覚えているだろうか?
去年の暮れに、チョコレート屋さんで知りあった、エリー君の話しを書いたのを。
ざっと、おさらいすると。
エリー君、53歳。職業ガーデナー。
レバノン出身で、心優しきカトリック信者。
一言で言えば、野心無く、お人好し。
騙されたら、裸になるまで出しちゃう人。
そんなエリー君が、去年、恋をした。
彼女は、お屋敷の掃除婦をしていた20歳年下の女の子。
ネパール人だった。
最初、彼女の事なんて、どうでも良かったエリー君。
ちょっかい出されて(また、純粋な男が騙されてるよ)、その気になった時に、エリー君は知った。
彼女に旦那が居て、子供が2人居ると。
でも、あの時、彼は「子供をオーストラリアに呼んで、彼女と結婚して一緒に仲良く暮らすんだ」と言っていた。
ぜーんぶ、嘘だね。
と、稚恵子は思った。ってか、そんなの常套手段だよ。
貧乏な国の移民は、超金持ちか、違法滞在者か、どっちかなんだな。
そして、彼女は後者だった。
生活費が無い、学費が無い、エリー君に生活のサポートをしてもらいたがっているのだから。
そんなエリー君から電話が来たのが昨日。
半年ぶりくらいに電話が来て「エリー!いつ、うちの庭の木を切ってくれるの?」なんて言っていたら、「会って話したい事がある」と。
あたしも、結婚するって言ってたので、その後が気になっていたし、今朝、会って話しを聞いて来たら、予想を遥かに超えて最悪だった。
エリー君、車を売ろうとし、家具を売ろうとし、家を売ろうとしていた。
なぜなら、彼女が、パースへ引っ越して、子供たちを呼んで、一緒に住みたいと言ったから。
よくよく聞いたら、エリー君の前に「結婚してくれないなら死ぬ!」と包丁を持ち出したり、脅したり、泣いたり、叫んだり、まぁまぁ、家の中がうるさい。
でも、エリー君、優しいし、情があるから、踏ん切れない。
でも、彼は、静かに幸せに暮らしたいだけで、庭仕事は大好きだし、休みの日はビーチでくつろぐのが好きな自然派だし、なんせ、彼は年だった。
エリー君、彼氏も作らず、離婚後結婚せず、1人で生きて居るあたしが不思議だった。
稚恵子は、直系長男の母ですからね。
そんじょそこらの相手だと、男の方が萎縮しちゃいますものね。
あとあとの面倒を考えたら、そういう、面倒くさい男性は、あたしの人生に居ない方が良いわけです。
そんな話しをしてエリー君。
「でも、稚恵子。1人なんて耐えられないよ」と。
稚恵子「今の、あんたの状況考えたら、1人の方がずっと幸せなんじゃないの??」
はっ!と目が覚めたエリー君。
彼女を追い出して、彼女のせいでした借金を返して、自分の服を買って(彼女の父親が全部持って行った)、ジャングルになっている自宅の庭を綺麗にして、毎週教会に通いなさい!
そうしたら、神は、あなたに見合った女性を連れて来てくれます。
ってことで、一件落着。
びっくりしたな。
エリー君、人が良いのは知っていたけど、まさか、車売るとか、家具売るとか、借金するとか、そこまでつぎ込んでいたとは。。。
借金してまで女につぎ込んじゃいけないよ。これ鉄則。(今は、鉄板と言うらしいが)
武士の彼女の擁護派だった、お義母さん。
状況が良くわかってなかったらしい。
彼女の家は貧乏だと思っていたらしい。
とんでもありません。ご立派な金持ちでございます。
なのに、オーストラリアくんだりまで来て、大学へ入ろうとしていない。
やっと、お義母さんは「なんて、バカな子なんだろう」と言った。
だーかーらー! 言ってたんじゃん!!! バカだって!!!
でもね、バカでも何でも良いんですよ。邪魔さえしなければ。
あたしは、犬でも、男でも、何でも良いと思っていますが、バカ過ぎて、武士のキャリアが見えないから、どうしようもない。
やっぱ、学歴ってある程度、大事なのかなぁ。。。と、思う、今日この頃です。