たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

台風接近の阿蘇山は当然のことながら荒れていた。

2010年10月30日 | 四国、九州、沖縄の山
◎2010年10月29日(金)

 鹿児島、宮崎の出張があった。宮崎だけは行ったことのない県だった。これでようやく、全都道府県に足を踏み入れたことになる。それに気を良くしてというわけではないが、今後は福岡以南の出張も想定しづらく、九州での出張山行もこれが最後と思い、今回のついでに熊本まで行き、阿蘇山のハイキングを目論んだ。九重には行ったことはあるが、阿蘇はない。台風14号が奄美に接近していることだし、仕事が終わったら、さっさと戻った方が無難なのだが、当初から予定していたことでもあり、宿もレンタカーも予約していたし、航空券(便限定の特割)も帰着を遅らせて取っていた。当然、山用の荷物も送ってある。いろいろキャンセルするのも面倒で、予定通りの敢行となった。

 宮崎から熊本の先まで、あんなに時間がかかるとは思わなかった。距離にして250km。そのうちほぼ200kmが高速。3時間かかった。明日、ここをまた宮崎に戻らなきゃと思っただけでうんざりした。不思議に、ハイウェイラジオの案内板を一つも目にしなかった。内牧温泉の宿を予約していた。ここからだと、登山口の仙酔峡まで車20分で行ける。風呂に入って寝ただけの宿。湯はぬるかった。出がけに、宿のダンナさんが「仙酔峡から根子岳に行かれるんですか?」と言うから、それが一般的なコースだと思い、「えぇまあ」と答えたが、気になって、後で地図を調べると、根子岳はかなり東に行った山であり、今日の予定ではとうてい無理なコース。関東と違い、日の出が30分は遅い。次第に白んできた中に阿蘇山が見えてくる。東側の高岳、中岳は雲の中。雲は黒く、荒れている気配。仙酔峡ロープウェイ乗り場の手前にある仏舎利塔が嫌でも目に付く。正体は知らないが、景観を損ねている建造物であることは確か。

(出だしからこんな感じだった)


 6時50分出発。車が他に1台。ロープウェイ(ここしばらくは運休になっている)乗り場の駐車場だから、山歩きの車かどうかは分からない。この時間に歩き出すほどの山でないことは確かなようだ。「花酔い橋」を渡る。この「花」はミヤマキリシマのことだろう。下調べでは、このあたり、5月には一面に咲き誇るようだ。さて、高岳まで至る尾根は、通称バカ尾根と称されているようで、確かに上りがずっと続くが、今のところ、バカが付くほどでもないようだ。上はまったく見えないから、尾根がどこまで続いているかは分からない。展望が良く、「えっ、あそこまで登るの?」となったら、バカが付いてもおかしくないかも知れないが。下と九重の眺めはいい。西側の火口付近もちらっと見える。とにかく、この一帯だけガスがかかっている。火山だから、木は一本もない。石は多いものの、溶岩土壌のため、接着剤で貼り付けたように浮き石はない。次第に、ガスの中に入り周囲が見えなくなってきた。ペンキ印が頼り。ガスといえば、火山性のガスの臭いはしない。風が強いからか。

(あれが高岳か?)

(高岳山頂)


 東からの風が次第に強くなってきた。完全に台風の影響。帽子は飛ばされそうで脱いだ。メガネをひっきりなしに拭う。手袋が欲しいが、出すのが手間で素手のまま。歩き出しから1時間少々で稜線に出た。風がますます強くなった。視界は無に近い。高岳8時10分着。何も感慨が沸かない。中岳にさっさと向かう。南側から吹き上げる風も強くなる。身体がふらつく。とうとう、メガネが飛ばされそうで外して歩く。そのせいではないだろうが、道を間違えた。月見小屋の方に向かっていた。案内標で気づいたのだが、これに出会わなかったら、小屋に行っていたろう。

(中岳山頂)


 下って登り、中岳8時30分。せめて写真を撮ろうとしたが、身体が飛ばされそうで、這いつくばって写真を撮った。こんなの撮っても仕方のない話なのだが。さて、その先、ロープウェイの火口東に下ろうとしたが、ロープが張られ、火口に近づくなと記されている。もっとも、その先は視界がきかず、谷底になっているようにも見え、強風とガスが恐くなり、引き返すことにした。まっすぐに進めない。バカ尾根の先端に着いた時にはほっとした。後はペンキ印だけが頼り。

(通称・バカ尾根を下る。九重がうっすらと。)


 風が少しは和らいだのでメガネをまたかける。視界は相変わらずの悪さだから、大した変化はない。浮き石もないし、岩で滑ることもない。2人連れが上がってきた。風が強かったとこぼしていた。結構、濡れている。自分もああだろうか。雨は降っていないが髪の毛はべっとりとしている。ガスから抜けて、下の視界が広がる。上は相変わらず。結構、人が上がって来る。すれ違った方々は10人くらいか。単独はいない。

 9時45分、駐車場に到着。車が7台ほど。見上げると、上はまだガスが巻いていて見えない。今回の3時間の歩きはいったい何だったのだろうか。こういうのは嫌だねぇ。後味が悪い。九州の山は、自分には相性があまり良くない。韓国岳も開聞岳も雨の中を歩いた。屋久島に至っては、これまた台風接近で、土砂降りの中を古代杉の森を歩いただけで終わった。からっと晴れた中を歩いたのは2回だけ。どうしても秋に集中してしまうから、致し方のないことだが。

(帰りがけに見えた阿蘇山。高岳方面はまだ雲の中。)

(草千里ヶ浜)


 インフォメーションセンターで店番をしているオバサンに声をかけられた。観光客も来ず、ヒマだったのだろう。しばらく話をした。阿蘇の見頃は5月中旬過ぎ。高岳から中岳にかけての南側に咲くミヤマキリシマが特にきれいだそうで、また改めておいでとのこと。時間があるなら、改築なった熊本城にぜひとも寄るようにとも言われた。清正が秀頼を迎え入れるために設けた何とかの間は一見の価値があるそうだ。山から下りて来た今、新たに気になっている問題は、今日の帰りのフライトが確実なのかどうかということ。飛ばなきゃ、算段を考えないといけない。熊本城見学を受け入れる気分ではない。おしゃべり好きなオバサン、話の切り上げのタイミングが難しく、後半はほとんど上の空で話を聞いた。帰りは草千里ヶ浜だけの寄り道。ここも風が強くて冷たかった。

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2 コメント

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Unknown (ぶなじろう)
2010-10-30 23:58:56
今晩は。
台風接近中に登るとは・・・。チョットなんですねぇ・・・。怖いです・・・。

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ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2010-10-31 07:31:56
そうですよね。確かにおバカさんですよね。冷静に考えなくとも無謀ですよ。阿蘇山だから歩けるといった甘い考えもあったのでしょう。
家から行けるような山なら行かないですけど。
出張ついでにといいながらも、それなりに経費はかかっていますから、気分的に、結構高くついた山歩きでした。
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