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庭の石のテーブルとベンチへ続く露地
(つづき)
いつのまにか日は落ちて、腰掛待合の石のテーブルには蝋燭が灯っています。
山の中で夜を過ごしているような心持で、迎え付けを待ちました。
後座の席入りをすると、一層暗くなった茶室の床には花が生けられていました。
照葉、椿、小菊・・・そして垂涎の花入と古い板切れの花台・・・四方花入は一目で揖保川焼・池川みどり作とわかりました。
手づくりの主菓子と干菓子2種が運ばれ、最初の薄茶点前が始まりました。
前回のコルトレーン茶会と違い(・・・と記憶?)、点前の途中からコルトレーンの静かで、物悲しく、時に官能を揺さぶられるような曲が聞こえて来たような・・・なんせ、夢の中の出来事なのであります。
薄茶だけの茶会ですが、ご亭主Kさんの雰囲気が緊張感ある佇まいに変わり、濃茶のような厳粛なお気持ちで最初の薄茶を点てて頂き、客も無言で頂きます。
黒い椀形の高台が小さな茶碗(友人作)、蝋燭の灯りの中で手にすっぽりとおさまり、座に融け込んでいます。2つの黒い茶碗で2服頂きました。
拝見に出されたポルトガルの白い小筥の薄器、形と御銘が個性的な茶杓も始めて見るもので、お道具にまつわるお話はいつも心躍る交遊録、大好きな某家庭茶事の会の武勇伝(?)と共に毎回楽しみにしています。
Kさんのお点前は1年中炉の流し点ですが、違和感を感じたことは全くなく、よくぞこの点前に徹してシンプルかつ客を飽きさせない変化を工夫して続けているなぁ~と感心します。
そういえば、夏はもちろんのこと、1年12ヶ月のバリエーションができているの・・・と以前伺った事が有ります。
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ムラサキシキブ・・・姫路・好古園にて
白髪が多くなったKさんが一心に茶を点てる姿を拝見しながら、
「なんて素敵な、大切な時間なんだろう・・・
願わくは、八十路になっても九十路になっても播磨の旅に出て、Kさんの点てるお茶をのみたいもの・・・」と思いました。
「お互い歳を重ね、これからもKさんのもとへ通う事が出来たら、なんと嬉しく幸せなことだろう! 歳をとることも悪くないなぁ~」と思います。
渾身の薄茶点前が終わり、緊張感もゆるゆると融けて、月明りの中、庭先の石のテーブルでコーヒー点前をリクエストしました。
こちらの道具組もお点前も斬新でした・・・。
風流な風炉(?)と釜から湯を柄杓でしっかり計って淹れてくださったコーヒーの豊潤な香りとまろやかな味、蝋燭の灯りに照らされた、爽やかな秋の夜のコーヒータイムが忘れられません。
茶の湯の原点に触れさせて頂いた、刺激的な茶会でした。
ありがとうございました!
お互い健康に留意して、お茶を楽しみましょうね。
今後とも末永くお付き合いくださいませ。
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ワレモコウの残花・・・姫路・好古園にて
(忘備録)いままでに6回、Kさんの茶会へお邪魔しています。その感動を忘れないようにブログに一部書き留めています。よろしかったらご覧ください。
1.思い出の茶事 一客一亭 2008年12月
2.あこがれのJAZZ茶会(一客一亭) 2010年11月
3.Jazz茶会ー2 Moon Bow 2013年10月11日
4.「どくだみ茶会」-1 2014年6月6日
5.夕去りのたけのこ茶会・・・播磨にて 2016年4月19日
6.播磨・コルトレーン茶会・・・その1 2018年11月2日