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(つづき)
中立で庭へは出ず、廊下を通って待合へ戻りました。
いつの間にか露地ぞうりが玄関に戻されていて、
初入と同様に、玄関から庭へ廻り、腰掛で迎え付けを待っていると、
大・・・小・・中・中・・・大
銅鑼の音色、いいですねぇ・・・!
後座の床を拝見して、「ハッ」と息をのみました。
竹の花入に紅白の侘助が入れられています。
紅侘助は可憐な笑顔を向け、深緑の葉に露が清々しく打たれています。
白侘助は蕾、こちらの緑葉には露がありません。
シンプルな美しさに感動し、しばし動けませんでした・・・。
点前座には朱塗りの棚が据えられています。
紹鴎水差棚に似ていますが、三段になっていて初めて見る棚でした。
あとでお伺いするのが楽しみです。
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濃茶点前が始まりました。
リズムのあるしっかりした点前は、言葉のいらない濃茶の世界へいざないます。
ふくいくとした香りが部屋を満たし、丁寧に練られた濃茶がだされました。
Kさんと二人でたっぷり味わいました。
程よい苦味の残る濃茶は一保堂です。
前席の主菓子は「粉雪」、白餡に白いきんとん、金粉は星でしょうか?
お茶碗は、かせた色合いがやさしい黒楽でした。
手に取ると、小ぶりな茶碗側面に一周、へら目が模様のようにあり、
一入の「あけぼの」写だそうです。
織部を思わせる美濃焼の耳付き長茶入、仕覆は花文暈繝錦、
気になっていた棚は、雪輪棚という江戸千家流のお好みです。
ご亭主は最初江戸千家流を長く学んでいたそうで、思い出の棚を
クリスマスに因んでお使いくださったのでした。
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後炭になり、炉を拝見すると、炭がきれいに流れていて
うつろいの風情に見とれました。
胴炭が見事二つに割れて、これもめったにないご馳走です。
「ゆっくりして頂きたいから・・・」
と炭をたくさん置いてくださいました。
「雪とモミの木」の干菓子が運ばれ、
イタリア製(?)の楽しいクリスマス絵の茶碗と唐津焼の茶碗で、
薄茶を二服ずつ美味しく頂戴しました。
クリスマスのムードも最高潮となり、どこからか
「シャンシャンシャン・・」とそりの音が聞こえてくるようでした。
棗は玄々斎お好み豊兆棗、茶杓銘は「氷柱」です。
拝見をお願いした蓋置は、三人の天使が手をつないでいて、
ガラス製のように見えましたが鋼製だそうです。
後炭や薄茶の間に、初対面に近い関係にもかかわらず、
いろいろなことが愉しく話し合われ、お茶の持つ力に感謝です!
さりげなく散りばめられた、クリスマスのご趣向を堪能しましたが、
後礼を書きながら、ご亭主がサンタさんだったことにやっと気が付きました。
黒地にモミの木やトナカイのそりが描かれた帯をお召しになった
サンタさんから、今年最後に素敵な茶事をプレゼントして頂きました。
Merry Christmas ’2011
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クリスマスの茶事へ招かれて (1)へ
中立で庭へは出ず、廊下を通って待合へ戻りました。
いつの間にか露地ぞうりが玄関に戻されていて、
初入と同様に、玄関から庭へ廻り、腰掛で迎え付けを待っていると、
大・・・小・・中・中・・・大
銅鑼の音色、いいですねぇ・・・!
後座の床を拝見して、「ハッ」と息をのみました。
竹の花入に紅白の侘助が入れられています。
紅侘助は可憐な笑顔を向け、深緑の葉に露が清々しく打たれています。
白侘助は蕾、こちらの緑葉には露がありません。
シンプルな美しさに感動し、しばし動けませんでした・・・。
点前座には朱塗りの棚が据えられています。
紹鴎水差棚に似ていますが、三段になっていて初めて見る棚でした。
あとでお伺いするのが楽しみです。

濃茶点前が始まりました。
リズムのあるしっかりした点前は、言葉のいらない濃茶の世界へいざないます。
ふくいくとした香りが部屋を満たし、丁寧に練られた濃茶がだされました。
Kさんと二人でたっぷり味わいました。
程よい苦味の残る濃茶は一保堂です。
前席の主菓子は「粉雪」、白餡に白いきんとん、金粉は星でしょうか?
お茶碗は、かせた色合いがやさしい黒楽でした。
手に取ると、小ぶりな茶碗側面に一周、へら目が模様のようにあり、
一入の「あけぼの」写だそうです。
織部を思わせる美濃焼の耳付き長茶入、仕覆は花文暈繝錦、
気になっていた棚は、雪輪棚という江戸千家流のお好みです。
ご亭主は最初江戸千家流を長く学んでいたそうで、思い出の棚を
クリスマスに因んでお使いくださったのでした。

後炭になり、炉を拝見すると、炭がきれいに流れていて
うつろいの風情に見とれました。
胴炭が見事二つに割れて、これもめったにないご馳走です。
「ゆっくりして頂きたいから・・・」
と炭をたくさん置いてくださいました。
「雪とモミの木」の干菓子が運ばれ、
イタリア製(?)の楽しいクリスマス絵の茶碗と唐津焼の茶碗で、
薄茶を二服ずつ美味しく頂戴しました。
クリスマスのムードも最高潮となり、どこからか
「シャンシャンシャン・・」とそりの音が聞こえてくるようでした。
棗は玄々斎お好み豊兆棗、茶杓銘は「氷柱」です。
拝見をお願いした蓋置は、三人の天使が手をつないでいて、
ガラス製のように見えましたが鋼製だそうです。
後炭や薄茶の間に、初対面に近い関係にもかかわらず、
いろいろなことが愉しく話し合われ、お茶の持つ力に感謝です!
さりげなく散りばめられた、クリスマスのご趣向を堪能しましたが、
後礼を書きながら、ご亭主がサンタさんだったことにやっと気が付きました。
黒地にモミの木やトナカイのそりが描かれた帯をお召しになった
サンタさんから、今年最後に素敵な茶事をプレゼントして頂きました。
Merry Christmas ’2011
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クリスマスの茶事へ招かれて (1)へ
思えば・・・いろいろあり、楽しかったですね。
でも、来年はもっとお世話になりそうです。
どうぞ宜しくお付き合いください。
今年もお世話になりました。
来年は茶事を御一緒できたらなぁと願っているワタクシです。
京都のお話も楽しみにしております。
どうぞよいお年をお迎えくださいね。