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12月25日、クリスマスの茶事へ伺いました。
ご亭主のOさんと知り合ったのはほんの1か月前ですが、
何か響きあうご縁を感じ、メールでの交流が始まりました。
「ご丁寧な自己紹介をありがとうございます。
・・・いつか、Kさんと私をご自宅での一服へお誘いください。
くれぐれも無理はなさらないでください・・・」
そんなメールがきっかけになって、クリスマスの日に茶事へお招き頂きました。
お手紙に添えられた地図を見ながら、見知らぬ街を辿ると、
閑静な住宅地の一画にOさん宅がありました。
仕事場である診察室兼書斎が待合になっていて、つい物珍しくキョロキョロ。
半地下のような設計になっている待合(書斎)の窓から庭の木々が眺められ、
山中の景を思わせます。
文透かしの煙草盆に黄瀬戸の火入が置かれていました。
Kさんが板木を打つと、熱い昆布茶がだされました。
半東なしで、Oさんお一人でこなされています。
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(人待ち顔の黄瀬戸火入の灰型)
初めてのお宅で、「茶室はどこかしら?」状態ですが、
実は此のへんがとっても楽しいのです。
ご案内に従い、玄関から露地草履を履き、建物をぐるっと半周すると、
庭へ入る木戸があり、その向こうに椅子が二つ用意されていました。
向うに蹲が見え、筧の水音が清らかに響いてきました。
まもなく、庭に面したガラス戸が開けられ、ご亭主が現れました。
蹲をつかい、挨拶を交わし、
「どうぞお入りください。こちらに踏み台が置いてございます」
蹲をつかい、中へ入ると窓の板間から一段と下がったところに廊下があり、
その向こうが障子の入った四畳半の茶室になっていました。
床には足立泰道老師の筆で「無事」、
釜は平丸筋釜、海老のカン、地紋に海老の髭が意匠されています。
改めてご亭主とご挨拶を交わしました。
「茶事をする機会がありませんので
仕事の合間に茶事のことをあれこれ考えたりして、
楽しみながら今日を迎えることができました」
というご亭主の言葉が嬉しく、安堵しました。
炭手前が始まりました。
ご趣向で、初炭所望となり、炭を置かせて頂きました。
炭の置き方ですが、何も考えずに、火が熾きるように隙間を開けて置きましたが、
あとで研究会でお教えいただいた冨士田先生のお言葉を思い出しました。
「懐石、中立の後の濃茶に合わせて、炭を置くように・・・。
懐石の時間の長短、人数にもよりますが、早めに沸きすぎる傾向があるので、
初炭の置き方は火がゆっくり熾きる工夫がほしい・・・」
というような内容でした。
すぐに火が真っ赤に熾って、
「濃茶まで火勢が持つかしら?」と心配になりました。
香合はかわいらしい雪だるま、隅田川焼です。
香銘も香元もはじめて伺う京都のものをご用意いただきましたが、
失念してしまい、ごめんなさい。
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「軽い点心で・・・」とのことでしたが、
寒菊の葉や紅葉をあしらった盛付が美しく、一つ一つ嘆声を上げたくなるほど
美味しい点心で、Kさんと感激しながら賞味しました。
煮物椀は、カニ真蒸のクリスマスツリーで星形の柚子が添えられ、
モミの木を連想するヨモギ麩(?)とともに美味しく頂きました。
お持ち出しをお願いし、ご亭主と歓談しながら頂けたのも良かったです。
やがて主菓子が出され、中立となりました。
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クリスマスの茶事へ招かれて (2)へ
写真は、神戸異人館のクリスマスの飾りつけです。
ご亭主のOさんと知り合ったのはほんの1か月前ですが、
何か響きあうご縁を感じ、メールでの交流が始まりました。
「ご丁寧な自己紹介をありがとうございます。
・・・いつか、Kさんと私をご自宅での一服へお誘いください。
くれぐれも無理はなさらないでください・・・」
そんなメールがきっかけになって、クリスマスの日に茶事へお招き頂きました。
お手紙に添えられた地図を見ながら、見知らぬ街を辿ると、
閑静な住宅地の一画にOさん宅がありました。
仕事場である診察室兼書斎が待合になっていて、つい物珍しくキョロキョロ。
半地下のような設計になっている待合(書斎)の窓から庭の木々が眺められ、
山中の景を思わせます。
文透かしの煙草盆に黄瀬戸の火入が置かれていました。
Kさんが板木を打つと、熱い昆布茶がだされました。
半東なしで、Oさんお一人でこなされています。
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(人待ち顔の黄瀬戸火入の灰型)
初めてのお宅で、「茶室はどこかしら?」状態ですが、
実は此のへんがとっても楽しいのです。
ご案内に従い、玄関から露地草履を履き、建物をぐるっと半周すると、
庭へ入る木戸があり、その向こうに椅子が二つ用意されていました。
向うに蹲が見え、筧の水音が清らかに響いてきました。
まもなく、庭に面したガラス戸が開けられ、ご亭主が現れました。
蹲をつかい、挨拶を交わし、
「どうぞお入りください。こちらに踏み台が置いてございます」
蹲をつかい、中へ入ると窓の板間から一段と下がったところに廊下があり、
その向こうが障子の入った四畳半の茶室になっていました。
床には足立泰道老師の筆で「無事」、
釜は平丸筋釜、海老のカン、地紋に海老の髭が意匠されています。
改めてご亭主とご挨拶を交わしました。
「茶事をする機会がありませんので
仕事の合間に茶事のことをあれこれ考えたりして、
楽しみながら今日を迎えることができました」
というご亭主の言葉が嬉しく、安堵しました。
炭手前が始まりました。
ご趣向で、初炭所望となり、炭を置かせて頂きました。
炭の置き方ですが、何も考えずに、火が熾きるように隙間を開けて置きましたが、
あとで研究会でお教えいただいた冨士田先生のお言葉を思い出しました。
「懐石、中立の後の濃茶に合わせて、炭を置くように・・・。
懐石の時間の長短、人数にもよりますが、早めに沸きすぎる傾向があるので、
初炭の置き方は火がゆっくり熾きる工夫がほしい・・・」
というような内容でした。
すぐに火が真っ赤に熾って、
「濃茶まで火勢が持つかしら?」と心配になりました。
香合はかわいらしい雪だるま、隅田川焼です。
香銘も香元もはじめて伺う京都のものをご用意いただきましたが、
失念してしまい、ごめんなさい。
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「軽い点心で・・・」とのことでしたが、
寒菊の葉や紅葉をあしらった盛付が美しく、一つ一つ嘆声を上げたくなるほど
美味しい点心で、Kさんと感激しながら賞味しました。
煮物椀は、カニ真蒸のクリスマスツリーで星形の柚子が添えられ、
モミの木を連想するヨモギ麩(?)とともに美味しく頂きました。
お持ち出しをお願いし、ご亭主と歓談しながら頂けたのも良かったです。
やがて主菓子が出され、中立となりました。
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クリスマスの茶事へ招かれて (2)へ
写真は、神戸異人館のクリスマスの飾りつけです。