![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/7c/a93e919799ecbc40f8685a445efe3a57.jpg)
◎2012年3月27日(火)
<玉原スキー場駐車場(7:15)……鹿俣山(8:55)……1710mピーク・退却(9:35)……鹿俣山(10:10)……駐車場(11:25)>
家の用事で、事前に休暇を取っていたが、前日になって、その用事もなくなってしまった。天気もいいし、どこかに出かけよう。小出俣山と獅子ヶ鼻山が候補になったが、11月に鹿俣山に行っていることだし、ある程度は地理的な記憶もあるし、獅子ヶ鼻山がよろしかろう。無積雪期はヤブがひどく、かなりしんどい目にあう山らしい。確かに、11月の偵察では、鹿俣山の先はかなりのヤブが続いている様子だった。
(ガードレールを越えると、「ワンワンロード」なるゲートがあり、ここから入ってみる。犬の踏み跡そのものがなく、すぐに途切れた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/1a/0c612d3f1b6457299182e5253fd6f6c8.jpg)
昨日も積雪があったのか、スキー場への道は、かなり下から凍結していた。これだけでも神経を使い、駐車場に着いた時にはぐったりとなった。前に来た時は、手前の第二駐車場に車を置いて便が良かったので、今回もここに置く。スキー場関係者以外の車は見あたらない。早速、鹿俣山に向かう。ゲレンデをずっと行けば楽だろうが、ネット記事を拝見すると、ここのスキー場はスキー客以外のハイカーには冷たいらしく、いろいろと、スキー場関係者から注文を具申されるらしい。そんな不愉快な思いをするのも嫌だから、ゲレンデから離れた夏道を歩いた方がよろしかろう。だが、前に来た際の入口は雪に隠れたのか見あたらず、ガードレールを越えて歩き出しとなった。
(この光景は、11月の時と同じ。静かでお気に入りだ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/22/7619b126be2e888abf0b75fe6e4b317e.jpg)
(武尊山の、あれは西峰か?)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/4e/e84a38df4b1148040d9357a5e6f1332f.jpg)
スノーシューにするか、ワカンにするか悩んだが、特に深慮もせずにスノーシューを選択した。ザックの中にはアイゼン。ピッケルは持たず、杖を2本。後で考えると、これが失敗だったかもしれない。雪は下が固まっていて、くるぶし程度の埋もれ具合。軽快に行くが、夏道の案内板は見えず、感に頼って、ひたすら、北東に向かって行く。ダケカンバの林の中は見渡す限り同じ風景が続いている。果たしてこれでいいのかと思いもしたが、右手に武尊の剣ヶ峰が見え始め、そういえば、前回も、これを見ながら歩いたことを思い出し、以降、東寄りの端を歩くようにした。
(難儀した壁のクラスト)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/ce/b30ed303f73c21d8a1b1f0ad6758dc07.jpg)
(谷川岳が見えてきたので、スキー場まで行って眺めた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/a2/faf42a9dbceb424a3d62b09b97312eff.jpg)
(武尊山方面)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/26/919a6f6521722bb9f922e423334c5dfc.jpg)
前に壁が出て来た。左に寄って、スキー場から迂回すればいいのだろうが、どうもその気になれない。斜面のところどころがクラスト状態になっていたが、何とか越えた。ここで、薄々は感じていたが、スノーシューはトラバースには不向きなことを確信した。無理矢理、直登した感じ。何度もズルズルと下がった。やはり、ワカン以上の信頼は置けない気がする。さて、乗り越えた壁の先を歩いていると、左のゲレンデをスノーモビルが上がって来た。スキー場の係員の方だろう。黒い顔をしたサングラスのオニイさんがモビルから下りて、自分に声をかけてくる。不愉快な思いをしなきゃいいがと、こちらも下って行った。話を聞くと、ここ2回、立て続けに遭難が起きているから注意してくれとのことだ。スノーシュー遊びの方で、舞台は鹿俣山だって。どこに行くのかと問われ、まさか、素直に獅子ヶ鼻山と言えば、何を言われるか知れたものだから、鹿俣山と答えておいた。
(シャクナゲ群生地の道標)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/53/34c2f2b7b0c0eaada56ac17bf1cdc295.jpg)
(左が鹿俣山。右が獅子ヶ鼻山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/f8/db47b25c627e410645bc9e15fb919e2d.jpg)
シャクナゲ群生地に到着。本日出会った、唯一の案内標示。さて、この下りに困った。切れていた。前回来た時は、急な感じはなかったのに。戻るにしても、かなり下って、ゲレンデ迂回になる。もう仕方がない。尻で滑って下りた。うまくいった。せいぜい6~7m程度のことだから、どうってことはないが。ようやく、正面に鹿俣山が見え、その右手先に獅子ヶ鼻山も見えてきた。雪が積もっていると、山の形もはっきりするから、見分けもスムーズにいく。そろそろ、スキー場から音楽が流れ出した。営業は8時20分のようだ。あの騒音が聞こえているうちは、とんでもない所を歩いていないという確認にはなる。
(雪庇。稜線に出るには越えなきゃならぬ。左端から這い上がる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/37/80f2322573754025dde2cdab52991a05.jpg)
(大雪庇のツララ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/cb/28f0a76e4cc9def24c879aaca1cd33d8.jpg)
(腕づくで這い上がった。そのバトル跡)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/44/20d720913ef5e5c6ce077b111d713358.jpg)
鹿俣山に続く西からの尾根には雪庇が張り出していた。大きいのになると、ツララが垂れ下がっている。あの雪庇を越えなきゃならないのか。参った。下でしばらくうろうろした。遠回りながらも、やはり、ゲレンデのトップから上がった方が良かっただろうか。何とか、小さめの雪庇部を見つけ、ここから上がる。つかまる物もなく、雪を落として均し、後は腕力で上がった。前面部が真っ白になってしまった。一登りで鹿俣山、といきたいところだが、稜線に出ると、クラスト状態が連続し、かなり手間取って山頂着。ここまでの歩き、やばい感じのところはなかった。深いラッセルもなかった。スノーシューに関しては、前半部は楽に歩けて良かったものの、傾斜が増してからのスノーシューは厄介者でしかなかった。ワカンにすれば良かったなとしきりに反省。
(鹿俣山山頂)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/e6/4e5a81c85ac7d9ab5cbabfb1c72a43c1.jpg)
(玉原湖方面)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/25/b8ba89880be5b4885b39a1b85fac97bc.jpg)
景色が素晴らしい。というよりも美しい。足跡も自分のものだけ。谷川連峰が一望。緑色の玉原湖。前回見えなかった浅間山も見えている。東に目を転じると、何もまぁ神々しい姿の武尊山。そして、手前に三角形の獅子ヶ鼻山。あそまで行けるのかいなと思ったが、実は、山頂に着いて、その先を眺めた時点であきらめていた。ヤブが隠れて、すべてが見える。これからもクラストの連続だろう。心許ない狭い尾根。右手には雪庇がずっと張り出している。自分には無理だろうな。
(振り返って、我がトレースを見る。雪庇の上を歩いていた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/32/5d2a369b8dfce9025f7cf5231f3276c4.jpg)
(こんな雪庇が続く)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/c0/5030a4e5a3db50d7dfcff3a66c23ddaf.jpg)
(真ん中のやぼったい山が鹿俣山。その先に見えるのが尼ヶ禿山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/d3/12c0ddd7c0f3ab7d62766ddf85741dd0.jpg)
取りあえず、行けるとこまで行ってみよう。当初は、ここでスノーシューを外して、アイゼンに履き替えて歩くつもりでいたが、獅子ヶ鼻山まで行く予定はないし、このままで行くとする。ここから見ると、小ピークが2つあるように見えている。目標は最初のピークだ。晴れているのに、稜線に出てからかなり風が強くなってきた。ヤブめいたところもあるが、踏み抜きはない。多少のラッセルもあるが、膝程度。それ以外はほとんどがクラスト状態。ヤブ枝には赤テープが巻かれていたりする。これは、夏に歩いた方の付けた目印か?上に行くに連れ、展望がどんどん広がって行く。無積雪期なら、ヤブで何も見えないのではないのか。得した気分だ。最初のピークに到着。振り返ると、自分のトレースがよたよたと続いている。雪庇の上を歩いている部分もあった。風にあおられ、つい、南寄りに振られて歩いていたようだ。帰りは注意しないと。
(右から、剣ヶ峰、獅子ヶ鼻山、武尊山、1685m小ピーク)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/47/a00f7cec94250ad05fb1e54674a2cc68.jpg)
(1710mで撤退。ピークから見下ろす。つい、お気に入りの光景で、この写真のアップが多過ぎたみたい)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/f8/907a6564071c222a403ae08d41a3eb4f.jpg)
今いるピークは、地形図で1685と記された部分だ。地形図上はピークになってはいないが、実際は小ピーク状になっている。スキー場の雑音はまったく聞こえなくなった。もうちょっと行けそうだ。行けるとこまで。左手北の方から尾根が上がってきて、合流部分だけは広い尾根になっている。ここからの展望は最高だ。谷川岳から尾瀬の山々まで見渡せる。しばらく、ぼーっとして眺めていた。そして、次のピークに到着。ここは1710mピークか。地形図でも分かるピークだ。鹿俣山と獅子ヶ鼻山の中間点といったところ。もう、獅子ヶ鼻山は正面だ。おそらく、1時間もかからずに行き着けるだろう。だが、ここから眺める限り、2つほど難点があった。今のピークから下った鞍部が、雪崩を起こしたかのように複雑に入り組んで切れ落ち、渡れないのじゃないのか。そして、尾根がどんどん狭くなり鋭角的になっていく。さらに、クラスト状態の連続にもなっているだろう。とうてい、自分には無理。行けたとしても、帰りはまったく不可能の世界。やはり、引き返そう。ただ、相方がいたら、行ったかも。
(谷川岳から尾瀬にかけての山並み1)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/2e/b32cbd923d9cddb499513dcde021972f.jpg)
(谷川岳から尾瀬にかけての山並み2)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/6c/9a6eaa30b76d3f46a2a5285ff43749e5.jpg)
(谷川岳から尾瀬にかけての山並み3)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/b1/4a3cca6e035c744b4766591513f75264.jpg)
(下る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/50/05ebcf1655d803b7f2a4a46ebe5eda2a.jpg)
ここからでも、鹿俣山に戻るのはきつかった。広い尾根で写真を撮りまくる。この景色を見られただけでも、獅子ヶ鼻山方面に足を向けて大正解だった。雪庇に注意しながら、北寄りに歩いて鹿俣山に到着。平日だから当たり前だが、鹿俣山ですら、積雪期に来る方はめったにいないだろうな。ハイトス氏ファミリーはいらしていたが。
(谷川岳アップ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/1e/ef77c886e9db6c75cfb95c16681adf12.jpg)
(トレースを追って行く)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/9e/6f007b53fc5d9da987c1d34527918a04.jpg)
(雪庇の先に浅間山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/a7/25aca3855054224c534ef68a4caa230b.jpg)
(前半戦の尻下りの跡だけは残っていた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/2d/99c8e0b58c84710f922f19925a209b30.jpg)
(ゲレンデに逃げた個所もあり)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/42/4e6652c841884feb654c68f6356ef640.jpg)
さっきの雪庇越えの個所は遠慮したい。スキー場の方に行ってみる。しばらく先まで行ってみたが、やはり、雪庇続きであった。致し方ない。また戻って、同じところから下るか。ヘタに尻で滑って、下まで落ちてしまっては大変なことになるから、また腕力で越えた。あとは、自分のトレースを辿って下る手順でいたが、途中から、見えなくなってしまった。風が強いから、消えてしまったのだろうか。いや、まったく別の所を歩いているようだ。尻下りしたシャクナゲ群生地の下では、さすが、登ることはままならぬので、スキー場の端を歩かせていただいた。気分はよろしくないので、すぐにまた上がって、疎林の中を歩いて下る。
(駐車場に到着)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/86/151255a8c134bf156f10ea84d938b143.jpg)
気温が大分上がってきたようで、雪が重くなった。また、自分のトレースを見ることはなかった。また、感で歩いていたら、しばらくして、建物の屋根が見えた。それは駐車場に隣接するペンションのようだ。脇を通って、駐車場に無事に到着。4時間ちょっとか。短時間ではあったが、いい景色を楽しめた。帰り道の凍結が心配だったが、まったく、凍結はなく、むしろ、路面は濡れていて、日曜日に洗車したばかりなのに、泥だらけになってしまった。
<玉原スキー場駐車場(7:15)……鹿俣山(8:55)……1710mピーク・退却(9:35)……鹿俣山(10:10)……駐車場(11:25)>
家の用事で、事前に休暇を取っていたが、前日になって、その用事もなくなってしまった。天気もいいし、どこかに出かけよう。小出俣山と獅子ヶ鼻山が候補になったが、11月に鹿俣山に行っていることだし、ある程度は地理的な記憶もあるし、獅子ヶ鼻山がよろしかろう。無積雪期はヤブがひどく、かなりしんどい目にあう山らしい。確かに、11月の偵察では、鹿俣山の先はかなりのヤブが続いている様子だった。
(ガードレールを越えると、「ワンワンロード」なるゲートがあり、ここから入ってみる。犬の踏み跡そのものがなく、すぐに途切れた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/1a/0c612d3f1b6457299182e5253fd6f6c8.jpg)
昨日も積雪があったのか、スキー場への道は、かなり下から凍結していた。これだけでも神経を使い、駐車場に着いた時にはぐったりとなった。前に来た時は、手前の第二駐車場に車を置いて便が良かったので、今回もここに置く。スキー場関係者以外の車は見あたらない。早速、鹿俣山に向かう。ゲレンデをずっと行けば楽だろうが、ネット記事を拝見すると、ここのスキー場はスキー客以外のハイカーには冷たいらしく、いろいろと、スキー場関係者から注文を具申されるらしい。そんな不愉快な思いをするのも嫌だから、ゲレンデから離れた夏道を歩いた方がよろしかろう。だが、前に来た際の入口は雪に隠れたのか見あたらず、ガードレールを越えて歩き出しとなった。
(この光景は、11月の時と同じ。静かでお気に入りだ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/22/7619b126be2e888abf0b75fe6e4b317e.jpg)
(武尊山の、あれは西峰か?)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/4e/e84a38df4b1148040d9357a5e6f1332f.jpg)
スノーシューにするか、ワカンにするか悩んだが、特に深慮もせずにスノーシューを選択した。ザックの中にはアイゼン。ピッケルは持たず、杖を2本。後で考えると、これが失敗だったかもしれない。雪は下が固まっていて、くるぶし程度の埋もれ具合。軽快に行くが、夏道の案内板は見えず、感に頼って、ひたすら、北東に向かって行く。ダケカンバの林の中は見渡す限り同じ風景が続いている。果たしてこれでいいのかと思いもしたが、右手に武尊の剣ヶ峰が見え始め、そういえば、前回も、これを見ながら歩いたことを思い出し、以降、東寄りの端を歩くようにした。
(難儀した壁のクラスト)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/ce/b30ed303f73c21d8a1b1f0ad6758dc07.jpg)
(谷川岳が見えてきたので、スキー場まで行って眺めた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/a2/faf42a9dbceb424a3d62b09b97312eff.jpg)
(武尊山方面)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/26/919a6f6521722bb9f922e423334c5dfc.jpg)
前に壁が出て来た。左に寄って、スキー場から迂回すればいいのだろうが、どうもその気になれない。斜面のところどころがクラスト状態になっていたが、何とか越えた。ここで、薄々は感じていたが、スノーシューはトラバースには不向きなことを確信した。無理矢理、直登した感じ。何度もズルズルと下がった。やはり、ワカン以上の信頼は置けない気がする。さて、乗り越えた壁の先を歩いていると、左のゲレンデをスノーモビルが上がって来た。スキー場の係員の方だろう。黒い顔をしたサングラスのオニイさんがモビルから下りて、自分に声をかけてくる。不愉快な思いをしなきゃいいがと、こちらも下って行った。話を聞くと、ここ2回、立て続けに遭難が起きているから注意してくれとのことだ。スノーシュー遊びの方で、舞台は鹿俣山だって。どこに行くのかと問われ、まさか、素直に獅子ヶ鼻山と言えば、何を言われるか知れたものだから、鹿俣山と答えておいた。
(シャクナゲ群生地の道標)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/53/34c2f2b7b0c0eaada56ac17bf1cdc295.jpg)
(左が鹿俣山。右が獅子ヶ鼻山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/f8/db47b25c627e410645bc9e15fb919e2d.jpg)
シャクナゲ群生地に到着。本日出会った、唯一の案内標示。さて、この下りに困った。切れていた。前回来た時は、急な感じはなかったのに。戻るにしても、かなり下って、ゲレンデ迂回になる。もう仕方がない。尻で滑って下りた。うまくいった。せいぜい6~7m程度のことだから、どうってことはないが。ようやく、正面に鹿俣山が見え、その右手先に獅子ヶ鼻山も見えてきた。雪が積もっていると、山の形もはっきりするから、見分けもスムーズにいく。そろそろ、スキー場から音楽が流れ出した。営業は8時20分のようだ。あの騒音が聞こえているうちは、とんでもない所を歩いていないという確認にはなる。
(雪庇。稜線に出るには越えなきゃならぬ。左端から這い上がる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/37/80f2322573754025dde2cdab52991a05.jpg)
(大雪庇のツララ)
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(腕づくで這い上がった。そのバトル跡)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/44/20d720913ef5e5c6ce077b111d713358.jpg)
鹿俣山に続く西からの尾根には雪庇が張り出していた。大きいのになると、ツララが垂れ下がっている。あの雪庇を越えなきゃならないのか。参った。下でしばらくうろうろした。遠回りながらも、やはり、ゲレンデのトップから上がった方が良かっただろうか。何とか、小さめの雪庇部を見つけ、ここから上がる。つかまる物もなく、雪を落として均し、後は腕力で上がった。前面部が真っ白になってしまった。一登りで鹿俣山、といきたいところだが、稜線に出ると、クラスト状態が連続し、かなり手間取って山頂着。ここまでの歩き、やばい感じのところはなかった。深いラッセルもなかった。スノーシューに関しては、前半部は楽に歩けて良かったものの、傾斜が増してからのスノーシューは厄介者でしかなかった。ワカンにすれば良かったなとしきりに反省。
(鹿俣山山頂)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/e6/4e5a81c85ac7d9ab5cbabfb1c72a43c1.jpg)
(玉原湖方面)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/25/b8ba89880be5b4885b39a1b85fac97bc.jpg)
景色が素晴らしい。というよりも美しい。足跡も自分のものだけ。谷川連峰が一望。緑色の玉原湖。前回見えなかった浅間山も見えている。東に目を転じると、何もまぁ神々しい姿の武尊山。そして、手前に三角形の獅子ヶ鼻山。あそまで行けるのかいなと思ったが、実は、山頂に着いて、その先を眺めた時点であきらめていた。ヤブが隠れて、すべてが見える。これからもクラストの連続だろう。心許ない狭い尾根。右手には雪庇がずっと張り出している。自分には無理だろうな。
(振り返って、我がトレースを見る。雪庇の上を歩いていた)
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(こんな雪庇が続く)
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(真ん中のやぼったい山が鹿俣山。その先に見えるのが尼ヶ禿山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/d3/12c0ddd7c0f3ab7d62766ddf85741dd0.jpg)
取りあえず、行けるとこまで行ってみよう。当初は、ここでスノーシューを外して、アイゼンに履き替えて歩くつもりでいたが、獅子ヶ鼻山まで行く予定はないし、このままで行くとする。ここから見ると、小ピークが2つあるように見えている。目標は最初のピークだ。晴れているのに、稜線に出てからかなり風が強くなってきた。ヤブめいたところもあるが、踏み抜きはない。多少のラッセルもあるが、膝程度。それ以外はほとんどがクラスト状態。ヤブ枝には赤テープが巻かれていたりする。これは、夏に歩いた方の付けた目印か?上に行くに連れ、展望がどんどん広がって行く。無積雪期なら、ヤブで何も見えないのではないのか。得した気分だ。最初のピークに到着。振り返ると、自分のトレースがよたよたと続いている。雪庇の上を歩いている部分もあった。風にあおられ、つい、南寄りに振られて歩いていたようだ。帰りは注意しないと。
(右から、剣ヶ峰、獅子ヶ鼻山、武尊山、1685m小ピーク)
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(1710mで撤退。ピークから見下ろす。つい、お気に入りの光景で、この写真のアップが多過ぎたみたい)
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今いるピークは、地形図で1685と記された部分だ。地形図上はピークになってはいないが、実際は小ピーク状になっている。スキー場の雑音はまったく聞こえなくなった。もうちょっと行けそうだ。行けるとこまで。左手北の方から尾根が上がってきて、合流部分だけは広い尾根になっている。ここからの展望は最高だ。谷川岳から尾瀬の山々まで見渡せる。しばらく、ぼーっとして眺めていた。そして、次のピークに到着。ここは1710mピークか。地形図でも分かるピークだ。鹿俣山と獅子ヶ鼻山の中間点といったところ。もう、獅子ヶ鼻山は正面だ。おそらく、1時間もかからずに行き着けるだろう。だが、ここから眺める限り、2つほど難点があった。今のピークから下った鞍部が、雪崩を起こしたかのように複雑に入り組んで切れ落ち、渡れないのじゃないのか。そして、尾根がどんどん狭くなり鋭角的になっていく。さらに、クラスト状態の連続にもなっているだろう。とうてい、自分には無理。行けたとしても、帰りはまったく不可能の世界。やはり、引き返そう。ただ、相方がいたら、行ったかも。
(谷川岳から尾瀬にかけての山並み1)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/2e/b32cbd923d9cddb499513dcde021972f.jpg)
(谷川岳から尾瀬にかけての山並み2)
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(谷川岳から尾瀬にかけての山並み3)
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(下る)
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ここからでも、鹿俣山に戻るのはきつかった。広い尾根で写真を撮りまくる。この景色を見られただけでも、獅子ヶ鼻山方面に足を向けて大正解だった。雪庇に注意しながら、北寄りに歩いて鹿俣山に到着。平日だから当たり前だが、鹿俣山ですら、積雪期に来る方はめったにいないだろうな。ハイトス氏ファミリーはいらしていたが。
(谷川岳アップ)
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(トレースを追って行く)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/9e/6f007b53fc5d9da987c1d34527918a04.jpg)
(雪庇の先に浅間山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/a7/25aca3855054224c534ef68a4caa230b.jpg)
(前半戦の尻下りの跡だけは残っていた)
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(ゲレンデに逃げた個所もあり)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/42/4e6652c841884feb654c68f6356ef640.jpg)
さっきの雪庇越えの個所は遠慮したい。スキー場の方に行ってみる。しばらく先まで行ってみたが、やはり、雪庇続きであった。致し方ない。また戻って、同じところから下るか。ヘタに尻で滑って、下まで落ちてしまっては大変なことになるから、また腕力で越えた。あとは、自分のトレースを辿って下る手順でいたが、途中から、見えなくなってしまった。風が強いから、消えてしまったのだろうか。いや、まったく別の所を歩いているようだ。尻下りしたシャクナゲ群生地の下では、さすが、登ることはままならぬので、スキー場の端を歩かせていただいた。気分はよろしくないので、すぐにまた上がって、疎林の中を歩いて下る。
(駐車場に到着)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/86/151255a8c134bf156f10ea84d938b143.jpg)
気温が大分上がってきたようで、雪が重くなった。また、自分のトレースを見ることはなかった。また、感で歩いていたら、しばらくして、建物の屋根が見えた。それは駐車場に隣接するペンションのようだ。脇を通って、駐車場に無事に到着。4時間ちょっとか。短時間ではあったが、いい景色を楽しめた。帰り道の凍結が心配だったが、まったく、凍結はなく、むしろ、路面は濡れていて、日曜日に洗車したばかりなのに、泥だらけになってしまった。
ただ、ただ素晴らしいの一言ですね
両側とも切れ落ちているような地形的がきれい
雪尻の上を知らずに歩くなんて・・・恐ろしいですが
玉原湖が、いいアクセントになってるんですね
これは是非とも行って見たいなあと思いました
覚えときます
いいなあ、いいなあ
鹿俣山に続く西からの尾根への登りは我々も苦労しましたので良く覚えております。
たしかにあそこはワカンのほうがいいかもしれません。
自分たちにとっては獅子ケ鼻山と剣ヶ峰は眺めるだけではなっから実力以上の場所ですわ。
今回の画像は皆雪山らしい厳しさの雰囲気も良く伝わっておりますね。
そしてとても綺麗です。
俺ださんが一緒なら行けたでしょうが、単独の場合は天候が良いとはいえ危険度が高いし、万一雪尻が崩れたりして埋もれてしまうとサヨナラですから仕方の無いところですね。
難易度的には小出俣山とどちらが厳しそうでしょうか。
「今度、同行」はいいけど、同行する山がリストにまた一つ加わったといった感覚でしかないよ。だけど、良かったよ。ヤブの時期でもいいから、優先順位を上げておいてくれ。
シシッパナヤマの情報、やけに詳しいなと思ったら、カミサンの地元だったんだよな。
だけど、国土地理院云々を言っていたら、里山がすべて「ウラのヤマ」になっちまうよ。
あの記事に触発されて、残り少なくなった雪山シーズンにかけこんで歩いたといったところですよ。
雪庇歩きは私のオハコのようなもので、今回に限らずのことなんです。でも、雪庇も、いいアクセントになって、さも雪山らしくていいものですね。
獅子ヶ鼻山は、山頂に立てば、それなりに雄大な展望をさらに楽しめるでしょうが、私が退却した1710mあたりでも、十分に楽しめました。
ぜひ、みー猫さんもお試しください。
山頂を目指したとしても、相方次第だったでしょうね。鹿俣山までようやく行けたといった事態も有り得ますしね。今回のように、結局、一人で行って、相応に退却している状態がいいような気もしますけどね。
ハイトスさんも、小出俣山には関心をお持ちのことと察しておりますが、難易度はどんなものでしょうか。歩いたことがありませんから、何とも。でも、歩くとすれば、アイゼン+ワカンでしょうね。
小出俣山もいいですが、その手前にある十二社ノ峰というのにも興味があるんですよ。
高村光太郎の詩「僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る」の境地ですね。
同じ日、私は谷川の旧道を歩きましたが、この春の残雪の多さは滅多にないと思いましたが、鹿俣あたりの様子でもそのとおりと思えます。
スノーシューはトラバースには不向きというのは分かります。
良い写真を存分に楽しませていただきました。
風花さんが谷川岳を歩かれていたとうことで、さっそく、記事を拝見させていただきました。
あれはひどいですね。同じようなことを何度か経験したことはありますが、意外にも、頭がパニック状態になりながらも、身体が動いてくれるものです。本能なのでしょうかね。しかし、これまでがラッキーだっただけのことで、雪山で、本能がうまく働いてくれなければ、野垂れ死にでしょうね。注意しないと。
拙い写真ではありますが、お褒めいただき、恐悦至極です。
クリーンヒットではありませんか!
いい感じですよ!
うらやましいな~。週中歩き。
ここの所、土日の積雪地帯は、悪天、雪予報が続いており、おいらは暴発寸前ですワ。次の土日もダメそうでしょ・・・。うらやましいな~。
同じような写真が何枚かありますけど、確かにいいですよ!写真からは平和そうな感じを受けるのですが、実際は結構キビシイそうなのでしょうか?
確かに、ようやくのクリーンヒット・二塁打といったところでした。
キビシイといったって、程度問題でしょうかね。楽勝ではないですが、悪天の中のラッセル続きがなかっただけでも幸いでした。下も固まっていましたし。
残念ながら、土曜日も天気悪そうですね。ちょうど、出張に重なって、自分にはラッキーな天気具合なのですが、ぶなじろうさんには、クリーンヒットのスキーが出来ずに気の毒ですね。