せめて自分のタバコと酒代だけは稼がなきゃと先月から職に就いた。仕事は土日祝日以外に水曜日が休みだ。山歩きをするなら、できれば混まない平日の水曜日にしたいと思っていただけに、目論見はあっさり外れた。
 今年の紅葉の見納めにしたかった。この時期、近くで無難なところとなると、自分の狭い認識では太平山くらいなものだ。30日のこともあるし、ついこだわってしまった。素人感覚では、その間に冷え込みが続いたので、紅葉も進んでいるかなと期待もした。これを最後に、あとは冠雪の富士山見物に方向転換をしたいところだ。
 天気予報がまったく当たらない。今日も朝からの晴れ予報が、午後から晴れに変わった。当初は大中寺からの反時計回りのつもりでいたが、清水寺からの時計回りに変更。そうすれば、午後まではかからないだろうが、謙信平の紅葉をある程度は薄日の中で拝めるかもしれない。ところで、この清水寺。「しみずでら」とばかりに思っていたが、正解は「せいすいじ」だったのを知ったのはつい数日前。

(清水寺下の駐車場から、標識に合わせて桜峠に)


(桜峠はここから)


(整備はされているが泥濘が数か所にあった)


(桜峠)


 清水寺前の駐車場には7台くらいはあったか。人の動く気配はすでにない。用心してトイレに行った。個室。出たのは小だけ。道中の懸念はあるまい。その間に入って来た車からオールドの二人連れがさっさと出発した。おはようございます。タイミングとしては後ろになってよかった。5分遅れで出発。
 今日はあまり体調がよろしくなかった。寝起きに、頭がぼんやりし、腹具合も悪かった。明日にしようかと思ったくらいだが、明日は別の用事もあったので無理してやって来た。林道から少し歩くと桜峠に向かう標識を見かけ、そこから山道に入る。やはり、いきなり息切れになってハーハー、ゼーゼー。ストックを一本出した。本望はあくまでも謙信平であって、それだけではあんまりと追加した晃石山。これでは晃石山までも行けるか自信がなくなった。
 自信をつけてくれたのが、前を歩く老夫婦。早々に休んでいた。荒い息をしながらお先に失礼と先行させていただく。早いところ、二人の視界から消えたい。その気持ちからか、無理が通れば道理引っ込むではないが、間もなく息切れも緩やかになって桜峠に出た。歩き出しから20分。コースタイムと比較したら無難なところだろうか。いや遅いか。

(桜峠から北側。夕暮れ時の風景になっていた)


(長い階段登り)


(気になった図根点)


 周辺の景色に陽があたっているところはなく、どんよりとしている。立ち休みをしていると、馬不入山からジイちゃん、晃石山方面からオバはんがそれぞれやって来て、清水寺の方に下って行った。随分とお早い行動時間帯だ。水を一口飲んで晃石山に向かう。
 歩きの体調が戻ったとはいえ、ここからの長い階段登りはつらい。何度か立ち止まっては振り返る。後続はいない。ほっとする。階段を歩きながら、頭が赤い小さなコンクリ杭が気になった。ここまでもいくつか見かけた。頭には「図根点」と記されている。青入山までの区間でしかなかったが、測量にこんなに多くの図根点が必要なのだろうか。特別な地形には思えず、ただの急な坂道なのだが。途中、下って来るネエちゃんと行き交う。オレを見るなり、ノーマスクの口にタオルをあてがった。このネエちゃん、なぜか晃石山でも見かけたが、やはりタオルで押さえていた。用心するのなら最初からマスクを着けて歩けばいいのにと思うが、マスク着用で山歩きはつらい。気持ちはわかるが、こちらがコロナ菌を吐き出して歩いているようで、あまり良い気分ではない。
 ここで余計な思い出話。反時計回りの時だ。桜峠に下るこの階段でB2人組が前を歩いていた。後ろのB2は遅れがちで、B1との間隔が離れ、そこにオレが入り込んだ。B1は一人でおしゃべりをして、そのうちに、嫁とその意のままに動くセガレの悪口になった。後ろのオレの足音がB2だと思ったらしい。聞くに堪えずにB1を追い越した。B1はきょとんとした顔をしていた。B連中は山に来てまで下世話かいな。考えてみればここは里山だ。不思議でもない。

(青入山)


(青入山から同じく北側。うっすら漂う薄雲がもう少し濃かったら雲海になって幻想的だろうに)


 青入山。だれもいない。寒暖計は5度を指している。人一倍の寒がりなのに、山では厚着はあまりしない。出だしは寒かったが、動いている間に身体は暖かくなっている。長居は無用。相変わらずどんよりしている北側の景色を撮って、また水を一口飲んでさっさと歩き出す。この様子では、当分晴れにはならないだろうとわかっていても、謙信平、謙信平と先を急ぎたくなってしまう。

(初めて見かけた紅葉らしきもの)


(陽があたれば少しは見られるものだろうに)


(これからなのか終わったのか曇り空ではよくわからない)


(ましなのがあったが、あそこまでは行けない)


 反対側から歩いて来るハイカーが目立つようになった。紅葉はどうでしたかと聞きたいところだが、ダメでしたと答えられたところで、そちらに行くしかないわけで、がっかりしながら歩くことも嫌なので聞きもしなかった。ただ、このどんより空が数時間後にすっきり晴れになるとは思えず、出発時に比べて期待感はかなり落ちている。
 右手に黄色やら赤が出てくる。少しは気落ちも和らいだが、よく見ると、晴れていたらもっときれいだろうのレベルではなく、大方が疲れてあせた色をしている。紅葉の残骸といえばそれまでだが、謙信平もこのレベルじゃないのかとつい想像してしまう。一週間前に足利の石尊山に行ったら、紅葉はすでに終わり、葉が落ちた枯木が続いていた。いくら標高が100m以上低いとはいっても、桐生の里で終わりなのに、謙信平で見頃なわけがないのが理屈だ。ひょっとして紅葉目的でここを歩いているのはこのオレだけか? と自分のお目出たさにあきれてしまう。

(晃石神社)


(晃石山から)


(相変わらずどんより)


(三毳山と岩船山。手前は馬不入山か)


 平坦な道が続いて晃石神社に出た。ハイカーの往来も多くなった。晃石山に登って行くと、賑やかな声が聞こえた。5人ばかりのGB隊が記念撮影をしていた。他にだれもいず、写真撮りを頼まれるだろうなと思ったら図星だった。GB隊が太平山方面に去る。一人になった。展望の北側、西側を眺めても晴れ上がる気配なし。日光連山も赤城山も低く立ち込めた雲の上。こんなもんだろうなとがっかりもせずにいると、オッサンが二人と例のタオルのネエちゃんがやって来た。長居は無用。下る。途中で、太平山神社まで2kmの標識を見かけた。長いなぁ。

(太平山神社へ)


(南の展望地があった)


(説明するまでもない)


(滑りに要注意)


 落葉が積もって滑りやすい。下りでは要注意。今日は久しぶりに登山靴を履いた。理由は特にない。この登山靴、底がすり減っていて、かなり気を遣った。幸いにもコケることはなかった。駒形石を過ぎると、ハイカーも増えてきた。半分はGB隊。不思議に思う方もいるだろう。GBは毎日がヒマなのだから、わざわざ休日に歩かずとも空いている平日に歩けばいいのにと。その方が目障りにもならない。そしてGの範疇に入る我が身。ブラブラしていた2か月半の間に山歩きや滝見に出かけたのは19回。そのうち、土日祝日に歩いたのが10回。ほぼ半分だ。天気やら高速の休日割引の関係もあるが、気分的なものもある。おかしいんじゃないのと言われればそれまでだが、平日に歩くことに対するためらいに似たものがある。やはり平日は働くか、それ以前なら学校に行く日だという、世俗的な固定観念から抜け出せないでいる。一人歩きでこうだ。まして完全にリタイアしたGB隊となったら、都合が悪くて参加できないとなると仲間外れにもなろう。GBの仲間外れ、いじめは意外と執拗で、チームプレーが原則のゲートボールが廃れたのはそんなところにも要因があるらしい。それはさておき、平日はグラウンドゴルフやら、町内会、老人会活動で忙しい。自然に皆の都合の合う土日になってしまうのではなかろうか。最近はGB隊を見かけても何も感じなくなった。せいぜい、徒党を組んで騒がしく歩いて何が楽しいのだろうといった程度のものだ。それに近い年代だからだろうか、感覚は醒めてしまった。

(少しは明るくなってきたようだが)


(筑波山が見えた)


(ぐみの木峠)


 間近に行けぬ赤を見てほっとして小ピークに出た。南東方向の見晴らしは良い。筑波山が見えた。雲はいくらか薄くなってはいるが、筑波山の山頂ぎりぎりの高さで漂っている。陽はすでに南近くに達しているはずなのに、雲間からは光が日の出か日没のように射している。まだ9時半前。午後から晴れ予報にしても、その前に謙信平に着いてしまう。何とか見頃の終焉に出会ったとしても、ブラボーな状況ではあるまい。実はそれを想定して、家を出るのを遅くしたかったが、駐車場はどこも混んでいるかもと余計な心配をして、7時には家を出ていた。結果として9時か10時で十分だった。
 GB隊がぐみの木峠で休んでいるのが見えた。ざっと15人はいたか。どこにそんな元気があるのかと騒いでいた。集団になるとGBも若輩も同じだ。もう休憩終了だったらしく、峠に下って行くと行き違いに登って来た。他にだれの姿もなかったので休憩しようとも思ったが、特にその必要もなく素通りした。

(林道がクロス)


(どうせ100mだしと、富士浅間神社へ)


(意外と急だ)


(神社の真下で。掃除中)


(富士浅間神社。裏にも上がったが、太平山の山名板もなかった)


 左後ろに電波塔を見て林道がかすめる。林道は落葉に覆われている。この落葉はバカにできない。30日に来て帰る際、下りのカーブ手前でブレーキを踏んだら、落葉の上でズルズルとスリップした。雨を含んでいたから余計だろう。
 間もなく富士浅間神社。つまりは太平山山頂と太平山神社との分岐。神社があるだけの、展望もない山頂に向かうのもまた時間稼ぎだ。性懲りもなくまだ晴れ間を期待している。根が張り出したヒノキと雑木の間の急坂をクネクネと登る。ここを登るのは初めてかもしれない。これまで下りでしか使った記憶がない。太平山到着。3人いた。二礼二拍一礼のお参りの形だけをして振り返ると次を待っている方がいて、気恥ずかしい思いにかられた。こんなことは、周囲にだれが居ずとも滅多にしない。

(途中から尾根に上がって進んでみた)


(三角点標識があり)


(278m三角点)


 太平山神社に下って行くと、道は左にカーブする。そこを直進する踏み跡が目に入った。反対側から来ればおそらく気づくことはない。踏み跡は尾根通しになっている。どこに続くのか興味があって辿ってみた。地図を見ると、どうも278m三角点に通じているようだ、一旦登って、後は下り調になった。そして平らなところに落葉に埋もれた三角点標石があった。ピークでも何でもないところだ。樹に手書きの看板が括られている。「四等三角点」、「点名─大平山」、「北緯…、東経…」とある。正式なのは「太平」なのか「大平」なのか気になった。地理院地図では「太平山」。点名は確かに「大平山」となっている。地域としては、今でこそ栃木市だが、それ以前は下都賀郡「大平町」。駅名もこれに準じている。神社は「太平山神社」。どうでもよいことかもしれないが、点の有無はどこに起因して使い分けしているのだろうか。こんなことを気にするのは、最近、銀行に行って、ちょっとしたトラブルがあったからだ。自分の戸籍上の名前の漢字はいわゆる俗字で、不要な点がある。手書きの時代だったからよいものの、活字としては存在せず、住民票も運転免許証も漢字を作字したらしい。自分には点があろうがなかろうがどちらでもいいと思っているが、旧字体、俗字体にかたくなにこだわる方もいる。個人番号カードでは点付きだが、「点なしでも可」と添え書きが付けられている。窓口でキャッシュカードの切り替えを依頼し、免許証を提示したところ、点の有無で騒がれた。通帳は点なしになっている。窓口女が上司に相談に行き、なかなか帰ってこない。元々の通帳に点を入れなかったのはそちらの都合だろうと言いたかった。結局、点なしのままになったが、たかがキャッシュカードの切り替えに40分もかかってしまった。そんなことがあったので、太平山なのか大平山なのか気になった次第だ。どうでもよいことだった。

(奥宮に寄る。これまで散々寄っている。時間つぶしのつもりも、たいしてつぶせない)


(太平山神社)


(気が滅入る)


 このまま尾根伝いに南下すれば謙信平から離れてしまう。元に戻るしかない。戻って太平山神社に続く道に入り、奥宮に立ち寄り、神社に出た。神社は閑散としていた。ハイカー姿と一般の参拝が10人いるかどうか。人が少ないのは、天気がぱっとしないからか、紅葉はすでに終わったという証ではあるまいか。

(石段を下って)


(見上げる。こんなところで転びたくはない)


(髄神門。車が邪魔)


 さて、ここからの歩きがよくわからない。ハイキングマップを刷り出して持参している。これに頼るしかない。それによれば、石段を下り、車道に出て、茶店を経由して謙信平となっている。急な石段を下る。ここを下から登るのは、しんどいだろう。こけたら、かなり下まで転げ落ちそうだ。
 隋神門から車道に出た。そして茶店が続く。家に来ていたセガレが指定したあづま屋の玉子焼きをまずは買った。結果として、これが今回の目的だったような形になった。玉子焼きだけだったら、何も晃石山を経由する必要はなかった。長いこと山歩きをしているが、こんなことは珍しくもない。

(曇り空では上出来かもしれない)


(きれいとは言い難い)


(何となく淡いところもある)


(葉が大分落ちている)


(アップで何とか)


(これは残念だ。暗い)


(陽があたっていれば、また感慨も違うだろうに)


(どうしても余計なものが写ってしまう)


(もういいか)


 天気は一向に晴れる様子はなかった。それでも紅葉は残っていた。謙信平周辺を何度も行ったり来たりした。どうもパッとしない。光のせいだけではあるまい。緑色の葉すら黒ずんで焼け気味になっていて、間近に見るのもはばかられる。赤や黄の色もまた鮮明ではなく、濃過ぎるくらいになっている。見上げれば、確かにきれいな紅葉も残っている。陽があたっていれば、多少はきれいかもしれない。全体としては終焉だ。流行語大賞発表に出遅れたブラボーを味わいたかったが、もしかしたらと思っていた負の期待どおりだった。それでもあきらめきれずにだらだらと徘徊した。「謙信平園地」の標識の方に行ってみたが、すでに濁った色彩しかなかった。何とか見られる色づきを見つけて撮ろうとすると、店先に立てられた「玉子焼」やら「ちたけうどん」の幟が入ってしまう。ため息も出なかった。おそらく、思うほどに紅葉は進まず、半端なままに終わりということだろう。ところで、このちたけうどんだが、高いものとばかりに思っていたが、この辺の茶店では880円が相場のようだった。買った玉子焼きは羊羹状の一本が350円。

(ふれあい道へ)


(道沿いで。せいぜいこんなもの)


(上は焼けていて、下はまだ青い)


(滑らないように手すりをつかんでしまった)


 何度回っても、目が覚めるような紅葉に出会えるはずもなく、帰路に就くことにした。ここからは長いふれあい道になる。ふれあい道は舗装道ながらも車両の乗り入れはできない。車の走らない道路は落葉で覆われている。長い下りや階段があり、先日のスリップもあったので歩行には気を遣った。歩道はそう長くは続かない。そのうちに車道歩きになった。落葉の堆積は道路の端に追いやられている。走る車はさほどにない。この間、道路沿いの紅葉を見かけることはあったが、立ち止まって愛でるまでもなかった。

(晃石山か? 手前はツバキかと思うが、見ようによってはサザンカか。いずれにしてもそんな時期だ)


(大中寺は山門だけにしておく)


 ダラダラと歩いて行くと、右手に墓地が見えた。墓参りにやって来たらしい人の姿も見えた。正面に見える山のピークは晃石山だろうか。大中寺はそろそろだろう。ふと、路肩のツバキが満開なのに気づいた。そろそろそんな時期なのかと思う。もう12月だ。
 大中寺に近づく。山門が見えている。そして、駐車場の人の動き。大中寺に入るか迷ったがパス。正面から山門だけを撮った。紅葉があれば別だが、あろうはずもなく、雨月物語の舞台を一つ一つ、また繰り返しで訪ねてもしょうがない。とはしたが、本音のところでは、寺に至る、さして急でもない石段を登るのが億劫だっただけのことだ。駐車場は7割がたうまっていた。

(あじさい林道入口)


 ふれあい道に復帰して、路地を通って車道に出る。「あじさい林道」とあった。この林道を反対側から何度か歩いてはいるが、アジサイの時期に歩いたことがあるのかどうか記憶にはない。アジサイが咲き誇った時期に歩いていれば記憶にも残るはずだが、アジサイで記憶にあるのは足利の大坊山だけだ。この林道、清水寺からの出発時に反対側を眺めて少し気にはなった。もしかして、帰路でここまで登り基調になるのじゃないのかと。フィニッシュの登りはつらい。やはりゆるやかながらも登りだった。息切れまではしないが、清水寺までは2km近くはある。反対側から下って行き交うハイカーは結構いる。もうほとんどが、「後は下りだけ」といった気楽な顔になっている。
 清水寺までずっと登りが続くと思っていたが、残念ながら、途中から下り基調になった。ほっとした。途中でジイちゃんを追い越す。考えてみれば、今日は、追い越すことは何度かあったが、追い越されることはなかった。自慢にはならない。ほとんどが自分とは逆向きの歩きをしていたのだから。

(清水寺のスポットは確実に終わっている)


(少々疲れた色合いだ)


(この岩、「ガラスロック かえる岩」とあったが…)


(観音堂で)


(同じく。明るくなった分、きれいではある)


 苦にもならない少しの登りに転じて清水寺に到着。雲は大分薄くなり、ここでようやく陽がかざしてきた。直近の、午後から晴れ予報は当たった。このまま駐車場に向かうのも芸がないしと、清水寺を一周してみることにした。だが、これまで自分が清水寺の最高の紅葉スポットと思っていた入口付近は見るからにスポットではなくなっている。全体がどす黒い。かろうじて見られるのはオレンジの小さな葉群だけだ。第二候補の観音堂右下も同じくきたない色合いになっていて、陽をあててごまかした緑の残った半端なところだけはきれいに見えた。

(イチョウは見頃のようだが)


(樹の下はこれだ)


(清水寺。ここに至って陽が出てきた)


(ちょっと赤過ぎ。最後にサービスされても)


 十三仏を見て、地面が真っ黄色になったイチョウの樹を見て階段を下り、駐車場に戻りかけはしたが、本堂に寄っていなかったから、名残り惜しいとばかりに階段を登った。あったのは、陽でごまかした赤をまとった樹が一本だけだった。
 駐車場に戻った。こう陽が出ていれば、少しは謙信平の紅葉もきれいに見えただろうが、さながら、化粧をほどこした紅葉にしか過ぎず、陽が陰れば元の木阿弥だ。結論は紅葉はもう終わり。
 帰途ですっかり陽があたった三毳山の紅葉がきれいに見えた。さくっと登ってみようかと一瞬思ったが、結果は太平山と同じだろう。12月だ。遠くから眺めてきれいなら、それで終わりにすればいい。手招きをするからとわざわざ近くまで行ってがっかりするよりも、離れたところから美人を眺めている方がましだろう。

 家に帰り、セガレに玉子焼きを渡した。代金は返ってこなかった。オレはさほどに好物でもないので口には入れなかったが、セガレは「信玄平の玉子焼きはおいしい」とたいらげていた。信玄と謙信のミスは承知の上だ。
 これで今季の紅葉めぐりは終わりにしよう。

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4 コメント

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Unknown (ぶなじろう)
2022-12-11 15:26:06
こんにちは。
今年の秋は、スカッとした秋晴れの日が少なかったですね。そして、天気予報では晴れると言っているのになかなか陽が射してこない。当日もそんな感じのようで残念でしたね。
翌日にみー猫さんが訪れたようで、天気は上々で散り気味のようですが結構な色合いの写真が目を引きました。紅葉見物は、天気次第ですねぇ~。
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Unknown (ふみふみぃ)
2022-12-11 22:10:28
たそがれさんの今季紅葉見物は終了ですか。
私は帯状疱疹→心不全発覚で入院→副腎腫瘍も発見とコンボを決めて今シーズンの紅葉見物はほとんど紅いやつを見ないままに終わってしまいました。
清水寺、私もしみずでらと思っていました(笑)。前回記事で書かれていた生瀬富士の読み方は正しく覚えていたのですが。
前回記事へのコメントになってしまいますが、たそがれさんは月居山へいい時期に行かれましたね。私は過去二回行って二回とも青々としていました。
ついでに生瀬富士の南峰へいったのに北峰によってなかったり月待の滝の入口から歩き出したのに月待の滝本体を見ていなかったりと、たそがれさんの記事を見ていろいろポカを思い出しました。いつかまた歩ける体になったら行きたいですね。
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ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2022-12-12 07:42:13
ぶなじろうさん、こんにちは。
まぁ、天気予報はそんなものでしょうけど、さりとて、富士山見物あたりになれば、晴れ予報が出ていても、富士山もまったく見えなかったということもよくあることで、晴れていれば山の天気もすっきりしているともいえないものですね。
みー猫さんの記事は拝見しました。終わったと自分は思っていても、そうでもなかったという気配ですね。写真では空が青空だったようで、私が行った時も、やはり晴れていても少しは見栄えが良かったような気がして、終わりとするにはちょっと残念な気持ちになりました。写真の撮り方にもよるでしょうけど。
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ふみふみぃさん (たそがれオヤジ)
2022-12-12 07:42:39
ふみふみぃさん、こんにちは。
ふみふみぃさんには、不遇な状態が続いているようで、養生してください。いずれも良性だったらいいのですが。これから雪山シーズンに向かいますが、無理をしないでください。身体が資本での山歩きですから。
地名やら山名、名所の読み方ですが、これは致し方ありませんよ。一昨日に、宇都宮の雲雀鳥屋に行ったのですが、これが読めず、まぁ、常識の無さもあるのですが、恥ずかしながら「くもすずめとりや」と思い込んでいました。正解は「ひばりがとや」。思っているだけのうちはともかく、人前では間違った地名は言えませんね。
今季の紅葉は月居山が良かったです。生瀬富士周辺も良かったですが、月居山にはかないません。あれを見てしまえば、恒例見物にしたいと思いました。タイミングが良かったということでしょう。紅葉は陽のあたりとタイミングです。
他人様の記事を見て、そんなところがあったのかと思うのは、私とて同じです。そんなものですよ。ただ、つぶつにいろいろと下調べをして、見どころをしっかり押さえていくのはなかなか難しいものです。
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