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宝塚月組東京公演「ファンタスティック・エナジー」 前楽

2013-10-08 06:10:00 | TAKARAZUKA
2013年10月6日11:00~
東京宝塚劇場にて。

男役の色気満載、月組の名物組長の越乃リュウさんの退団公演ですね。

グランド・レビュー
『Fantastic Energy!』
作・演出/中村 一徳



[解 説]
 「躍動」をテーマに、幻想的かつエネルギッシュなシーンを散りばめ、龍真咲率いる若さ漲る月組のフレッシュな魅力を歌、そしてダンスで綴るダンシング・ショー。

実は、このショー、4回観ています。「ルパン」は3回なのに・・・^^;
初日、チケットがまだある、と解った時点で、時間的に「ルパン」はムリだけれどショーだけなら観られる・・・とわかったので、駆けつけで。
2階席から観た群舞が華やかでエネルギッシュで驚いたのに加え、ちょっと独特の衣装センスが好みに合わないなぁ・・とも。贔屓のみやるりちゃん(美弥るりか)の出番が多いことを確認して、「これは通える」と確信。

リピートするうち、衣装デザインの好みに合わなさはだんだんと気にならなくなり、この賑やかでハイテンポ、熱量の高さを保ちつつ、歌える人が歌いまくり、常に総踊り!のこのショーが、だんだんと愛おしくなってきました。

極めつけはMy楽の前楽で、1列目美弥席(銀橋にスターが並ぶ場面で、もれなくみやるりちゃんが目の前にそそり立つ!)という幸運に恵まれたこと。(友会ありがとう

オープニングからマルチカラーの衣装で勢ぞろい!
TOP2人は白黒ですが、いかにもショー、という感じの派手やかさ加減。
中村先生のショーはベタにタカラヅカで、変り映えしないといえばしないのですが、常にある熱量を持って、ハイテンションの楽しさを届けてくれる良さはあります。

この幕開きからTOP娘役ちゃぴ(愛希れいか)がパンツ姿で登場して!
こういう演出が似合うのは長身でスタイルの良い娘役に限りますが、もと男役から転向した彼女にはピッタリ。
お芝居ではしとやかにふるまっていた彼女ですが、もともとの快活で爽やかな持ち味とダンス力がこのショーでは発揮されて、カッコいいことこの上なし。

ショー全体を通して、ちゃぴちゃんのスター力がここ数作でグンと上がってきたのを実感しました。
センターで踊れて、TOP男役を立てて幸せなカップル感を醸し出すこともできて、他のどのスターと組んで踊ってもそれなりに絵になって・・・。
歌えば歌声も美しく、スゴイ美人ではないけれどチャーミングな愛嬌のあるお顔立ちで・・・。
唯一、大人っぽい色香があるかといえばそこだけが微妙ですが、大人っぽいドレスは長身のスタイルの良さで着こなすこともできますし、それがまた初々しさや清潔感があると言うこともできますし。
なんだかこれからもっと大きな伝説の(白城あやかさん並に!)娘役スターに開花するところを観ているのではないか・・という気になりました。

まさきさん(龍)はまさきさんで、歌えるスターとして活かされ、銀橋1人渡りの場面では、愛らしく小首をかしげたり、手を差し伸べてウインクしたりで1列目のお客様をピンポイントで昇天させたり、ちゃんと(笑)正しく活用されて。

続く2番手場面では、専科の北翔さんがセンターに入り、サイドをかちゃ(凪七瑠海)とコマ(沙央くらま)が固めます。
バックは台も設置されて何層にも群舞が。
久しぶりに目の前でみるかちゃのキレのよい、伸びやかでスケール感のあるダンスを堪能。

次にTOPがダンス・・・の場面に。
うーん、まさきさんは敢えて踊らなくても良いのではxxx
もちろん、彼女の周りをちゃぴちゃんが4倍の運動量でくるくる回って絡んで大車輪の活躍。

ちゃぴちゃんセンターで娘役に囲まれて・・・の場面がSEXYで新鮮。
全員タコ足ドレス(スカート部分がフリンジ)で、ちゃぴちゃん白、娘役ホットピンク。
月組の娘役では萌花ゆりあちゃんが好きなので、つい彼女を観てしまいますね。
結構ベテランさんですが、スッキリした丸顔に大きな瞳のバレリーナタイプで。ピンクのスパンコールリボンをポニーテールにあしらっているのがカワイくて表情はクールに踊りは攻める、というバランスがとても好みです。
そんな娘役たちに囲まれてのセンターちゃぴちゃんが、一際スッキリ、背筋が伸びて、発光しているオーラ全開で!

中詰は一転して、ブラウンベージュ系の衣装に。
群舞はベージュサテンのフリルシャツにブラウンパンツ、スター格はブラウンスーツにみやるりちゃん(美弥るりか)、かちゃ(凪七瑠海)クラスではそのスーツにスパンコールをプラス。まさきちゃんはキンラメのジャケットに鮮やかなターコイズブルーのサテンシャツ(これはお似合い)という出で立ちで。

かちゃの上手せり上がりからスタート。
スパニッシュ系の音楽で、銀橋を使ってスターが次々に歌い継ぎ・・・。
越リュウ組長の歌、の場面あり。ちゃぴが伸び伸びと踊りまくり、花を添えて。
あまりない演出ですが、ここは退団仕様ですね。

歌い継ぎメドレーで印象的なのはマギーさん(星条海斗)の昭和ムード歌謡。
汗だくになって光りまくるお顔でねっとりとねっとりと歌いながら、全身を捻るマギーさんの濃厚さを堪能・・・というか、この場面を3回目の観劇時、至近距離で観て思ったことは「1年分のマギーさんを観てしまったな」(爆)

ここまで、大人数の群舞を従えての歌、という構成でちょっと単調?と思っていたら、雰囲気が一転。
キマシタ!耽美場面。
しかも!みやるりちゃんセンター!!
これで、いきなりこのショー名作認定(お手軽)
紅バラの精・・・という感じのスパニッシュ。
みやるりちゃん(美弥るりか)センターでかちゃ(凪七瑠海)とたまきち(珠城りょう)がサイドって良い並びと思いつつ、一点集中しすぎて周りを観れた試しがないのですけど(笑)
うっとりとした表情で歌う美弥ちゃんの横顔、そして銀橋を渡りつつ、横を向いてうつむくときの華奢な首筋が美しい・・・。
最後急に低くなる歌もきれいにこなし、ホッとしたところで、真打ちTTOPさん登場。
黒髪に赤いメッシュの鬘のバラの妖精王といったところでしょうか。倒れこむ人々の間を手にした紅バラの花束からポトリポトリと1本ずつ練り歩きながら落としていき・・・。
退団者へのトリビュート場面で、娘役退団者がその薔薇を拾って手にして立ち上がり、組長には手渡しし・・・。
熱狂的な踊りの場面、曲調がちょっと中近東風で円になってパセティックに踊りまくる・・・というのがトルコの旋回舞踊的イメージ?
エキゾチックで印象深い場面でした。

続いては若手銀橋。
オレンジ衣装のたまきち(珠城りょう)が安定の1人渡り。
このヒトのリアルな男の人っぽさや、頬骨の高い肉厚感のあるお顔立ちがあまり好きではなかったのですが、お顔立ちが記憶にあるよりもシャープになられて、動きも安定していることを確認。このショーであぁ、経験を積んで安定したスターさんとして完成したなぁと実感しました。バウの「月雲の皇子」上田先生の脚本の力も言われていますが、高評価で、自信もついたのでしょう。東上も決まりましたしね^^

そしてロケット。黄色に黒のアクセント。小さめのショーハットがかわいい。
センターの咲妃みゆちゃんの笑顔が可愛くて良いですね。
初日だけ怪我?で代役の子が踊っていましたが、2回目以降みられた、注目の大型新人、柚希さん以来のダンサー男役で注目の暁千星さんのソロダンスが。
フェッテしてジャンプしながらのフェッテを。
踊れるだけでなく、身長もあってお顔立ちも整っている方のようなので、今後が楽しみですね^^

フィナーレに娘役トップの銀橋。本舞台に大階段が設置されており、OLIVEの首飾りでまさおちゃん(龍まさき)とドレス姿の娘役たちとの場面。
まさきちゃんは白に淡いグリーンをあしらったふくふくしたガウン姿。
娘役のミントグリーンのドレスに合わせたのかも知れませんが、ここは普通に燕尾で良かったのでは?
そして、娘役のこのドレスが・・・微妙。
シンプルなスパゲティストラップの薄物ロングドレスなのですが、カットが悪いのか、補正の下着をつけづらいデザインだからか、やたらと上半身がゆるく見えてxxx
身体のラインがきれいに見えるのは萌花さんくらいで、他の娘役さんはぶかぶかっぽかったり、ウエストがないように見えたり・・・。
あとドレスのすそさばきもきれいではなかったですねxxx。
月娘頑張って!前半の元気いっぱい総踊り!のときは1人1人個性的で生き生きとしていて魅力的だったので、今後に期待!です。



あ!そんな感想をふきとばすような次なる場面は黒燕尾!
階段TOPから、左右対称に降りてくる人影が・・・。
V字型に降りてきて、外のラインをキメ、あとから中を埋めていくという流れがキレイ。
この逆三角形のTOP、先端に上手脇でガウンを脱いで黒燕尾になったまさきちゃんが入る、という流れですが、それを迎える体制で、先端部に位置するのが北翔さんとるりかちゃん(!)であることに幸せを噛みしめる。
まさきちゃんが掃けて、スタークラスの男役が残って、トップ娘役を迎える場面。
この場面の演出GJ。
まず、かちゃと絡んできれいにポーズを決め、 マギーのふところに飛び込んでのいきなりリフト。
高い位置でのリフトで安定の回転。
乗るのが上手いちゃぴと大柄なマギーさんのコンビネーションは抜群できれい。
丁寧に降ろされたちゃぴを迎えるのはみやるりちゃん。
ここでまたきれいに組んでポーズを決めて。
この場面ちゃぴちゃんとの絡みはなかったですけれど、残っていたのはコマとたまきち。
この5人が今の月組の「スター」ということですね^^

そして、デュエットダンスに・・・。
流れるような装飾のロイヤルブルーグラデのお衣装でシンプルな大人っぽいラインのドレスのちゃぴがまさきちゃんを観る笑顔がとてもかわいくて幸せな気持ちに。王道のデュエットダンス、でした。

前楽のお席の位置が、ショーの後半、みやるりちゃん(美弥るりか)の銀橋場面でもれなく目の前にるりかちゃん、のわたくし的神席で。
幸せなショー、幸せなタカラヅカ時間、でした。(退団挨拶みたい)

次の大劇場公演が楽しみです。和物ショ―・・がちょっと心配ですが(笑)軽いお芝居とショーと和物ショーの3本立て。その前に1月の若手バウには是非行かなくては!