僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

オートマチック

2006年06月02日 | 何でも掲示板
エスカレーターは好きですか?
誰が発明したのでしょう、すごく面白い乗り物ですね。エレベーターも大したものですが、階段がそのまま動いていったらという発想がとてもすごいと思います。

当然子ども達も大好きですぐそこにある階段を上らずに、わざわざ遠くのエスカレーターまで歩いたりします。駅のエスカレーターは人が溢れそうなのに、階段はガラガラだったりします。ほとんどのお店や駅に整備されていて本当に便利です。

私は昔人間の仲間ですから、利用する度にこれが便利なものだと実感します。ですが今人間の仲間は当たり前と感じているのでしょうね。

ある日のこと、きれいな雑貨屋さんを冷やかしている時でした。若いカップルが全面ガラスの扉を押して入ってきました。その時口にした言葉に思わず笑ってしまいました。

「何だよ、自動じゃないのか」

今時お店の扉は自動と決まってるのに、と不満そうな顔付きです。
私は笑いが込み上げてきて、この店がとても気に入ってしまいました。

自動的に動くものや自動的にやってくれるロボットみたいなものが世の中に沢山現れました。便利です。楽です。早いです。
でも自分でやりたいこともあるんだ。よけいなお世話なんだよ。
イッツオートマティック

コメント (2)
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リゾート…①

2006年06月02日 | SF小説ハートマン
宇宙(ひろし)の夢6日目です。初めて見て下さる方は、面倒くさいですが
カテゴリから「SF小説ハートマン」を選んでいただき、
①の初めから読んでいただくと、面白いと思います。。。ヨロチク

「GEALMAリゾート」のスペースポートに着くと観光客はガイドに従っていくつかのコースに分かれていった。ハートマンが特殊なホログラムの浮かぶチケットを係員に提示すると、受付係官はキーボードに2-3語を打ち込んだ。完璧な笑顔を作って答える。
「しばらくお待ち下さい。煙草をお吸いになるならこれを」
と無煙フィルターを差し出す係官の言葉が終わらないうちに、
「失礼します。」と制服のガードマンが現れた。

こめかみにフリートークカム(通称テブラデピッチ)が埋め込まれている。女性の外見をしているが、おそらく特殊処理された戦闘用アンドロイドだろう、手足だけが異様にがっしりとしている。

簡単なボディチェックの後、ついて来るように指示をする。3つ程ドアを通り抜けると一般客とは明らかに違う方向に向かってキャリーカートが進行を始めた。カートの進むトンネルは柔らかなチューブ状で薄明るく発光し、数十メートルごとにGEALMAのロゴがアニメーション表示されている。子供が遊ぶスライドショーやパタパタアニメの応用らしい、ぎこちない動きがかえって興味を引く。乗客を飽きさせない為なのか、これから起こる刺激的時間を想像して緊張する心をなごませる為なのか、必要以上にナンセンスで漫画チックだ。

「面白いアニメだね。」と声をかけたが、ガイドのガードマンは均整の取れた横顔を見せてくれるだけで、返事はない。客に対するメンタルサービスは任務に無いようだ。
キャリーカートのディスプレイが目的地到着までの時間をなめらかにカウントダウンし続け、アニメーションがばかばかしく笑いかける。

10分ほど走り、もうアニメーションにも飽きてきた頃、キャリーカートのカウントは0になり、ホテルのロビーのようなステーションに滑り込んだ。
「こちらでしばらくお待ち下さい」
と言い残して愛想のないガードマンはカートと共に去った。  つづく
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