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12月27日に都筑民家園の師走の月釜へ出掛けました。
今年3月、大震災のあと、外出を敬遠気味だったIさんをお誘いして
月釜へ出掛けたのが最初でした。
ご亭主と半東さんのお二人だけで、濃茶と薄茶のおもてなしをしてらして、
あたたかい雰囲気がお気に入りでした。
毎月いきたい・・・と思ったのに、6月に一人で伺って以来
なかなか行くことができません。
今年最後の月釜へIさんと伺いたいと、10月末に予約を入れました。
広間(待合)の輪亭前の池には厚い氷が張って、鈍色の光を反射しています。
第一席のお客は五名、着物のせいか、正客をおおせつかりました。
蹲をつかい、にじり口より三畳台目の鶴雲菴へ席入しました。
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床には、太玄和尚筆の「無事」、瓢花入に白侘助が清々しくも一輪。
点前座を拝見すると、炉には優雅な釜が掛けられ、湯気を上げています。
炭火にジョウが厚く付いていて、早くから炭を熾し、湯を沸かし、
部屋を暖めてくださったご亭主の心遣いが伝わってきました・・・。
兎の耳が付いた水指が興味深く、あとでお尋ねしてみましょう。
お菓子が運ばれました。
銘は「冬籠り」、青年部の友人の作だそうで、
栗と黒餡が白い薯蕷(?)で巻かれていて、雪国のかまくらを連想しながら、
美味しく頂戴しました。
美丈夫なご亭主が茶碗を運びだし、いよいよ濃茶点前です。
丁寧な所作で茶入、茶杓が清められ、茶碗へ湯が注がれます。
釜の湯がたぎっていて、熱い濃茶を練ってくださいました。
香りや色を愉しみながら、素晴らしい萩茶碗(十二代休雪作)で頂戴しました。
甘みのあるマイルドな濃茶は九州の八女茶だそうです。
茶入は丹波焼の肩衝、森本陶谷造です。
半東さんが運んでくださった干菓子は新潟・大和屋の「越の雪」。
和三盆の純粋な甘みと舌に転がる触感が印象に残りました。
小振りの三嶋の茶碗で、薄茶をたっぷり頂戴しました。
五人とも違う茶碗で薄茶を頂き、お茶碗を拝見しながら
しばしお話に花が咲きました。
Iさんと私以外は毎月いらっしゃる方たちで、月釜で仲よくなったそうです。
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(都筑民家園のひだまり)
薄器は吹雪、塗師は不明ですが円能斎の花押がありました。
茶杓は黄梅院の太玄和尚作「埋み火」です。
気になっていた水指ですが、玄々斎お好みの兎耳水指でした。
ユニークな兎耳、源氏香の優雅な絵柄、傘を連想する形は
現代にも通じる斬新さで、玄々斎に思いを馳せました。
最後になってしまいましたが、
師走の月釜に掛けられた釜は天猫の甑口釜。
地紋は遠山ということですが、山が地紋にみつからないそうです。
「変わったカン付きの形が山を表わしているのではないか?」
というご亭主のお話(推理?)を興味津々で伺いました。
あわただしい師走にもかかわらず、
ご亭主はじめ、半東さん、Iさま、ご連客の皆さまと一座建立、
師走の月釜で今年を締めることができ、お茶のご縁に感謝いたします。
「師走の釜を無事に迎えることができました。
心を新たにして来年の月釜にのぞみます」
・・・というご亭主に心より応援の拍手を送ります。
来年もどうぞ宜しくお願い致します。
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(かわいい門松 都筑民家園にて)
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当ブログもこれにてしばし正月休みに入ります・・・・
皆さま、佳いお正月をお迎えください!
やっと今年最後の 
今年3月、大震災のあと、外出を敬遠気味だったIさんをお誘いして
月釜へ出掛けたのが最初でした。
ご亭主と半東さんのお二人だけで、濃茶と薄茶のおもてなしをしてらして、
あたたかい雰囲気がお気に入りでした。
毎月いきたい・・・と思ったのに、6月に一人で伺って以来
なかなか行くことができません。
今年最後の月釜へIさんと伺いたいと、10月末に予約を入れました。
広間(待合)の輪亭前の池には厚い氷が張って、鈍色の光を反射しています。
第一席のお客は五名、着物のせいか、正客をおおせつかりました。
蹲をつかい、にじり口より三畳台目の鶴雲菴へ席入しました。
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床には、太玄和尚筆の「無事」、瓢花入に白侘助が清々しくも一輪。
点前座を拝見すると、炉には優雅な釜が掛けられ、湯気を上げています。
炭火にジョウが厚く付いていて、早くから炭を熾し、湯を沸かし、
部屋を暖めてくださったご亭主の心遣いが伝わってきました・・・。
兎の耳が付いた水指が興味深く、あとでお尋ねしてみましょう。
お菓子が運ばれました。
銘は「冬籠り」、青年部の友人の作だそうで、
栗と黒餡が白い薯蕷(?)で巻かれていて、雪国のかまくらを連想しながら、
美味しく頂戴しました。
美丈夫なご亭主が茶碗を運びだし、いよいよ濃茶点前です。
丁寧な所作で茶入、茶杓が清められ、茶碗へ湯が注がれます。
釜の湯がたぎっていて、熱い濃茶を練ってくださいました。
香りや色を愉しみながら、素晴らしい萩茶碗(十二代休雪作)で頂戴しました。
甘みのあるマイルドな濃茶は九州の八女茶だそうです。
茶入は丹波焼の肩衝、森本陶谷造です。
半東さんが運んでくださった干菓子は新潟・大和屋の「越の雪」。
和三盆の純粋な甘みと舌に転がる触感が印象に残りました。
小振りの三嶋の茶碗で、薄茶をたっぷり頂戴しました。
五人とも違う茶碗で薄茶を頂き、お茶碗を拝見しながら
しばしお話に花が咲きました。
Iさんと私以外は毎月いらっしゃる方たちで、月釜で仲よくなったそうです。
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(都筑民家園のひだまり)
薄器は吹雪、塗師は不明ですが円能斎の花押がありました。
茶杓は黄梅院の太玄和尚作「埋み火」です。
気になっていた水指ですが、玄々斎お好みの兎耳水指でした。
ユニークな兎耳、源氏香の優雅な絵柄、傘を連想する形は
現代にも通じる斬新さで、玄々斎に思いを馳せました。
最後になってしまいましたが、
師走の月釜に掛けられた釜は天猫の甑口釜。
地紋は遠山ということですが、山が地紋にみつからないそうです。
「変わったカン付きの形が山を表わしているのではないか?」
というご亭主のお話(推理?)を興味津々で伺いました。
あわただしい師走にもかかわらず、
ご亭主はじめ、半東さん、Iさま、ご連客の皆さまと一座建立、
師走の月釜で今年を締めることができ、お茶のご縁に感謝いたします。
「師走の釜を無事に迎えることができました。
心を新たにして来年の月釜にのぞみます」
・・・というご亭主に心より応援の拍手を送ります。
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来年もどうぞ宜しくお願い致します。
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(かわいい門松 都筑民家園にて)
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当ブログもこれにてしばし正月休みに入ります・・・・
皆さま、佳いお正月をお迎えください!
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