僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

リゾート③

2006年06月07日 | SF小説ハートマン
大きなあくびがひとつ出る。
その時突然後頭部に蜂が刺したような刺激が走り、底なしの空間に落下していくようなめまいを感じた。刺激は一秒に数十回の規則的なものでハートマンの首から上を端から端まで素早く移動していった。

バイオリストコンピュータのファイアーウォールが作動しハートマンの異常を検知した。細胞単位で情報処理を行うバイオリストコンピュータが直ちに各感覚器官に警鐘を鳴らす。網膜に解毒不能のマクロファージ型ドラッグリストが流れていく。数種類の細菌を組み合わせ遺伝子操作したドラッグだ。
 
最初の警鐘が脳内のどこで鳴ろうと、ハートマンはすぐに反応できるはずだった。
彼の脳を常時スキャンしているバイオリストコンピュータは緊急時には大脳の判断を待たずに必要な処理を施すことが出来る。
はずだった。

だが、そうならなかった。花の香りに紛れて鼻孔から入り込んだナノワーム(超微細病原虫)が香りをおとりに振りまきながら真っ直ぐに視床下部に進み、ハートマンの大脳とバイオリストコンピュータとの連絡シナプスを麻痺させたのだ。

バイオリストコンピュータが異常を感知し、大脳へ緊急事態を告げたときハートマンはもはやただの観光客になってしまっていた。   つづく
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

えへっ

2006年06月07日 | いろいろな顔たち
あははははっ

えへっ恥ずかしぃ、あのぅ…でも僕って左まきじゃないよ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする