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9月8日は白露(はくろ)です。
二十四節気の一つ。
太陽黄経が165度のときで、暦ではそれが起こる日ですが、天文学ではその瞬間だそうです。
夜間の大気が冷えてきて、草に降りた露が白く光るころ。
白露に因んで思い出すのは、在原業平の歌です。
白玉かなにぞと人の問ひし時
露とこたへて消(け)なましものを 在原業平(新古今集)
(歌の意) 草の上の露を、あれは真珠か、何なのかとあの人が問うた時、
あれは露ですと答えて、その露のように私も消えてしまえばよかったのに。
歌の出典は伊勢物語六段、「芥河」(あくたがわ)です。
女を盗み出して、芥河のほとりを行くとき、
女は無邪気に草の上の露を「あの白く光るものはなに」と男に尋ねます。
男はそれに答える余裕もないまま、「あばらなる蔵」に女を押し込めて、
追手から一晩戸口を守りますが、その間に鬼が女を「一口に」食ってしまう。
折からの雷鳴のために、悲鳴も聞こえなかったのです。
夜明け頃、女がいないことに気づいた男が、
「足ずりして泣けども、かひなし」
と悔しがり、泣きながら詠んだ歌です。
女を食う鬼とは、追手というより巨大な権力や抗えない運命を
指しているようです。
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この歌が好きで、「白露」(しらつゆ、はくろ)の色紙をMさんにお願いしました。
山荘ピンクハウスへ一緒に泊まった夜のことです。
寝言半分のような依頼だったのですが、Mさんから
「色紙が出来あがったのでIさんと1日に伺います」と電話を頂きました。
「山荘ピンクハウスでお茶を」のことを懐かしく話しながら茶飲み会をしました。
「濃茶をのんでみたい」とIさんから所望されていたので
名水点で濃茶と薄茶を差し上げました。
名水は秦野市にある「弘法の清水」です。
「濃茶ってまろやかでとても美味しいですね!」
と気に入っていただけたようです(・・良かった!)
濃茶は伊藤園の万歴の昔、
主菓子はIさん持参の岡三英堂(松江市)製「日の出前」、
干菓子は三溪園製「餡入り落雁」です。
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書のことが解らないので詳しく書けないのが残念ですが、
「これだ・・・」と思うまでの過程の墨書を持参して見せて頂きました。
たった二字「白露」がさまざまな表情で書かれていて、
書の持つ無限の世界を垣間見ました。
創意あふれる隷書で、二枚出来上がった色紙から一枚を選ばせてもらいました。
「白露」の時期だけでなく、茶席ではいろいろな露が登場しますので
どんな思いで色紙を掛けるか、とても楽しみになりました。
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二十四節気の一つ。
太陽黄経が165度のときで、暦ではそれが起こる日ですが、天文学ではその瞬間だそうです。
夜間の大気が冷えてきて、草に降りた露が白く光るころ。
白露に因んで思い出すのは、在原業平の歌です。
白玉かなにぞと人の問ひし時
露とこたへて消(け)なましものを 在原業平(新古今集)
(歌の意) 草の上の露を、あれは真珠か、何なのかとあの人が問うた時、
あれは露ですと答えて、その露のように私も消えてしまえばよかったのに。
歌の出典は伊勢物語六段、「芥河」(あくたがわ)です。
女を盗み出して、芥河のほとりを行くとき、
女は無邪気に草の上の露を「あの白く光るものはなに」と男に尋ねます。
男はそれに答える余裕もないまま、「あばらなる蔵」に女を押し込めて、
追手から一晩戸口を守りますが、その間に鬼が女を「一口に」食ってしまう。
折からの雷鳴のために、悲鳴も聞こえなかったのです。
夜明け頃、女がいないことに気づいた男が、
「足ずりして泣けども、かひなし」
と悔しがり、泣きながら詠んだ歌です。
女を食う鬼とは、追手というより巨大な権力や抗えない運命を
指しているようです。
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この歌が好きで、「白露」(しらつゆ、はくろ)の色紙をMさんにお願いしました。
山荘ピンクハウスへ一緒に泊まった夜のことです。
寝言半分のような依頼だったのですが、Mさんから
「色紙が出来あがったのでIさんと1日に伺います」と電話を頂きました。
「山荘ピンクハウスでお茶を」のことを懐かしく話しながら茶飲み会をしました。
「濃茶をのんでみたい」とIさんから所望されていたので
名水点で濃茶と薄茶を差し上げました。
名水は秦野市にある「弘法の清水」です。
「濃茶ってまろやかでとても美味しいですね!」
と気に入っていただけたようです(・・良かった!)
濃茶は伊藤園の万歴の昔、
主菓子はIさん持参の岡三英堂(松江市)製「日の出前」、
干菓子は三溪園製「餡入り落雁」です。
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書のことが解らないので詳しく書けないのが残念ですが、
「これだ・・・」と思うまでの過程の墨書を持参して見せて頂きました。
たった二字「白露」がさまざまな表情で書かれていて、
書の持つ無限の世界を垣間見ました。
創意あふれる隷書で、二枚出来上がった色紙から一枚を選ばせてもらいました。
「白露」の時期だけでなく、茶席ではいろいろな露が登場しますので
どんな思いで色紙を掛けるか、とても楽しみになりました。
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