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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

バーミンガム・ロイヤル・バレエ2015来日公演「シンデレラ」

2015-05-02 06:46:50 | BALLET
BIRMINGHAM ROYAL BALLETの2015年日本ツアーは「白鳥の湖」と「シンデレラ」を携えて・・・。
「白鳥」はピーター・ライト版という珍しいバージョンをみられたのは良かったのですが、個人的な感想を述べさせていただくと、「白鳥の湖」は今後、いっさい、ロシアのバレエ団に任せておくというのはどうでしょう?
あと、ヌレエフ版は好きなのでパリ・オペラ座もアリですが。

で、二つ目の演目として観た「シンデレラ」ですが、これは「白鳥」の100倍良かったです!



2015年5月1日(金)18:30~
東京文化会館にて

シンデレラ: エリシャ・ウィリス
王子: イアン・マッケイ
やせっぽちの義姉: サマラ・ダウンズ
ふとっちょの義姉: ローラ・パーキス
シンデレラの継母: マリオン・テイト
仙女: イヴェット・ナイト

春の精: 水谷実喜
夏の精: セリーヌ・ギッテンズ
秋の精: アランチャ・バゼルガ
冬の精: デリア・マシューズ
ダンス教師: ジェームズ・バートン
仕立て屋: ジョナサン・カグイオア
理髪師: ローリー・マッケイ
かつら屋: キット・ホルダー
カエルの御者: ジェームズ・バートン
トカゲの従僕: ヴァレンティン・オロヴャニコフ、ジョナサン・ペイン
王子の友人たち: チュウ・ツ・チャオ、ファーガス・キャンベル、マティアス・ディングマン、ウィリアム・ブレイスウェル
執事: ローリー・マッケイ
ネズミのお小姓たち: 東京バレエ学校
仕立て屋のアシスタント、お星さま、貴族たち、給仕: 英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団

指揮: ポール・マーフィー
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

◆上演時間◆
第1幕 18:30-19:15(休憩 20分)
第2幕 19:35-20:15(休憩 20分)
第3幕 20:35-21:00

シンデレラ役のエリシャ・ウィリスはバランスの良い体型と小造りでちょっとグウィネス・パルトロー似の清楚な美人。
王子役のイアン・マッケイはBRBの申し子のような生え抜きで長身黒髪、チャーミングな笑顔で2人とも困難な状況にあってユーモアを忘れないイギリス人の典型のような役作りがBRBらしさいっぱいで。
お衣装、舞台装置、照明が全て美しく、馬車の作り(平たい車付きの台をトカゲくんたちが押してきて両側を立てると丸い馬車の輪郭になるという作り)など、夢と工夫に満ちていて、演劇王国英国ならでは!とワクワクさせられました。



義理の母、仙女ともに美しく、お姉さん2人はとっぽい長身痩矩と食いしん坊ののろまさんとキャラが立っていて。
特にふとっちょののろま姉は腕のお肉と脚のお肉をうすい肌襦袢と肩パットと動きの微妙な緩慢さでとても上手に表現していて。義理の母のマリオン・テイトはさすがにギョロっとした目の視線ひとつで笑いをとる達者ぶり・・でした。
英国特有のリアルな動物着ぐるみも動きが可愛らしくて。
四季の妖精、夏の精に白鳥のタイトルロールを踊ったセリーヌ・ギッテンスが配されると言う贅沢な配役でしたが、さすがに身体のラインが美しく音楽性豊かな踊りで目を惹きました。



演出や場面は色々とステキで記憶に残るものが多かったのですが、特に一幕最後の、美しく変身したシンデレラを先頭に四季の精、そしてネズミ・カエル・トカゲが続いてどこまでも続くかのような星空を背景に下手手前の仙女から上手奥に向かうシンデレラまでディアゴナルに舞台奥に消えていく・・という場面の奥行き感とファンタジー感が素晴らしかったです。



あと、王宮の舞踏会場面、貴族の男女のお衣装が、腰から下のフレアー部分をたっぷり取った男性がダークレッド、ダークゴールド、ダーク・グリーン、ミッドナイトネイビーで、女性が墨黒にワイン、ネイビー、紫の紗を重ねたシンプルなビスチェドレスで鬘のシルエットをクラシカル・アヴァンギャルドにしているところがヴィヴィアン・ウエストウッド的な英国テイストで素敵でした。
そのステキな統一された世界観にコミックな不協和音を持ちこんで笑いを取るのが黄色と黒の義理の姉たち・・なのですが^^;



・・・それにしても・・・
プロコフィエフのこの曲はキレイですね・・・。
シティフィルの演奏も、先日の白鳥の絶不調ぶりを挽回する演奏だったと思います。






バーミンガム・ロイヤル・バレエ2015来日公演「白鳥の湖」

2015-05-02 05:34:46 | BALLET
英国BIRMINGHAM ROYAL BALLETの来日公演中ですが、
先日、東京文化会館で「白鳥の湖」を観て参りました。



2015/04/27 TUE 18:30~
バーミンガム・ロイヤル・バレエ団「白鳥の湖」

オデット/オディール: 平田桃子
ジークフリート王子: マシュー・ゴールディング
女王: アナ・アルブダッシュヴィリ
ロットバルト: ジョナサン・ペイン
ベンノ(王子の友人): チュウ・ツ・チャオ

【第1幕】

王子の友人たち:サマラ・ダウンズ、イヴェット・ナイト、デリア・マシューズ、チャン・イージン、ウィリアム・ブレイスウェル、ジョナサン・カグイオア、ファーガス・キャンベル、ブランドン・ローレンス
二人の高級娼婦: アンジェラ・ポール、水谷実喜
貴族、侍女たち: 英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団

【第2幕】

小さな白鳥たち: アランチャ・バゼルガ、ローラ・パーキス、エミリー・スミス、カーラ・ドアバー
二羽の白鳥: サマンサ・ダウンズ、デリア・マシューズ
白鳥たち: 英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団

【第3幕】

式典長: ローリー・マッケイ
ハンガリーの姫君: エリス・シー
ポーランドの姫君: サマラ・ダウンズ
イタリアの姫君: 水谷実喜
チャルダッシュ: ルース・ブリル、ジョナサン・カグイオア ほか
マズルカ: 英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団
ナポリの踊り:  ジェイド・ヒューゼン、ローラ・パーキス、ジェームス・バートン、キット・ホルダー
スペインの踊り: イヴェット・ナイト、チャン・イージン、ブランドン・ローレンス、ヴァレンティン・オロヴャニコフ
大使、小姓、護衛、従者、貴族たち: 英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団

【第4幕】

白鳥、小さな白鳥たち:英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団

指揮:フィリップ・エリス
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
協力:東京バレエ団

◆上演時間

第1幕(転換3分)第2幕 18:30-19:45(休憩 20分)
第3幕 20:05-20:50 (休憩 15分)
第4幕 21:05-21:25

※本公演で主演を予定していたジェンナ・ロバーツは、来日後のリハーサル中に捻挫した足が回復せず、出演できなくなりました。代わってプリンシパルの平田桃子が本日のオデット/オディール役を演じます。何卒ご了承下さい。

BRBいちの白鳥、ジェンナ・ロバーツがまさかの初日前のリハーサルでの故障で出演出来ず。
26日の初日は、一幕はマシュー・ゴールディング目当てで来た観客のために・・と予定通りのマシュー王子で、2幕以降は、他日のCASTである、タイロン・シングルトンとセリーヌ・ギッテンスで上演されたそう。
27日は最近白鳥デビューした、「シンデレラ」のタイトルロールのために来日していた平田桃子さんが急遽マシューと組むことに。
ジェンナ・ロバーツはマシュー・ゴールディングとロイヤルバレエスクール時代、パ・ド・ドゥクラスのパートナーだったとか。今回は12年ぶりに一緒に組むと言うことで楽しみにしていたそうなので、とても残念。

吉田都さんがロイヤル移籍前に長く在籍していたバーミンガム・ロイヤル・バレエ団。
「くるみ割り人形」の都さんの映像は、BRB時代のものが広く普及していて、英国らしい重厚な演劇的な舞台と、多国籍のバレエダンサーを受け入れる土壌を兼ね備えたバレエ団、という印象。

今回の「白鳥」はピーター・ライト版が初めて、ということと、英国的な白鳥とは?という新鮮な気持ちで、この鉄板の古典作品を観てみたいと思います。



一幕は、かなりダークな照明で、王子と宮廷の仲間たち・・は黒とブロンズのお衣装で。
母王妃はかなりお年を召した小柄な方。
ロイヤルバレエだとここは長身ゴージャスな美人のエリザベス・マクゴリアンで宮廷感いっぱいになるところ、全体に地味?
湖畔の場面、白鳥の群舞がすごい足音。そして揃っていない・・・。
平田さんはほっそりとした小柄な美人さんですが、お顔がしっかりとしていて肩幅が狭く華奢な上半身が薄くて子供っぽく見えてしまう最近では珍しい体型。スティーブン・マックレータイプとでも申しましょうか。ローザンヌで観たときの横関雄一郎くんタイプとも。
和顔で、でもとてもしなやかで良くコントロールされた踊り。とりわけ背中が柔軟かつ強靭なようで、PDDでさっと迷いなく大きく後ろに倒れてサポートされると瞬間きれいな弧を描いて戻る・・ところの軌跡がなんともあざやか。
この日が初めて組むとは思えないほどのパートナーに対する深い信頼と同時に自信も見えて、堂々たる主役。
ただ、白鳥かというとどうかしら?
しなやかなラインとためて静謐なフェミニンさがなにかを思い出させる・・と思ったら「つう」でした。鶴の恩返しの。
ベジャール作品に時々あるような真っ白なレオタードに打ち掛けを羽織った姿がお似合いになりそう・・・。
独特のなまめかしくしとやかでフェミニンな魅力があります。
ピーター・ライト版は御約束のパントマイムもしっかりと入れて、演劇的な印象。
夜の湖に狩りに行こう!の場面も、弓を携えて行くのは王子とベンノ(友人ポジ)だけで、他の友人たちはランプを下げているのが新鮮。
白鳥たちがあまり美しく見えなくてちょっとがっかり。踊り・体型ともに揃っていない・・のもそうですがお衣装が、上半身が肌色と白のレオタ―ドにちょっと装飾を足しただけ、みたいな貧相な感じで、ヘッドドレスもターバンみたいで。

・・と下降気味だったテンションが、3幕の御后選びの舞踏会でちょっと上がります



お衣装が!ダークな金襴緞子に繻子のバーミリオンやワインやダークグリーンを合わせたとても重厚なものばかりで。よくぞここまで重厚なイメージの生地を揃えた!と驚くほど。ちょっと「ナルニア国」的な世界観で、デザイン・配色ともに観ごたえがありました。
そしてイタリア・ハンガリー・ポーランドの姫君がそれぞれ従者チームを引き連れている、設定で。
国ごとの色の違いはあまり鮮明ではないように見えてしまいましたが、この重厚な衣装で踊る?!というのが新鮮。
そしてお約束、東バでもおなじみのスペインチームが2組の美男美女カップル。女性がブリッジかと思うほど上体をそらして、扇で床を打つ、という振りも含めて見覚えのある感じ^^

そこからのオディール=黒鳥は、テクニックの強い平田さんらしく、フェッテはダブル、トリプルを織り込んだ凝ったもの。
マシューはお顔はちょっとくしゅっとした所謂サル顔で、常に憂いを帯びた表情なのですが、長身で脚が長く使い方もキレイ。踊りも伸びやかでコントロールされたきれいな踊り。カナダ出身でABTからオランダ国立バレエ、そしてロイヤルバレエ団という経歴なのですね。今回はロイヤルバレエ団からのゲスト出演。

第4幕はロットバルトがフクロウのような仮面をかぶって大きな羽を持つ拵え。
オデットは王子の裏切りを受け入れられず、湖に身を投げます。ロットバルトは制するも王子も続いて身を投げ・・・
後方の紗幕の向こうに、天上で結ばれる2人、そしてロットバルトが両手で支えるのは現世の王子の溺死体お顔が見えないようになっていました^^;)・・・というラストでした。