たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

勇んで出かけた結末は、何とも備前楯

2011年10月27日 | 足尾の山
◎2011年10月27日(木)

 木曜日は、冷え込みながらも晴天が保証されている。これを逃す手はなく、代休をとって足尾に出かけた。予定は、未踏の国境平から三俣山の区間歩き。過去、モミジ尾根との相性が悪く、何とかモミジ尾根を使わない方法はないかといろいろ調べたら、意外にもあった。1828mの大ナラキの頭から南東に下る尾根(大ナラキ沢左岸尾根、または小足沢右岸尾根と呼ばれているようだ)、国境平の東に下る尾根(カマノ沢右岸尾根、最近では、野球親爺さんが「やんちゃオヤジルート」と名付けられてもいる)の利用だ。その他にもいろいろあるだろうが、2つの尾根を同時に使ってみたいと思っていた。しかし、この区間の歩き、以前から、いざ実行の段になると、どうもナーバスになってしまう。とてつもない技と体力が必要なのじゃないかといった尻込みだ。日帰りでどこまで行けるか不測だが、まずはやってみようと何とか決断した。しかし、ここまではだれでも出来ること。肝心なのは遂行だ。そして、その結果は、残念ながら門前払い以前段階で終わってしまった。

 4時半には歩き出したかったので、銅親水公園で車泊した。星があんなに近くできれいだなと思ったのは久しぶりだった。しばらく見入ってしまった。他に車はなく、外灯もなし。真っ暗の中の星空だ。すぐに寝入ったが、ずっと寒く、羽毛の冬用シュラフでも震えていた。先ずは第1のミス。たまたま、車の中にあった目覚まし時計を2個とも4時にセットした。ところが、車のエンジン音で目を覚ましたのが5時。目覚ましは鳴ったのか、鳴らなかったのか不明。慌てて準備をして飛び出す。こういう時に急に便意があったりして、出発は5時15分と出遅れた。まだ暗い。ヘッデン。車のエンジン音は工事関係者だった。ゲートの前にたむろし、「熊に追いかけられるよな」と声をかけられる。電光板には、気温0℃と表示されていた。

 次の失敗が続く。直進してしまった。何度も松木川を歩いているのに、何たる失態。歩き出しから10分程度で変だなと思っていたが、そのまま歩いていた。5時30分過ぎに周囲が明るくなる。見慣れた風景がどうも違う。コンパスを出して方向を見ると、西に向かっている。これでいいのだろうなとそのまま歩くと、今度は北に一定した。ようやく理解した。自分は久蔵沢から安蘇沢林道に入っていた。迷った。引き返して松木沢に入っても、時間的に三俣山はとうてい無理。4時半出発としたのは、大ナラキ沢からの取り付きが6時過ぎなら明るいから迷わないだろうとの判断からで、4時半出発そのものも日帰りには難があった。このまま安蘇沢林道を行って、大平山に登る手もある。が、大平山はあまり好きな山ではない。無理に歩いても仕方ない。戻って、行けるところまで行こう。大ナラキ沢の左岸尾根の様子だけでも見ておこう。引き返す。松木沢に改めて入ったのは6時5分。予定よりも1時間35分遅れ。

 予定コースも縮まったし、あせることもあるまい。ゆっくりと歩く。このあたり、相変わらず、紅葉も何もない。ススキと多少の色付きか。霜が降りている。出だしから地下足袋で歩いている。ザックの中には登山靴。今日は日帰りにしては荷物が重い。ツェルトも入れている。どうせ、松木川の徒渉があるのだからと、出発から底厚の地下足袋で歩きだした。ヘリポートを過ぎ、崩壊地にさしかかる。見るたびにどんどん崩壊していく様子が分かる。幅も広がっている。崩壊地は石がごろごろしていて、地下足袋では歩きづらい。そんなことを思っていたら、浮き石とは思えないような石を踏んだ途端に転倒した。転んだ拍子に右の足首を内側にくじいてしまった。同時に、運悪く、膝をとがった石に激打した。痛みでしばらくへたりこんだ。歩けない。本日の第3弾だ。10分休んで、痛みが治まり、歩きはじめる。だが、とても歩けない。足首に痛みが走る。撤退か。視界に6号ダムが入っていた。そろそろ徒渉する場所だ。7時20分。

 戻る途中、単独のオッサン氏に出会う。しばらく話をした。国境平に行くと言うので、じゃ、オレもと、引き返してもいいかなと思った。よく話を聞くと、今日は国境平に行ってテントで泊まる。明日は、三俣山を経由して、宿堂坊山に行き、東尾根を下るそうだ。だったら、電車かなと思っていたら、親水公園に車を置いているとのこと。車はどうすんですか?と問うと、西ノ湖から戻ってもいいし、戻れなかったら後で取りに来てもいいとおっしゃった。そういうコース取りもあるんだね。西ノ湖から戻るとしたら、カクレ滝の脇の尾根をシゲト山に出るわけ?ヤブ尾根じゃないの。どうしても、宿堂坊山に行く目的でもおありなのでしょう。

 ゲート前は工事をしている。出発時の工事関係者に出会うのが気恥ずかしく、導水菅橋まで回って、駐車場に着いた。まだ8時45分。これからどうしよう。庚申山に行くには足の痛みに自信が持てない。赤倉山も同様。となると、備前楯山しかないか。備前楯山は、今度登る時は、本口沢コースなる、まず人が歩かないコースと決めていたが、今日の場合、普通のコースしかないだろう。遠目でも、色は付いているから、じっくり紅葉探索でもしよう。

 舟石峠には車が1台あった。出発する。足に負担がないようにゆっくりと歩くが、30分で山頂に着いてしまった。途中、老夫婦と出会う。熊が出るかと怖かったとおっしゃっていた。遠くから見る紅葉も、近くで見ると、くすんだ色になっている。山頂から日光方面を見るが、当たり前のことながら、日光側の紅葉はまったく見えない。ここから見える山肌は茶色のままだ。備前楯山の麓あたりが多少の色付きだろうか。ゆっくりと下る。登って来る3組と会う。

 それでも10時半。かじか荘の風呂はやっているだろうか。かじか荘に向かう。庚申山に行っているらしい車は10台もあった。風呂はやっているそうだ。こんな早い時間から風呂に入るのにも気が引けるが、一種の時間つぶしだ。ハイトスさんから教えていただいた露天に初めて入った。足首が赤く腫れ上がっていた。そのまま、馴染みの足利の整骨院に向かった。患部を診てもらうというよりは時間つぶしだ。

 ぼやき山行が続いている。そろそろ終わりにしたいものだが、今日のトラブルはいったい何なのか。実は、4つ目のケチが付いている。備前楯山から下って、駐車場のベンチでラーメンをつくった。湯が沸騰し、麺を入れたら、たちまち火が消えた。ガス欠。予備なし。ラーメンは食べられなかった。まっ、山中でなくて良かったが、このケチ続きには参ってしまった。

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4 コメント

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災難でしたね。 (ハイトス)
2011-10-28 18:53:10
赤く腫れ上がった足首はその後いかがですか。
捻挫でもしちゃうと程度にもよりますがしばらく山歩き厳禁になってしまいますね。
4つも続くとぼやきたくもなりますなぁ。
お大事にどうぞ。
今回はてっきりもう少し足を伸ばして日光方面へ行かれたのかと思っておりました。
懸案のルートはなかなか手こずりそうですね。
冬用の羽毛でも寒いのですから、車中泊ではこれからの季節は厳しいものがありますね。
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ハイトスさん (たそがれオヤジ)
2011-10-28 20:36:49
お気遣いありがとうございます。おかげさまでと申したいところですが、今日はどういうわけか、左足首が痛くなりました。思うに、地下足袋なんかで長時間歩きをしたせいかと思っています。
肝心の右足首の痛みは和らいでおりますので、明日はどこに行こうかと、仕事の合間に物色なんかしておりました。明後日は雨模様ですしね。

「懸案のルート」ですが、もう来年以降の持ち越しですね。日帰りが念頭にあるから、ドタバタになってしまうわけですよ。ゆっくりと、テント泊でシゲト山経由が無難かもしれませんね。
寝袋の件ですが、使用した寝袋は年代物で、ちっとも小さくならず、大黒様の袋のようなものに入れてありますので、あくまでも車泊用で使っています。今時の冬用寝袋なら汗をかくのではと思いますよ。
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Unknown (ぶなじろう)
2011-10-28 22:52:16
今晩は。
ただでは転ばぬたそがれオヤジさんだと思っておりましたが、転ぶ時は転ぶのですねぇ~。構想のレベルに違いはありますが、まるで自分の記録を読んでいるような気分になりましたよ。早朝の便意からして。
アッ、親水公園の便所の鍵は開いていたのですか?このへんは個人的に非常に気になるところです。
明日の山行予定を考えていらっしゃるようなので、足の方は軽症ですんだのでしょうか?でしたら、不幸中の幸いでした。
テント山行を視野に入れておられるようですが、おいらの場合ですと、そんな時にガス欠に見舞われるような気がしてきましたです。
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ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2011-10-29 17:27:12
こんにちは。足の件ありがとうございます。軽傷ですんだようで、今朝は何ともなかったので、早速、リハビリ山行に行ってまいりました。
便所の件、私は緊急事態だったので、駐車場の片隅にある簡易便所を使用しました。暗がりの中、ヘッデンで用足しとなったのですが、カギをどうかけるのか分かりませんでした。工事用車両のエンジン音が聞こえていましたから、関係者に突然開けられたらお互いびっくりするだろうなと、かなり不安な状態での用足しでした。なぜか、docomoのテッシュボックスが目の前にあったのが印象に残っています。活用させていただきましたが。
帰りに、本体の方のトイレもチェックしました。相変わらず閉鎖です。隣の簡易便所を使えということでしょう。事務所がやっていれば使えるのでしょうが、ここのところ、日中でも、事務所自体が開いているのを見たことがありません。もしかして、ぶなじろうさんのような方がいるので簡易便所を設置したのですかね。
しかし、山に限らず、慌てている時に限って、便意をもよおす現象はいったい何なのですかね。便意を自分の意識から離れた一つの生きた存在だとすれば、その人格を疑いたくなりますよ。まったく。

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