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左京区カフェ探検の第3回はカフェ「猫町」です。
今回の探検隊員は、Pさん、TYさん、暁庵の三名でした。
9月15日12時半に白川通りの「ガケ書房」で待ち合わせました。
「ガケ書房」は、石垣から車が半分飛び出しているユニークな看板があり、
京都では有名な本屋さんだそうです。
外観にびっくりして興味津々で入ってみると、中は意外や、
ゆっくり本が選べるような物静かな空間を持つお店でした。
品揃えは幅広く、新刊から古書まで充実していますが、
京都造形大学が近いせいか、アートの本が多いようでした。
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三人揃ったので、アート関係の雑誌を買ってカフェ「猫町」へ向かいました。
「猫町」は、Pさんの挙げてくれた候補から名前に惹かれて決めました。
店名は、萩原朔太郎の小説「猫町」から名付けられたとか。
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道路より少し高い処に入口の木の扉があり、アプローチの階段には
草木がびっしり植えられ、金水引がまだ花をつけています。
「猫町」と書かれたユニークな看板を見ながら、中へ入りました。
奥行のある店内は思ったより広く、落ち着きと温かみを感じるのは
柔かな自然光がそそぐ窓や古風な木製の調度のせいでしょうか。
黒光りする木のカウンターの向うにオーナーご夫婦が働いています。
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どの席にしようかしら?
窓側の席も居心地が良さそうでしたが、先客がいました。
それで、カウンターではなくテーブルの席を選びました。
1時を過ぎていたので、お腹がぺこぺこ、すぐにランチを注文しました。
ランチを待っている間に、PさんやTYさんと出逢ったときのこと、
京都の隠れた名所旧跡やイベントなどの情報、趣味や仕事のこと・・・
いつも楽しい時間です。
お話に熱中しているうちにランチが運ばれ、今度は食べることに熱中しました。
この日のランチは、琵琶湖マスのムニエル、野菜のスープ、夏野菜のサラダ、
ご飯、漬物です。量もちょうどよくお味も大満足で、1050円でした。
食べ終わってからランチの写真を撮るのを忘れたことに気が付きました。
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店内が広いので、他に数組お客様が居らしても気兼ねなく、
ゆっくりできるのが最高でした。
帰りに気になっていた木のカウンターのことをお尋ねしたら
「何の木かわかりませんが、旧家の梁に使われていた古材をそのまま使いました。
それで、木枠の穴を木材で埋めてあります。
十年使い込んだら、だんだん好くなりました・・・」
今度来店したら、このソファ(下の写真)で本を読もう・・と思いながら、
店をでました。ごちそうさま!
「猫町」へ行ってからインターネットで小説「猫町」を読んでみました。
とても短い、朔太郎の夢と倒錯に満ちた、詩のような小説ですが、
次の部分がまるで左京区の「猫町」界隈のようで気に入っています。
小説「猫町」より一部転載します。
・・・私は道に迷って困惑しながら、当推量で見当をつけ、
家の方へ帰ろうとして道を急いだ。
そして樹木の多い郊外の屋敷町を、幾度かぐるぐる廻ったあとで、
ふと或る賑やかな往来へ出た。
それは全く、私の知らないどこかの美しい町であった。
街路は清潔に掃除されて、鋪石がしっとりと露に濡れていた。
どの商店も小綺麗にさっぱりして、磨いた硝子の飾窓には、
様々の珍しい商品が並んでいた。珈琲店の軒には花樹が茂り、
町に日蔭のある情趣を添えていた。
四つ辻の赤いポストも美しく、煙草屋の店にいる娘さえも、
杏のように明るくて可憐であった。
かつて私は、こんな情趣の深い町を見たことがなかった。
一体こんな町が、東京の何所にあったのだろう。
私は地理を忘れてしまった。
しかし時間の計算から、それが私の家の近所であること、
徒歩で半時間位しか離れていない、
いつもの私の散歩区域にあることだけは、
確実に疑いなく解っていた。
しかもそんな近いところに、今まで少しも人に知れずに、
どうしてこんな町があったのだろう?
「どうしてこんな町があったのだろう?」を京都へ置き換えて読んでいます。
さて、次はどんなカフェ探検が待っているのやら・・・楽しみです。
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左京区カフェ探検 前へ 次へ
grill&cafe猫町
京都市左京区白川北大路下ル二筋目西入ル
Phone 075-722-8307
営業時間 12時~23時
定休日 火曜日 月一回定休
今回の探検隊員は、Pさん、TYさん、暁庵の三名でした。
9月15日12時半に白川通りの「ガケ書房」で待ち合わせました。
「ガケ書房」は、石垣から車が半分飛び出しているユニークな看板があり、
京都では有名な本屋さんだそうです。
外観にびっくりして興味津々で入ってみると、中は意外や、
ゆっくり本が選べるような物静かな空間を持つお店でした。
品揃えは幅広く、新刊から古書まで充実していますが、
京都造形大学が近いせいか、アートの本が多いようでした。

三人揃ったので、アート関係の雑誌を買ってカフェ「猫町」へ向かいました。
「猫町」は、Pさんの挙げてくれた候補から名前に惹かれて決めました。
店名は、萩原朔太郎の小説「猫町」から名付けられたとか。

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道路より少し高い処に入口の木の扉があり、アプローチの階段には
草木がびっしり植えられ、金水引がまだ花をつけています。
「猫町」と書かれたユニークな看板を見ながら、中へ入りました。
奥行のある店内は思ったより広く、落ち着きと温かみを感じるのは
柔かな自然光がそそぐ窓や古風な木製の調度のせいでしょうか。
黒光りする木のカウンターの向うにオーナーご夫婦が働いています。
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どの席にしようかしら?
窓側の席も居心地が良さそうでしたが、先客がいました。
それで、カウンターではなくテーブルの席を選びました。
1時を過ぎていたので、お腹がぺこぺこ、すぐにランチを注文しました。
ランチを待っている間に、PさんやTYさんと出逢ったときのこと、
京都の隠れた名所旧跡やイベントなどの情報、趣味や仕事のこと・・・
いつも楽しい時間です。
お話に熱中しているうちにランチが運ばれ、今度は食べることに熱中しました。
この日のランチは、琵琶湖マスのムニエル、野菜のスープ、夏野菜のサラダ、
ご飯、漬物です。量もちょうどよくお味も大満足で、1050円でした。
食べ終わってからランチの写真を撮るのを忘れたことに気が付きました。
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店内が広いので、他に数組お客様が居らしても気兼ねなく、
ゆっくりできるのが最高でした。
帰りに気になっていた木のカウンターのことをお尋ねしたら
「何の木かわかりませんが、旧家の梁に使われていた古材をそのまま使いました。
それで、木枠の穴を木材で埋めてあります。
十年使い込んだら、だんだん好くなりました・・・」
今度来店したら、このソファ(下の写真)で本を読もう・・と思いながら、
店をでました。ごちそうさま!
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「猫町」へ行ってからインターネットで小説「猫町」を読んでみました。
とても短い、朔太郎の夢と倒錯に満ちた、詩のような小説ですが、
次の部分がまるで左京区の「猫町」界隈のようで気に入っています。
小説「猫町」より一部転載します。
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・・・私は道に迷って困惑しながら、当推量で見当をつけ、
家の方へ帰ろうとして道を急いだ。
そして樹木の多い郊外の屋敷町を、幾度かぐるぐる廻ったあとで、
ふと或る賑やかな往来へ出た。
それは全く、私の知らないどこかの美しい町であった。
街路は清潔に掃除されて、鋪石がしっとりと露に濡れていた。
どの商店も小綺麗にさっぱりして、磨いた硝子の飾窓には、
様々の珍しい商品が並んでいた。珈琲店の軒には花樹が茂り、
町に日蔭のある情趣を添えていた。
四つ辻の赤いポストも美しく、煙草屋の店にいる娘さえも、
杏のように明るくて可憐であった。
かつて私は、こんな情趣の深い町を見たことがなかった。
一体こんな町が、東京の何所にあったのだろう。
私は地理を忘れてしまった。
しかし時間の計算から、それが私の家の近所であること、
徒歩で半時間位しか離れていない、
いつもの私の散歩区域にあることだけは、
確実に疑いなく解っていた。
しかもそんな近いところに、今まで少しも人に知れずに、
どうしてこんな町があったのだろう?
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「どうしてこんな町があったのだろう?」を京都へ置き換えて読んでいます。
さて、次はどんなカフェ探検が待っているのやら・・・楽しみです。
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左京区カフェ探検 前へ 次へ
grill&cafe猫町
京都市左京区白川北大路下ル二筋目西入ル
Phone 075-722-8307
営業時間 12時~23時
定休日 火曜日 月一回定休