竹やぶだった斜面の端に、シュロの木が1本残っています。
竹はばあちゃんと二人で伐り、杉と檜は世和土木の社長に伐ってもらい、
昔とは全く違う景色になった中で、樹齢が分からないシュロが立っています。
ばあちゃんが嫁いできた時には既に大きかったと言っているので、
シュロの生長は相当ゆっくりなのだと思います。
このシュロに特別な思いがあって残したわけでも無く、
なんとなくそのまま存在しているシュロに、急に親近感を覚えました。
今まであまり気にして見ることも無かったのですが、
あらためて見たら、花を発見しました。
緊急事態宣言が出され、人と会わないことがどんなにストレスかと言われています。
孤独の訓練、そんな言葉が浮かびました。
計画的に孤独の訓練をしたわけでは無いのですが、今こんな形で役に立つとは・・・。
シュロの木は、寒さにも乾燥にも強くて、知らぬ間に10メートル位にまでなり、
いざ伐ろうとしても皮が引っかかって、ノコギリやチェンソーでも伐れないとか。
シュロで作った箒は高級品ですし、幹は鐘撞の棒に使われる貴重品でもあって、
利用価値も十分ある木ですが、今は利用する方が難しいと思います。
コロナウイルスをきっかけに存在感を現したシュロの木は、
多分このまま、あの場所に居続けるでしょう。