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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

アリーナ・イブラギモヴァ ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ

2013-09-20 11:26:00 | MUSIC
昨日、2013年、9月19日(木)19:00~
銀座の王子ホールにて

ロシアの若き才能、Violinistのアリーナ・イブラギモヴァとピアノのセドリック・ティベルギアンによる、3日に渡るべ―トヴェン・チクルスの中日に行って参りました。



ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 Op.24 「春」
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 Op.12-2
********** 休憩 **********
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第10番 ト長調 Op.96

ちなみに初日のプログラムは

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ニ長調 Op.12-1
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第4番 イ短調 Op.23
********** 休憩 **********
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第8番 ト長調 Op.30-3
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第7番 ハ短調 Op.30-2

そして、最終日である今日、9月20日のプログラムは

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第6番 イ長調 Op.30-1
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 変ホ長調 Op.12-3
********** 休憩 **********
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 Op.47 「クロイツェル」

というバランスで・・・。
本当は年代順に始めて、晩年までクロノロジカルに追って行きたかったのだけれども、そうすると最終日にチケットセールスが集中してしまうから・・・とアリーナ。確かに^^;
というわけで、中期、初期、後期をバランスよく配した上記のような演奏会プログラムを組んで、これを一つの定番としてコンサートを行っているとか。
このチクルスの初演は2010年ロンドンのウィグモア・ホールで、アルバムも収録されていますね。

ロシアからロンドンに渡ったのは1996年。
父親はロンドン響に入り、首席コントラバス奏者に。4歳からヴァイオリンを始めていた彼女はロンドンに渡った翌年1997年にメニューイン音楽学校、そしてロンドン王立音楽院で研鑚を積む。
メニューイン・スクール(70人ほどの生徒で、メニューインは1人1人をしっかりと見ていてくれたのだそう)で磨かれた逸材で、今、ヨーロッパでもっとも注目されているヴァイオリン奏者の1人。
最近のクラシック界の流れ通り、古楽器演奏にも意欲的。
ゲオルグ・フォン・オペルから貸与された1738年制作のピエトロ・グァルネリを愛用。

セドリック・ティベルギアンは、パリ国立音楽院で学び、1992年17歳でプルミエ・プリを受賞。1998年ロン・ティポ―国際コンクールでの優勝では、観客賞、オーケストラ賞を含む5つの特別賞も同時受賞という才能ある38歳。

さて、彼女の演奏は・・・。
最初の一音から、非常に伸びやかなフレージングに驚く。
そして思いきりの良さにも。
あまりにも伸びやかに響かせるので、歌うタイプの演奏家なのかな、と思いきや、意外と全体の印象は抒情的であったり熱情的であったり・・・というものではなく、抑制された中での自由さ、とでもいったバランス感覚を見せてくれました。
どちらかというと、演奏者の個性を前面に出してくるタイプというよりも、曲そのものに集中しようという向きには良いかも。実際、ベートーヴェンの作品の変遷をたどり、曲そのものを味わう時間として、とても充実した一時を過ごすことができました。
ただ、好みとして、繊細で抒情的な表現を求める向きにはやや向かないかも。
この若さで、ベートーヴェンの重量級の作品を理解してこなしているという力はひしひしと感じられました。

演奏会は得てしてそうですけど、彼女も後になればなるほど温まってエンジンが全開になっていく・・・・という感じで、明らかに「春」よりも第10番の、そして、アンコールのシューベルトの「ソナチネ」の方が良かったです。

王子ホールの外に出ると煌々と十五夜の月が輝く銀座の夜・・・。
良い季節になって参りました





彩愛玲&クリストファー・ハーディ「古代の光が照らす夜」

2013-05-12 04:40:08 | MUSIC
2013年5月7日(火)19:00~
東京文化会館小ホールにて

ハ―ピスト彩愛玲とパーカッショニスト、クリストファー・ハーディのジョイントコンサートに行ってきました。

「古代の光が照らす夜」と題されたこのコンサート、
台湾人の声楽家の祖父と日本人のピアニストの祖母を持つ彩愛玲さんは、国立音大卒東京藝大別科修了後、ニ胡のチェン・ミン氏とのリサイタルで好評を得るなどジャンルを超えて、中東シリアの作品なども含む、ハープの源流を探究。

一方1989年より日本を拠点とするクリストファー・ハーディはアメリカ出身。
中近東・アフリカ・ラテン諸国の代表的打楽器であるハンドドラムのスペシャリスト。
これまでの共演者は
渡辺香津美、山下洋輔、観世英夫、尾上松禄、宮本文昭、谷川俊太郎、加藤和彦、本田美奈子など、
JAZZ,伝統芸能、詩、POPSなど実に幅広い。

東京文化会館は、大ホールには足しげく通っているものの^^;
小ホールでの催しは実は初めてで、そこも興味深いところだったのですが、すり鉢状にステージから広がる客席はどの席でも観やすく、天井の高いステージの上から5枚の細長い赤と黒を基調とした抽象画が垂れさがり、ステージ上に広がるエキゾチックな打楽器と相まってエスニックで幻想的な雰囲気を醸し出しており・・。
期待が高まります。

PROGRAMは・・・
1.カンティ―ガ・デ・サンタ・マリア(聖母マリア領歌集)より・賢王アルフォンソ10世
Cantigas de Santa Maria/Alfonso X el Sabio
・ Do Dem'A Perfia (No.285)
 ・ Quen Omagen (No.353)
 ・ Rotundellus (No.105)
 ・ Da Que Deus Mamou (No.77)
2. 古代の光/クリストファー・ハーディ
Light of Ancients/Sai Ailing & Cristopher Hardy
3.タクスィーム /マルセル・カ―リフ
Takassim/Marcel Khalife
4. ラガッシュ/クリストファー・ハーディ
Lagash/Christopher Hardy


5.グリーンスリ―ヴス/イギリス民謡
Greensleeves/English Traditional
6.ボートマン/スコットランド民謡
Boatman/Scottish Traditional
7.ハブキャップス&ポートフォールズ/レイチェル・ヘア&スコットランド民謡
Hubcaps&Potholes/Rachel Hair&Scottish Traditional
8.魂のゆくえ/彩愛玲
The Way of the Soul/ Sai Ailing
9.ギターブック/ル―・ハリソン
Guitar Book /Lou Harrison
・ Avalokiteshvara
・ Serenade
・ Jahla
・ Music for Bill and Me
・ Beverly's Troubadour Piece
・ Sonata in Ishtartum
・ Avalokiteshvara

~アンコール~
吉松隆:プレイアデス舞曲集IVより 静かなる雨の雅歌



休憩時間には、ステージに近寄って、舞台に置かれたハーディ氏の不思議な楽器を近くで眺めるヒトで賑わっていました^^
素焼きの壺、ウミヘビの皮が側に張られている陶製の太鼓、骨のカスタネット?小さな亀の形の金属性の銅鑼?、様々な太鼓や金属の棒などなど・・・

ちなみに、会場を彩る5枚の布のインスタレーションを手掛けたのは彩愛玲さんの兄、亮陰(Ryoan)氏だとか。

エキゾチックな癒しの音楽にたゆたう時間でした


ユジャ・ワン ピアノリサイタル@サントリーホール

2013-04-22 05:34:50 | MUSIC
このところ劇場のはしごが休日の定番と化していますが・・・^^;
五反田から六本木1丁目に・・・。

2013年4月21日(日)19:00スタートのユジャ・ワン ピアノ・リサイタル
サントリーホールの大ホールにて。

スクリャービン: ピアノ・ソナタ第2番 嬰ト短調 op.19 「幻想ソナタ」
プロコフィエフ: ピアノ・ソナタ第6番 イ長調 op.82

休憩

リーバーマン: ガーゴイル op.29
ラフマニノフ: ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 op.36(1931年改訂版)


アンコール曲

シューベルト(リスト編): 糸を紡ぐグレートヒェン

ビゼー(ホロヴィッツ編): 「カルメン」の主題による変奏曲

グルック(ズガンバーティ編):メロディ

プロコフィエフ: トッカータ

ショパン: ワルツ 嬰ハ短調 op.64-2

ロッシーニ(ホロヴィッツ編): フィガロのアリア「私は街の何でも屋」(セヴィリアの理髪師より)



(写真は梶本音楽事務所のHPからお借りした、トッパンホールのもの)

16日に水戸芸術館でスタートしたJapanTourの最終日。
スケジュールを観ると連日なんですよね・・・。さすがは1987年生まれ。若いって素晴らしい。

さてさて、アルゲリッチをして「すごい才能を発見」と言わしめたChineseLady、ユジャですが、
この日の演奏も圧巻でした。
中国系のピアニストにありがちなのですが、とにかくテクニックが素晴らしく、叩きつけるかのように強いタッチの演奏を得意とする・・・が抒情的な表現は苦手?というイメージ、でしたが、ユジャの場合は正確すぎるまでにクリアなタッチ、早弾きでも決して乱れることのない音、そしてメロディラインを明確に打ち出すコンセプトの明確さが際立っている感じ。
それに加えて、こんなのも弾けるのよ、的なアンコールでのショパンは、情緒に流されることのない端正なフレージングと余裕感溢れる強弱のアクセントで、アカデミックにまとめて。
プログラムで読むと、作曲家自身の演奏にヒントを得、余計なものをそぎ落とした本質的な演奏を心がけているご様子。

「ハリケーン・ユジャ」と呼ばれている彼女のスタイル、演奏自体は疾風怒濤の如しでとにかく圧倒されるのですが、ステージ衣装も彼女独特。
スレンダーで伸びやかに筋肉質な身体をタイトなミニドレスに包み、13cmのハイヒールエナメル黒パンプス・・・という出で立ち。
この日はプログラム前半はワンショルダーの黒のミニドレス。
休憩をはさんだ後半は朱赤のビスチェミニドレスでともに身体にピッタリしたタイトなもの。
サンフランシスコのツアー初日では「ボンドガールのような」と新聞評で紹介されたという彼女独特のステージ衣装が相まって、なかなかシャープでセンシュアルでアグレッシブかつアカデミックな演奏を堪能しました。

プロフィールに「スタンウェイ・アーティスト」とあるのですが、これはあのピアノのスタンウェイ社から
サポートを受けている、ということでしょうか。
それも納得かも。
彼女の演奏からは、ピアノという楽器の可能性を極限まで追及するとこうなるのか・・とタメ息をつかせるものがありますもの。
アンコール最後の「セヴィリアの理髪師」などはオペラの多重唱の盛り上がりを彷彿とさせる複雑なハーモニーがそのまま崩れることなくどこまでも加速していき・・・
アクセル全開だけれども、冷静なレーサーのような彼女でした。


ステファヌ・ドゥネーヴ指揮シュトゥットガルト放送交響楽団

2013-04-11 06:41:17 | MUSIC
南太平洋とはしごで(!)青年館のあとはサントリーホールへ・・・

ステファヌ・ドゥネーヴ指揮シュトゥットガルト放送交響楽団
Radio-Sinfonieorchester Stuttgart des SWR
Stephane Deneve,Chefdirigent

2013年4月10日(水) 19:00開演

曲目
ブラームス: ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77

ベルリオーズ: 幻想交響曲 op.14

<ソリスト・アンコール>
J.S.バッハ: 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番より サラバンド
(ヴァイオリン/三浦文彰)

<オーケストラ・アンコール>
ビゼー: 「アルルの女」より ファランドール
ラヴェル: 「マ・メール・ロワ」より パゴダの女王レドロネット

指揮
ステファヌ・ドゥネーヴ


出演
三浦文彰(Vn)


なんと!一列目のセンターのお席で・・・。
三浦君とコンサートミストレスを観上げる場所での観賞で、オーケストラでありながらも1人1人の音色の違いを聴き分けられるポジションでの観賞は生演奏、コンサートホールならでは、で 気分が盛り上がりました^^


歴代の常任指揮者が、べ―ム、フルトヴェングラ―、ショルティ、シノ―ポリ、クライバ―と錚々たるメンバーの名門オケを2010年から率いているのは1971年生まれの若手。
ショルティ、プレートル、小澤と巨匠のアシスタントとして研さんを積みつつ1999年のアメリカデビュー以来、国際舞台で活躍している若き巨匠。
ドイツのオケながら、今回のアジアツアーの演目も、(9日はベルリオーズ、ドビュッシー、ラヴェル)フランスもののレパートリーが充実しているのは、指揮者の母国愛?の強さゆえ?^^

ブラームスはソリストの三浦君が若さに似ず、非常に抑制をきかせつつも表情豊かな音を聴かせてくれて圧巻。
彼は御両親ともにヴァイオリニストというサラブレッドとはいえ、まだ20歳そこそこの若さ。
小柄な体で、ちょっと片足先を立てて演奏する姿は、クラシカルなナポレオンスタイルの軍服っぽい合わせのジャケットのせいか、マネの描く「笛を吹く少年」のような感じ。
オケが揃ったところに登場する足取りの軽やかさが若々しいのですが、演奏中切れた弦をちぎり捨てる落ち着いた様子は大舞台馴れした風格も。
決してひけらかしたり自分に酔いしれたりすることなく音楽に真摯に向き合う姿勢が音に込められていて今後も注目株だと思ったことでした

ベルリオーズの「幻想交響曲」はフランス派にとって弱い分野である(笑)交響曲の白眉ですが、やっぱり構成が面白すぎますよね・・・
作曲家自身のストーカー的な恋の行方をなぞったような構成になっているのですが、最終楽章の「サバトの夜の夢」はなんと「芸術家の葬儀に蝟集した魔女たちの狂乱の宴」魔女たちの哄笑や飛び交う様などが次々と描かれていく。途中にはグレゴリオ聖歌の「怒りの日」が引用され、最期のクライマックスにはそれまでの楽想がMIXされる。
とプログラムにある通りの盛り上がりで・・・。
下手するとハリウッド映画のゾンビものになってしまいかねないところをアカデミックな交響曲の最終楽章にふさわしい格を崩さずに作り上げたベルリオーズと今日の演奏に拍手を・・・!!
最期のクライマックスに参加する直前、第一第二のヴァイオリニストが目配せをしあってにやりと微笑んだのが印象的でした

その後のアンコ―ルがまた、血沸き肉踊る(笑)ファランドールで・・・。
今夜がアジア・ツアーの最終日だったのか、指揮者も大きなアクションで、NiceHall,NiceAudienceと、一列目の下手で観賞していた小学生?のご兄弟にも登場時に手を振ったりと気持ちが乗っていらしたようで良かったです。
最期のアンコールの「レドロネット」は中国風の異国情緒に溢れた、5音階での作品で実にラヴェルらしくて、フランス音楽を堪能した夕べ、となりました


ウィーンフィル・ニューイヤー・コンサート2013

2013-02-04 23:02:47 | MUSIC
というタイトルが空々しい立春
1月はついに一度もブログを更新せずに終わってしまいました・・・。
というのも、2012年、書きそびれたことをどこかでUPしなくては・・ともんもんとしている間に怒濤の年末年始に突入して、2012年の残滓が行き場を失ったため・・・

とはいえ、このままでは2013年が始まらないので^^;
例年通りのウィーンフィルから遅ればせながらのSTARTに

今更ながら、今年もよろしくお願い致します。

ウィーン楽友協会から放送。
フランツ・ウェルザー・メスト指揮、ウィーン・フィルが奏でるワルツやポルカの名演。
【スタジオゲスト】夏木マリ、池辺晋一郎【司会】中條誠子アナウンサー

劇場付き指揮者のウェルザーメストの飄々とした学者肌の雰囲気と洒脱なウィーンフィルの持ち味が響き合い、
とてもリラックスした楽しい演奏を聴かせてくれました。



演奏された曲目は、シュトラウス一族の中でも地味めな存在のヨーゼフ・シュトラウスに焦点を合わせると言う
マニアックなもの^^。
ウェルザーメストらしいなと^^


ヨーゼフ・シュトラウス:   ポルカ・シュネル「スブレット」op.109
ヨハン・シュトラウス2世:  「キス・ワルツ」op.400
ヨーゼフ・シュトラウス:   「劇場カドリーユ」op.213
ヨハン・シュトラウス2世:   ワルツ「山から」op.292
フランツ・フォン・スッペ:  オペレッタ「軽騎兵」序曲
ヨーゼフ・シュトラウス:   ワルツ「天体の音楽」op.235
ヨーゼフ・シュトラウス:   ポルカ・フランセーズ「糸を紡ぐ女」op.192


― 休 憩 ―

リヒャルト・ヴァーグナー:  オペラ「ローエングリン」第3幕への前奏曲
ヨーゼフ・ヘルメスベルガー2世: ポルカ・マズルカ「二人きりで」op.15
ヨーゼフ・シュトラウス:    ワルツ「宵の明星の軌道」op.279
ヨーゼフ・シュトラウス:   「ガロパン・ポルカ(使い走りのポルカ)」op.237
(バレエ)ウィーン国立バレエ団
ヨーゼフ・ランナー:     「シュタイアー舞曲」op.165
ヨハン・シュトラウス2世:   「メロディー・カドリーユ」op.112
ジュゼッペ・ヴェルディ:   オペラ「ドン・カルロ」第3幕からバレエ音楽
ヨハン・シュトラウス2世:   ワルツ「シトロンの花咲く国」op.364
(バレエ)ウィーン国立バレエ団

ヨハン・シュトラウス1世:  「エルンストの思い出、またはヴェネツィアの謝肉祭」op.126


― アンコール ―

ヨーゼフ・シュトラウス:    ポルカ・シュネル「おしゃべりな子供」op.245
ヨハン・シュトラウス2世:   「美しく青きドナウ」op.314
ヨハン・シュトラウス1世:  「ラデツキー行進曲」op.228

シュトラウスの他には、生誕200年を迎えるヴェルディとワーグナーから一曲ずつ。
ワーグナーのローエングリンは・・・圧巻ですね!
シュトラウスのワルツを聴いた耳でこれを聴くと、当時の人々がワーグナーの革新性に熱狂したのが実に良く理解できます^^;
VERDIも偉大な作曲家ですが、ドン・カルロよりももっとキャッチ―な演目があるでしょう!と思ってしまいました^^;
ちょっと割をくってしまいましたね。
また、スタジオで夏木マリが池辺晋一郎相手に平凡な常識人VERDIとワルイ天才肌のワーグナーという視点で先生はワーグナーですね、などとおもねる様がVERDIの天才はこんなものではないのに・・・と忸怩たる気分でいるVERDIファンの気持ちを逆なでし・・・(笑)
フォローを入れない中條アナにまで、どうして!軽く憤りを感じたりして^^;
まぁ、、それはともかく、今年のクラシック界は2人の偉大な作曲家へのオマージュ公演で盛り上がりそうですね

とても楽しかったのがウィーン国立バレエ団のバレエ。
色とりどりの衣装が夏の庭園をバックに鮮やかに映えて陽気なムードを盛り上げていた「ガロパン(ギャロップ)ポルカ」

白い衣装の貴族の男女が麗しい「シトロンの花咲く国」。
この白い貴族風の脇ロール付きの鬘をつけさせられていたのは唯一の東洋人、我らが木本全優くん。
ウィーン国立バレエ団の来日公演のときに、フォーゲル君がバレフェスで踊ったマルコ・ゲッケの「モペイ」を踊ってその美しい筋肉のついた素晴らしいプロポーションとフィギュアの本田武史くん顔負けの素朴なお顔立ちのGAPで強い印象を残した彼が抜擢されている!とコーフン。
でも、あの鬘は・・・ちょっと微妙な心持にさせられてしまいました・・・。


それにしてもORFの画像の美しさ・・・・会場の楽友協会の写し方、曲の見せ場を心得た楽団員のUP,雄大なアルプスなどオーストリアの美しい自然・四季折々の姿を格調高く見せるカメラワークと曲のシンクロ具合の職人技の素晴らしさは流石は世界に向かって開かれたヨーロッパの田舎町ウィーンならではであると感動します。

ヨーゼフシュトラウス協会のサイトでとても詳しい曲目紹介を見つけたので、
貼っておきます。



ヨーゼフ・シュトラウスのためのニューイヤーコンサート
曲 目 解 説
日本ヨハン・シュトラウス協会
若宮 由美
シュトラウス家の次男ヨーゼフ(1827-80)が、これほどニューイヤーで取りあげられたことがあるでしょうか。2013年の注目はヨーゼフです。技師であった彼は、1853年に兄ヨハン(1825-99)のピンチヒッターとして初めてシュトラウス楽団を指揮し、ワルツ〈最初で最後〉op.1を発表。音楽家になる意志のなかったヨーゼフでしたが、意に反して職業音楽家の道を歩みました。
生誕200年を迎えるのはヴァーグナー(1813-83)とヴェルディ(1813-1901)。そしてオイゲン公(1663-1736)は生誕350年。かつてのオイゲン公の城、シュロス・ホーフでバレエが踊られます。指揮者はオーストリア出身で、ウィーン国立歌劇場音楽監督のフランツ・ウェルザー=メスト。
<第一部>
■ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル〈スブレット〉op.109
Josef Strauss: Die Soubrette. Polka schnell, op.109
スブレットとは「小間使い」の意。オペレッタに登場する「ちゃっかりした小間使い」の役柄を指します。《こうもり》(1874)のアデーレがまさにスブレット。しかし、この曲は1861年8月初演で、ウィーンでオペレッタが大流行する以前に作られました。躍動感あふれるポルカは聴く者を楽しい気分にさせ、演奏会への期待を高めることでしょう。
■ヨハン・シュトラウス2世:〈キス・ワルツ〉op.400
Johann Strauss Sohn: Kuß-Walzer. op.400
1878年4月に最初の年上妻を亡くしたヨハン2世は、翌月2度目の結婚をします。再婚したヨハンは、1881年11月にオペレッタ《愉快な戦争》を初演。翌年1月の宮廷舞踏会で、オペレッタのヒット・メドレーというべき〈キス・ワルツ〉を披露します。「愛する妻アンゲリカへ」という献辞にもかからず、蜜月は続かず、25歳年下の妻はすぐに家をでます。
■ヨーゼフ・シュトラウス:〈劇場カドリーユ〉op.213
Josef Strauss: Theater-Quadrille. op.213
カドリーユは6曲の小曲から構成され、舞踏会ではダンスマスターの振付で踊られます。1867年1月初演の同曲には、ウィーンの諸劇場で評判となった劇作品のモティーフが散りばめられています。第1曲:A.ミュラー《エーゼルスハウト》、ヴェルディ《仮面舞踏会》、第2曲:スッペ《軽騎兵》、ヘルテル《フリックとフロック》、第3曲:《エーゼルスハウト》、第4曲:マイヤベーア《ディノラ》と《アフリカの女》、第5曲:J. ホップ《ドナウの乙女》、スッペ《古い箱》、第6曲:《ドナウの乙女》、オッフェンバック《青ひげ》。
■ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ〈山から〉op.292
Johann Strauss Sohn: Aus den Bergen. Walzer, op.292
高貴で優雅な響きの演奏会用ワルツ。夏に仕事で毎年訪れるロシアのパバロフスクで、1864年に作曲。デビュー20年を祝う12月の演奏会でウィーン初演されました。出版譜は音楽批評家ハンスリックに献呈。ハンスリックは10年程前にヨハン2世の管弦楽法を「ヴァーグナー的」と非難した人物ですが、ひそかなワルツ・ファンだったといいます。
■フランツ・フォン・スッペ:オペレッタ《軽騎兵》序曲
Franz von Suppé: Leichte Kavallerie. Ouvertüre
スッペ(1819-95)は、ウィーン風のオペレッタを書き始めた作曲家として知られています。
《軽騎兵》は1866年3月21日、ウィーンのカール劇場で初演。ハンガリー風音楽を用いた、最初のウィーン・オペレッタといえます。いまでは軽快な序曲のみが知られています。
■ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ〈天体の音楽〉op.235
Josef Strauss: Sphärenklänge. Walzer, op.235
1868年1月21日、ゾフィーエンザールで開催された医者の舞踏会で初演されました。タイトルが祝祭にそぐわないとみなされましたが、ヨーゼフの代表作となりました。古代ギリシア時代の音楽理論では、音楽の調和(ハルモニア)は宇宙の調和と同じと考えられていましたが、この曲を聴くと崇高な世界に導かれるようです。
■ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・フランセーズ〈糸を紡ぐ女〉op.192
Josef Strauss: Die Spinnerin. Polka française, op.192
1866年謝肉祭にフォルクスガルテンで初演。コトコト回る糸車がリズミカルに描写されています。有名な〈小さな水車〉op.57と、双璧をなすヨーゼフのポルカ・フランセーズですが、近年はあまり演奏されませんでした。シュトラウス楽団がしばしば演奏した、ヴァーグナーの〈糸紡ぎの合唱〉(《さまよえるオランダ人》)を手本にしたといわれています。
<第二部>
■リヒャルト・ヴァーグナー:オペラ《ローエングリン》第3幕への前奏曲
Richard Wagner: Lohengrin. Vorspiel zum 3. Aufzug
同オペラは1850年8月28日にワイマール宮廷歌劇場で初演されました。指揮はフランツ・リスト。夢想家のバイエルン国王ルートヴィヒに好まれました。ウィーン初演は58年8月。第3幕の前奏曲は壮麗な音楽で、オペラでは有名な〈婚礼の合唱〉へと続きます。
■ヨーゼフ・ヘルメスベルガー2世:ポルカ・マズルカ〈二人きりで〉op.15
Josef Hellmesberger: Unter vier Augen. Polka mazur, op.15
マーラーの後任としてウィーンフィルの指揮者(1901~03)を務めたヘルメスベルガー(1855-1907)は、20歳で父の四重奏団に加わり、1878年ウィーン宮廷歌劇場管弦楽団のヴァイオリン奏者になります。同曲は77年頃の若い時代の作品。ポルカ・マズルカは、3拍子のマズルカにポルカのステップを組み合わせたダンスです。
■ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ〈宵の明星の軌道〉op.279
Josef Strauss: Hesperus-Bahnen. Walzer, op.279
ヨーゼフ最後の傑作。1870年4月にウィーン芸術家協会「ヘスペルス」の舞踏会で初演。ヘスペルスは「宵の明星」の意。同舞踏会は、1月に開場したばかりのウィーン楽友協会黄金ホールで開かれる予定でしたが、火事で数ヶ月延期されました。4月に優雅で遠大なワルツは大喝采を得ました。それから3ヶ月後、ヨーゼフは事故が原因で世を去ります。
■ヨーゼフ・シュトラウス:〈ガロパン・ポルカ(使い走りのポルカ)〉op.237
Josef Strauss: Galoppin. Pokla (schnell), op.237
多くのウィーンっ子が、証券取引所に興味を示す時代がありました。その頃、取引所に通信技術がまだなかったため、伝令役として「ガロパン」と呼ばれる「使い走り」が大活躍しました。この曲の初演は1868年。すでにガロパンは過去の風物詩でしたが、彼らが忙しく動きまわる姿がポルカ・シュネルで表現されました。
■ヨーゼフ・ランナー:〈シュタイアー舞曲〉op.165
Joseph Lanner: Steyrische Tänze. op.165
ピアノを習ったことのある人にとって、「シュタイター舞曲」は、ブルクミュラーの練習曲で馴染みがあると思います。この舞曲は3拍子の民俗舞踊で、ワルツの祖である「レントラー」の一種。農民によって踊られました。ランナーはヨハン・シュトラウス1世とともにワルツ隆盛時代を牽引した作曲家。同曲はディヴェルティスマン《芸術の力》(1841年1月ケルトナートーア劇場初演)の1曲。3人のダンサーによって舞台上で踊られました。
■ヨハン・シュトラウス2世:〈メロディー・カドリーユ〉op.112
Johann Strauss Sohn: Melodien-Quadrille. op.112
ウィーンではヴァーグナー以上に叩かれたヴェルディが、《リゴレット》(1852年5月12日ウィーン初演)でようやく賞賛を得ます。批評家はこの時もヴェルディを酷評しますが、皇帝フランツ・ヨーゼフとヨハン・シュトラウスはこのイタリア人作曲家を支持しました。同カドリーユには《リゴレット》(第1, 4曲)だけでなく、不評だった以前の作品、《エルナーニ》(第3, 4, 6曲)と《マクベス》(第2, 3, 5, 6曲)のメロディーも引用されています。
■ジュゼッペ・ヴェルディ:オペラ《ドン・カルロ》第3幕からバレエ音楽
Giuseppe Verdi: Ballettmusik aus dem 3. Akt von “Don Carlo”.
パリ・オペラ座からの依頼作《ドン・カルロ》は、パリ万博の1867年に初演されました。こんにちではイタリア語上演が多いのですが、2004年ウィーン国立歌劇場がコンヴィチュニーの演出でフランス語版を復活上演。それ以来、同劇場では仏語版と伊語版の両方が上演されています。バレエ音楽はグランド・オペラの形式を踏襲する仏語版で演奏されます。
■ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ〈シトロンの花咲く国〉op.364
Johann Strauss Sohn: Wo die Citronen blüh’n. Walzer, op.364
1874年《こうもり》で大成功を収めたヨハン2世は、翌5月にJ.ランゲンバッハ楽団とイタリア演奏旅行に出かけます。同曲はこの旅行用に作曲されました。タイトルは、ゲーテによる『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』の有名な「ミニョン」の詩に由来します。
■ヨハン・シュトラウス1世:〈エルンストの思い出、またはヴェネツィアの謝肉祭〉op.126
Johann Strauss Vater: Erinnerungen an Ernst oder Der Carneval in Venedig. op.126
ヴァイオリンの名手、エルンスト作曲の〈ヴェネツィアの謝肉祭〉op.18に基づく変奏曲。原曲がすでに民謡〈私のママ〉による変奏曲であり、1世の曲も変奏曲のスタイルで書かれています。楽器紹介さながらに、さまざまな楽器が入れ替わりでテーマを奏します。
■ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル〈おしゃべりな子供〉op.245
Josef Strauss: Plappermäulchen. Polka schnell, op.245
1868年4月初演。「音楽の冗談」という副題が付けられています。同じ副題が与えられた兄の作品〈常動曲〉op.257と同様、この曲には終止がなく、際限なく演奏が繰り返される「常動曲」のスタイルで書かれています。タイトルは10歳になるヨーゼフの一人娘カロリーネを暗示しています。ウィーンフィルの演奏によって有名になりました。
* ヨハン・シュトラウス2世の作品タイトルについては、日本ヨハン・シュトラウス協会『ヨハン・シュトラウス2世作品目録』(2006)に従っています。