うんこさんの大事なネズミは、
いまだ見つからないのだけど。
おはようございます。
あのネズミさんは、うんこへ最初にあげたオモチャだ。
うんこにだけだぞって、他の猫には内緒でこっそりあげたんだ。
小さいのに長い留守番をさせていたから、
それじゃ淋しかろうと思い、あげた。
あれから13年経った去年、
真似をしたわけではないが、図らずも、たれ蔵も同じ思いをさせた。
まだ生後2か月だったのに、新たな猫を保護した母ちゃんに、
たれ蔵は、全く甘えなくなった。
甘ったれな子猫だから、ほくろたれ蔵って名付けたのに。
子猫達に哺乳する母ちゃんの側で邪魔をしないで大人しくしていた。
その代わりのように、
うんこさんが、たれ蔵の面倒を、本当によく見てくれた。
もともと、子猫が好きなうんこさんだが、あれほど面倒を見たのは、
あや以来だ。
我が家には、暗黙のルールがあって、
保護した子猫は、
我が家で最も若い猫が筆頭世話係を担う事になっているのだが、
たれ蔵の時は、長らく筆頭を引退していたうんこさんが、
なぜか、やる気満々で世話係を引き受けてくれた。
「うんこが見てくれたら、そりゃ、母さん一番、安心だ」って
母ちゃんは、すごく助かったんだ。
久しぶりに、うんこの顎に擦り傷がたくさん出来ていたよな。
うんこのネズミも、たれ蔵にコロコロ転がされていた。
だから、たれ蔵には、こっそりオモチャをあげる必要はなかった。
今、うんこさんは、たれ蔵と取っ組み合って遊んだりはしない。
たれ蔵も、うんこさんに子猫の時のように、絡んだりは決してしない。
ただ、
最近たれ蔵は、
幼い頃のように
こっそり隣で寝ていたりして。
まるで、ネズミさんの代わりを担っているみたいに見えて、
こっそり笑っちゃうんだ。