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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

星組「メイちゃんの執事」千秋楽

2011-02-22 06:22:09 | TAKARAZUKA
2月21日(月)日本青年館にて、12時からの、バウ・ミュージカル「メイちゃんの執事」を観て参りました。



星組の4?番手、今度2番手の凰稀かなめさんが宙組に移動することで、次回作からはトリプル2番手?の一角を担うことになる、紅ゆずるさんの初東上主演作。
紅くんファンの友人のお母様にお声をかけていただき、完売のHIT作の千秋楽を下手ブロック、前から2列目の好位置で観ることが出来ました。

原作が少女漫画、イケ面俳優sでドラマ化もされているので、知名度の高い作品。
内容も究極のお嬢様学校の個性豊かなお嬢様たちとそれぞれに仕えるイケ面執事たちが織りなす愛憎、という気楽に楽しめそうなお話で、ヴィジュアル担当の若手と、しっかりと芝居の出来る中堅どころが上手く配役されて、華やかで楽しい舞台でした。

詳しい感想は今夜・・・
続きです^^

原作の漫画は13巻まで出ていますが、(全て事前に友人から借りて予習済^^),舞台では7巻までの、ルチアさまとの学校内でのお話が中心。
ネタばれありで、御紹介すると、四国に住むうどんやの娘、東雲メイ(音羽みのり)が主人公。幼馴染の柴田剣人(美弥るりか)に密かに思われているが、突然両親を交通事故で亡くし、それまで関係を伏せられていた昭和の怪物の異名を持つ、政財界の大物である本郷家の祖父(汝鳥れい)に呼び寄せられ、剣人の兄、S級ランクの執事、柴田理人(紅ゆずる)をつけて、全寮制の究極のお嬢様学校 聖・ルチア学園に転校させられる。

そこで待つのは、個性豊かなクラスメートと、それぞれの執事たち。
学校にはデュエロという、お互いの名誉と執事を賭けてお嬢の代理で彼らを戦わせる風習があり、古代ローマのコロッセオの見せ物のように、お嬢様たち、そして学園長であるシスター・ローズ(美穂圭子)はドレスアップしてそれを楽しむ。

3回のデュエロ(=フェンシング)と、メイちゃんと理人の間に芽生える恋心、そしてメイちゃん登場前に、本郷家の後継ぎとして理人がついていた養子である詩織様(白華れみ)が、理人を奪い返そうとする企み、の3つがメインテーマ。
そこに、メイちゃんを守ろうとする剣人が隣接する執事学校に入ったり、学園の女王=ルチア様として君臨する詩織の新しい執事である忍(真風涼帆)が、イアーゴの如く暗躍する・・といったサイドストーリーが。

普段、大きな役がつくことの少ない星組の若手がそれぞれ、キャラのたったイケメン執事として、お嬢様として活躍する様を観ているだけでも楽しいです。
目に着くし、話題にもなっているのが、やさぐれた大人の執事、根津ちんこと、漣レイラくん。どうやってつけているのか無精ひげにゆるめたネクタイからダダもれる色気であの人は誰?状態に(笑)
まだ研3?の若手であの存在感は素晴らしい。お色気キャラの不二子ちゃん(紫月音寧)付きです。
武闘派、活発なお嬢様タミちゃん(妃海風)付きのメガネに後ろでひとつにまとめた金髪のロングヘアーがクール、マンガのキャラそのもの、の神埼(汐月しゅう)。しゅうくんは星組のロミジュリのモンタギューチーム群舞でも同じ髪型で気になるダンサーでしたが、ここでもクールなキャラとキレのよい動きで目立っていました。

「愛と青春の旅立ち」新人公演主役だった芹香斗亜さんは最初のデュエロの相手、フェンシング世界ジュニアチャンピオンの青山。上品な顔立ちとスタイルの良さで、音花ゆりちゃんのツンデレ美人お嬢、リカとは良いカップル。
優等生竜恩寺泉(夏樹れい)には和みキャラの木場(如月蓮)が。夏樹さんは実は男役。ハッキリした顔の美人さんなのではまってはいましたが、肩のしっかり加減がやはり男役^^;。低めでキレイに響く声音が高潔な泉の役に合っていました。
蓮くんは普段は小芝居上手で目立つ人なのですが、一段小柄で埋もれてましたね・・・
根津ちんとともに、倒れた人を運び出す、救護班担当でした(笑)
他にも、天才少女みるくちゃん(紫りら)付きの大門をロミジュリでは女性として、「愛」の精を踊っていた礼真琴くんが。
マンガでは元自衛官の大男設定の大門。礼くんはどちらかというと男役としては大きくはないのですが、ひょいと飛びあがるみるくちゃんを抱えてはそのまま歩いて掃ける・・というシーンが多く、実は力持ち?執事たちの歌い継ぎの場面で流石下級生・・ダメダメな人が多かった中、ワンフレーズでも上手いと思わせたのが礼くんでした。
星の大きな男役たちの中では見失うことが多いのですが、実力のある人のようなので、これからも注目していたいです。

センターで、理人さんが青山とのデュエロ中、下手脇でこっそり剣人が女装してルチア学園の生徒に交じって観戦しているのを大門が観染め、後日、舞踏会で、執事がお嬢のダンスパートナーを務めるので、給仕など本来の執事の仕事を執事学校の生徒がヘルプで来るところで、実は男だと知った大門が倒れる小芝居などが楽しい~
ホントに瞬間瞬間の動きと表情の変化でお話がちゃんとわかるところ、的確な演技力で、ブラボーです。
紅くんにそれほど思い入れがないので(ゴメンナサイ・・・^^;言いきっちゃいました!)色々とチェックしていると面白い舞台です。

影の主役が二人。

まず、ルチア様。白華れみちゃん・・・。
ひとりがっつりと芝居していました。昔の大映ドラマもかくや。。。と思わせる、女王さまっぷり&すさまじい狂気と精神の崩壊を美しく見せて。ドロドロの情念とバラに囲まれた寝台で理人を縛り付けるという荒唐無稽の場面をそれなりに見せてしまう力技・・・。
これが「リラ壁」で星デビュー、凰稀かなめさん相手に薄幸のヒロインを演じていた人かと思うと・・
いえ、「ロミジュリ」での豪快な乳母、「愛旅」での上昇志向の強い婚活娘と作品ごとに、全く違う顔を驚くほどの完成度で見せてくれる真の女優、これからもれみちゃんがいてくれれば星は安泰かと

暗躍する白い影、忍様、を真風くんが。
雪組のロミジュリを観て、星の「死」を踊った真風くんの存在感がいかに際立っていたかを痛感。
宝塚全体で観て、彼女のスタークォリティは、やはり抜擢されるだけのことはあるのではないか、と自分の中での評価が急激に高まっていたときに、ソロの歌がヒドイ・・・と散々聞かされ、そしてこの日。
・・・いや、それほどひどくないのでは?
歌詞も聞き取れましたよ、前半は(笑)
バウ初日、青年館10公演を見届けた叔母様に言わせると、やはり、徐々に公演中、本人比で上達しているらしい、デス
次回作では「ノバ・ボサ・ノバ」まさかの2番手役変わりでどう化けるか楽しみですね

そして、実はわたくしが凰稀さんの次に愛でている、みやるりちゃん。
彼女の大きな瞳、金髪キラキラの剣人くんが最高でした。
いや、マンガそのままなんですけど、兄に対抗してきゃんきゃん吠える豆柴っぷりがハマること。
そして、意外に意地をみせる男前なところやメイちゃんを思いやるところ、芝居が上手くて低音の声が良く、学ラン、女生徒、執事服、全てが良くお似合いで、眼福でした。
花も実もある役者さんなのに小柄さんゆえ、高身長の男役が多い星組ではどうしても路線に乗りづらいのでは、と心配しています。
雪や月なら普通なのに~。星で観ていたい人材ではありますが組替えもありかも?

最後に主役の二人。

まず、音波みのりちゃん。
彼女も「リラ壁」のマリー役で注目していた人ですが、小柄ながら、立体的なスタイル、愛らしい顔立ち、きれいに響くメゾソプラノの芝居声が目に耳に心地よい娘役さん。
コスプレ的な今回の衣装の数々もCUTEにこなし、どこか落ち着いた雰囲気で、アニメちっくなお話に落とさず、きちんと少女の恋物語としてお話を成立させていたのは、彼女の功積かと

そして紅ゆずるさん。
スラリとしたスタイル、ほっそりとした長い指をひらひらさせての大きな芝居はやはり華がありますね。
東も西も大入りで迎えた千秋楽、すっかり自信がついたのが良くわかります。
優しく大人っぽくメイちゃんを包む演技も板についていますが、忍とのデュエロで、心理戦に負けて、自ら崩壊していく演技が、”いつもの死に際の紅ゆずる”パターンをそのまま踏襲しているのが気になりました。
もう、ご本人の中で出来上がってしまっているのかもしれませんが、顔をゆがめたときの表情とか、どう見せるのかをもっと掘り下げていっても良いのかも?
でも、苦手とされていたらしいお歌のほうも、安定していて、ブレスが目立つのがちょっと気になった以外は良かったと思います。
これからの2番手ポジで、どこまで伸びるか楽しみですね

4回のカーテンコールの中では、「皆さまの健康とお幸せをわたくしの命に代えてお守りします」がGOODでした