僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

宇宙(ひろし)のバイオ・リスト・コンピュータ

2006年06月30日 | SF小説ハートマン
「ねえトント、ボクのコンピュータはほとんど出来上がったって言ってたよね。」
「はい。後は神経細胞を脳に融合させる微調整だけです。もう夢を見ても怖くないでしょう?」
「うん。でも気になることがあるんだ。」
「何でしょうか。気分が悪いとか、気持が悪かったら治しますよ、宇宙君。」
「ううん大丈夫。気になるのはテストのことなんだ。今度のテスト、すごく成績が良かったけど、これってボクのコンピュータがやったの?」
「それは宇宙君のテストをバイオリストコンピュータが解いて答えを教えたってことですか?」
「そ、そう。だったらあまりうれしくないなぁ、ママは喜んでるけど。ボクの実力じゃないってことでしょう?」

「安心して下さい、宇宙君。あなたの実力ですよ。」
「でも・・・。」
「バイオリストコンピュータが教えたのではありません。まあ、関係はあると思いますがね。宇宙君の頭を整理してちゃんと働くようにしたのですよ。それを働かせたのは宇宙君あなた自身ですからね。自分の脳をきちんと使えるって事が大事なんですよ。」
「じゃあボク、頭が良くなったの?」
「そう思ってもいいですよ。でもこれからが肝心です。いい頭を全部使っていい仕事をしてもらいましょうね。」

トントの言葉はちょっと嫌みも混ざってるような気がしたけど、ボクは少し安心した。だって、ハートマンのように活躍してみたいけど、頭が機械になっちゃったらイヤだもん。

それから何日か夢は続いたけど、なんだかとっても冷静に感じとることができるようになった。激しい戦いや、セクションの構造、宇宙の仕組み、ハートマンの任務。いろんな事が分かるにつれてボクの体の中には熱い大きなパワーが膨らんでいった。   つづく
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