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2月24日、茶友Tさんから柳逢庵の茶事へ招かれました。
当初8日の予定でしたが、ご家族全員がインフルエンザにかかり、
日程を延期して招いてくださいました。
茶事の延期がどんなに大変なことだったか・・・ありがたく感謝しています。
茶事のあれこれを書き始めましたが、何度書いても気に入らず、困りました。
Tさんに差し上げた礼状を少しだけアレンジして忘備録といたします。
お読み頂けると嬉しいです・・・。
Tさまへ
今日は春の雨、一雨ごとに春色に包まれていきます。
先日の柳逢庵でのひと時を想い出し、余韻に浸っております・・・。
手厚いおもてなしの数々を頂戴し、誠にありがとうございました。
遠州好みを感じる広間の待合、お庭の腰掛待合、美味しい懐石など、
どれもこれも素晴らしいのですが、
脳裏から離れないのが柳逢庵(四畳向切)での濃茶のシーンでした。
向切の初炭手前から始まって、
仙叟好み柏釜(十二代寒雉作)との出合いのエピソード、
黒鉄の炉壇、香立つ蝋梅の炉縁、粋な風炉先窓から射し込む柔かな光、
そしてあっと驚く立礼席への変身など
ご亭主のお好みと茶室をつくられたMさまの力量に感心しながら
ご連客のKさま、Yさま、Hさまと、さまざまに愉しませて頂きました。
後座になって張りつめた気色の中、濃茶点前をなさるお姿は
一幅の絵のようでございました・・・
台目床には白椿と紅梅が高取の花入へ生けられ、
柏釜から吹き上る湯気の動き、
小振りながら時とともに存在感が増す大樋の水指、
形と釉薬の景色が心惹かれる茶碗、
そして優しい色合いの間東の仕覆が脱がされ、朝鮮唐津の茶入が・・・
群青色の御召し物のご亭主が捌く紅の帛紗、
形、色、気・・・すべてが一体となって「妙」なる空間を感じました。
アツアツの濃茶が出され、無事に皆で回し飲むシアワセを噛みしめました。
金沢の御茶は、香高く甘みと苦味が程よく美味しゅうございました。
虎屋のうぐいす餅(最終販売日だとか・・)もさすが絶品ですね。
きなこを口の周りにいっぱいつけたままだったらしく、
中立で三客Yさまがやさしく拭いてくださいました・・・。
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「茶事は濃茶にあり」という先人の言葉が素直に心に響いてくる、
そんな茶事を体験することができました。 ありがとうございます。
いつも感心することですが、半東Hさまや水屋Tさまとのチームワークが
素晴らしく、うらやましく思いました。
故郷からお取り寄せの食材や自宅で丹精された旬の野菜が並ぶ懐石や
八寸(手づくりカラスミと自家製フキノトウ天ぷら)を舌鼓を打ちながら
賞味させて頂き、感謝申し上げます。
京都の拙宅へも皆さまお揃いでいらして頂けたら、嬉しゅうございます。
天候不順の折、くれぐれもお体に気を付けてください。
平成24年2月吉日 暁庵
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雨上りいずこも優しき春の苑
尾長鳥舞ふ茶事の朝かな
(写真は季節の花300の提供です)
思い出の茶事 前へ 思い出の茶事 トップへ
当初8日の予定でしたが、ご家族全員がインフルエンザにかかり、
日程を延期して招いてくださいました。
茶事の延期がどんなに大変なことだったか・・・ありがたく感謝しています。
茶事のあれこれを書き始めましたが、何度書いても気に入らず、困りました。
Tさんに差し上げた礼状を少しだけアレンジして忘備録といたします。
お読み頂けると嬉しいです・・・。
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Tさまへ
今日は春の雨、一雨ごとに春色に包まれていきます。
先日の柳逢庵でのひと時を想い出し、余韻に浸っております・・・。
手厚いおもてなしの数々を頂戴し、誠にありがとうございました。
遠州好みを感じる広間の待合、お庭の腰掛待合、美味しい懐石など、
どれもこれも素晴らしいのですが、
脳裏から離れないのが柳逢庵(四畳向切)での濃茶のシーンでした。
向切の初炭手前から始まって、
仙叟好み柏釜(十二代寒雉作)との出合いのエピソード、
黒鉄の炉壇、香立つ蝋梅の炉縁、粋な風炉先窓から射し込む柔かな光、
そしてあっと驚く立礼席への変身など
ご亭主のお好みと茶室をつくられたMさまの力量に感心しながら
ご連客のKさま、Yさま、Hさまと、さまざまに愉しませて頂きました。
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後座になって張りつめた気色の中、濃茶点前をなさるお姿は
一幅の絵のようでございました・・・
台目床には白椿と紅梅が高取の花入へ生けられ、
柏釜から吹き上る湯気の動き、
小振りながら時とともに存在感が増す大樋の水指、
形と釉薬の景色が心惹かれる茶碗、
そして優しい色合いの間東の仕覆が脱がされ、朝鮮唐津の茶入が・・・
群青色の御召し物のご亭主が捌く紅の帛紗、
形、色、気・・・すべてが一体となって「妙」なる空間を感じました。
アツアツの濃茶が出され、無事に皆で回し飲むシアワセを噛みしめました。
金沢の御茶は、香高く甘みと苦味が程よく美味しゅうございました。
虎屋のうぐいす餅(最終販売日だとか・・)もさすが絶品ですね。
きなこを口の周りにいっぱいつけたままだったらしく、
中立で三客Yさまがやさしく拭いてくださいました・・・。
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「茶事は濃茶にあり」という先人の言葉が素直に心に響いてくる、
そんな茶事を体験することができました。 ありがとうございます。
いつも感心することですが、半東Hさまや水屋Tさまとのチームワークが
素晴らしく、うらやましく思いました。
故郷からお取り寄せの食材や自宅で丹精された旬の野菜が並ぶ懐石や
八寸(手づくりカラスミと自家製フキノトウ天ぷら)を舌鼓を打ちながら
賞味させて頂き、感謝申し上げます。
京都の拙宅へも皆さまお揃いでいらして頂けたら、嬉しゅうございます。
天候不順の折、くれぐれもお体に気を付けてください。
平成24年2月吉日 暁庵
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雨上りいずこも優しき春の苑
尾長鳥舞ふ茶事の朝かな
(写真は季節の花300の提供です)
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茶事って本で書いてある通りではなく その時に亭主の心入れを楽しみ 感謝し 一座建立ですね。
京都にお出でをお待ちしています。お知恵も拝借したいです。
一緒に遊んで下さい。
柳逢庵の茶事、気に入っていただけたようですね。
本当にステキな茶事でした・・・。
その人その人で個性が違うので、いろいろな茶事があっていいと思うし、
そんな茶事に招かれて幸せでした。
コメントで応援してくださった当ブログですが、もうじき終了いたします。
何でも言いたいことがありましたら、今のうちにお願いしますね・・・。
このブログは京都に来られましたら違う形になるのでしょうか?
このブログを楽しみにいているひいらぎは是非京都暮らしの報告をされて下さいね。楽しいですよ京都は 飽きませんよ。
お楽しみに~!
しばらくはのんびり京都生活を楽しみたいと思います。
いろいろな意味での、大切な充電タイムです。
ワクワクしていますが、昨夜ダウンしました。
引っ越し準備の疲れがでたようです・・・。