すっかり一月も前のお話になってしまいましたが^^;
記録に残しておきたいので、9月のバイエルン歌劇場日本公演について・・・。
「ロベルト・デグリュー」「ナクソス島のアリアドネ」と「ローエングリン」の3本を持っての来日公演。
この中では、グルヴェロ―ヴァの鉄壁のソプラノを堪能できる「ロベルト・デグリュー」にも少し惹かれたのですが、今までキャスティングが難しそうだなぁ・・・と観賞を控えていた「ローエングリン」にヨナス・カウフマンが!しかもオルトルートにワルトラウト・マイヤー様が!という時点で決めておりました
しかし・・・震災後の日本に全く来る気がないのかどうなのか、カウフマン、METに続いてバイエルンもCANCEL・・・。
いえ、もちろん、手術の必要があるため、という理由により、「残念ながら」のスタンスではありますが。
今回の来日公演も、スター歌手、合唱団、オーケストラに至るまでかなりの参加拒否があったとか・・・;;
舞台裏は相当大変なことになっていた模様ですが、「ローエングリン」に関しては、カウフマンの代わりになんとヨハン・ボータという実力では凌駕している名歌手が参加してくれました。
「ローエングリン」といえばワーグナーに貢いで現実逃避、白鳥城で有名なノイシュバンシュタイン城の城主、バイエルン公ルートヴィヒ2世を思い起こさずにはいられませんが・・・。
ヴィスコンティの映画「ルートヴィヒ」でのヘルムート・バ―ガ―の名演、エリザベート役のロミ―・シュナイダ―の美しさを思い起こすまでもなく、この耽美な物語と音楽にハマったルートヴィヒがお城の中に池を作り、白鳥のボートを浮かべて乱痴気騒ぎを・・・というあの場面、それはこういうイメージから来るのですよね。
弟殺しの裁判にかけられた、親を亡くした公爵令嬢エルザ・フォン・ブラバント。
告発したのは、賢い野心家の妻、オルトルートにけしかけられたテルラムント伯爵は、亡き公爵に娘に求婚する権利を与えられたにも関わらず、エルザの拒否にあったという恨みもあるとはいえ、勇猛な武人。
夢遊病者のような頼りないエルザは圧倒的に不利な立場に追い込まれています。
彼女を救うものはいないのか。
裁判をつかさどるのはハインリッヒ王。
そこに湖の彼方から白鳥の曳く小舟に乗って現れたのは美しい騎士。
彼の魅力に取りつかれた一同は、彼が擁護するエルザを即座に許し、彼の妻になるというエルザともども、ブラバントの新しき王として歓迎します。
当初の問題は何も解決していないのに、この憂いに満ちた高貴な騎士に疑いを持つのはオルトルートのみ。
名前と身分についての質問を封じることを謎の騎士から命じられた新妻エルザに、オテロのイア―ゴの如くとりいって、ついに禁断の問いを口にさせてしまいます。
初夜を前に、結婚の契約は破綻。
騎士は、皆を集めて、自らを聖杯の騎士と名乗り、もとの聖なる国に帰りニ度と戻らないと宣言。
白鳥が騎士を迎えに来て、行方不明の弟が姿を現します。
魔術を使えるオルトルートが弟を白鳥に変えていたのでした。。。。
なんとも不思議な味わいのこの作品。
白鳥の騎士に皆が魅入られてしまう・・・というこの場面を納得のいくものにするためには
美しい音楽はもとより、説得力のあるVISUALが必要では・・・と常々思っていたわたくしが、これだと膝を打ったのがカウフマンの騎士ローエングリンだったのですが。
ヨハン・ボータですと・・
こうなりますから^^;
あ、いえ、声と表現力はもう、超一流のヘルデンテノールで、ワーグナーものにピッタリですので、
何の問題もないのですが^^;
でも、出来れば「白鳥の力士」ではなく「白鳥の騎士」を見て観たかったデス・・・
2011年9月29日(木)16:00開演(会場:NHKホール)
リヒャルト・ワーグナー作曲
「ローエングリン」 全3幕
Richard Wagner
LOHENGRIN
Oper in drei Akten
指揮:ケント・ナガノ
Musikalische Leitung Kent Nagano
演出:リチャード・ジョーンズ
Inszenierung Richard Jones
美術・衣裳 :ウルツ
Bühne und Kostüme Ultz
照明:ミミ・ジョーダン・シェリン
Licht Mimi Jordan Sherin
合唱指揮:ゼーレン・エックホフ
Chöre Sören Eckhoff
ハインリッヒ王:クリスティン・ジークムントソン
Heinrich der Vogler Kristinn Sigmundsson
ローエングリン:ヨハン・ボータ
Lohengrin Johan Botha
エルザ・フォン・ブラバント:エミリー・マギー
Elsa von Brabant Emily Magee
フリードリヒ・フォン・テルラムント伯爵:エフゲニー・ニキーチン
Friedrich von Telramund Evgeny Nikitin
オルトルート:ワルトラウト・マイヤー
Ortrud Waltraud Meier
王の伝令:マーティン・ガントナー
Heerrufer des Königs Martin Gantner
ブラバントの貴族:
フランチェスコ・ペトロッツィ、ケネス・ロバーソン、ペーター・マザラン、タレク・ナズミ
Brabantische Edle Francesco Petrozzi, Kenneth Roberson, Peter Mazalán, Tareq Nazmi
4人の小姓:バイエルン国立歌劇場合唱団ソリスト
4 Edelknaben Solistinnen des Chores der Bayerischen Staatsoper
バイエルン国立管弦楽団/バイエルン国立歌劇場合唱団
Bayerisches Staatsorchester/Chor der Bayerischen Staatsoper
◆上演時間◆
第1幕 Act 1 16:00 - 17:05(休憩 35分)
第2幕 Act 2 17:40 - 19:00(休憩 35分)
第3幕 Act 3 19:35 - 20:40
記録に残しておきたいので、9月のバイエルン歌劇場日本公演について・・・。
「ロベルト・デグリュー」「ナクソス島のアリアドネ」と「ローエングリン」の3本を持っての来日公演。
この中では、グルヴェロ―ヴァの鉄壁のソプラノを堪能できる「ロベルト・デグリュー」にも少し惹かれたのですが、今までキャスティングが難しそうだなぁ・・・と観賞を控えていた「ローエングリン」にヨナス・カウフマンが!しかもオルトルートにワルトラウト・マイヤー様が!という時点で決めておりました
しかし・・・震災後の日本に全く来る気がないのかどうなのか、カウフマン、METに続いてバイエルンもCANCEL・・・。
いえ、もちろん、手術の必要があるため、という理由により、「残念ながら」のスタンスではありますが。
今回の来日公演も、スター歌手、合唱団、オーケストラに至るまでかなりの参加拒否があったとか・・・;;
舞台裏は相当大変なことになっていた模様ですが、「ローエングリン」に関しては、カウフマンの代わりになんとヨハン・ボータという実力では凌駕している名歌手が参加してくれました。
「ローエングリン」といえばワーグナーに貢いで現実逃避、白鳥城で有名なノイシュバンシュタイン城の城主、バイエルン公ルートヴィヒ2世を思い起こさずにはいられませんが・・・。
ヴィスコンティの映画「ルートヴィヒ」でのヘルムート・バ―ガ―の名演、エリザベート役のロミ―・シュナイダ―の美しさを思い起こすまでもなく、この耽美な物語と音楽にハマったルートヴィヒがお城の中に池を作り、白鳥のボートを浮かべて乱痴気騒ぎを・・・というあの場面、それはこういうイメージから来るのですよね。
弟殺しの裁判にかけられた、親を亡くした公爵令嬢エルザ・フォン・ブラバント。
告発したのは、賢い野心家の妻、オルトルートにけしかけられたテルラムント伯爵は、亡き公爵に娘に求婚する権利を与えられたにも関わらず、エルザの拒否にあったという恨みもあるとはいえ、勇猛な武人。
夢遊病者のような頼りないエルザは圧倒的に不利な立場に追い込まれています。
彼女を救うものはいないのか。
裁判をつかさどるのはハインリッヒ王。
そこに湖の彼方から白鳥の曳く小舟に乗って現れたのは美しい騎士。
彼の魅力に取りつかれた一同は、彼が擁護するエルザを即座に許し、彼の妻になるというエルザともども、ブラバントの新しき王として歓迎します。
当初の問題は何も解決していないのに、この憂いに満ちた高貴な騎士に疑いを持つのはオルトルートのみ。
名前と身分についての質問を封じることを謎の騎士から命じられた新妻エルザに、オテロのイア―ゴの如くとりいって、ついに禁断の問いを口にさせてしまいます。
初夜を前に、結婚の契約は破綻。
騎士は、皆を集めて、自らを聖杯の騎士と名乗り、もとの聖なる国に帰りニ度と戻らないと宣言。
白鳥が騎士を迎えに来て、行方不明の弟が姿を現します。
魔術を使えるオルトルートが弟を白鳥に変えていたのでした。。。。
なんとも不思議な味わいのこの作品。
白鳥の騎士に皆が魅入られてしまう・・・というこの場面を納得のいくものにするためには
美しい音楽はもとより、説得力のあるVISUALが必要では・・・と常々思っていたわたくしが、これだと膝を打ったのがカウフマンの騎士ローエングリンだったのですが。
ヨハン・ボータですと・・
こうなりますから^^;
あ、いえ、声と表現力はもう、超一流のヘルデンテノールで、ワーグナーものにピッタリですので、
何の問題もないのですが^^;
でも、出来れば「白鳥の力士」ではなく「白鳥の騎士」を見て観たかったデス・・・
2011年9月29日(木)16:00開演(会場:NHKホール)
リヒャルト・ワーグナー作曲
「ローエングリン」 全3幕
Richard Wagner
LOHENGRIN
Oper in drei Akten
指揮:ケント・ナガノ
Musikalische Leitung Kent Nagano
演出:リチャード・ジョーンズ
Inszenierung Richard Jones
美術・衣裳 :ウルツ
Bühne und Kostüme Ultz
照明:ミミ・ジョーダン・シェリン
Licht Mimi Jordan Sherin
合唱指揮:ゼーレン・エックホフ
Chöre Sören Eckhoff
ハインリッヒ王:クリスティン・ジークムントソン
Heinrich der Vogler Kristinn Sigmundsson
ローエングリン:ヨハン・ボータ
Lohengrin Johan Botha
エルザ・フォン・ブラバント:エミリー・マギー
Elsa von Brabant Emily Magee
フリードリヒ・フォン・テルラムント伯爵:エフゲニー・ニキーチン
Friedrich von Telramund Evgeny Nikitin
オルトルート:ワルトラウト・マイヤー
Ortrud Waltraud Meier
王の伝令:マーティン・ガントナー
Heerrufer des Königs Martin Gantner
ブラバントの貴族:
フランチェスコ・ペトロッツィ、ケネス・ロバーソン、ペーター・マザラン、タレク・ナズミ
Brabantische Edle Francesco Petrozzi, Kenneth Roberson, Peter Mazalán, Tareq Nazmi
4人の小姓:バイエルン国立歌劇場合唱団ソリスト
4 Edelknaben Solistinnen des Chores der Bayerischen Staatsoper
バイエルン国立管弦楽団/バイエルン国立歌劇場合唱団
Bayerisches Staatsorchester/Chor der Bayerischen Staatsoper
◆上演時間◆
第1幕 Act 1 16:00 - 17:05(休憩 35分)
第2幕 Act 2 17:40 - 19:00(休憩 35分)
第3幕 Act 3 19:35 - 20:40