暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

いちねん会  軸荘付花月(2)

2011年07月15日 | 七事式&いちねん会
                          ( 花みょうが )
(つづき)  (朝からお暑いですね・・・しばしおつきあいください)
水屋で花を引き、亭主でした。
席入後、迎えつけの挨拶をして、水屋へ戻り、折据を正客前へ運び、
通い畳を越して亭主の座へ入ります。

「どうぞ折据おまわしを」
月(軸荘)と花(花月の初花)が名乗ります。
月を引いて、亭主が軸荘をするという、珍しいケースになりました。

替札を取り、折据がおさまると、替札を帯にはさんで床前に進み、
右手で扇子を腰に差し、右手で軸を取り横にして左手に持たせます。
右手で帛紗を下から上、右から左へ折り、右ひざ横へ置きます。

                 

掛緒の端を引いてほどき、向こうへ一回まわしてほどきます。
ここで輪を作らず、もう一度向うへまわしてから輪をつくり、
さらにもう一度まわして、輪をつくって左手小指にかけます。
巻緒を掛緒の下座へ引き寄せました。

ここで巻紙を三つ折りになるように抜き(二通りの折り方があるようです・・)、
右から左に返して左角を向うへ織り込み、帛紗の上に置きました。
床が狭いので床前の畳に軸を置きました。

風袋を右、左と上へはね、右、左と下げて端を少し巻き込み、
折り目を指で押さえて落ち着かせます。
右手で腰から扇子をとり、一つ上を開き、逆手にして、
掛緒の中央から少し右寄りを扇子ではさんで閉じ、
そのまま「くの字」の手で、床の掛釘に掛けます。

掛かったら扇子を縦にしてはずし、腰に差します。
両手で静かに軸を下ろし、下の方だけ向う、次に手前へ巻いて、
巻くせを直します(折れたり、傷んだりするのでしない方が良いという声も・・・)。

床前に座り、掛かり具合を確かめてから、
帛紗と巻紙を一緒に右手で持ち、踏込畳の敷き合わせに座り、
帛紗と巻紙は左手に持ち替えて勝手付きに置きます。
右手で扇子を取って帛紗と巻紙の右横へ並べて置きました。
客付(斜め)を向き、控えています。

                 
                          ( 姫檜扇水仙 )

正客から順次、軸を拝見します。
「夏雲多奇峯」(かうんきほうおおし)

拝見が終わると、正客より
「どうぞ お巻き上げを」
月(亭主)は客付で一礼して受けて、正面へまわり、
左手で帛紗と巻紙を一緒に取り、右手に持たせ、
亭主仕舞いなのですぐに懐に入れました(*)。
右手で扇子を取り、腰に差します。

床前に座り、もう一度拝見してから右足から床へ上がり、
両手で静かに巻き上げ、風袋を少し巻き込んでから、左手で下から受けるように軸を持ち、
扇子をとり、一つ開いて掛緒をはさんで掛釘からはずします。

軸を床の上(前)へ置き、扇子を腰に差し、風袋を右から向うへはね、
左は織り込み、次に右も織って重ね、風袋ぎりぎりまで巻きます。
軸を左に持たせ、右手で巻緒を掛緒の中央に寄せ、二、三度折り曲げてから巻き込みます。
右手を上から軸に添えて両手で持ち、左足で立ち、亭主なのでそのまま水屋へ下がります。
この時、同時に客は四畳半へ入ります。

亭主は水屋から茶碗を運び出し、棗と茶碗を置き合わせ、
建水を踏込畳の敷き合わせに置き、右から三足下がって、 仮座へ入ります。
亭主は仮座へ着くと替札を前に置き、
初花は立って建水を持って点前座へ進みます。
初花が建水を持って立つと同時に連客は繰り上げます
(正客は折据、月は亭主なので花のみ替札を持つ)。
あとは、花月になり、薄茶三服点です。

                     
                         ( 「七夕」 鶴屋吉信製 )
   (*)さて、月が亭主でない場合は、
   帛紗と巻紙はそのまま踏込畳に置いておきます。
   軸を巻き上げ、軸を持って踏込畳へ戻り、
   両手で帛紗と巻紙の横に軸を置き、その下に扇子を横にして置き、
   月は自分の座へ戻ります。 戻ると下座へよけた替札を中央に置きます。

   亭主は左足で立って通い畳から敷き合わせへ行き、
   左手で帛紗と巻紙を一緒に取り、右手に持たせから懐に入れます。
   扇子を右手で腰に差し、両手で軸を持ち、左足で立って水屋へ下がります。
   この時、同時に連客は四畳半へ入ります(正客は折据、月と花は替札を持つ)。

書くと複雑そうですが、実際に行ってみると
「無駄なく、軸の扱いがすべて入っている・・・」と感心しました。
よくわからず、確認したい箇所もわかりました。

稽古が終わっての帰り道、まだ陽は高く、
青空に入道雲がほっぺを膨らまして浮かんでいます。
「夏雲多奇峯・・・」

    いちねん会 軸荘付花月(1)へ                      



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