パリ・オペラ座の「ジゼル」、全4配役での東京公演、シアラヴォラのジゼルとペッシュのアルブレヒトペアも、エトワールに昇進したばかりの彼女、というのと、繊細かつ妖艶な彼女の2幕でのウィリ姿は似合うだろうなぁという期待とでちょっと心惹かれたのですが今回は怪我で?降板。
代わりにムッサンが大人っぽくも繊細な、いいジゼルを見せてくれたそうですね
あと、評判が高かったのはドロテ・ジルベールとマチアス・エイマンの若手ペア。
マチアスのインタビューで、役作りのときにメートルのローラン・イレールが、自分のときはプレイボーイのアルブレヒトで貴族のお遊び・・的な感覚で役を捉えたけれども、それは若いマチアスには似合わない・・と純愛・熱愛編に変更したそう。
それが自分にはとても良かった、的なことを語っているのを見て、きっと今の彼らならではの若々しい舞台をみせてくれたのだろうな・・と想像したのですが。
第1幕ではきっとナチュラルな若い二人の恋模様を無理なく見せてくれるのだろうと予想できましたが、評価が高かったのは寧ろ第2幕。
ポアントの音をさせずにすっかりウィリになりきったドロテ、アントルシャ・シスで高く力強いジャンプに渾身の力を投入したマチアス・・・
かなり印象に残る舞台だったようで、体力・精神力的に無理!な状況下ではありましたが、観られれば良かったなぁ・・と思ったことでした
さて、本題に
ニコラのアルブレヒトには、登場時から陽性のオーラが
どんなにジゼルが可愛いか、従僕ウィルフリードの肩を抱えて親しげに語る姿、腰の剣を指摘されて「ホントだ、うかつだったよ!」と明るく腕を振り上げるしぐさも、屈託のない若者そのもの。
花占いの花弁を数えて(一本でした)がっかりしたジゼルの背後で数枚むしりとってほら、大丈夫だよ!と見せるのも(どう見てもちゃんと数えていないみたいですけど~)如何にもおおらかな育ちの良さが感じられます。
対するオレリーは、どこから見ても目の覚めるような美少女。
背後にすっと立つアルブレヒトも、ジョゼのときのように、驚いて恥じらうジゼルの姿を眺めて楽しむ・・・というよりは、ちょっとふざけてからかったけれどもすぐに彼女に夢中に、という感じ。
あまりの美しさに思わず天に誓いをたてようとする彼の直情系の行動も、こんなジゼルならやむなし、です。
クールランド大公がジゼルの家を訪れた際、膝まづく彼女の顎に人差し指をかけて改めて顔を見るのも、美しい娘だ・・(か、アニエスの解釈に従って、落とし胤だとすると、こんなに成長して・・かもしれませんが)と改めてそのかんばせを眺めたくなるお気持ちお察しいたします、と声をかけたくなりました。
その常人とかけ離れた美貌のわりに、友人である村娘たちとは気さくにお喋りを楽しむ、元気なジゼル。
バチルド姫との恋バナにも目を輝かせて反応し、いただいたネックレスは友人たちにも「見て見て、素敵でしょう,..」とご披露。
自慢の恋人もいて、今、ジゼルは幸せいっぱい・・・
それだけに、アルブレヒトの裏切りが判明した瞬間の彼女の慟哭にドラマが生まれます。

こんなもの!と引きちぎるように投げ捨てるネックレス。
これはアルブレヒトへの怒り?楽しかったほんの数時間前の彼とのひと時・・・記憶をなぞりながら、心の錯乱が深まっていきますが、全体的にオレリーも激しくその動揺を表に現しはしません。
母に、ヒラリオンに、アルブレヒトに・・・その苦しみからの助けを求めて向うも、救いはない、とわかっている苦しみ。
大きく見開いた瞳にその苦しさを滲ませながら息絶えます。
ヒラリオンに問い詰められて怒りを見せるも、ジゼルに対して明確に否定できない。。その段階から、ジゼルに対して目を合わせられなくなったニコラ=アルブレヒト。
心ならずも貴族の狩りの集団に挨拶し、バチルド姫の手をとりその指先に唇を寄せる、凍りついたジゼルの視線を感じながらも流麗に必要なことをする彼は、事の重大さを受け止めることを敢えて回避しているよう。
それが、ジゼルの息が止まったことに気がついてからは、突然、心にスイッチが入って本来の自分が動きだしたように周囲を見渡す彼。どうしたらいいんだ、ヒラリオンのせいだ!いや、お前こそが元凶だろう!そんな、皆、どう思う!
目を合わせず、うつむくばかりの村人にすがらんばかりのアルブレヒトをすばやく忠臣ウィルフリードがマントを着せかけてその場を去らせます。
代わりにムッサンが大人っぽくも繊細な、いいジゼルを見せてくれたそうですね

あと、評判が高かったのはドロテ・ジルベールとマチアス・エイマンの若手ペア。
マチアスのインタビューで、役作りのときにメートルのローラン・イレールが、自分のときはプレイボーイのアルブレヒトで貴族のお遊び・・的な感覚で役を捉えたけれども、それは若いマチアスには似合わない・・と純愛・熱愛編に変更したそう。
それが自分にはとても良かった、的なことを語っているのを見て、きっと今の彼らならではの若々しい舞台をみせてくれたのだろうな・・と想像したのですが。
第1幕ではきっとナチュラルな若い二人の恋模様を無理なく見せてくれるのだろうと予想できましたが、評価が高かったのは寧ろ第2幕。
ポアントの音をさせずにすっかりウィリになりきったドロテ、アントルシャ・シスで高く力強いジャンプに渾身の力を投入したマチアス・・・
かなり印象に残る舞台だったようで、体力・精神力的に無理!な状況下ではありましたが、観られれば良かったなぁ・・と思ったことでした

さて、本題に

ニコラのアルブレヒトには、登場時から陽性のオーラが

どんなにジゼルが可愛いか、従僕ウィルフリードの肩を抱えて親しげに語る姿、腰の剣を指摘されて「ホントだ、うかつだったよ!」と明るく腕を振り上げるしぐさも、屈託のない若者そのもの。
花占いの花弁を数えて(一本でした)がっかりしたジゼルの背後で数枚むしりとってほら、大丈夫だよ!と見せるのも(どう見てもちゃんと数えていないみたいですけど~)如何にもおおらかな育ちの良さが感じられます。
対するオレリーは、どこから見ても目の覚めるような美少女。
背後にすっと立つアルブレヒトも、ジョゼのときのように、驚いて恥じらうジゼルの姿を眺めて楽しむ・・・というよりは、ちょっとふざけてからかったけれどもすぐに彼女に夢中に、という感じ。
あまりの美しさに思わず天に誓いをたてようとする彼の直情系の行動も、こんなジゼルならやむなし、です。
クールランド大公がジゼルの家を訪れた際、膝まづく彼女の顎に人差し指をかけて改めて顔を見るのも、美しい娘だ・・(か、アニエスの解釈に従って、落とし胤だとすると、こんなに成長して・・かもしれませんが)と改めてそのかんばせを眺めたくなるお気持ちお察しいたします、と声をかけたくなりました。
その常人とかけ離れた美貌のわりに、友人である村娘たちとは気さくにお喋りを楽しむ、元気なジゼル。
バチルド姫との恋バナにも目を輝かせて反応し、いただいたネックレスは友人たちにも「見て見て、素敵でしょう,..」とご披露。
自慢の恋人もいて、今、ジゼルは幸せいっぱい・・・
それだけに、アルブレヒトの裏切りが判明した瞬間の彼女の慟哭にドラマが生まれます。

こんなもの!と引きちぎるように投げ捨てるネックレス。
これはアルブレヒトへの怒り?楽しかったほんの数時間前の彼とのひと時・・・記憶をなぞりながら、心の錯乱が深まっていきますが、全体的にオレリーも激しくその動揺を表に現しはしません。
母に、ヒラリオンに、アルブレヒトに・・・その苦しみからの助けを求めて向うも、救いはない、とわかっている苦しみ。
大きく見開いた瞳にその苦しさを滲ませながら息絶えます。
ヒラリオンに問い詰められて怒りを見せるも、ジゼルに対して明確に否定できない。。その段階から、ジゼルに対して目を合わせられなくなったニコラ=アルブレヒト。
心ならずも貴族の狩りの集団に挨拶し、バチルド姫の手をとりその指先に唇を寄せる、凍りついたジゼルの視線を感じながらも流麗に必要なことをする彼は、事の重大さを受け止めることを敢えて回避しているよう。
それが、ジゼルの息が止まったことに気がついてからは、突然、心にスイッチが入って本来の自分が動きだしたように周囲を見渡す彼。どうしたらいいんだ、ヒラリオンのせいだ!いや、お前こそが元凶だろう!そんな、皆、どう思う!
目を合わせず、うつむくばかりの村人にすがらんばかりのアルブレヒトをすばやく忠臣ウィルフリードがマントを着せかけてその場を去らせます。