とてもおっとりした女の子だった。
人間以外の動物に不慣れな人間の扱いは、
それはとんでもないものがあったけれど、
最期の通院の時以外は、
パニックを起こすことはなかった。
2代目のモグは、
それなりにやんちゃで、だけど、
筋金入りの箱入り坊ちゃんだったので、
何かから隠れなきゃいけない、
という発想がなかった。
生まれてから逝ってしまうまで、
たぶん1回も怖い思いはしたことがないと思う。
心臓肥大で、何回も何回も通院した。
毎日のように注射を打ったときもあった。
だけど、病院でも車の中でもいつも落ち着いていた。
もし、ノンタンのような小心者だったら、
病気が病気なだけにもっと早く逝ってしまったと思う。
ノンタンにとって、世の中は油断できない場所らしい。
前歴不詳のウサギ、家に来るまでどのように生きてたのか。
トイレはよくわかっている。
保護した方からは、撫でていると眠ってしまうと言われた。
撫でる手が怖くないことは知っている。
人間に対して攻撃的でもない。
家に来てから1度も、甘噛み以上に強く噛まれたことはない。
どこかで長く飼われていて、たぶん可愛がられていて、
何かの事情で脱走したのかもしれない。
それから保護されるまでの放浪生活の中で、
怖いことがたくさんあったのか。
ここはもう安全なのに。
背後で、ノンタンがびくっと立ち上がる。
突然駆け出す。
人間は抱き上げて撫でてみる。
「だいじょうぶ、怖くないって。」
だけど、
抱かれるのもそれほど好きではないウサギは、
うるさいなと去って行ってしまう。
人間以外の動物に不慣れな人間の扱いは、
それはとんでもないものがあったけれど、
最期の通院の時以外は、
パニックを起こすことはなかった。
2代目のモグは、
それなりにやんちゃで、だけど、
筋金入りの箱入り坊ちゃんだったので、
何かから隠れなきゃいけない、
という発想がなかった。
生まれてから逝ってしまうまで、
たぶん1回も怖い思いはしたことがないと思う。
心臓肥大で、何回も何回も通院した。
毎日のように注射を打ったときもあった。
だけど、病院でも車の中でもいつも落ち着いていた。
もし、ノンタンのような小心者だったら、
病気が病気なだけにもっと早く逝ってしまったと思う。
ノンタンにとって、世の中は油断できない場所らしい。
前歴不詳のウサギ、家に来るまでどのように生きてたのか。
トイレはよくわかっている。
保護した方からは、撫でていると眠ってしまうと言われた。
撫でる手が怖くないことは知っている。
人間に対して攻撃的でもない。
家に来てから1度も、甘噛み以上に強く噛まれたことはない。
どこかで長く飼われていて、たぶん可愛がられていて、
何かの事情で脱走したのかもしれない。
それから保護されるまでの放浪生活の中で、
怖いことがたくさんあったのか。
ここはもう安全なのに。
背後で、ノンタンがびくっと立ち上がる。
突然駆け出す。
人間は抱き上げて撫でてみる。
「だいじょうぶ、怖くないって。」
だけど、
抱かれるのもそれほど好きではないウサギは、
うるさいなと去って行ってしまう。